さてさて、試合は少ないけれどニュースにあふれるボクシング界。
毎日のように興味深いニュースが舞い上がっては消えていき、それに一喜して一憂する日々が続きます。
非常に興味深いニュースばかりなので、ここらで一度まとめてみようと思います。
ということで今回のブログは、最近のいくつかのニュースの中で、世界に関わる日本人ボクサーのニュースをピックアップ。
リングマガジンのFOTYにノミネート!
2022年のリングマガジンのFighter of the yearに、井上尚弥(大橋)、寺地拳四朗(BMB)とふたりの日本人ボクサーがノミネート。
これはとんでもないニュースですね。
日本ボクシング界の2022年は、かつてないほど王座統一戦が開催され、ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)やノニト・ドネア(フィリピン)といったレジェンドボクサーが相次いで来日。2022年の年はじめはコロナショックが長引き、一体どうなることやらと思っていましたが、終わってみれば日本ボクシング史上最高と言っても良い年になりました。
そしてこれは日本だけではなく、世界的にもいくつもの王座統一戦が開催され、デビン・ヘイニー(アメリカ)やジャーメル・チャーロ(アメリカ)といったボクシング中心国のボクサーたちも4団体統一という偉業を成し遂げているものの、FOTYへのノミネートは無し。
井上、拳四朗の他にカネロに勝ったドミトリー・ビボル(ロシア)、そして軽量級で旋風を巻き起こしたジェシー・ロドリゲス(アメリカ)がノミネートしている事を考えると、単純にレガシーだけでなく、その内容やインパクトも考慮に入れられている事がわかりますね。
ちなみに、私的FOTYはドミトリー・ビボルなのですが、リングマガジンには是非井上尚弥を選出してほしい。私は(ひねくれた)日本人なので、どうしても井上には厳しい目を向けがちなわけですが、公明正大な目を持つリングマガジンが井上を選んでくれたなら、こんなに嬉しい事はありません。
↓信太的Fighter of the year
発表は1/13(日本時間で1/14)とのことなので、このブログを読むタイミングによってはもう発表されているかもしれません。
リングマガジンのFOTY(最優秀選手賞)、選ばれると良いですね!
↓井上尚弥はNumberのMVPも受賞。1/12発売のNumberの表紙は我らがモンスター!
ジョナサン・ゴンサレスvs寺地拳四朗?
WBO世界ライトフライ級王者、ジョナサン・ゴンサレスのツイート!
🇵🇷🇯🇵
— Jonathan bomba gonzalez (@jonathan_bomba) January 6, 2023
@KenshiroooooKen happy birthday Champion@god bless you and your famaly
— Jonathan bomba gonzalez (@jonathan_bomba) January 7, 2023
1/6にプエルトリコの国旗と日本の国旗を並べてツイート、そして翌日には寺地拳四朗へのハッピーバースデーツイート!
ハッピーバースデーツイートはメンションまでつけられているのに、何故反応してあげない!ケーーーーーーーン!!!
ということで、ここはもうほぼ確定なのかもしれません。WBA・WBCの統一王者、寺地拳四朗は次戦でWBCの指名挑戦者、ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)と戦うはずなのですが、もしかすると水面下では3団体王座統一戦の話がされているのではないか、とも感じさせる匂わせツイート。
相思相愛の両者は、11/1、ゴンサレスが岩田に勝ち、拳四朗が京口に勝利した場で戦う事を約束。そこにWBCは指名戦をオーダーしたわけですが、WBOは統一戦を承認という立場をとっています。
この場合、優先されるのは王座統一戦であってほしい。
拳四朗はギリギリのウェイトなだけに、ちょっと早足で4団体統一に向かって欲しいものです。いずれにしろ、ブドラー戦は無視して、今年前半での実現を期待。
井岡一翔にはWBO指令!
とてつもない勢いで前進する井上尚弥、寺地拳四朗と違い、井岡はその場で強い足踏みをして、足元はガッチガチに固まってしまった、という印象を受けます。
WBO世界スーパーフライ級王者となってから、幾度も指名戦をクリア、そしてようやくたどりついたWBA王者ジョシュア・フランコ(アメリカ)との王座統一戦ではドロー、ベルトは死守したものの王座統一はならず。
WBC王者のファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)は年末の日本に来日、井岡vsフランコの試合を見届けた上で、それでも井岡と戦いたい、と言ってくれました。フランコとの試合は回避したのに。(ちなみにこれは、ファイトマネーが安すぎたからだと思われます。)
しかし、それを許さないWBO。上記のように、ジョナサン・ゴンサレスの王座統一戦は容認したのに、井岡は許してくれません。井岡はWBOに嫌われているのか?と思うくらい、次々と指名戦をオーダーされています。
ともあれ、今度の指名戦の相手は中谷潤人(M.T)。ファン垂涎のマッチアップ、とも言えるし、長年の井岡ファンにとってはかなり厳しい試合になるのではないか、と少し残念に思えるマッチアップであるとも言えます。
ちなみに私はやや後者より、ながらも(以前にも書きましたが)井岡が負けるのならこの中谷であってほしい、とも思うので、複雑ながらも少々楽しみ。
もし井岡がこの中谷に勝利するようであれば、井岡はまた一つステージを上がれるかもしれません。
フランコ戦前から中谷戦の話が持ち上がっていた井岡は、この試合を受けるのでしょう。
若く、勢いのある挑戦者。そして、やや衰えも見え始めたか、と思える4階級制覇のレジェンド。
これは日本人同士の世界タイトルマッチの歴史に、非常に大きなレガシーを残すイベントになりそうです。
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満を持して、日本王座を返上
そして、2023年、ようやくあのボクサーが世界への階段を昇ります。
2019年10月、小坂駿(真正)を初回TKOで降し、日本フライ級王者となったユーリ阿久井政悟(倉敷守安)。その後、3年超の在位期間ながらも防衛回数は3ドと少しさびしいものではありますが、地方ジムであること、そして挑戦者探しに苦労していたことを考えると致し方ありません。
日本王座獲得までは「速攻型パンチャー」と認識されていたユーリ阿久井は、3度の防衛戦ではフルラウンドを2度経験。しかも、ポイントはほとんど取られていない状態で、試合の組み立て方の巧さ、どっしりとして安定したボクシングを展開し、新たな魅力を見せてくれています。
更に、2度目の防衛戦は今や伝説の2021.7.21、桑原拓(大橋)戦です。
現在はOPBF東洋太平洋王者となった桑原は、この敗戦を糧に大きく飛躍していますが、この試合でユーリ阿久井が証明できたことも非常に大きいですし、本当の意味で、全国区となったのはこの試合だと思っています。
↓ユーリ阿久井vs桑原拓!
世界4団体で上位ランクにつけるユーリ阿久井は、日本王座を返上し、2/4のダイナミックグローブに出場する事が発表されています。「世界前哨戦」と銘打たれたこのユーリ阿久井の対戦相手は、WBC世界ライトフライ級14位、10勝(5KO)無敗1分1NCのジェイソン・バイソン(フィリピン)。
一階級下の世界ランカーながらも、「ストライカー」というニックネーム、24歳という若さ、ドバイやジャカルタで戦った経験値。戦績につく「1分」は後のミニマム級世界王者、レネ・マーク・クアルト(フィリピン)と戦ったもの。
なかなかの相手ですので、ここは是非ともスカッと快勝してもらい、世界戦線へ突入してもらいたいものです。
しかし、どうしても気になるのはこのタイミングでの(帝拳プロモーション主催)ダイナミックグローブ登場。
この勝利の先が、WBO世界フライ級王座を獲るであろうジェシー・ロドリゲスへの挑戦だったとするならばいたたまれません。
個人的には、もう穴王者でも決定戦でも良いからとにかく世界を戴冠してもらいたいボクサーではありますが、フライ級の現王者はWBAにアルテム・ダラキアン(ウクライナ)、WBCにフリオ・セサール・マルティネス、IBFにサニー・エドワーズ(イギリス)、そしてWBOはジェシー・ロドリゲスvsクリスチャン・ゴンサレス(メキシコ)の勝者、と、超がつくほど充実してしまっています。
勿論、それでも期待は大きい。
岡山出身のボクサーが、地方のジムにいながら、ウルフ時光以来(←しつこくてすみません)の世界戦を実現させ、そして初の世界戴冠を為す。このサクセスストーリーを2023年に見られる事が、今年の何よりの楽しみなのです。
とはいえ、ちょっといきなりの2/4は行けないかな。。。世界戦は、国内ならどこへでも見に行きます。多分。きっと。
シャクール・スティーブンソンvs吉野修一郎!!
↓前回のニュース記事でお伝えした、シャクールvs吉野が!!
Shakur Stevenson and Shuichiro Yoshino are finalizing a deal for an April 8 fight on ESPN that is expected to determine a new mandatory challenger for the WBC lightweight title, sources told @MikeCoppinger.
— ESPN Ringside (@ESPNRingside) 2023年1月11日
A site for the lightweight bout is yet to be finalized. pic.twitter.com/10iffgdiBo
正式発表ではありませんが、日程は4/8(日本時間4/9)、シャクール・スティーブンソン(アメリカ)vs吉野修一郎(三迫)がWBC世界ライト級挑戦者決定戦として行われる、との報。これは秒読み段階ですね!
吉野修一郎というボクサーは、まだまだ底を見せていないライト級。もしここでシャクールを乗り越えるというアップセットを起こせば、世界中のボクシングファンの視線が彼に注がれる事になるはず。
たとえそうではなくても、善戦すれば一気に評価も高められるし、引手もありそうです。
これは日本のボクシングファンにとって、夢があるマッチアップですね。非常に楽しみです。
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阿部麗也はキコ・マルティネスと!!
🚨 ¡Exclusiva!
— Álvaro Carrera (@AlvCarrera) 2023年1月11日
👨⚖️ La IBF ha nombrado una eliminatoria por el número 1 del ranking pluma
⚔️ Kiko Martínez (@MartnezKiko) y el japonés Reiya Abe (número 5) deberán enfrentarse para convertirse en retador obligatorio al cinturón del pluma
✍️ Los detalles, en breve en @relevo pic.twitter.com/O2cOpar9pP
そしてrelevoというスペイン(?)のスポーツ情報サイトが伝えたところによると、IBFは世界フェザー級挑戦者決定戦としてキコ・マルティネス(スペイン)vs阿部麗也(KG大和)の対戦を指令。これはここから交渉に入ると思うのですが、ロード・ウォリアーであるキコ・マルティネスは日本に来る事は厭わず、阿部としては是非日本でやりたいところでしょう。
交渉の大筋は見えますが、あとはマルティネスを日本に呼ぶ算段、というかマネーが出せるかどうか、というところかと思います。こういう時こそ、亀田ファウンダー、そしてABEMA.TVの出番ではないでしょうか。
阿部はよくDANGANのリングに登場しますが、DANGAN古川代表から話を通してもらって亀田ファウンダーとABEMAが動けば、比較的容易に日本開催が決定できるのではないか、と期待。
カタにハマれば、無類の強さを発揮するキコ・マルティネスですが、阿部麗也ならやってくれるでしょう。あのフィジカルを相手に倒し切る、ということは不可能でも、ガツンガツンと振ってくるマルティネスに、世界を震撼させるようなカウンターを期待。
とはいえ、やっぱりキコ・マルティネスも応援したくなるボクサーなんですよね。
ともあれ、この試合決定の吉報を待ちましょう。
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