信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

寺地拳四朗と京口紘人、岩田翔吉、中谷潤人、吉野修一郎と中谷正義の「その後」の期待と展望と。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

11/1、さいたまスーパーアリーナの興行から数日。

巷では素人のケンカが注目を集めているようですね。

やっぱり私は世の中の流行に全く興味のない人間のようで、流れてくる映像やツイートも非常に邪魔なので、この件についてつぶやいている人たちはミュートにする作業を繰り返しています。なぜ「おすすめ」で出てくるのか、謎。

ともあれ、まだまだ余韻の中、この興行のその後を考えてみたくなったので、今回のブログは11.1に出場したボクサーたちのその後の展望と期待を書いていきたいと思います。

 

WBAスーパー・WBC世界ライトフライ級王者

寺地拳四朗

タイトル統一を成し遂げた王者、寺地拳四朗。

間もなく更新されるリングマガジンのランキングでも、1位からリングマガジン王者に認定されるでしょう。

評価の高い京口紘人にあの勝ち方、というのは、世界的評価を高めるのに十分であり、この寺地vs京口の結果を報じたリングマガジンの記事、そしてBoxingSceneの記事にも海外ファンから驚嘆のコメントが上がっています。

拳四朗はWBO王者、ジョナサン・ゴンサレスとの統一戦を目指し、3団体統一後はマッチメイク次第で4団体統一を目指す、とのことです。

3団体統一は来年夏までに、という期限付きであり、本人同士は既に乗り気のため、早々に交渉は始まるでしょう。

ただ、こればかりはビジネスの話なので、うまく行くかどうかはわかりません。

要は、拳四朗陣営がゴンサレスに対しての十分なファイトマネーを用意できるかどうか、が焦点となってきます。一応、拳四朗のプロモートを任されているのは真正プロモーションのはずですが、真正プロモーションは帝拳プロモーションと懇意にしており、つまりは帝拳の本田会長の手腕にかかっている、とも言えます。(今回のアマプラ配信興行も、帝拳プロモーションでした。)

 

ただ、拳四朗の単体の3団体王座統一戦で、十分な興行を用意できるか、というと少し難しいように思え、やはりここは帝拳ボクサーの力を借りる、等の手立てが必要かも知れません。

この3団体統一戦がトントン拍子にきまらなければ、フライ級参戦も視野に入れている、とのこと。トントン拍子に決まらない理由としては、上記の理由のほか、待たされている指名挑戦者が存在する、という理由もあります。

WBAはダニエル・マテヨン。このマテヨンは元暫定王者であり、暫定王座廃止と共に指名挑戦者となったボクサー。なのでかなり待たされています。実際は、当時はレギュラー王者のエステバン・ベルムデスがいたので、次期挑戦者という肩書きだったのだと思いますが。

ともあれ、京口がベルムデスを退けた後のWBA指名挑戦者は紛れもなくこのマテヨンであり、実際かなり待たされてもいます。2022年は一試合のみ。

 

WBCも2022年6月に挑戦者決定戦を行なっており、エルウィン・ソトとヘッキー・ブドラーの間で争われています。

この元王者対決を制したのはブドラーで、判定勝利でWBCの指名挑戦権を獲得しています。

WBA、WBC共に指名挑戦者が決まっており、先に指令が降るのはWBAの方かと思われます。が、ここはWBAに空気を読んで欲しいものですね。

フライ級であれば、またフライ級では非常に興味深い戦いが待っており、先頃フライ級参戦を決めたジェシー「バム」ロドリゲス、知名度こそありませんが超強豪のアルテム・ダラキアン、そしてSNSを通じて対戦を呼びかけたサニー・エドワーズ(本人はライトフライまで落とせると豪語)等々、これはまた興味深い。

個人的には、来年のうちに4団体制覇を見てみたいが、如何に。

 

前WBAスーパー世界ライトフライ級王者

京口紘人

今回の試合、海外では京口優位、という評価が多く、また、関係者が拳四朗優位を説くもライト層のファンを含めれば日本でも京口優位、となっていたのかも知れません。

これはつまり、海外での防衛戦やYoutube活動を通じての京口の知名度というものは国内外のボクシング界においては抜群であり、そのことは、この試合実現に大いに貢献したはずです。

敗れはしたものの評価は下がらず、その人間性という部分においては逆に評価を高めた、とも言える京口紘人。

一旦ゆっくり休んで考える、との言葉を残してはいますが、ここはまだ進退を考えるようなタイミングではない、と思います。

 

「フレーム」という観点において、やはり拳四朗との違いを感じた点もあるので、フライ級での戦い、というよりも、ライトフライ級で戦った方が本人の強さは活かせるのではないか、とも思います。

負けを負けとして咀嚼し、リングに戻ってくる日を心待ちにしたい。

WBO世界ライトフライ級王者

ジョナサン・ゴンサレス

日本のホープ、岩田の挑戦を見事に退けたゴンサレス。判定がやや揉めている、と聞いてびっくりしています。

アウトボクシングを主体として、時折インファイトにも身を投じたゴンサレスは、完璧な戦い方に見えましたし、「アウェー」を意識した戦い方だったように思います。決して、逃げまくっていたわけでもなかったと。この声を聞いた時、本当にがっつり逃げる系のアウトボクサー、サニー・エドワーズは日本に呼ばない方が良いのかも知れない、とすら思いました。

ともあれ、ゴンサレスの次戦はまだ未定。

 

すぐにでも拳四朗との交渉に入ってもらいたいところではありますが、上記の通り、タイトルを多く取れば取るほどその制約は出てくるのも当たり前のこと。

拳四朗がどこまで優遇されるのかはわかりませんが、もし拳四朗vsゴンサレスの統一戦が決まらないのであれば、是非とも矢吹正道戦を受けてもらいたいところ。

ランキング上位のタノンサック・シムシーを退けた矢吹は、次回の発表でWBOランキングも上位につくことが予想されますので、相手にとっても不測はないでしょう。

ジョナサン・ゴンサレスにとっても、矢吹戦となるともう3度目の来日。ホームみたいなもんです(違う)。

 

岩田翔吉

残念な敗戦となった、岩田。打たれ強い、とは言えないゴンサレスに、岩田の一発が入れば、どんなにボクシングで上回られようとも形成逆転できると踏んでいましたが、ゴンサレスはいつの間にやらもらい方も上手いボクサーになってもいました。

あのボクシングはなかなか捕まえられないのも事実で、日本では練習相手を見つけるのも難しいボクシング。本当にかつての中南米ボクサーvs日本の突貫ファイターを思い起こさせるような試合となってしまいました。

私が勝手に岩田の代名詞と思っていた、飛び込みながらの前手のアッパーはほとんど(というか一回も?)出ず。相手がサウスポーだったからなのかも知れませんし、行ってもするりと躱されると思ってしまったのかはよくわかりません。

ここかわ岩田がどんな道のりを歩むのかは大変興味深いところですが、個人的には是非海外を転戦するボクサーになってもらいたい、というのが希望です。

 

元々国内にはなかなか相手がいなかった、ということもありますし、岩田の好戦的なスタイルは、軽量級とはいえアメリカ、メキシコあたりで非常に人気も出そうな気がします。

そこで印象的なノックアウト勝利を挙げることができれば、それこそ西岡先輩や亀海先輩、そして中谷先輩のように現地でこそ認知されるボクサーにもなれるかも知れません。

ロマゴンが作ってくれた軽量級への注目の波を引き継いでくれるのは、京口か岩田しか思いつかず、これは拳四朗や矢吹ではできないことなのではないでしょうか。

 

前WBO世界フライ級王者

中谷潤人

難敵、フランシスコ・ロドリゲスJrを退けた中谷潤人。正直、もっと圧倒的な勝ち方ができると信じていたファンは多かったと思うのですが、ロドリゲスは「やっぱり」強敵でした。

井岡を苦しめたのはフロックでもなく、相性の問題でもなく、実力だった、というのが正直な感想で、「ミニマム上がり」と心のどこかで思っていた自分を恥ずかしく思うほど。

中谷は試合前にフライ級王座を返上、正式にスーパーフライ級へ参戦。

WBOの規定により、次回発表されるランキングではWBO世界スーパーフライ級1位に認定されることとなり、これは井岡一翔への指名挑戦権を有するものです。

 

井岡vs中谷はこれまた垂涎のカードですが、せっかく井岡が「ようやく」「待ちに待った」統一戦線を歩み始めたところでこの指名挑戦者というのは、10年以上井岡を見てきたファンとしては非常に酷だな、とも思います。

ぶっちゃけ私の個人的意見は焦んなくて良いよ、です。

WBOは置いておいて、IBF王者のフェルナンド・マルティネス、WBCのエストラーダvsロマゴンの勝者、いずれかのベルト、違う色のベルトを狙って欲しいというのが正直なところ。

そして、井岡とやるのならば統一戦で合間見えることを期待します。

ちなみに、中谷転級前のWBO1位は田中恒成。これも見たいような見たくないような、です。

※日本時間11/5、WBAは井岡vsフランコの勝者に、中谷潤人との指名戦をオーダーしました。

 

フランシスコ・ロドリゲスJr

前々日の記者会見からネアカぶりを発揮していたという噂のフランシスコ・ロドリゲスJr。その明るいキャラクターとは裏腹に、リングに立つやとてつもないプレッシャーファイターへと変貌するその姿は、これもある種のギャップ萌えです(萌えはしないか)。

スーパーフライ級は適正階級ではない、と発言し、今後はフライ級での戦いを希望。

あのプレッシャーをそのままフライ級に持ち込むのだと思うと、これは脅威でしかありませんね。

このレベルのボクサーでも、フライ級で即、王者になれるか、というとそうではないかも知れませんが、この2度もの来日、3人の日本人と対決したロドリゲスの今後のキャリアは、注視していきたいと思います。

吉野修一郎

おそらくこの結果は、想像以上。

中谷の強いジャブに対しての対策、その作戦遂行能力、そしてフィジカルの強さ。

アマゾンプライムビデオ、放送開始のオープニングバウトとして、驚愕の結果を残した吉野修一郎は、日本ボクシング界の総力を上げて世界戦へ繋げてもらいたいボクサー。

 

「全勝」という看板はアメリカでも通用するはずで、その中に元世界王者の伊藤雅雪、そしてテオフィモ・ロペス、ワシル・ロマチェンコ戦でアメリカでも名を売った中谷正義の名前がある、というのは大きいはずではないでしょうか。

所属の三迫ジム会長には、何とかアメリカでのマッチメイクを頑張ってもらいたいところですが、ここは是非帝拳プロモーションも強力すべきだし、もしくはマッチルームあたりが目をつけてくれないか、と願います。

次戦が世界戦、というとそれはちょっと難しいのだろうけども、是非海外の世界ランカーとの対決を、アメリカで、くらいはやって欲しいもの。

来年春くらいには吉報が届くのを待ちましょう。

 

中谷正義

正直、初回を見た感じでいうとこのままインサイドに入らせず、圧倒するのでは、と思わせたほどのジャブを打った中谷。

結果的にはディフェンス面での穴をつかれた、という格好にはなってしまったものの、そのディフェンス面も向上しているようにも見えました。

中谷にとっては、今回、進退に関わる敗北となったのかもしれません。

しかし、インサイドに入られた時のディフェンス難、特にこれはブロッキングのことを言っていますが、これが何とかなれば非常に総合力の高いボクサーになれるはずです。

恵まれたサイズと優れたフィジカルは反比例。

 

フィジカル勝負にならないように、もっと冷静に、もっとしっかりと距離をとってボクシングすることで、きっとこのボクサーのポテンシャルはもっともっと華開くのではないかと思います。

5Rに効かされ、ダウンを取られ、6R序盤にみせたあのチャージは見事でした。しかしあそこでも、なりふり構わず回復に努めることができたならば、また違った展開になったのかも知れません。

自ら切り拓いた世界への道筋は、まだ、閉じていません。

無責任なことを言うと、まだまだ、もっともっと、中谷が世界で戦う姿を見たい。

悲喜交々

ということで、11/1のライブボクシングを咀嚼し、出場ボクサーたちの今後に思いを馳せてみました。

勝利したボクサーの未来は明るく、敗北したボクサーは立ち止まる必要があります。

勝利したボクサーは前を向いて「次」と明るく言い放つことができますが、敗北したボクサーは「次」というまでにも時間を要します。

 

この大きな舞台を用意してもらったこと、勝利を期待されていたことがよく解っているからだと思いますし、早々に「次」と言い切れない気持ちはあると思います。

ただ、ファンは勝利したボクサーについても、敗北したボクサーについても、「次は誰と」と言いたくなるのが常なものなので、ご容赦願いたい。そして、ファンはいずれのボクサーについても「次」と言ってくれることを待ち望んでいます。

ファンとして、最後まで見守っていきたいと思います。

 

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