2/4(土)は後楽園ホールに行ってきます。
2月発表のWBAランキングで、見事トップコンテンダーとなったユーリ阿久井政悟(倉敷守安)がダイナミックグローブに登場するからです。
プレビュー記事を書こうかとも思ったのですが、ちょっと知らないボクサーだらけなので諦めます。ともかく豪快なノックアウトを見せてもらいたい。
まあ、そんなわけで今週はプレビュー記事ないのかな〜と思っていたら、1つ忘れていましたね。エマニュエル・ナバレッテvsリアム・ウィルソン。
Twitterを見ても誰もこの試合についてつぶやかないし、海外ニュースについてもほとんどこの試合のニュースらしいものが流れてこないので、完全にうっかりしておりました。
ということで今回のブログは、意外とみんな忘れてない???という感じのナバレッテvsウィルソン、WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦について。
2/3(日本時間2/4)アメリカ・アリゾナ
WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦
エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)36勝(30KO)1敗
vs
リアム・ウィルソン(オーストラリア)11勝(7KO)1敗
世界タイトル戦にもかかわらず、うっかり見逃してしまいそうな試合。
シャクール・スティーブンソンのせいで空位だらけになってしまったスーパーフェザー級、まず最初の王座決定戦はエマニュエル・ナバレッテvsリアム・ウィルソン。
スーパーバンタム級、フェザー級を制したナバレッテは、初のスーパーフェザー級戦が空位の王座決定戦となります。
ナバレッテは、現在もWBO世界フェザー級王者であり、返上していません。そしてこの戦いのあと、スーパーフェザー級で戦うのか、フェザー級で戦うのかを決める、とのこと。
さて、ここでおかしな問題。
WBOは、「WBO世界王者が王座を返上して階級を転級する場合、転級した階級の1位になる」ということだったと記憶していますが、ナバレッテはまだ返上していません。この状態でも王座決定戦に出れるのであれば、もうやりたい放題じゃないか。負ければ戻れば良いだけなのだから。
まあ、もう何でも良いか。
そんなわけでエマニュエル「バケロ」ナバレッテ、体躯に恵まれたこのボクサーは、意味不明なタイミングと理解不能なアングルを持っているボクサーで、多分シャドーボクシングとかは巧くない。ただ、こういうボクサーが一定数いるのは事実。
36勝1敗という唯一の黒星は、プロデビュー6戦目のことなので、今となってはもうどうでも良い事です。
2018年、不利予想を覆してアイザック・ドグボエ(現イギリス)を攻略してWBO世界スーパーバンタム級王座を獲得すると、ドグボエを再戦でストップ。世界王者となったあとも精力的にリングに上がったナバレッテは、2020年10月に王座決定戦を制してWBO世界フェザー級王座を獲得、2階級制覇。
フェザー級ではクリストファー・ディアス(プエルトリコ)、ジョエト・ゴンサレス(アメリカ)、エドゥアルド・バエス(メキシコ)ら強豪を降し、3度の防衛に成功しています。
そして迎えたスーパーフェザー級の王座決定戦は、なんとオスカル・バルデス(メキシコ)!!!。。。だったのに、なぜこんなことになったのか。
バルデスは怪我でこの王座決定戦を欠場、代役としてリアム・ウィルソンとなりました。
このウィルソンは、オーセンティックでアグレッシブさのあるボクサーファイターですが、これといった大きな武器がないとも思えるボクサー。
プロキャリアは浅く、2021年7月には日本でもおなじみのジョー・ノイナイ(フィリピン)に5RTKO負けを喫しています。
↓観戦記
その後、ノイナイにはリベンジしていますが、これは確かノイナイどうしちゃったの?ってくらいのパフォーマンスだったように記憶しています。
この状況を鑑みると、正直あまり期待できるボクサーではありません。
更にウィルソンは正統派すぎて、ナバレッテとの相性も良いとは言えないと思います。
とはいえ、やはりウィルソンもここまで上がってきたボクサーであり、この一戦には大きな覚悟を持って望むはず。
一応、この試合の勝者はオスカル・バルデス戦をオーダーされる見込みとのこと。
ということで、この試合はなんとか無理やり楽しみに持っていきたいと思います。
アーノルド・バルボサJr(アメリカ)27勝(10KO)無敗
vs
ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)29勝(14KO)4敗1分
さて、そんなことよりもセミファイナルです。アーノルド・バルボサJrというのはアメリカのスーパーライト級ホープで、もう世界タイトルまであと一歩、という所まで来ていると言って良いでしょう。
そのタイミングで、わざわざホセ「スナイパー」ペドラサを選ぶというのはなかなか素晴らしい事です。
バルボサはハンドスピード、体全体のスピードが非常に速いボクサーで、攻防のバランスがとても良い。いわゆる「総合力の高い」ボクサータイプであるものの、やはり爆発力にはやや欠けるというイメージです。
ここまで無敗で駆け上がってきており、前戦ではダニエリト・ゾリラ(プエルトリコ)との無敗ホープ対決を制し、いよいよプエルトリコの大ボス、ホセ・ペドラサが登場ということです。
↓バルボサvsゾリラの観戦記
対してスナイパー・ペドラサは、スーパーフェザー級、ライト級に続く3階級目へのチャレンジの途中。
2階級制覇のあと、2019年にスーパーライト級に転級も、初戦でホセ・セペダ(メキシコ)に敗れてしまいます。
その後は格下ボクサー相手ながらも勝ち残り、2022年3月に元王者、ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)とのサバイバルマッチ。ここで小差の判定を落として再起するも、その再起戦でもリチャード・コミー(ガーナ)と引き分け、もう勝ち星からは1年半以上も遠ざかってしまっています。
↓素晴らしい戦いだったコミー戦
こちらはスイッチも器用にこなすテクニシャン。
スピードは若いバルボサに分があると思いますが、当然歴戦の雄、ペドラサは侮れません。
勢いがあるのはバルボサでしょうが、戦略面、細かなテクニックに長けているのはペドラサのはず。
これは非常に楽しみな一戦ですね。
強豪との歴戦のダメージを被ってなければ、ペドラサが何とはぐらかし、勝利しそうな感じがしますが、ペドラサはもう年でもあります。この前戦からの期間で、どのように衰えたのか、それとも変わってないのか、もしくは向上しているのかは蓋を開けてみなければわかりません。
いずれにしろ、ペドラサがここで負けるようならばもう引退したほうが良いかもしれませんし、バルボサがここで負けるようならスーパーライト級のタイトルには届かないかもしれない、という痺れる一戦。
個人的には、このスーパーライト級でタイトルに届かなかったとしても、ゲートキーパー的な役割をして若いボクサーたちを選別してもらいたいペドラサの勝利を願います。
その他のアンダーカード
さて、トップランク興行として行われるこの興行のアンダーカードには、トップランク期待のボクサーたちがこぞって出場です。
試合順はわかりませんが、ニコ・アリ・ウォルシュ(アメリカ)やリチャード・トーレスJr(アメリカ)らのすでに名前のあるボクサーたちも出場するので、セミかセミセミあたりはこのニコかトーレスのどちらかかもしれません。
そして他にも、アンドレス・コルテス(アメリカ)、リンドルフォ・デルガド(メキシコ)といったプロスペクトたちや、まだ海のものとも山のものともつきませんがエミリアーノ・バルガス(フェルナンド・バルガスの息子)らも登場しますね。
時間があればプレリムス(アンダーカード)から見ても良いな、なんて思っています。
放送・配信
こちらの興行は、アメリカではESPNが生中継。
残念ながら日本でのライブ配信はありません。
録画放送は2/20(月)WOWOWであるそうなので、結構なタイムラグがありますね。まあ、メインカード的に仕方ありません。これがナバレッテvsバルデスならばWOWOWさんも頑張ってくれたかもしれません。
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