信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ワシル・ロマチェンコvsジャーメイン・オルティス!ロベイシー・ラミレスはまたも強さを発揮!

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ワシル・ロマチェンコがリングに戻ってくる。

アメリカはニューヨーク、聖地マディソン・スクエア・ガーデンで約11ヶ月ぶりのハイテク登場は、日本のボクシングファンにとっても非常に興味深い出来事です。

ロマチェンコは前戦でリチャード・コミーに完勝、テオフィモ・ロペス戦でのまさかの敗北から良い形での2連勝を飾っていました。そして当時の4団体統一王者、ジョージ・カンボソスJrは無冠ながらもライト級最強と目されたロマチェンコを指名、カンボソスの侠気によりロマチェンコの王座返り咲きはほぼ確実視されていた状況でした。

 

そこで起こったのが、ロシアによるウクライナ侵攻。

その事により、ロマチェンコは一旦リングを去る事になりました。

ロマチェンコにしろ、ウシクにしろ、このブランクは非常に痛いものです。

しかし、ウシクは戻り、そして今回、ロマチェンコもリングに戻ってきてくれました。

ロシアのウクライナ侵攻にカタはついておらず、思うところもあるでしょう。ただ、ボクシングファンとしてはやはりロマチェンコがリングに戻ってきてくれた事は非常に嬉しい。

ということで今回のブログでは、ロマチェンコのリング復帰戦となる、vsジャーメイン・オルティス戦です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 


10/29(日本時間10/30)アメリカ・ニューヨーク

プレリムスでは、オリンピアンたちが登場。デューク・ラガン、トロイ・アイズリー、タイガー・ジョンソンたちは順当に勝利、そしてニコ・アリ・ウォルシュも順当に勝利してメインカードを迎えます。

セミセミはニコ・アリかと思っていましたが、東京五輪スーパーヘビー級銀メダリストのリチャード・トーレスJr。WOWOWもここから放送してくれるようですね。

リチャード・トーレスJr(アメリカ)3勝(3KO)無敗

vs

アーメド・ヘフニー(エジプト)13勝(5KO)2敗

初回のゴング、右手を少し前に出したサウスポー、トーレスが早々にプレス。ヘフニーは既にビビっているように見えます。ここで決められればおいしいトーレスですが、ヘフニーもはぐらかしながらエスケープ。

中盤頃にはヘフニーが少し慣れてきたか、と思った後半、ロープに詰まったヘフニーをトーレスの左オーバーハンドがヒットするとヘフニーはダウン。立ち上がったヘフニーは何とかエスケープ、初回終了のゴング。

2Rもいきなりプレスのトーレス。非常にアグレッシブ、マッチョな血流を持つトーレスの前進は止まりません。

 

このようなファイタースタイルながらも、しっかりとしたボクシングを展開しながら攻めるトーレス、そこら辺の軽量級、中量級のぶん回す系メキシカンよりもボクシングが上手いヘビー級メキシカン・アメリカンというボクサーは不思議なものです。

後半、左オーバーハンドを起点にアングルを変えたフックをヒット、ヘフニーは2度目のダウン。立ち上がったところでラウンドが終了。

3R、トーレスは足を使った追い方も上手い。完全にノックアウトを狙ったボクシングを展開するトーレス、ヘフニーもここは応戦。しかし近い距離ではトーレスの的確なパンチ、パワーで敵わず、ホールドで減点されるもヘフニーはまだ諦めず。

何とかエスケープを試みるヘフニーに、トーレスは右フックをヒット、次いで右ボディを叩きつけたところでヘフニーは膝を折ってダウン、ここでレフェリーがストップ。

リチャード・トーレスJr、3RTKO勝利!

東京五輪決勝であのバホディル・ジャロロフを相手にも果敢に攻め込み、大善戦したリチャード・トーレスJr。このレベルの相手では相手にはなりませんね。ただまだプロ4戦、もう少しキャリアの形成は必要そうです。ここからあと2〜3年くらいは、豪快なノックアウト勝利をいくつも見せてくれそうで、注目のボクサーですね。

 

ロベイシー・ラミレス(キューバ)10勝(6KO)1敗

vs

ホセ・マティアス・ロメロ(アルゼンチン)26勝(9KO)2敗

五輪2連続ゴールドメダリスト、ロベイシー・ラミレス。対戦相手は、イサック・クルス、ミシェル・リベラに善戦した強豪、ロメロ。

ロメロはラミレスにも試練を与えられるか。

初回、ジリジリとプレスをかけるのはラミレス。ロメロは鋭く速いジャブ。

ラミレスはサウスポースタンスから強い左ボディストレート、その後も様子を見つつも右ボディ、手数は多くないですが、下の方を意識させようとしているかもしれません。

後半、ラミレスはまたも強い左ボディ。これが難なく届いてしまうところに異常さを感じますが、その後すぐにラミレスはこの左をオーバーハンド気味の軌道を使って上へ放ちます。これがロメロにヒット、ここに続けてまたも左、先ほどと違いやや内側を抉るようなこのパンチがヒット!そこに右ジャブをフォローすると、ロメロはダウン!!!

 

立ち上がったロメロに対して、ラミレスは焦って攻めようとしません。ここでゴング。

2R、ロメロはダメージを感じさせず、序盤にコンビネーションで攻め入る場面を作ります。その後はステップワークと鋭いジャブでうまくサークリング、それをジリジリとしたプレスでゆっくりと、余裕を持って追うラミレス。

中盤、ラミレスの左がヒットしてまたもぐらついたように見えたロメロ。

3R、ラミレスはフィジカルも強いですね。ロメロの攻撃をブロッキングしてもびくともしません。上手いというだけでなく、強さも完全に手に入れています。

中盤すぎ、一発の左ストレートをヒットした後、荒々しく攻めるラミレス。ロメロは足が揃う場面が多くなっており、これはもういっぱいか。

4R、ラミレスはまたもプレスをかけますが、下がりながら戦うロメロのジャブをちょっと鬱陶しく感じているか。途中、もっと攻めてこいと促すラミレスは、やはりこのロメロをしっかりと倒しきりたいのでしょう。

ほとんど無駄打ちをしないらラミレス、ロメロはかなりディフェンシブで攻撃というほどの攻撃ができていない状態です。これはラミレスにとっても戦いやすくはないでしょうが、要所要所で良いパンチを当てているのは勿論ラミレス。

 

5R、少し手が増えたロメロ。ただ、基本的にはジャブとストレート、フックの距離まではなかなか近づけません。ラミレスもちょっと攻めあぐねている状態ですね。

6R、開始早々にロメロのドクターチェック。再開後、ロメロもリング中央で左右のフック、アッパーを放ちます。ラミレスはブロッキングと小さなステップ、ヘッドムーブと少ない手数でこの距離でもロメロを上回り、結局ロメロはジリジリと後退。

7R、このラウンドもロメロは何とか攻めようと頑張ります。ラミレスは中盤以降、左を起点に攻め入り、後半にはコーナーに詰める等、ここでも優位。最終盤もロメロのコンビネーションをガード、その後のリターンでロメロをぐらつかせたところでラウンド終了。

ロメロはさすが、タフネスを持っているのか、少しずらしているのか、このままサバイブできるかもしれません。

8R、展開は変わらず、ここでもラミレスはあまり手数が多くないものの、的確なパンチをいくつもヒット。決定的な場面こそ訪れませんが、ここまでラミレスの完勝ペースではあるものの、動きは大きくありません。

9R、ロメロのパンチは落ちません。尻上がりに調子を上げてきたラミレスは、パワフルなパンチをいくつも放っていきます。

ラミレスはこの試合開始当初からあまり手数は多くなく、何かしらの故障を感じさせる内容とも言えます。

ちょうど2分が経つ頃、ラミレスの左がヒット、吹っ飛ばされてロープに寄りかかるロメロ。そこからラミレスがラッシュですが、荒く、そこまでの数ではありません。それでもコーナー際、左をヒットしたところでレフェリーがストップ!

ロベイシー・ラミレス、9RTKO勝利!!

やはり傑物、ロベイシー・ラミレス。イサック・クルスともフルラウンド戦ったというタフネス、ディフェンスの巧さを持つロメロに対して、KO勝ちという実績は本当に素晴らしいことだと思います。

ロベイシー・ラミレスという金のタイフーンが、現在混迷を極めるフェザー級の世界タイトル戦線を総ナメにしてしまう時は、さほど遠くないかもしれません。楽しみですね。

 

ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)16勝(11KO)2敗

vs

ジャーメイン・オルティス(アメリカ)16勝(8KO)無敗1分

初回、まずジャブを出して攻め入るのはオルティス。ロマチェンコはまずはじっくり見ていく、といういつものスタイル。右手を弧を描くように動かすリズム。

オルティスはロマチェンコに比べて非常にデカく見えますね。この体格差を活かし、しっかりと攻め込むオルティスは良い立ち上がりです。

中盤、ロマチェンコがプレスをかけ始めます。序盤は相手の出方を伺い、今度はプレスをかけた時にどう相手が動くか、というスキャニング。

2R、右目付近、既に痣を作っているロマチェンコ。これはなかなか見られないことですね。

オルティスはロマチェンコの入り際に左フックカウンター、ここまでオルティスは上手く戦っています。やはりこの体格が良く、迫力あふれるフレッシュなボクサーはロマチェンコにとって鬼門に近いか。

ただ、終盤にいくに従ってロマチェンコのジャブがオルティスに届き始めたような感覚で、ロマチェンコはここから先手を取ってかき回していけるかが勝負のように思います。

 

3R、オルティスがここでコンビネーション。「ここで後手に回ってはいけない」ということがわかっているような攻撃です。

これをロマチェンコはステップワークで躱し、上体の動きも非常に柔らかくなってきました。

後半、ロマチェンコは左ストレートから右フックをヒット、後退したオルティスに攻めますが、オルティスもクリンチにエスケープ。オルティスはクリンチワークも良いですね。さすがの「テクニシャン」。

4R、ロマは今日、右前方へのサイドステップをあまり使いません。これはオルティスのジャブ、からの左フックが良くて使えないのかもしれません。

オルティスも非常によく動き、ロマチェンコは統制の取れた動きでいつも通りのパターンになってはきたものの、やはりオルティスはクリンチのタイミングが非常に良いですね。

 

5R、プレスをかけるロマチェンコ!ここでペースアップか。

序盤から積極的に攻め入るロマチェンコ、序盤でやや後手に回るオルティス。中盤から後半にかけては近い距離での攻防、フェイントの掛け合い、リターンの打ち合い。

これはなんという見応えのある試合なんでしょうか。

6R、この序盤。左ボディから入ったロマチェンコは、流れるようなコンビネーションで攻め入ります。ディフェンスも含めて非常に決まったパターンを繰り返すように、コツコツとオルティスにクリーンヒットを与えていきます。

オルティスのパンチはまだまだ力強く、体格差もあってやはり怖い。

7R、ガードを下ろして誘うオルティス、サウスポーにスイッチ。ロマチェンコは構わずプレス、少しだけペースダウンしたように感じますが、オルティスはバックステップが多くなっているように思います。

後半、オーソドックスに戻すオルティスですが、やはりこのオーソの方がジャブが何倍も素晴らしい。そろそろロマチェンコに対しての安心感が出てきました。これは思ったよりも長くかかった印象です。

 

8R、ロマチェンコのプレス、オルティスもしっかりと迎撃。この辺りの戦略変更の判断は、素晴らしいものがあります、ジャーメイン・オルティス。

中盤、接近戦での攻防はフィジカルに勝るオルティスがロマチェンコを弾き返す場面も。

その後もオルティスが体の勢いを活かし、ぐいぐいと攻める場面も目立ちます。

9R、ともに手数が増えますが、このラウンド序盤にロマチェンコはいくつかのクリーンヒットを奪います。左ストレート、アッパーを的確にヒットしますが、オルティスも右ストレートをヒット。

10R、プレスをかけるロマチェンコ、オルティスはちょっと下がり気味。ロマチェンコが次々と出してくるコンビネーション、そしてプレッシャーに、オルティスは比較的ロープを背負う場面が多いような気がします。

11R、序盤にロマの左ストレートがヒット。オルティスの動きは落ちてはいませんが、ロマチェンコらしいコンビネーションで攻め込み、中盤にも優勢。

それでも完全には攻め込めないロマチェンコ、これはロマチェンコ自身のスタミナの問題か、それともオルティスの強さの問題か。

ラストラウンド、オルティスはジャブがよく出ます。ロマチェンコは少しプレスを緩めた状態から、素早い踏み込みでコンビネーションをヒット。この辺りの緩急はさすがロマチェンコ。

オルティスの攻撃をバックステップでしっかりとかわすロマチェンコ、ロマチェンコが攻めようとするとオルティスが強いダブルジャブ、ロマチェンコがインサイドに入るのを止めます。

ここは無理せず過ごしたロマチェンコ、最後は攻め続けたオルティス。

12Rを終了し、勝負は判定へ。

判定は、115-113、116-112、117-111、ワシル・ロマチェンコの勝利。

117−111というのはかなりロマチェンコ寄り、とも思いますが、ロマチェンコは非常にまとめてコンビネーションを放ち、見栄えは非常に良かった。そして、全体的なクリーンヒットはうわ回っていたはずです。

ともかく、どのような形にせよ、ロマチェンコ勝利にホッと胸を撫で下ろすファンは多いでしょう。さて、次はデビン・ヘイニー戦か。

ヘイニーは、今回のロマチェンコを見て自信を深めたかもしれません。並んだ時のサイズは随分と違い、ロマチェンコにとって厳しい戦いを予感させるものでもありました。

それでも、今回のロマチェンコと、次回のロマチェンコとはまた違うはずです。そこを信じ、ロマチェンコの王座返り咲きを楽しみに待ちたいと思います。

 

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