信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】デオンテイ・ワイルダーの大復活と、アントニオ・ラッセルvsエマニュエル・ロドリゲス!

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ボクシングファンは大忙しだったはずの10/16(日本時間)。

FOXのPPVで放映されたPBC興行、デオンテイ・ワイルダーvsロバート・ヘレニウスは、アメリカでは10,000円ほどの金額を払わなければ視聴できない興行です。

この興行は、なぜか日本ではWOWOWとU-NEXTで生配信。いずれにしても、2000円と数百円で視聴できる環境というのは、恵まれています。

それでも、WOWOWはPPVファイトの4試合中3試合と微妙なラインナップで、最も興味をひかれるゲイリー・アントニオ・ラッセルvsエマニュエル・ロドリゲスの一戦が放映されない、という事態。

これは非常にもったいなくて迷ったのですが、U-NEXTに加入して全4試合を視聴することにしました。この1試合がまた初戦のように開始十数秒で終わったら、泣くだろう。

ということで今回は、ワイルダーvsヘレニウスをメインに据えたPBC興行の観戦記。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 


10/15(日本時間10/16)アメリカ・ニューヨーク

ゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)19勝(12KO)無敗

vs

エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)20勝(13KO)2敗

前戦は開始16秒、バッティングで終わってしまった試合の再戦です。

アントニオ・ラッセルは、パヤノ戦もバッティングで終了しており、バッティングしやすいボクサーなのだと思われます。今戦も、ロドリゲスには十分気をつけてもらいたい。たぶんラッセルは気をつけないので。

試合開始。

遠くで英語実況が流れながら、その現地映像にそのまま日本語実況+解説を載せた映像というのはなかなかに不思議なものです。普通は現地映像の実況+解説は入れないと思うのですが、まさにFIGHT SPORTSで流れているものそのものに日本語の実況解説を入れただけなのでしょう。第一弾だからそうなのか、それとも今後もそうなのか。

ともあれ初回、意外とプレスをかけていくのはロドリゲス。それを振り払うように思いのほかストレート系のパンチを放っていくのはラッセル。

ラッセルもロドリゲスももっと慎重にいくかと思いましたが、両者ともにかなりアグレッシブ。

ラッセルの攻撃に対してはスッとバックステップ、もしくはやはりカウンターを合わせ始めているロドリゲス。ラッセルのジャブに左フック、からのコンビネーションで左ボディをヒット。さすが。

そしてラウンド終盤、ラッセルの左ストレートをかわしての右カウンターをヒットしたロドリゲス、そこから早くもラッシュ。この中でロドリゲスはラッセルに明らかなダメージを与えたようにも見えました。

 

2R、ラッセルのジャブには左フック、踏み込んでのワンツーには右ボディアッパーや右ストレート、次々とカウンターを狙うロドリゲス。ラッセルのジャブは鋭いですが、ロドリゲスにしっかりと見切られているように見えます。

ロドリゲスは素晴らしい戦いを展開しています。少し気が弱いイメージがありますが、今日は全然そういった面を見せません。

3R、下がりながらの戦いにもかかわらず退かない、というイメージのロドリゲス、これはガバリョ戦で大きく足を使ってクリーンヒットで大きく上回りながらも評価されなかった、というのがあるのかもしれません。

ロドリゲスはもうラッセルを完全に見切ったか、ノーガードでラッセルを誘い、ラッセルのジャブに対して頭を前に倒しながら右。

ラッセルはボディジャブ、ボディストレートを多用、これはしっかりとロドリゲスに届いており、頭の位置も変えるためロドリゲスもカウンターを取りづらいか。

4R、先手はラッセル、カウンターのロドリゲス。序盤に攻め込んだラッセルに対して、ロドリゲスの右カウンターがヒット!これで足をばたつかせたラッセル!チャンスどころですが、慎重なロドリゲスは深追いせず。

ノーガードでプレスをかけ、ラッセルを誘いさらなるカウンターを狙います。

中盤にもカウンターでぐらついたラッセル!それでもロドリゲスはじっくりと待ち、自分の得意なファイトステージから一切出てきません。

ここでロドリゲスがストップを狙って前に出ればラッセルにもチャンスが生まれそうですが、そうはなりません。

 

5R、序盤、ラッセルがチャージ!ビハインドを理解している、ということでしょう。

しかしロドリゲスは下がりながらの対応でこの攻撃をいなし、近づかれればクリンチでしのぎます。ラッセルは顔面へのパンチはジャブくらいしか当たりませんが、やはりボディは効果的。下から攻めたいところです。

ラウンド後半、ラッセルの攻勢が弱まるとロドリゲスはプレス、ワンツーで攻め込みます。

6R、序盤はやはり前進するラッセル。ラッセルはワンツーのツーを打つ時に頭が前に出る時があり、この言葉バッティングを誘発していそうです。このラウンドの序盤、頭をぶつけ合ったように見えました。

そして後半はやはりロドリゲス。何でもないワンツーが結構しっかりとはいっているイメージで、逆にラッセルの左ストレートは当たりません。

7R、この展開を変えられないラッセル。ロドリゲスのワンツーは見た目以上に伸びてくるのか、ラッセルはバックステップしても躱しそこねているように見えます。

ロドリゲスはもうかなり余裕をもって戦っているようにみえ、ごく最小のスウェーでラッセルのストレートを躱しており、ほとんどノーガード。

「パンチを出せばカウンターが飛んでくる」という状態のラッセルは、かなり戦いづらくなってしまっています。序盤に比べ、大きく手数が減っています。

 

8R、早々にラッセルがチャージ!もう勝負をかけなければいけない、という判断のようです。

強引めに振ってくるラッセル、ボディも含めてかなり力強いパンチを振るうも、そこをロドリゲスに狙われます。

終盤、ラッセルのローブローによるタイム、その再開後の最終盤、ラッセルの大振りの左にあわせた右カウンターが炸裂!もんどりうってラッセルはダウン!!!

レフェリーはテンカウントを数え上げたように見えましたが、何とか立ち上がったラッセルはフラフラ。何とか自陣のコーナーに戻り、なぜか少々の時間立って休んだ後イスに座り、まだ続くようです。

ちょっとこのレフェリングは微妙ですね。カウント時、レフェリーは両手の指10本を広げ終わっており、明らかにテンカウントを数えています。

9R開始後もドクターチェックを受けさせ、時間稼ぎをしたと言われても仕方のない対応のレフェリー。今回も、ロドリゲスの敵はラッセルだけではないかもしれません。

このラウンドもまだまだ冷静なロドリゲス、プレスをかけつつもチャージはせず、じっくりと見てラッセルを誘っています。

ラッセルは足にきていて踏み込めないのかもしれません、ジリジリと歩くように前進する場面こそあれ、鋭い踏み込みはほとんどありませんし、少々の揉み合いで倒れると、足元を明らかに気にしています。

そして後半、意を決して踏み込んだラッセルの頭が思い切りロドリゲスにヒット!ロドリゲスは後ろを向いて倒れてしまうほどのダメージを被ります。

 

スローが流れますが、これは「第3のパンチ」のパーフェクトなクリーンヒット。これは痛い。。。ロドリゲスは大丈夫か?再開後まもなくラウンド終了。

10R、開始早々にドクターがチェック、右目下から出血のあるロドリゲスの状態をみて、試合はストップ。

勝負は負傷判定となり、不安ではありましたが100-90、99-91、97-93でエマニュエル・ロドリゲス。いやぁ、良かった。

しかしエマニュエル・ロドリゲス、素晴らしいファイトを見せてくれました。ラッセルも非常によくがんばりましたが、ロドリゲスの方がすべてにおいて丁度1枚くらい上手でしたね。

これまで見た中で、ポテンシャルを大いに発揮したベストバウトのようにも思いました。

もう、満足です。

 

フランク・サンチェス(キューバ)20勝(13KO)無敗

vs

カルロス・ネグロン(プエルトリコ)25勝(20KO)3敗

しかし、興行はまだまだ続きます。ヘビー級プロスペクト、フランク・サンチェス。

対戦相手のプエルトリカン、ネグロンはロドリゲスに触発されてアップセットを起こせるか。

初回、ネグロンの大きさが目につきますが、ファーストヒットはサンチェスのジャブ。初回、ネグロンはほとんどジャブのみ、サンチェスは結構思い切って攻め込む姿が印象的。

2R、リング中央を陣取るのはサンチェス、ゆっくりと回りながらジャブを突くネグロン。互いに警戒心が強いのか、ほとんどジャブのみの戦いに終始。

3R、ネグロンの長い長いジャブになかなか中に入れないサンチェス。ネグロンは本当にジャブしか打たないですが、このジャブがどんどん当たる様になってきたように思います。さっきのラッセルvsロドリゲスに比べ、個人的な注目度の低さもあってか恐ろしいほど面白くありません。

4R、展開は変わらず、ときにサンチェスが強引な踏み込みを見せますが、それ以外はジャブの差し合い。5Rもさほど変わらない中で、サンチェスがガードを固めてガードの上にジャブを打たせるような素振り。ここから手の届く位置に踏み込めれば良いのですが。

 

6R、ジャブがよく出るネグロンになかなか近づけないサンチェス。サンチェスは少しプレスを強めて、これまで以上に前進することを意識しているように見えます。

サンチェスは強引に右を振るい、それがヒットすると距離を詰めてようやく左フックが当たる距離に!それ以降はやや距離が詰まったような印象で、サンチェスのジャブも当たるような距離。

7R、ガードをしっかりと掲げてプレスをかけるサンチェス。これまでよりも随分と「動かされる」雰囲気のネグロン。これはサンチェスのプレスが効いてきた、ということで良いでしょう。

8R、サンチェスがしっかりとガードを上げた分、ネグロンのジャブのクリーンヒットは減っています。加えて、プレッシャーを感じてか手数も減っています。

サンチェスはジリジリとプレスをかけてから飛び込みの左フック、良い攻撃を見せています。

9R、ガードを固めて前に出る戦い方に手応えを感じているのでしょう、サンチェスはグイグイとプレス。そして30秒すぎ、ネグロンのジャブに合わせて右がカウンター気味にヒット、ネグロンはダウン!!

立ち上がったネグロンに対して怒涛のチャージ、ネグロンも必至に応戦するも徐々に力がなくなっていきます。サンチェスもラッシュ疲れが見えますが、サンチェスが左フックをヒットしたところでレフェリーがストップを宣告。

ヘビー級らしい試合で、フランク・サンチェス、9RTKO勝利。

しかし、現在のヘビー級のトップ戦線に行くには、なかなか厳しいかもしれませんね。

 

ケイレブ・プラント(アメリカ)21勝(12KO)1敗

vs

アンソニー・ディレル(アメリカ)34勝(25KO)2敗2分

ケイレブ・プラントの復帰戦。カネロ戦からということなので、結構なブランクのあと、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか。

相手は強豪、アンソニー・ディレル。元世界王者同士のサバイバルマッチは、この階級(からカネロがいなくなると過程すれば)の今後を占う重要な一戦です。

さて、ゴング。

まずはプラントのボディジャブ。その後も得意のハンドスピードを活かしたボクシングでプラントが先手をとります。ディレルはやや後塵を拝すものの、カウンターを狙い、ヒリヒリとした緊張感の漂う初回。

静寂のフェイント合戦から、後半は浅いヒットを奪い合う打撃戦。

2R、プラントが右まわりにゆっくりとサークリング、中間距離での距離の測りあい、フェイントのかけあいが続きます。

中盤、ディレルがジャブをヒットすればプラントもトリプルジャブをヒット、その後ディレルは右カウンターを浅くヒットと両者譲りません。

 

3R、ディレルも攻め始めました。体ごと突進していくようなディレルの攻撃は、プラントの見事なディフェンステクニックに躱されます。

ディレルはその後、レフェリーに何かしら楯突いており、エキサイトしているように見えますが、ここまではそのボクシング自体は非常に冷静です。

4R、今度はプレスをかけ始めたディレル。プラントは下がりつつ、突如右から左を放って逆に攻め入ります。

やや単発気味なディレルに対して、コンビネーションのつなぎの素晴らしいプラントは、2発3発と打って行くほかに下から攻めるというバリエーションが豊富。ディレルは右カウンター、左フックカウンターに託しているようなイメージ。

5R、序盤に軽い右からの左ストレートをヒットしたプラント、押されたディレルはバランスを崩します。後半にもプラントがタイミングとアングルをずらしたコンビネーションで攻め入る場面をつくり、ディレルの反撃はステップとボディムーブでしっかりと躱します。

6Rも展開は変わらず、プラントのコンビネーションは素早く、多彩でディレルはあまり対応できていないように見えます。結果、ディレルはブロッキング主体のディフェンスとなり、これは速いコンビネーションに対抗するためには、ディレルにとっては最適解かもしれませんね。

7Rも大きな動きの無い両者に対して、会場は大きなブーイング。ディレルはレフェリーになにかをアピールしており、イライラしているかもしれません。

8R、序盤、互いに手数を出し合い、ここから打撃戦かと思ったところでしたが、その後ディレルがサウスポーにスイッチすると両者ともに手数が減ります。会場からはまたブーイング。

一瞬カチ合うタイミングでの攻防は非常に見応えのあるものですが、ちょっと速すぎて見えないのと、それ以外の時間のアクションがなさすぎるのが観客の不満の原因でしょう。

 

9R、ディレルが攻め込めばプラントはステップとボディムーブでかわし、プラントがコンビネーションを打てばディレルはブロッキング。

こうしてクリーンヒットは少ない中、12Rまで行くかと思ったさなか、ディレルのワンツーがヒット!ぐらついたプラントに攻め入るディレル!しかしレフェリーがディレルに注意を与えた時間があり、これはプラントにとって有り難い時間だったかもしれません。

その後ディレルはなかなか攻めきる事ができず、サウスポーにスイッチする等色々と試しますが実らず。

終盤、プラントが左ボディ、それにあわせようとしたディレルが左フックを振るうと、それにあわせてプラントが左フックカウンターをヒット!これで膝から崩れ落ちたディレル!レフェリーはストップ!!!

ケイレブ・プラント、9RTKO勝利!!

とてつもないノックアウト勝利でした、プラント。その後しばらく立てなかったディレル、大丈夫でしょうか。。。?

ハイレベルな一瞬の攻防がありつつも、それ以外の時間はアクションが少なく、やや退屈だと感じる方もいたかもしれない今回の試合。

ラストラウンドとなった9Rは素晴らしいラウンドで、ディレルも見せ場をつくりながらのプラントのBRUTALノックアウト。

このKOは今後プラントのハイライトに使われまくるでしょうね。

 

デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)42勝(41KO)2敗1分

vs

ロバート・ヘレニウス(フィンランド)31勝(20KO)3敗

WBC世界ヘビー級タイトル・エリミネーションバウトとして開催されるこの試合。

もう一人のWBCエリミネーターとしてはアンディ・ルイス(アメリカ)が勝ち上がってきており、勝者はアンディ・ルイスとファイナル・エリミネーターを戦い、その勝者はWBC王者、タイソン・フューリーへの挑戦権を得る、という試合。

やっぱり大人気、デオンテイ・ワイルダーは今回、なんと214.5lbsという低体重で、ロバート・ヘレニウスの253.25lbsとは17kg以上の差があります。

体も見るからに痩せっぽちとなったワイルダー、今回は何を思ってこの体重にしたのか。

さて、ゴング。

体の厚みが全然違います。

ワイルダーは非常にぎこちないファイティングポーズからスムーズでないフットワークを使って、アウトボクシング?

このために、ウェイトを抑えたのかもしれません。

対してヘレニウスはプレスをかけ、右をワイルダーの体に当てるとワイルダーは吹っ飛びます。

元々スパーリングパートナーだった、という両者、ワイルダーはヘレニウスの強さをわかっており、これは作戦なのかもしれませんし、ただ単に調整失敗の感も拭えません。

 

それでもワイルダーは左右に動きつつ、ジャブから大きな右!この右は当たりませんでしたが、会場は湧き立ちます。やはりワイルダーに期待されているのは、この右です。

しかしその後もワイルダーはステップを使いつつ手数は控えめ、2分ほどのところでは珍しくコンビネーション。ただ、これはナックルもあっちこっち向いていて、あまり良いコンビネーションとは言えませんでした。

それは当然のようにヘレニウスに当たらず、ヘレニウスがプッシュするとワイルダーはロープまで飛ばされます。

これ、ワイルダーは大丈夫なのでしょうか?

ジリジリとプレスをかけるヘレニウス、下がってコーナー付近まで下がるワイルダー。

ワイルダーがコーナーを背にしたところで、ヘレニウスが攻め込みます。

すると、ヘレニウスがダウン!!

目を見開き身動きが取れないヘレニウス、これで試合が終了!!!

ヘレニウスが攻め込んだところで、ワイルダーがコンパクトな右をヒットしていたようです。私には何が起こったかわかりませんでした。

 

結局、ワイルダーを相手にすると、どんなに優勢に試合を進めていたとしても「2秒」なのですね。これはちょっと意味不明すぎて、良いものが見れました。

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↓同日に行われたオーストラリア興行の観戦記!!

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