信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

2023年の始まり、日本王者たちの今年の戦いはどうなる。大きな飛躍の年にできそうなのは?

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2023年のはじまり、日本王者が空位となっている階級はミニマム級、ライトフライ級、スーパーフライ級、ウェルター級。

ミニマム級は岩田翔吉(帝拳)、ウェルター級は小原佳太(三迫)が返上後、まだ決定戦が行われていない状況で、ライトフライ級については2022年12月に冨田vs芝の決定戦が行われたものの決着つかずいまだ空位、スーパーフライ級は川浦vs高山が12月に行われる予定でしたがが高山の負傷によりキャンセル、新たに2月、川浦vs橋詰による決定戦が開催されるという見通しです。

そしてその他の階級は王者として年を越したボクサーたちがおり、これらのボクサーは2022年の前半、指名挑戦者を迎え撃つチャンピオン・カーニバルでのリング登場が予想されます。

今回のブログでは、世界王者、OPBF王者、そしてWBOアジアパシフィック王者に続き、日本王者たちの今年の展望を書いていきたいと思います。

 

フライ級王者 ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)

2022年、世界タイトル戦への出場なるか、と思っていましたが、その機会は訪れず。2022年は2月の粉川拓也(角海老宝石)戦のみとやや残念なキャリアでした。

ただ、世界4団体では上位をキープ、さすがにそろそろ世界戦の吉報が届いても良いはずです。

そこに迫る日本タイトル指名戦の期限、今年のチャンピオン・カーニバルでは最強挑戦者を迎え撃たなければならないかもしれません。この辺りは、水面下で進んでいる(進んでいてほしい)世界戦の交渉次第、というところでしょう。

指名挑戦者は山内涼太(角海老宝石)、これはハードパンチを持つ、超がつくほど危険な挑戦者です。

2023年中には世界タイトル戦を叶えてほしい、とは思いますが、さすがに岡山に世界王者は呼べないでしょう。是非大手ジムの力を借りてでも、世界挑戦を叶え、岡山のジム初の世界王者に輝いて欲しい。

 

バンタム級王者 堤聖也(角海老宝石)

2022年はビッグイヤーとなった堤聖也。2019年は1試合(もう1試合は相手の都合でキャンセル)、2020年は2戦して2戦ともドロー、2021年は試合なし(1試合は相手の都合でキャンセル)、というある種とんでもないキャリアを築いてきた堤は、2022年、たった一つのチャンスをたぐりよせて澤田京介(JBスポーツ)を倒し、日本王者に。

初防衛戦では友人である大島剣心(帝拳)を倒してその強さを証明した堤は、これまでの不遇を挽回するかのような2022年を歩みました。

そして今年はおそらく、チャンピオン・カーニバルでのスタート。

指名挑戦者は、与那覇勇気(真正)との激闘を制した南出仁(セレス)。これは非常に応援に迷う一戦であることは言うまでもありません。

国内のバンタム級は、屈指の激戦区。南出をクリアしたとしても、他には比嘉大吾(志成※ただ、ここの再戦はないような気がする)、栗原慶太(一力※OPBF王者時代に堤とやりたいと明言。可能性はある)、与那覇勇気、富施郁哉(ワタナベ)、田井宜広(RST)、、、と多くの強豪ボクサーがひしめきます。

アジア王者も千葉開(横浜光)、西田凌佑(六島)と粒ぞろいであり、頭ひとつ抜け出すにはこのアジア王者を攻略しなければいけません。

防衛戦で1年を過ごすにしても、統一戦を行うとしても、ここは勝負の年となりそうな堤。

今年、生き残るバンタムには、来年以降で次のステージの話が出てくると思うので、この階級は要チェックです。

 

スーパーバンタム級王者 古橋岳也(川崎新田)

田村亮一(JBスポーツ)との大激闘を経て、日本王者へと返り咲きを果たした古橋岳也。常にダメージが心配になるような大激闘を演じてくれる古橋は、2022年1月に久我勇作(当時ワタナベ)との大激闘、6月に井上拓真戦での約6年ぶりの黒星、12月に田村戦での大激闘とともかく精力的。

今年のチャンピオンカーニバルで迎える挑戦者は、石井渡士也(REBOOT.IBA)という強豪。古橋ファンが多くいる後楽園ホールで、堂々と宣戦布告した石井は、実力のある、バランスのとれたツワモノです。

古橋はそのタフネス、粘り強さに定評があり、石井にとって大きな壁となる事が予想できますが、石井にとっては決してやりづらい相手ではないような気もします。

古橋の粘りにより、またも大激闘となることが予想されるチャンピオン・カーニバル。

古橋はここに勝っても、ランカーには中嶋一輝(大橋)、下町俊貴(グリーンツダ)といった強敵や、大湾硫斗(志成)、福永宇宙(黒潮)といった若手も控えます。

日本の再激戦区の一つであるスーパーバンタム級で抜け出す事は容易ではないため、この階級の日本王座の変遷は今年も非常に楽しみですね。

 

フェザー級王者 阿部麗也(KG大和)

2022年、大きな飛躍の年となった阿部麗也。5月に世界を窺う丸田陽七太(森岡)を撃破して日本&WBOアジアパシフィック王座を戴冠、12月に関西ホープの前田稔輝(グリーンツダ)の顎を割っての判定勝利。

丸田戦でも、前田戦でも「付け入る隙なし」という戦いでこそなかったものの、この強豪相手に完勝というのは十分に世界戦の資格あり、と感じます。

4団体でランクインしていますが、最高ランクはIBFの5位、次期挑戦者決定戦の話も来ているようなので、これは期待して良いでしょう。

2022年、たとえこのタイトルを返上することになろうとも、挑戦者決定戦の声がかかればそれを優先するのは当然のことですので、吉報を待ちたい。

もし、この挑戦者決定戦の話がなくなったとしても、指名挑戦者佐川遼(三迫)との指名試合であり再戦に進む予定であり、もしこうなった場合も目が離せません。

魂を削られるような、ヒリヒリとしたマッチアップが続く阿部は、今年、来年中くらいが勝負の年となるでしょう。群雄割拠の世界のフェザー級戦線、できれば今年中にそこに食い込んでもらいたい。

 

スーパーフェザー級王者 坂晃典(仲里)

2022年のチャンピオンカーニバルでは、指名挑戦者の中川兼玄(角海老宝石)が棄権、防衛戦は9月に奈良井翼(RK蒲田)との一戦のみ。

2021年12月に現OPBF王者、木村吉光(志成)に倒され、奈良井戦もダウンを奪われての大ピンチに陥ってしまったことから、やや不安定感は否めません。

今年のチャンピオンカーニバルで迎える挑戦者は、原優奈(真正)。2018年の西日本新人王で、西軍代表決定戦こそ英洸貴(カシミ)に破れましたが、そこから6連勝、直近では挑戦者決定戦で波田大和(帝拳)を破り、後楽園ホールを驚かせました。

比較的しっかりと足を使うボクサータイプである原に対しては、坂はプレスをかけて持ち前のハードパンチを当てられるかどうか、が鍵となってきます。

尚、奈良井戦での坂のダウンがスリップ裁定されたこと、明らかに効かされた坂が奈良井にタックルした際、ロープの張りが非常に甘く、両者がリング外に落下してしまったこと、この2点についてJBCは謝罪と再発防止に務める旨を報告しています。(ちなみに、このJBCの謝罪文は試合の日付が間違っている、とも話題に)

原を退ける事ができれば、もしかすると奈良井との再戦が持ち上がってくるかもしれません。

いずれにしろ、勝つも負けるも派手な試合をしてくれる坂晃典、今年の試合も楽しみです。

 

ライト級王者 宇津木秀(ワタナベ)

2022年、飛躍の年となったボクサーの一人、宇津木秀。2021年の7月には中井龍(角海老宝石)に大苦戦を強いられてから約半年後、2022年2月には一階級上のスーパーライト級で王者となった鈴木雅弘(角海老宝石)を9RTKOに降し、王座初戴冠を果たしました。

素晴らしいボクシングを見せた宇津木は、たくましいファイティングポーズ、まっすぐの軌道のジャブ、ストレートを駆使するオーセンティックなボクサーファイターで、そのハードパンチや所属ジムも相まって、個人的には相変わらず「内山二世」と期待をしています。

その後は6月に富岡樹(角海老宝石)を8RでTKOして初防衛、そして11月にはジロリアン陸(フラッシュ赤羽)のファイティングスピリッツごと叩き壊して3RTKO勝利。

これぞニッポンのライト級王者!という貫禄がついてきた宇津木は、チャンピオン・カーニバルで二世ボクサー、仲里周麿(オキナワ)を迎える予定です。

2度目の日本タイトル挑戦となる仲里は、そのキャリアで三代大訓(ワタナベ)、木村吉光(志成)、吉野修一郎(三迫)と戦い、良いボクシングを見せています。

ただ、現在の充実ぶりを考えると、宇津木の負ける姿は想像できません。

仲里の父譲りの左フックをしっかりとブロッキングした上で、インサイドから強打を叩き込み、今回もKOなりTKOなりで勝利してくれる事を期待しています。

この最強挑戦者を退けた後は、ほとんど戦うべき挑戦者はいなくなるというのが現実で、もしあと一人、と言われれば湯川成美(駿河男児)くらいしかいないような気がします。

仲里戦後に返上し、どこかしらでチャレンジマッチを挟まなければ、この階級で世界にたどり着くのは結構キツい。2023年、宇津木の更なる飛躍に期待を込めて。

 

スーパーライト級王者 平岡アンディ(大橋)

2022年、4試合を戦った平岡アンディ。この階級で、日本人挑戦者を探すのが難しい平岡としては、非常に恵まれた年となったのではないでしょうか。

うち2名は日本人で、残りの2名は海外からの挑戦者。

とはいえ、やはり実力差があるマッチメイクであり、平岡もやや危うさを見せながらも結果的には4勝(4KO)で2022年を終えています。

日本、アジアのレベルではもう測れない平岡、これ以上はキャリアの足しにもならないかもしれません。

やはり期待されるのは、アメリカでそれなりの相手と戦ってもらう事。例えば欧米の世界ランカー、もしくはプロスペクト。日本で、ではなく、海外に出て戦ってもらいたい、というのも希望です。

日本で戦っていると、この階級ではなかなか影響力は生まれません。

果たして平岡アンディは、世界の強豪とどの程度渡り合えるのか、も結局は謎のままです。

個人的には、やや脆さもあるようにみえるアンディは、現時点では世界の強豪には何もできずに終わってしまうのではないか、と思ってしまいます。

そこを払拭するためにも、世界で活躍する強豪との一戦が見てみたい。

2023年、平岡アンディの世界進出に期待。

 

スーパーウェルター級王者 出田裕一(三迫)

2022年、5月には重田裕紀(ワタナベ)とウェルター級戦を戦い、初回TKO負け。からの、11月には日本スーパーウェルター級王座挑戦、というのは、言いにくいですが当時の王者、川崎真琴(RK蒲田)は与し易い挑戦者として選んだ、ということなのだと思います。

川崎は「これから上を目指す」ボクサーでない事は明白であり、決してその考えを否定するわけではないですが、こういう場合にこそ「なにか」が起こりやすいというのもまた事実。

出田にとっても十分にチャンスがありそう、と思っていた一戦は、タイトル獲得への気持ちの強さで勝利していたであろう出田が見事な9RTKOで戴冠。まさに千載一遇というチャンスを掴み取ってみせた姿は、本当に感動ものでした。

デビューして15年近く、33戦、勝ちと負けがほぼ同数というキャリアでようやく掴んだ日本王座は、続ける事の大切さを教えてくれています。

なるべく長く王座にいてほしい、とも思うわけですが、今年のチャンピオンカーニバルの指名挑戦者は若く、勢いのある中島玲(石田)。年を取る事は、(反射神経の問題で)スピードへの対応が遅れてしまう中、このスピードある挑戦者との指名試合というのは驚異でもあります。

2021年、中島は日本タイトルに初アタック、似たようなタイプとも言える松永宏信(横浜光)に判定負けを喫しています。2度目の挑戦ということで、相当仕上げてくるでしょう。

正直、この一戦は王座交代劇が濃厚と見ています。ただ、そこで出田がベテランの意地を見せてくれると非常におもしろい。

王座獲得により、自信をつけて、一皮も二皮も剥けたボクサーは星の数ほどいます。もしかすると、もしかするのかもしれません。

ちなみに、勝者はやはり加藤寿(熊谷コサカ)の挑戦を受けて欲しいですね。こちらは安達陸虎(大橋)をアップセットで降し、定年を回避したボクサー。ここにも、ドラマがあります。

 

ミドル級王者 国本陸(六島)

国本は2021年、当時竹迫司登(ワールドスポーツ)が持っていた日本王座ヘアタック。初回TKO負けで辛酸をなめるも、「おっ」という動きをしていたことはよく覚えています。

その後、竹迫の返上した王座を巡って酒井幹生(角海老宝石)との王座決定戦に臨み、2022年4月、判定勝利でこれを戴冠します。

その後、初防衛戦ではワチュク・ナァツ(マーベラス)を退けた国本は、日本の重量級での存在感をしっかりと示しつつある、というイメージです。

ランカーが非常に少ないこのクラスは、どうしてもタイトルマッチといえども同じ相手との再戦が多くなってしまうのも事実。

今年のチャンピオンカーニバルの指名挑戦者は、1年ぶりくらいの再戦になろうかと思いますが、酒井幹生。

前戦はポイント的には国本の完勝という内容でしたが、終盤2ラウンズのボクシングが最初からできていれば酒井は勝てていた、とも思える内容。

酒井はコンビネーションで攻め、ヒットアンドアウェイで勝利をたぐり寄せる事ができるのではないか、と思っているのが現在の私の感想です。

約1年の時を経て、王者となって自信をつけた国本か、それともリベンジ&王座初戴冠のモチベーションが酒井を強くするのか、これは非常に興味深い一戦ですね。

まずはこのチャンピオン・カーニバルを見届けたいと思います。

 

ヘビー級王者 但馬ミツロ(KWORLD3)

正直、あまり意味のある王座とは思えない、日本ヘビー級王座。この王座を獲るためにJBCに承認料を支払う意味があるか、と問われると、正直ないような気がします。

だったら、同じくらいのキャリアのアメリカやイギリスの4回戦のヘビー級を呼ぶ、もしくは出向いて戦う方が良いキャリアを築けそうですが。

国内完結型のヘビー級は、いつ返上されてもおかしくはありません。果たして2023年、この王座に挑戦するボクサーが現れるのか、否か。

やっぱり日本王座

日本で認められている地域王座は、日本王座、OPBF王座、そしてWBOアジアパシフィック王座です。

このうち、アジア圏内の王座であるOPBFやWBOアジアパシフィックはなにかのついでにかけられることも多い王座ですが、日本王座だけはそういう事がありません。

ランキングの上下については思うところがありますが、決定戦等は決して順番飛ばしされることもなく、指名試合も非常に厳密。

やはり、この3つの地域王座のうち、最もエキサイティングであり、獲得するのが難しいのもこの日本王座、という印象です。

今年もどのような激闘が見られるのかが非常に楽しみ。

2023年、アツい王座戦に期待したいと思います。

 

 

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