日本時間で11/13(日)、最も注目の試合は、アメリカ、ラスベガスで行われるジャニベック・アリムハヌリvsデンゼル・ベントレイで間違いはないでしょう。
しかし、同日にイギリスで行われるジョナスvsディケアはFITE.TVで生配信、そしてアメリカで行われるモンタナ・ラブvsスティーブ・スパーク、あとはフィンvsベイルスキーもDAZNでの生配信が決定しています。
しかし、このアリムハヌリvsベントレイのライブ配信は、日本では無いようです。
これは非常に残念なことですね。
DAZNは中規模、というか、小規模興行を連発しており、このあとも11月は期待薄。WOWOWよりも高額なサブスクなんですから、もっとがんばってもらいたいものです。
ということで今回のブログでは、米国ではESPNが放送するトップランク興行、ジャニベック・アリムハヌリvsデンゼル・ベントレイのプレビュー記事です。
11/12(日本時間11/13)アメリカ・ラスベガス
WBO世界ミドル級タイトルマッチ
ジャニベック・アリムハヌリ(カザフスタン)12勝(8KO)無敗
vs
デンゼル・ベントレイ(イギリス)17勝(14KO)1敗1分
GGG擁する中央アジアのボクシング大国、カザフスタン。その国を代表するかのように「カザフスタイル」というニックネームを持つジャニベック・アリムハヌリは、前戦、ダニー・ディナムを相手にWBO世界ミドル級暫定王座決定戦を争いました。
結果はたった2RでのKO勝利、無敗対決を制して見事王座初戴冠となりました。
↓アリムハヌリの戴冠戦!
そして、既定路線ではあったものの、当時のWBO世界同級王者、デメトリアス・アンドラーデはスーパーミドル級進出のためにこの王座を降り、アリムハヌリは正規王者へと昇格。
自身のSNSでは、ミドル級のUndisputedチャンプを目指す意図があることを語っています。
さて、非常に獰猛なイメージのある(若かりし頃の)ゴロフキンと比べると、蛋白にうつるジャニベック・アリムハヌリ。ちなみに比べられる事を良しとせず、「ネクストGGG」と呼ばれたくない、私は「QAZAQ STYLE」だとも豪語しています。
このボクサーは、非常に冷静で、というかリングの上では冷徹にさえ見えるボクサーで、理詰めで倒してきているように見えます。もっと強引にいけば、もっともっと早くのノックアウトを狙えるパワー、スピード、テクニックを持っているにもかかわらず、おそらく彼にとってはゆっくりじっくり攻めていくものですから、その分隙も少ない。
ジリジリとプレスとダメージを与え続けるマシーンのようなボクシング、決して強引には行かないボクシングで、3年間ストップ勝利を逃していないということは非常に驚異。
中央アジアというところは、アジア人種と東ヨーロッパの混血も多いところで、カザフスタンという国はやはりそのフィジカルの強さ、体格の良さから東ヨーロッパ人の特徴を色濃く受け継いでいるように見えますね。
今の所穴がない、そんな王者が「カザフ・スタイル」ジャニベック・アリムハヌリ。
初防衛戦の相手は、デンゼル・ベントレイというボクサーで、アリムハヌリが前戦で戦ったディナムと同じく、イギリスに国籍を置くボクサーです。
唯一の敗戦は2021年4月のフェリックス・キャッシュ(イギリス)戦。この試合ではキャッシュの強いプレスに非常にディフェンシブに戦い、最後は右を何発も当てられて3RTKO負け。
黒人ボクサーらしく、非常にスピードがあり、瞬発系のパワーを擁するベントレイですが、フィジカル面ではあまり強いとは言えないかもしれません。
逆に前戦のマーカス・モリソン(イギリス)戦では、コンビネーションがよく出て、4RTKO勝利。パンチの伸びもよく、強さを見せつけました。
やや荒々しさを持つこのベントレイは、ベントレイのワイルドな攻撃に怯まずに攻撃してくるようなボクサーと相性が悪く、ベントレイの勢いに押されてしまうボクサーとの相性は良い、というふうに思え、ではアリムハヌリがどうかというと、間違いなく前者。
もし予想をたてるとするならば、アリムハヌリのプレッシャーにベントレイが圧し潰されてしまう、というのが普通の見方だと思います。
このデンゼル・ベントレイは世界初挑戦。そして、アリムハヌリは初防衛戦。
獲るのと守るのとでは随分とモチベーションに差がでるはずで、今回のベントレイは通常の3〜4割増しで出てくるはずです。それでもなお、アリムハヌリ優位は動かないでしょう。
アリムハヌリはここにノックアウトで快勝し、連続KO記録を更新していってもらいたいですね。先輩王者の17連続KO防衛などという記録は目指さなくても良いとは思いますが、是非とも自身の望む統一戦へと進んでもらいたいものです。
そうなると、ゴロフキンともぶつかるのでしょうか。。。?
WBA世界女子ミニフライ級タイトルマッチ
セニエサ・エストラーダ(アメリカ)22勝(9KO)無敗
vs
ジャスミン・ガラ・ビラリノ(アルゼンチン)6勝(1KO)1敗2分
セニエサ・エストラーダというボクサーは聞いたことがあります。2021年7月、日本の天海ツナミの持つWBO世界女子ライトフライ級王座へ挑戦し、奪ってみせたボクサーです。
この前からWBO世界女子ミニフライ級タイトルを保持していたエストラーダは、2階級制覇。この時獲ったライトフライ級王座は返上したのか、同年12月の戦いではミニフライ級王座の防衛戦を行っており、今回もミニフライ級王座の防衛戦となっています。
過去にはアナベル・オルティスにも勝っているし、フライ級戦でマーロン・エスパルサにも勝っている、強い王者ですね。
ちなみに、このミニフライ級という階級は、WBAでの表記はミニマム級です。日本では、女子のミニマム級はミニフライ級という呼称に統一されています。
対戦相手のビラリノはデビュー戦で黒星、その後は引き分けを挟んでの6連勝を記録しています。しかし、ここは大きくエストラーダ優位というオッズが出ています。
レイモンド・ムラタヤ(アメリカ)15勝(12KO)無敗
vs
ミゲル・コンテラス(アメリカ)12勝(6KO)1敗1分
セミセミには、ライト級プロスペクトのレイモンド・ムラタヤが登場です。この試合がおそらく、ESPNで放映されるメインカードに分類される放映枠のオープニングバウトとなるはずです。
このボクサーはまだ苦戦らしい苦戦を経験していない金の卵で、兄・ガブリエル・ムラタヤとボクシング界を席巻していくであろう兄弟ボクサーの弟。
ちなみに兄、ガブリエルは先日の井上尚弥のLA武者修行編で名前の出ていたボクサーですね。
↓井上兄弟のLA修行の記事
実際、兄であるガブリエルよりも非常に強さを感じるボクサーであるレイモンド。
素晴らしいスピードとパワーを持ち、コンビネーションも秀逸でテクニックにも秀でます。
強弱をつけて打ち分けるコンビネーション、一瞬のカウンターも打てるオールラウンダーで、これまでには9連続KO勝利の記録も持っています。
前戦はタフなハイエ・バルティエラ(メキシコ)を相手にフルラウンドを戦い抜きましたが、ここで巧さを見せ、パンチを全くもらわずに当てまくるボクシングでフルマークの判定勝利。これが実に約4年ぶりとなる判定勝利でした。
徐々に対戦相手の質が上がってきた感じのあるムラタヤ、今回の対戦相手はミゲル・コンテラス。名前的にも、ヒスパニック系のアメリカ人でしょう。
唯一の敗戦は、2021年7月のスターリング・カスティーリョ(ドミニカ共和国)戦であり、その8ヶ月後の再起戦で強豪、ヘクター・タナハラ(アメリカ)と戦いドロー。その後判定勝利を得て再起に成功しています。
ここはムラタヤは圧倒して、世間に「ライト級にレイモンド・ムラタヤ在り」を印象づけたいところですね。
注目のレイモンド・ムラタヤのボクシングを堪能したいと思います。
【放送・配信】
この興行は、アメリカではESPNが生放送。イギリスでもSkysportsが生中継スルと思います。
しかし、その他の国々ではこの興行の配信はなく、日本ではFITE.TVが唯一の期待先でありましたが、残念ながら11/10(木)時点で情報がないので無し、でしょう。(通常、水曜日くらいに情報が出る事が多いと思います。)
残念ですが、ESPNを見れるという方がいればお楽しみ下さい。
観戦記は、放映当日の11/13(日)22:00〜23:00くらいにアップします。たぶん。
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