12/4(日)、AM5:00からWOWOWで生放送されたタイソン・フューリーvsデレック・チゾラ。
ヘビー級最強の一角であるタイソン・フューリーは、デレック・チゾラとキャリア3度目の対戦となります。
正直、やる意味があるのか?という対戦ではありますが、チゾラの人気も含めて、トッテナムスタジアムは7万席が完売、とのこと。勝敗に興味ある人は少ないはずですが、このチケットの売れ行きというのは本当に羨ましい事ですね。
ということで、今回のブログでは、フューリーvsチゾラ3の観戦記。
↓プレビュー記事
12/4(日)イギリス・ロンドン
WBA世界ヘビー級タイトルマッチ
ダニエル・デュボア(イギリス)18勝(17KO)1敗
vs
ケビン・レリーナ(南アフリカ)28勝(14KO)1敗
ダニエル「ダイナマイト」デュボア。ヘビー級にしてしっかりと基本に忠実なボクシングができる、というのは英国ヘビー級の特徴の一つだとも思います。サイズ感やそのキャリアこそ違いますが、デュボアはアンソニー・ジョシュアの後継のようにも思っています。
タイソン・フューリー、デオンテイ・ワイルダー、アンソニー・ジョシュア、そしてオレクサンドル・ウシク。現在のヘビー級はこの4人で回っているといっても良いですが、ここにこのデュボアは絡んでこれるか。
それにはまず、ここは楽勝で勝って、できればジョイスにリベンジをして、4強に挑みたいところです。
さて、デュボアのパフォーマンスに注目の一戦、ゴング。
そういえばデュボアにとっては過去最大のステージかもしれませんね。
初回、リズムを刻みジャブを飛ばすデュボア。サウスポー、レリーナもリズムを刻み、ジャブで様子見。レリーナもしっかりとしたボクシングをするボクサーですね。
随分とサイズが違うように感じます。デュボアがでかい、というよりもレリーナが小さい。
ハーフタイムが過ぎた頃、デュボアがワンツーボディのコンビネーション。そこにレリーナが右から左をリターン。そうするとデュボアがなんとダウン!!!
どうした?ちょっと、足取りが怪しいデュボア、立ち上がるもまたも膝をつきます!パンチはあたっていませんが、2度目のダウン!え??戦意喪失???
それでも立ち上がるデュボア、ちょっと足元が怪しい、レリーナはいかない、ですが、少し攻めるとデュボアはまたもダウン!!!
カウント中にラウンド終了のゴング、デュボアがなんと初回から3度のダウンを奪われる超大波乱!
2R、まだ足がおぼつかないデュボア、レリーナはなにかを警戒しているのか、ガンガン攻めたりはしません。冷静なのか、基本的にはプレスをかけながらデュボアが打ってきたところにリターンを返す、という戦法。
デュボアはかなり足取りが怪しい、これはダメージなのか、ビビっているようにも見えますし、右足の踏ん張りが怪しいような気もします。
なんだかんだとデュボアはサークリングしながらもパンチを繰り出してはいます。戦意喪失、というわけではなさそうです。
レリーナも、何なんでしょうか。このチャンスに攻めなさすぎ、とは言えます。
3R、このラウンドもデュボアはサークリング。レリーナはプレスをかけるもあまり手を出す事はできません。
デュボアのパンチは少しずつ、活力を取り戻してきているようにも見えます。
相変わらず足元は怪しいですが、コンビネーションは出始めてきています。
しかし、レリーナは本当にジャブ、ぐらいしか打ちません。
そして後半、デュボアが軽く出した右ストレートがレリーナにヒット、レリーナはダウン!
そこからデュボアがチャージ、ロープ際でワンツーボディ、アッパーをヒットするとレリーナは弾け飛び、ここでレフェリーがストップ!
ダニエル・デュボア、3RTKO勝利。
なんだかよくわからない試合ですが、レリーナは勝つ気があったのかどうか、よくわかりませんでした。勝利したあと、デュボアは椅子に腰掛け、セコンド陣が右ひざあたりを触っています。これは、やはり右足にトラブルを抱えていたのかもしれません。もしくは、単にまだ力が入らないだけなのか。
もしかしたら、もともと故障していたのかもしれませんし、それがこの試合のどこかのタイミング、それはおそらく初回の最初のダウンなのでしょうが、そこで吹き出してしまったのかもしれません。
または、レリーナの左フックがかすめただけで完全に効いてしまい、足に力が入らなくなってのあの状態だったのかもしれません。だとすると、人体というものは非常に不思議なものです。
デュボアは初回の2度目、3度目のダウンについては、自ら膝をついていますが、このあたりは終わってみると非常に冷静だった、と言えるかもしれません。
ただあの膝のつき方は、もしかしたら戦意喪失ととられてもおかしくなかったのではないでしょうか。今回はレリーナが圧倒的なBサイドだったので、レフェリーとしてもあそこで止めるという選択肢はなかったでしょうが。
デュボアのパフォーマンスを楽しみにしていましたが、今回はデュボアのハートを確認できた、とも言えます。それは、「なにくそ」という強いハートというよりも、非常に冷静で、勝利のために己のプライドを犠牲にできる、それはそれはしたたかなハートであると言えるでしょう。
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
タイソン・フューリー(イギリス)32勝(23KO)無敗1分
vs
デレック・チゾラ(イギリス)33勝(23KO)12敗
なんだかこの2日間は「?」がついてしまう試合が多い。まあ、真剣勝負だからこそ、何が起こるかはわかりませんね。
セミのデュボアについては、何かしらの故障だったのだと思いますが、どこかのタイミングでそれが井上尚弥に訪れないとも限りません。ラビットパンチにしても、ゴング後の加撃にしても、ラウンド途中の怪我にしても、井上尚弥vsポール・バトラー戦で起こらないとも限らず、やはりだからこそ、勝負は終わってみるまでわかりません。
なのでもちろん、この勝負論のないフューリーvsチゾラ3についても、何が起こるかはわかりません。ということで、ゴング。
初回、とりあえずチゾラがガンガンいきます。頭を低くしてボディジャブから右オーバーハンド、近づいてくるチゾラにフューリーはクリンチでのしかかります。
中盤、フューリーの右アッパーをクリーンヒット、これはチゾラにダメージを与えたように見えました。
その後もチゾラが入る前にパンチをヒットするフューリー、近寄られたらクリンチ、そこでもコツコツとパンチを当てるフューリー。チゾラはパンチをもらいながらも退かず、ガンガンいきます。
2R、チゾラはインサイドに入ろうと試みますが、ここでフューリーのタイミングの良いジャブ。で、ぐらつくチゾラ。時折威勢の良い右オーバーハンドを振り回すチゾラですが、この右オーバーを警戒しているフューリーには、ちょっとよほどのミラクルが起きなければこれは当たらなそう。
後半、またもアッパーをヒットしたフューリー、続いてコンビネーション、ですがチゾラはロープ際。チゾラは挑発するも明らかに空元気、かなり厳しい戦いです。
3R、序盤に右、中盤に入るころにアッパーをヒットするフューリー。チゾラはとにかくディフェンス、の中で一発を狙うというボクシング。体ごといきますね。
ただ、フューリーは気を抜く事なくこれに対応、チゾラの勝ち目はどんどん目減りしていきますが、フューリーが決め急ぐ事はありません。
4R、チゾラはボディジャブ、ダックして左ボディから右オーバー。これしかない、といった具合に愚直に前進します。前半、チゾラは右オーバーハンドを浅くながらもヒット、フューリーは少し気を抜いてしまったか、という印象。
その後もチゾラはとにかく前進しながら、ワンパターンながらもパンチを放っていき、フューリーはサークリングしながらそれに対処。
5R、頭から突っ込むチゾラ、この突進力が減ってしまうと中間距離でフューリーのワンツー、フックが飛んでくる上、恐ろしいほど当て勘があります。
時折チゾラの右がヒットしますが、ラウンドに1発か2発、このラウンドは右ボディが当たった、と数えられるほど。チゾラは明らかにジャブの相打ちでも打ち負けており、下半身もちょっとふらついている印象。
6R、フューリーが攻勢を強めます。それでもチゾラは諦める事を知らず、ダメージを抱えながらもプレス。ここでもチゾラは力強い右オーバーハンド、空振りではありますがこれが当たれば、という一縷の望みがありますね。
7R、チゾラが頭から入っていって左右のボディ。これは良い攻撃ですが、ちょっと効果的なところに当たっているとは思えません。
後半、ワンツーで攻め込むフューリー、チゾラはロープ際で防戦一方。
8R、あまりに劣勢のチゾラですが、とにかくがんばります。「がんばる」という表現以外に思い当たらないチゾラ、ここまで力の差を見せつけられながらも諦める素振りはありません。
それでも、そのチゾラの気持ちを大きく上回るフューリーのテクニック、パワー。
終盤にも右をヒットしたフューリー、それでもチゾラは前に出て健在をアピール。
9R、チゾラが人気なのがよくわかります。このボクサーはフィジカルもタフですが、ハートもタフ。ここまで打たれると、危険な気もするほどです。
それでも、やはりチゾラが守勢に回る場面が増えてもきました。プレッシャーをかける時間、前進する時間が徐々に短くなっており、押される場面も増えます。
10R、チゾラがチャージ。特攻じみています。
フューリーはそれでも冷静にそれをさばき、チゾラをロープに押し込むと体ごとぶつけるストレート。そうかと思えばステップワークを使ってチゾラを前に出させ、クリンチで削ると入り際にアッパー。
フューリーが左ボディ、右ストレートをヒットするとレフェリーもチゾラの姿を注視。ストップのタイミングを計ります。
後半、中間距離でワンツーアッパーを軽くヒットすると、レフェリーが試合をストップ。
タイソン・フューリー、10RTKO勝利。
デレック・チゾラ、十分に頑張ったと思います。フューリーは流石のひとこと、完璧なボクシングだったと思います。
とはいえ、やはりこの相手だと物足りないのも事実。
インタビュー後、オレクサンドル・ウシクとのフェイスオフ。めちゃくちゃしゃべるフューリー、目を見開いてそのフューリーをじっと見つめるウシク。
待たれるのは、オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)との4団体統一戦。
そして途中でこのリングに参入したジョイス。
WBC暫定王者であるジョー・ジョイス(イギリス)との団体内統一戦というのも非常に興味深いものです。
あとはマッチアップの人気度、チケットセールスやPPVの売上、等々一番稼げるのはおそらくなんだかんだとアンソニー・ジョシュア(イギリス)戦でしょう。
結局、ヘビー級はここが激突しなければ盛り上がりません。
そうでないボクサーとの対戦は、国内では盛り上がろうとも、世界的に大きな注目を集めてはくれないでしょう。
2023年、どのようなヘビー級戦が実現するのか。
楽しみに待ちたいと思います。
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そしてもう2週間を切った、井上尚弥vsポール・バトラーの世界バンタム級4団体統一戦。
同じ時代に生まれたならば、必見である日本人初の4団体統一戦です。
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