信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】「死闘」WBOアジアパシフィック王座戦、中川健太vs古谷昭男!セミにはホープ、渡来美響!

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那須川天心のプロテストからデビュー戦の発表、それに伴いアマゾンプライムビデオ・ライブボクシング興行の第四弾発表。非常に盛り上がるボクシング界ですが、今週の国内興行を忘れてはいけません。

2/14、バレンタインデーはダイヤモンドグローブ、その2日後の2/16はフェニックスバトルと、ボクシング三昧のウィークデイ。しかもこの週末にはリー・ウッドvsマウリシオ・ララ、ルイス・ネリvsアザト・ホバニシャンなんていう大注目マッチが控えます。

ということで2月中旬、ゴールデンウィークと呼ぶにふさわしい一発目興行、ダイヤモンドグローブの観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

2/14(火)ダイヤモンドグローブ

渡来美響(三迫)2勝(1KO)無敗

vs

キム・ムーヒュン(韓国)9勝(5KO)4敗

相手は韓国チャンプ、とはいえ、韓国は今いったいどれくらいの団体が存在しているのでしょう。いずれにしろ、キャリアはそれなりにあるということは、試合自体は多く行われているのかもしれませんね。

韓国ボクシング界は、一時期全く聞かなくなりましたが、最近はちょこちょこ聞くようになって嬉しいですね。是非とも盛り上がってもらいたい。

が、今回は渡来なので、残念ながら見せ場はないはず。

さて、初回、いきなりノーガードでスタートした渡来。そこからプレス。上体を軽く振り、狙いすました鋭いジャブ。キムがたまらずパンチを繰り出せば、一瞬で右カウンター。

すでに立ち上がりから、役者が違います。

2R、渡来はコンビネーション。パンチのアングルが多彩で、更にしっかりと相手を観察しながら戦っているため、キムのパンチはまったくもって当たる気がしません。キムとしてはもうなりふり構わず頭から行くべきですが、キムが出ようとすれば渡来の素晴らしいジャブ、そしてカウンターが飛んでくるのでそれすらもできません。

 

3R、渡来はジャブをヒットしてステップバック、ジャブをヒットしてスリッピングアウェー。そして右カウンターをヒット、なんという華麗さ。

その打って離れてのボクシングから、後半は強いボディをいくつもヒット。躱して左ボディ、躱しながら右ボディ、ドスンドスンと音を立てていくつものヒットを重ねますが、キムは動きを止める事こそあれど倒れる事はありません。

しかし、渡来が倒し切るためには、このボディがキーとなりそう。

4R、このラウンドは前半から強い右ボディを幾度となくヒット。キムも頑張って手を出しますが、渡来はこともなげにひょいひょいと躱します。

終盤に渡来は顔面への右をヒット。

5R、このラウンドは大きく足を使い、これまでよりも少し遠い距離でのボクシングを敢行する渡来。渡来の強いボディに、キムはローブローのアピール。これはかなり嫌がっています。

6R、自分から攻めて相手の攻撃を引き出し、それにカウンター。こういう戦い方は本当にかっこいいですね。

前ラウンドに続き、比較的大きく足を使った渡来は、中盤にパンチをまとめて見せ場を作ります。それでもキムは諦めることなく、膝をつくこともなくファイティングスピリッツを見せます。

しかし後半、キムの右をかわして右のロングをリターンした渡来、そこからのキムの反撃をかわし左アッパーから右ストレートをフォロー、ここでようやくキムがダウン!!

 

立ち上がったキムに狙いすました右ストレートを2発、ここでレフェリーが割って入り、試合をストップ!

渡来美響、6RTKO勝利!!!

やはり強い、渡来美響。キムはキャリアのあるボクサーであり、「韓国王者」との肩書ではあるものの、日本王者たちと比べるべくもありません。さて、渡来美響、本当の戦いはこれからです。

階級も階級なので、本当は海外で戦うというのが一番良いとは思うのですが、ここからは国内強豪とのマッチアップ、でしょうね。

WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王座決定戦

中川健太(三迫)22勝(12KO)4敗1分

vs

古谷昭男(六島)10勝(3KO)5敗

メイン前に月間賞のセレモニー。ここで佐川遼(三迫)vs松本圭佑(大橋)の日本フェザー級王座決定戦の発表も。日程は4/18(火)のダイヤモンドグローブ。

笑わないように頑張っている雰囲気の両者のフェイスオフ、横顔を見るとお父さんにそっくりな松本圭佑。これは非常に楽しみな試合ですね。

さて、そしていよいよメインイベント。

初回、中川がいつもどおり右手をしっかりと掲げたファイティングポーズ、そこから右を細かく使ってまずは古谷を牽制。

しかし前半から思い切りよく踏み込んで右ストレートを打った古谷のパンチがヒットしたようにも見えました。古谷はさすがサウスポーキラーと言われるだけあり、オーソドックススタンスから放たれるノーモーションの右が卓越しています。

 

この右が下からきたり、まっすぐきたりというところで相手からするとわかりにくいのかもしれませんね。

中川も左から攻め込んだり、としていますが、やや古谷の奥手の方がキレがあるように見えます。後半に入ると中川もエンジンがかかってきたか、良いタイミングでもコンビネーション。

2R、中川がじりじりとプレスをかけ気味で、古谷の右を躱しての左ストレートが良い。古谷は踏み込みも素晴らしく、更にリーチもあるため、やはりこの右は大きく伸びてくるのでしょうか。

ギリギリの距離感でどちらが先に動くのか、先に動いた方に対してどのように対処するのか、というヒリヒリとした展開が続きます。

このラウンド、古谷がバッティングで鼻頭付近をカット。

3R、古谷はプロ叩き上げとはいうものの、非常に綺麗な、バランスの良いボクシングです。中川は全く左手が下がらないファイティングポーズから、しっかりと距離をつくってリターン。古谷は素晴らしい踏み込みからのワンツーが素晴らしいですが、中川は左ストレートのあと右フックをしっかりと返せるところが素晴らしい。

 

4R、序盤、古谷が右をヒット!やや動きの止まったように見えた中川に、古谷はラッシュ!しかし中川はここを冷静にクリンチでエスケープ、その後は前手で距離をつくり、長い左ストレート。

互いにパンチが当たる距離で外しあい、カウンター、リターンを狙うというハイレベルな技術戦。互いにここぞという時、そして逆に攻め込まれそうな時には強いコンビネーションを繰り出し、全く譲りません。

5R、互いに非常にクレバーさを持っているボクサーではありますが、この中間距離での攻防ではほんの少し、中川が上のように見えます。

中川の方がアングル、コンビネーションの多彩さに優れるか。古川はワンツー主体、このワンツーは踏み込みも含めて非常に鋭いですが、ちょっとここまで見せすぎか。

6R、中川はこのラウンド序盤も左ストレートから右フック。この返しの右が非常によく、これが古谷にはないパンチ。

中川が左ストレートで古谷の顎を跳ね上げると、古谷も右ストレートを突き刺して反撃。

互いに利き手を当てあう展開の大激闘、そんな中で光るのは中川のまえてのフックは光ります。

7R、中川が比較的右ジャブを突き、距離をキープしているというラウンド。古谷はなんとか攻め入ろうと鋭い踏み込みを見せたり、上体を振ってみたりと様々を試します。

 

しかし中川はふとした時にストレートで古谷をはじき、ここは空気感というか雰囲気というか、実際にどうなのかはわかりませんが、「中川ペース」を印象づけるボクシング。

8R、少し、距離が開いたようにも見えます。遠い距離から、鋭いワンツーで踏み込む古谷と、1発で踏み込んだり4発ほどのコンビネーションで踏み込んだりする中川。

古谷はもう少し、連続した手数で攻めていきたいところですが、やはり中川のポジショニングが良いのか、一回の攻撃で終わってしまいます。

9R、中川のコンビネーション、決してつなぎが速いわけではないのですが、これは反撃しづらいタイミングなんでしょうね。古谷はここにきてプレス、やはりこのボクサーは後半が強い。

バチバチの打撃戦、という中でも中川はいくつかのパンチをまとめた後のポジショニングを忘れる事なく、さも体に染み付いた動き、というように打てば位置を変えています。

そして後半、古谷を効かせたのち、チャージ!右フックと左ショートを繰り出して古谷を追っていき、古谷はガードとステップワークで精一杯!しかし古谷も倒れず、ゴングにエスケープ。

 

10R、古谷はきっと追い詰められてからが強いボクサー。このピンチにも強い右を振り、足元もしっかりとしています。そしてここで古谷が右ストレートで攻め込み、なんと今度は中川がダメージを負い、バックステップ!

中盤、ラッシュをかけた古谷に対し、明らかに効いてしまった中川が今度はピンチに!!

会場は大きな声援と拍手、そこからなんと中川が反撃、今度は古谷がガクッときます!!

今度は中川がラッシュ、これはなんというラウンド!!!

中川も古谷も耐えきった、これはとんでもない、意地と意地のぶつかりあい。。鳥肌ものです。

11R、とうとうチャンピオンシップラウンド。果たしてふたりはあと6分間、立っていられるのか。

プレスをかけた古谷は、長い右ストレートをヒット。中川はやや近めの距離から3発4発のコンビネーション。

このラウンドも互いに譲らず、気持ちで手を出し続けた両者、疲労がより濃いのは中川の方ですが、それでも戦い方は中川が上回る。スウィングラウンドが続きます。

 

ラストラウンド、中川は小気味良いコンビネーション、この中川の右フックの打ち終わりに古谷が左フック。この左フックがもっと早くでていれば良かったかもしれません。

おそらくポイント優位であろう中川に対し、古谷は猛烈なチャージ。ここでいけるボクサーとそうでないボクサーとがいますが、古谷はここで行けるボクサーです。

それでも中川はまだまだ冷静で、しっかりとしたポジショニング。打っては位置を変える中川は、打たれてはいるもののその被害を最小限に抑え、集中力をキープして打ち返します。

最後の最後まで互いの得意な奥手のパンチを当てに当てまくった両者の大激闘は、その勝敗をジャッジに委ねる事となりました。

大きな大きな拍手に彩られた聖地・後楽園ホール。

判定は、117-111、116-112、115-113で中川健太を支持。

本当に「死闘」と呼ぶにふさわしい、12ラウンズ。

 

中川はさすがのハートと、さすがの試合運びを見せましたね。これでまた一歩、「世界挑戦」へと近づきました。

WBOの世界スーパーフライ級という階級は、現在井岡一翔vs中谷潤人というビッグマッチが合意に至らず、入札という予定。

これには、井岡陣営がまだジョシュア・フランコとのダイレクトリマッチを考慮に入れているから、ということもあるのかもしれません。

日本タイトルを返上してまで、このWBOアジアパシフィックタイトルを狙いにいった、ということは、狙いはWBOの世界ランキング、という事なのだと思います。

中川に世界タイトルのチャンスが巡ってくる事を願います。

そして、敗れた古谷昭男。

前戦に続いて、ハートの強さを見せてくれました。

12ラウンズ、というボクシングでの最長ラウンド、その最後の最後まであそこまでしっかりしたボクシングを見せられるボクサーは、多くありません。きっと、このボクサーはどこかでベルトを巻くボクサーだと思います。

今後も注目です。

 

 

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