信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】井上尚弥vsポール・バトラー、4つのタイトルをかけての激突!

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今年最後の現地観戦。

大晦日は行けないので、いつもだいたいこの時期くらいの興行が一年の最終戦になるわたくしですが、今回は井上尚弥vsポール・バトラーをメインにすえたPXB。

4団体統一戦を前に、徐々に盛り上がっていく雰囲気、SNS。。。を想像していたものの、試合直前に盛り上がったのはdTV、ひかりTVへの不平不満(笑)。

実際は井上vsバトラー戦の結果よりも、dTVがちゃんとやってくれるのかどうなのか、に不安を抱くという謎の4団体統一戦でしたね。

ということで今回のブログは、井上尚弥vsポール・バトラーの世界バンタム級4団体統一戦の観戦記。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 


WBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界バンタム級王座統一戦

井上尚弥(大橋)23勝(20KO)無敗

vs

ポール・バトラー(イギリス)34勝(15KO)2敗

さて、我々ボクシングファンは、ポール・バトラーに何を期待するのか。

圧倒的下馬評不利の中、日本まで来てくれたということは、何か秘策があってのことだと信じたい。

井上尚弥という日本ボクシング史上最高傑作が、バトラーを相手に負けはおろか苦戦する姿は見えません。それでも、非常に自信があるようにも見えるバトラーは不気味。陣営も、非常に大所帯で来日しています。何かサプライズを起こしてほしい、という気持ちもあります。

序盤、バトラーに期待感が抱けなければ、玉砕でもしてほしい、とすら思うこの一戦、いよいよゴング。

初回。井上はやや慎重に見えます。いや、いつも初回は、特に最初の1分ほどは見ることが多いか。ドネア二戦目は特別です。

1分が経とうかというところで飛び込みの左フック。これはバトラーがバックステップでかわします。

ハーフタイムになろうかというところになると、井上は徐々にプレスをかけ始め、バトラーはサークリング。井上はジャブから力強いスリーパンチ・コンビネーションへとつなげていきますが、バトラーはまだまだガードを上げてみる段階から抜け出せず、早々にロープからロープへとエスケープという状態。

 

2R、引き続き井上はプレス。バトラーはサークリング。サークリングは良いのですが、ほとんど手が出ないバトラー。井上が攻めるとバトラーはバックステップからサイドステップ。すでに井上のパワーを感じているか。バトラーは左ジャブか左フック、それも単発のものしか出せず、このラウンド中盤に右を一発だけ打ちました。

井上は、というと、プレスをかけ続け、パワージャブでバトラーの堅いガードの上をたたき、力強いコンビネーション。

ここまで動かれるとさすがに攻めづらそう。バトラーは良く動きますが、まったく攻撃には結びついていない逃げの一手のように思えます。

3R、前半、下がりすぎてコーナーに詰まったバトラーに、井上は連打。バトラーはガードを固めてじっとこらえ、何とかサバイブ。

ここまで固いガード、ディフェンシブなスタイルはさすがに今までいませんでしたね。

井上の打ち終わりに時折返すジャブはスウェーでかわされ、もっと稀に返すコンビネーションは井上のガードの上。後半は攻めに攻められてリターンを返す暇がありません。

 

4R、ロープを背にして右へ左へと動くバトラー。両拳を怪我しているのか、というレベルでパンチを出しません。

井上はちょっとこの状況に飽きてしまうんじゃないか、と心配になるほど淡々とパワージャブを打ち、バトラーのリターンをかわし、を繰り返します。

このパワージャブがバトラーのガードの上を捉えると、バトラーは押されてしまいますね。

後半に入ると井上がラッシュを仕掛ける場面もありますが、ここでもバトラーはガードを固めてサバイブ。ハイガードは良いんですが、そこから全く勝ち筋が見えません。

5R、ラウンド開始直後にロープを背にする、という状況で良いのか、バトラー。もうすぐ半分になってしまいます。

バトラーに玉砕の気持ちは見えず、ただただラウンドを重ねているだけに見えます。ラウンドに1度から2度くらいの確率でコンビネーションを見せますが、当然、井上を倒せそうなものではありません。

6R、ここまでずっと同じ流れ、井上はプレスをかけてバトラーのガードの上を叩きます。ただ、井上のパワーはバトラーのガードの上からでも着実にダメージを与えているはずです。

井上は頭を前に出し、ガードを下げ、バトラーを誘います。しかしバトラーはとにかくサークリング、バックステップ。そして後半、足が止まり始めるバトラーに井上が連打をしかける。

このラウンド後半は井上がノーガード、バックステップしてみるもやはりバトラーは乗ってきません。

 

7R、もう半分を過ぎ、バトラーはここから挽回しようとしてくるのか。

それでもこのラウンド開始直後、バックステップからはじめるバトラー。

井上はもう完全にガードを下げ、あごだけ引いて完全に誘っています。

それでもバトラーは強く攻め込むことはせず、ジャブをつくのみの消極的ボクシング。

WBO王者としてのプライドはイギリスにおいてきてしまったのでしょうか。

打てばカウンターをもらうリスクも、リターンをもらうリスクもありますが、このままではどうあがいても勝てません。

井上は両手を広げて自らロープまで後退、それでもバトラーは攻めることができません。

バトラーがここまでディフェンシブに戦い、井上が少々雑になったところで値千金のカウンターを決めて。。。などと想像してみますが、あまり期待できることではありません。

8R、井上は少々雑になっている、と思いますが、打ち終わりのケアはほぼ完璧で、バトラーの渾身のリターン(といってもジャブ、ワンツーが関の山)も外し、ほぼ被弾はなし。

バトラーが大きく動けばその分大きく前進、ずっと近い距離で戦っています。なので、バトラーも出せば当たる、特にボディなんかは体には届くはずですが、打てません。

とにかくバトラーにできることはガードを掲げて逃げ回ることだけで、これはイギリスから大挙して押し寄せてきた陣営にとっても悲しい出来事ではないか。

このラウンド後半、井上尚弥は両手を後ろにまわし、ロイ・ジョーンズスタイルを披露。あまり人様のボクシングに興味のない井上も、ロイのことは知っているのでしょうか。

 

9R、井上はよりワイルドに追っていきます。もう残り4R、井上にはこの消極的なバトラーにも倒して勝ってほしい。なぜなら、このままバトラーが12Rにわたり生き残ってしまえば、それがバトラーの評価につながりかねないからです。そんなことになれば、今後、こういうボクサーが多く出てきてしまうことになります。

これはもう、パンチスタッツを見てみたい。(と思ってESPNを開いてはみましたが、日本での試合のためかいつものCompuBoxのパンチスタッツは出ていませんでした。)

10R、会場は尚弥コール。これは、倒してね、の意味合いのコールです。

井上はいつもの癖(強打を見舞いながらあごが上がる癖)を惜しげもなく出しながら、パワーパンチを叩きこんでいきます。

その多くはバトラーのガードの上ですが、バトラーは反応が良い、というよりも完全にガードポジションで固まっているというのが現状です。相手が出てきてくれなければ隙も生まれにくく、とにかくバトラーはこの状況においてある意味強さを誇ります。

おそらく井上が今まで戦ってきたどのボクサーよりも、その「攻撃を伴わないディフェンス能力」には長けているのだと思われます。

11R、予想できたといえば予想できた、しかしこのような状況は予想したくなかった、チャンピオンシップラウンドに突入。ラウンド開始前、井上は激しく手足を動かし、「行くぞ」というジェスチャー。ラストラウンドに入ると粘られてしまう恐れもあり、倒すならここがラストチャンス、これはボクシングファンなら誰しもがわかっていることです。

ラウンド開始のゴング、井上はもちろんプレスをかけて右から行きます。

バトラーを追いかけ、ストレートコンビネーションから左ボディ。バトラーが相変わらずロープからロープへエスケープ、それも追いかける井上。

1分が過ぎようかというところ、右ボディからの左フックがヒット。これで頭を揺らされたバトラーはサイドへ逃げますが、井上は追いかけて連打!するとバトラーはダウン!!カウント途中、レフェリーは試合をストップ!!!!

井上尚弥、11RTKO勝利!!!

 

「判定勝利」が見えてきたところで、結局は倒し切ってしまった井上尚弥。これはさすがとしか言いようがありませんね。

それにしてもバトラー、無策すぎました。

戦うことが誉れ、と言われればそうなのですが、ちょっと、いや、非常にがっかりでした。やっぱりカシメロだったら盛り上がったのに。。。と思わずにおれません。

ともあれ、井上尚弥は日本人初、アジア初の4団体制覇王者となりました。

偉業は偉業なのですが、「4団体統一戦」はできれば至高の戦いであってほしい。ポール・バトラーは残念ながらただのサンドバッグでした。

4団体統一戦史上、試合としてはもっともつまらない試合だったかもしれません。

「至高の4団体統一戦」はスーパーバンタムに持ち越し。

アフマダリエフでも、フルトンでも、きっと素晴らしい試合になると思います。できれば、フルトンとやって、アメリカのメジャーシーンにも衝撃を与えてもらいたいとも思いますが。

2023年の井上尚弥も楽しみです。

 

 

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