信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

2023年初頭、日本の誇る4名の世界王者たち。今年の展望を個人的な期待とともに。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

あけましておめでとうございます。

昨年はたくさんの記事を読んでいただいて、ありがとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

2023年のはじまり、世界王者は4名です。

2022年のはじまりは、なんと8名もの世界王者がいました。そして、2022年に新たに世界王者となった(返り咲いた)日本人ボクサーは寺地拳四朗(BMB)だけで、4名のボクサーが負けて王座を失い、1名のボクサーが返上して2023年の始まりを迎えた結果、4名という人数になっています。

2022年の日本人王者たちの世界戦線

動きとしては、井上尚弥(大橋)は2022年初頭に2つのタイトルを持っていましたが、2022年中に更に2つのタイトルを積み上げて4団体制覇。まだ王座返上はしていませんが、おそらく2023年の早いうちにこの4冠を返上、スーパーバンタム級の初戦でタイトル挑戦というのが青写真。

そして、井岡一翔(志成)は先日タイトルを辛くも防衛、王座統一こそならなかったもののサバイブし、2022年の年を越しています。

2022年は1戦しかできませんでしたが、年始早々に防衛戦が決まっている谷口将隆(ワタナベ)は次が真価を問われる一戦となりますね。

 

そして寺地拳四朗は矢吹正道(緑)から王座を取り戻し、更にWBAスーパー王者でリングマガジン王者だった京口紘人(ワタナベ)に素晴らしいボクシングで勝利、昨年末の0冠から見事2冠を手にしています。

他には、2022年初頭に王者だった尾川堅一(帝拳)はジョー・コルディナ(イギリス)を相手にショッキングなTKO負け、その後帝拳ジムは岩田翔吉(帝拳)を世界タイトル戦線に送り込みますが、ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)に届かず。

中谷潤人(M.T)は2022年の前半にタイトルを防衛、後半にはスーパーフライ級のテストマッチを行いましたが、このテストマッチ前にタイトルを返上しています。

他には田中教仁(三迫)が2度目の世界戦でタイに乗り込みましたが、パンヤ・プラダブスリ(タイ)は巧かった。

ということで、世界王者として2023年の年明けを迎えた4王者をみていきます。

 

WBO世界ミニマム級王者

谷口将隆(ワタナベ)16勝(11KO)3敗

インテリジェンス溢れるボクシングと、作戦遂行能力の高さ、そしてハートの強さを持っている王者だと思います。

この谷口将隆こそ、緻密な計算の上でボクシングという競技を成り立たせており、そして時にそれを超えて仕掛けられる王者だと思っています。

2019年2月、ビック・サルダール(フィリピン)に敗れて以降、日本タイトルへの最強挑戦者決定戦をダウンを奪われながらも勝ちきった谷口は、そこから一気に飛躍。

日本ミニマム級王座決定戦、そしてその初防衛戦、続いてのWBO世界ミニマム級王座挑戦、更にはその初防衛戦、全てをTKOで終わらせており、このチャンスのときに倒し切るという場の読みも磨きがかかっているように見えます。

ここ最近のパフォーマンスは、序盤からしっかりとリードを保ち、倒し切るべき時に倒し切る、という試合が続いており、このボクシングに盤石さを感じるようになっています。

2023年、日本人世界王者として最初の登場となる谷口に期待されるのは、前回や前々回のように、世界トップ戦線相手のボクサーに対して、ボクシングで上回り、ついには倒してしまうということ。

 

世界4団体で上位にランクされるメルビン・ジェルサェム(フィリピン)相手にも間違いを犯さず、倒しきってしまうことを期待してしまいますね。

さて、やっぱり気になるのはその後です。

ミニマム級には、同門の重岡兄弟が世界戦線に上がってきており、同日の興行で重岡銀次朗(ワタナベ)がダニエル・バラダレス(メキシコ)を攻略して王者となった暁には、必然的に次は兄・重岡優大(ワタナベ)の出番。その場合、谷口は王座を返上して重岡兄に譲り、ライトフライ級へと転級するのではないか、と思っています。

そして、重岡弟に次いで重岡兄がタイトルを取れば、タイの2大王者、ノックアウト・CPフレッシュマートとパンヤ・プラダブスリとそれぞれが戦う対抗戦、みたいな流れも見てみたい。

デビューからずっとミニマム級で戦い続けている谷口は、おそらく減量的には限界が近づいており、盟友・京口もフライ級転級を示唆していることから、2023年には転級してしまいそうな感じもしています。

そうなると、対抗王者は寺地拳四朗。

2023年、谷口がライトフライ級を獲り、その年の終わり頃、4団体統一を目指す拳四朗に立ちはだかるのであれば、これは非常にドラマティック。

 

WBA・WBC世界ライトフライ級統一王者

寺地拳四朗(BMB)19勝(11KO)1敗

WBAの公式HPからは、WBA「スーパー」の記載は消え、WBAとWBCのユニファイド王者と表記されている寺地拳四朗。

2022年、寺地拳四朗にとってはキャリア最大のビッグイヤーだったのではないでしょうか。

2021年は問題を起こしてからの復帰戦、そしてプロ初黒星という内容で、大きく沈み込んでしまったがための大ジャンプ。大きく跳ぶためには、一度沈み込んでみることも大切ですね。

2022年、ダイレクトリマッチで戦った矢吹正道戦。想像以上の圧倒的ファイタースタイルで矢吹に何もさせず、3RTKO勝利。現地で観戦しましたが、「おお〜」とか「えっ」とかしか声が出ませんでした。

驚いている間に試合が終わってしまった感覚で、改めて寺地拳四朗というボクサーの勝負強さ、メンタルが充実した時の強さをまざまざと見せつけられた思いです。

「一度負けたからこそ」この強さを手に入れたとも言える拳四朗は、続いて決まった王座統一戦でも無類の強さを発揮。

世界が注目した当時のWBAスーパー王者、京口紘人との一戦では、ほぼ一方的に試合を進め、京口の渾身の反撃をしのいだ後の見事なまでの7RTKO勝利。両者が持ち味を発揮した好試合ではありましたが、ボクシングとしては拳四朗が大きく上回った印象でもありました。

 

さて、2023年の拳四朗は、ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)も完全にやる気であるために、迷わず4団体統一に向かっていけそうです。

その前に、まずはWBC王座の指名試合が控えており、その相手はヘッキー・ブドラー(南アフリカ)に決まっています。

拳四朗がモチベーションに左右されるボクサーだとは思っていませんでしたが、矢吹第二戦、京口戦を見る限り、やはり彼にとってもモチベーションはそのパフォーマンスを大きく左右する要因なのかもしれません。

このブドラーをしっかりと退けたあとにジョナサン・ゴンサレス戦、これが早秋くらいに組まれれば、2023年中の4団体統一の可能性が見えてきます。現在のIBF王者はシベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)、ノンシンガがしっかりと防衛を済ませた後に先だって交渉ができるのであれば、という注釈付きではありますが。

拳四朗がライトフライ級にとどまれるのは、長くても2023年中くらいではないか、と思っています。ここは是非、マッチメイクを何とか頑張ってもらって、彼に歴史に名を残す王者となってもらいたいものです。

2023年、寺地拳四朗の4団体制覇に期待。

 

WBO世界スーパーフライ級王者

井岡一翔(志成)29勝(15KO)2敗1分

2022年、難敵ドニー・ニエテス(フィリピン)を退けるも、大晦日のWBA王者、ジョシュア・フランコ(アメリカ)との王座統一戦はドロー。

井岡のボクシング、ここに極まれりと思ったニエテス戦でしたが、フランコは大きく、圧倒的なフィジカルを持っており、やはり井岡はこの階級ではパワーレスにも見えました。

その差を技術で埋めてきた井岡ではありましたが、年齢も加え、やや厳しくなってきたといことも現実としてあるのかもしれません。

ただ、ジョシュア・フランコというボクサーも、アンドリュー・マロニー(オーストラリア)に1度ならず勝利した強いボクサーであり、今回の一戦に関しては王者vs王者、互角であったことについては何も恥じる事はありません。判定についても、至極妥当だったと思います。(個人的には前半井岡、後半フランコ、と思っていましたが、採点結果は真逆でした笑。ジャッジ席と映像では、見え方が随分と違う事は理解しているものの、これは驚きです。)

さて、井岡の2023年は如何様な年になるのでしょうか。

WBC王者、ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)が井岡に対戦要求めいたものを出してはいますが、その前に、WBOは指名試合をオーダーしてくるはずです。

 

もともと、井岡vsフランコの勝者には、WBOの指名挑戦者である中谷潤人(M.T)が挑戦する手はずになっており、これを覆すというのはなかなかに難しい。

井岡の次戦がエストラーダとの統一戦になる、という道よりも、中谷潤人戦となる可能性の方が随分と高く、そのあいだくらいにジョシュア・フランコとの再戦の可能性があるのではないか、と感じます。

なので、井岡の次戦は中谷潤人戦、何らかの理由で決まらなければフランコとの再戦がセットされる可能性もありますし、もしそれも上手くいかなければエストラーダ戦。

ただ、この中で最も実現可能性が高そうなのも中谷戦であり、この試合が決まらない理由は今のところ見当たりません。

井岡が中谷に勝利することができれば、エストラーダ戦へ進む可能性も大きくありそうですが、最近のエストラーダのパフォーマンスを見ていると、その前にコケてしまいそうな可能性も感じます。

ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)も続けるようですし、アンカハスに勝利したIBF王者、フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)も無視できません。

国内でも、田中恒成(畑中)も、2023年中のタイトル獲得を目標に掲げていますし、その田中と互角の戦いをした石田匠(井岡)もいます。まあ、井岡vs石田という線はないと思いますが。

ともあれ、クアドラス、シーサケットが後退したもののスーパーフライ級はまだアツい。

個人的には、もし井岡が負けるのであれば、その相手は中谷潤人であってほしい、と思ってはいます。

 

世界バンタム級王者

井上尚弥(大橋)24勝(21KO)無敗

ノニト・ドネアを2Rで粉砕してWBC王座を獲得、ポール・バトラーを11Rで跪かせ、WBO王座を獲得。

バンタム級4団体統一を成した当代随一のヒーロー、井上尚弥。

ここを通過点と語る井上は、次戦ではスーパーバンタム級での戦いが予定されています。

WBO王座を獲得したことにより、王座返上後は必然的にWBOランキング1位へとランクインすることが確実であり、その他のランキングも普通に考えればこのバンタム級の覇者をトップコンテンダーにすることにためらう理由はないでしょう。

そして、どこかのハイ○・○ンギアと違って「テストマッチはいらない」と公言する井上尚弥、スーパーバンタム級初戦でのタイトル挑戦を望んでいます。

現在、WBA・IBF王者にはムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、WBC・WBO王者にはスティーブン・フルトン(アメリカ)。

このうち、フルトンはブランドン・フィゲロア(アメリカ)とのWBC世界フェザー級暫定王座決定戦を戦う予定であり、要は井上尚弥を待たずしてフェザー級への転級を表明しています。

しかし、SNSでは「まだ私は122(スーパーバンタム級)の王者」と発信しており、これは井上戦への興味だと考えられます。

この機を逃してはいけない、大橋陣営。

 

ここでフルトンと戦えるかどうかは、井上の今後のキャリア形成に大きく関わるところです。大金を積んででも、トップランクから離脱してでも、やってもらいたい一戦です。

この一戦を2023年春にでも組む事ができれば、秋か冬にアフマダリエフと戦い、2023年中の4団体統一がみえてきます。

まあ、そうはすんなりと行かないのがマッチメイクというものであり、この井上vsフルトンが組まれなくても、落胆しないように心の準備だけはしておきましょう。

当然、井上陣営としてはもう交渉を開始しているか、開始するところだとは思いますが、まずはフルトンの決断、そして、井上はアメリカで戦う場合はトップランクに縛られ、フルトンは基本的にPBCファイター。プロモーターは、犬猿の仲です。

この辺りの契約問題をクリアして、PBCに井上が出向く形でも良いと思うのですが、是非ともこの一戦はアメリカでやってもらいたい。そうすれば、MONSTERの名は米国のボクシングファンの間でもっともっと浸透するはずです。シャバにいれば、タンク・デービスも見に来てくれるでしょう笑。

最高な流れは、春にフルトン、秋〜冬にかけてMJ。ムロジョン・アフマダリエフに関しては、マッチルームがプロモートを請け負っていますが、ウズベキスタンというお国柄、日本に呼ぶ事は決して難しくはないのではないか、とも感じます。(あくまでも相手が井上尚弥だから、です。)

日本でやる分には、米英のプロモート会社の制約を受けにくいですし、井上vsMJが海外ではDAZNで放映、ということであれば、世界各国にも届く格好となります。

 

やっぱり問題はフルトン戦で、フルトンがフィゲロアとの再戦を選んだ場合、WBOかWBCの王座決定戦への出場となるのでしょう。そうなるとちょっとスケジュール的にも遅れそうで、これが夏頃がデッドライン。これをすぎると、2023年、井上は1試合しかできなかった、なんてことにもなりかねません。

いずれにしろ、今月〜来月中にフルトンには決断してもらいたいものです。

マッチメイクの云々はちょっと歯がゆいところがありますが、いずれにしろ、2023年はどのような景色を見せてくれるのか、大いに期待したいところです。

2023年のボクシング業界への期待

2022年、アマゾンプライムビデオが参入し、大いに盛り上がった感のある日本ボクシング界(の配信状況)。

各ジムのYoutube配信なんかも非常に増えて、日によっては見きれないこともしばしばありました。

国内の注目は、やっぱり3150FIGHTで、そのマッチアップは(但馬ミツロ関係以外)非常に面白いものも多かった。エンタメ路線に走るきらいがあるので、そこは個人的には非常に不満、意味不明のエキシなんてものは大嫌いですが、ABEMAは追っかけ再生もあるので、そういうものを飛ばして見れるのは非常に嬉しい。

 

ABEMA.TVはほかにもフェニックスバトル、八王子中屋の興行も配信してくれていたと思うので、まずはここがスタンダードになれば良いですね。dTVだとか、Paraviだとか、そういったサービス(のボクシング番組)は取り込まれてしまえば良いと思っています。そういえば、井岡戦で気づいたのですが、田中恒成vsヤンガ・シッキボ以来、Paraviに加入しっぱなしでした。。。これはもったいない。井岡戦後、(忘れないように)即刻解約しましたが。

海外ボクシングもU-NEXT参戦によりより充実するのか、とも思いましたが、結局ここまでは2度の放映のみ。実況とか解説なしの垂れ流し(DAZNスタイル)で良いので、FOXのほかにはShowtime(のニュージェネレーションというプロスペクトばかりが出る興行)辺りをピックアップしてくれればありがたい。ビッグマッチはWOWOWが良いので(我儘)。

やっぱりWOWOWには頑張って欲しいですね。昔ほど、食い入るように見なくはなりましたが、やっぱり月イチ程度のライブ配信は大変にありがたい。他の放送局のものは、音を消して見ていますが、WOWOWだけは音ありでみていても安心できます。

配信の話だけになってしまいましたが、国内の中規模、小規模興行においても、配信があるというのは本当にありがたいことです。アーカイブを残しておいてくれれば、のちのち確認することもできます。

可能であればそこも一元化して、Youtubeで各ジムが配信したものをBoxingRaiseあたりが買取り、ストックしていくと良いのではないかとも思います。ジム側からすると二束三文かもしれませんが、「どこで探せば良いか」が一元化されていれば、ファン(というかマニア。ヲタク?)としてはありがたいのではないか。

 

国内のボクシング業界については、言いたい事は唯一つ。JBCよ、もっとしっかりしてくれ、ということだけです。

小さなジムの集合体である協会はお互いに助け合って、JBCと良い協力関係を築き、その中でJBCがしっかりと運営を取り仕切ってくれさえすれば、私は良いと思っています。

ボクシングにめちゃくちゃ盛り上がって欲しい、とはあんまり思っていない私からすると、やっぱり興行はシンプルが良い。

そんなわけで、2023年も、改善すべきところ(選手やジムが困らない)は改善し、変えなくて良いところは変えない、そんなボクシング界を望みます。

 

 

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