2/25(土)、TMK興行の第一弾興行です。
全4試合だったのが1試合中止となり、全3試合。興行としてはちょっと寂しいですね。
なんだかハーフタイムショー的なものもある、とのことで、そういうのに時間を割かれるのが本意ではないので、ディレイで視聴することにしました。その前にU-NEXT契約し直さないとな〜と思っていたら、なんかずっと契約状態でした。。。なんとももったいない。
私はPBC興行はShowtimeと契約してみているので、実際U-NEXTを契約したのはいつのことなんだろうか。数えると凹んでしまうので、やめておこう。
U-NEXTは追っかけ再生機能はないようなので、情報遮断してアーカイブ配信を待つことにしましたが、追っかけ再生機能はつけてほしいですね。そうすれば、ちょっと遅めに見始めて、ショーとかをぶっ飛ばしてメインだけはリアルタイムで見る、ということもできそうなのに。
ということで今回は、亀田和毅、亀田京之介が登場のTMK興行の観戦記。
2/25(土)TMKボクシング
53.0kg契約8回戦
レネ・ビビアーノ(メキシコ)18勝(7KO)無敗
vs
ラードチャイ・チャイヤウェード(タイ)9勝(5KO)10敗
WBA世界スーパーフライ級10位という肩書を持つレネ・ビビアーノ。TMKジムの契約選手のようですね。
メキシコで戦うよりも、軽量級大国ニッポンで戦歴を積み上げれば、世界への道は近いのかもしれません。無敗の新鋭、ちょっと期待してしまいます。
初回、まずプレスをかけていくのはビビアーノ。眼光鋭いビビアーノ、ガードを掲げて鋭いジャブ。シントゥーラを使わないメキシカン、ちょっと腰高、かといって足を使うタイプではありません。
流石にメキシカンらしく、近い距離では力強い左右のフック。ラードチャイは負け越してはいるもののキャリアがあるボクサー、動きながらも打ち合うところではしっかりと打ち合っています。
2R、続いてビビアーノがプレス、ジャブから突いていきますね。近い距離でのフック、アッパーは良いアングルです。ラードチャイも負けじとワンツーで反撃、後手に回っている感は仕方のないところか。
3R、ビビアーノはまっすぐの良いジャブを打ちますね。ただ、ちょっと攻撃がま正直すぎるところもあり、メキシカンらしい強引でワイルドな攻撃は見えません。綺麗すぎる、とも言えます。
ラードチャイは身体を柔らかくつかってクリーンヒットを避けようとしていますが、ビビアーノの強烈なボディショットはしっかりとヒットしているように見えます。ビビアーノは上下のコンビネーション、良いですね。
4R、次々とヒットを重ねるビビアーノ。ラードチャイは顔面こそブロッキング、ダック、スウェーで被弾を避けますが、とにかくボディにもらっています。それでも倒れないこのラードチャイは気力のあるタイ人ですが、いかんせん実力が違いすぎますね。
力強いながらも力だけで押し切る事はできないビビアーノ、このラードチャイを倒しきれるか。
5R、終始先手をとるビビアーノ、幾度もボディを叩きますがまだラードチャイは倒れる気配がありません。これはビビアーノ、もう少し考えた方が良いかもしれませんね。
後半、ビビアーノのチャージによりラードチャイはさすがに上体が前に折れてきますが、その後も固いガードを維持、時折ワンツーを返してサバイブ。
ビビアーノは素晴らしい回転力、そして体幹が強そうな連打をかましますね。
6R、亀になるラードチャイ、ビビアーノは顔面へのアッパーをヒット、その後も攻め続けます。しかしこの猛チャージでもラードチャイのガードを崩せず、3分間が終了。いや〜、ラードチャイ、タフですね。
7R、ここで倒しきりたいビビアーノ、ゴングと同時にガンガンいきます。完全に亀になるラードチャイは、「倒されない」という事だけにコミットしているような戦い方。
ガードが固く、タフネスを持つボクサーにこの戦い方をされると、キツイか。
ラストラウンド、ここでもビビアーノは倒しに行きます。ラードチャイは距離をとったりクリンチしたり、正当なサバイバル技術ながらも、これをメキシコでやれば大ブーイングでしょう。物が飛んでくる可能性すらあります。
結局、レネ・ビビアーノは倒し切る事はできず、規定の8ラウンズを終了。
判定は79-73、80-72×2、ほぼフルマークでレネ・ビビアーノ。
よく手がでるボクサーではありますが、上体が突っ立ったままでちょっとメキシカンぽくはないかな、と思います。あの連打に、これまでの対戦相手は巻き込まれてきたのかもしれません。あれだけの手数なので、カウンターを取るのが難しいかもしれませんね。
ただ、攻略法がない、とか、強すぎる、とか、そういうイメージはありません。
是非ともここは日本人ボクサーに、彼の世界ランクを奪いにいってもらいたいところです。
フェザー級10回戦
亀田京之介(ハラダ)9勝(7KO)3敗1分
vs
ペッチバンボーン・ソー・タナピンヨー(タイ)50勝(24KO)12敗
勝数に対してのKO率は素晴らしい、非常に切れ味鋭いカウンターを持つ亀田京之介。
中間距離のボクシングで上回れたり、精神的に幼いところを突かれたりすると黒星を重ねてしまうイメージですが、今回のペッチバンボーンはそういう意味では安牌に近い。
日本でもおなじみ、ペッチバンボーン・ゴーキャットジムという名前で井上尚弥に挑戦したのはもう7年も前のこと、更には階級はスーパーフライ級。
今回はフェザー級という一戦ということもあり、亀田の快勝が期待されるところ。
初回、当然のことですがサイズが全く違います。前に出ようとするペッチですが、亀田は下がりながらフェイントを入れて牽制、そこから鋭い踏み込みでワンツーを放っていき、なかなか接近できません。
2R、亀田は良い距離をキープ、そして素晴らしいジャブでペッチを翻弄。ペッチは近づくことはおろか、何もできない時間が続きます。互いにクリーンヒットはほぼありませんが、完全に亀田の距離であり、ペースです。
3R、ペッチはもっと強引に行かなければいけませんが、カウンターを警戒してか全く手が出ず。遠い距離で亀田のジャブで磔にされるような場面も目立ち、為すすべがありません。
亀田は距離をキープした良いボクシングを展開、これで相手がガッと出てきてくれれば、カウンターも打てそうなものです。
後半は近い距離で打ち合った両者、ここでようやくペッチにも手数が出てきます。
4R、展開は変わらず、亀田が距離をキープ。後半にはペッチが攻め込み、いくつかのクリーンヒットを奪う見せ場をつくりますが、その後は続きません。
5R、このラウンドも距離をキープした亀田が先に攻め込み、その攻撃が終わる頃にペッチがリターンを返す、という展開。ペッチとしては先手を取りたいところですね。
6R、亀田の打ち終わりを狙う、というよりは、そこしか手を出せないでいるペッチ。亀田はおそらくストップを狙ってかアグレッシブに攻撃をしかけると、ペッチは応戦しやすくなります。
7R、ペッチは未だ手があまり出ませんが、ハイガードとジリジリとしたプレス。亀田はステップを大きく使うようになり、ちょっとプレスがかかっているか。それでも亀田はコンスタントなジャブを止めず、結局ペッチは攻め込む事ができないでいます。
8R、前半から中盤にかけては距離をキープした亀田ですが、後半に入ると頭をつけた打ち合いに。ここで体勢の低いペッチに対してアッパーを効果的に使って攻めます。
9Rもヒット&アウェイのボクシングを貫いた亀田は、ラストラウンドになっても集中力を切らさず戦えています。そしてラウンド終盤、ややプッシング気味ながらもダウンを奪い、ペッチにカウントを聞かせる事に成功。立ち上がったところでラウンドが終了。
判定は、99-90、100-89×2で亀田京之介。
終始圧倒し、危なげなく勝利も倒しきれず、の亀田京之介でしたが、この10ラウンドをフルラウンド戦い抜いた事は大きな糧となったのかもしれません。
56.0kg契約10回戦
亀田和毅(TMK)39勝(21KO)3敗
vs
ルイス・カスティージョ(メキシコ)30勝(20KO)4敗
さて、メインイベント。ルイス・カスティージョという名前は強そうな世界ランカーの実力は如何に。
初回、まずカスティージョは明らかにスピードがありません。というか、亀田と比べてしまうとかなり遅い方のように見えます。
まずは亀田は様子見か、ちょっと足を使いながら鋭いジャブ。
カスティージョはかなり独特な動き、なんだかこの素人臭さが非常に不気味。
2R、独特、というか見れば見るほどボクシングを始めたての動きに見えてきてしまうカスティージョ。結構思い切りよく踏み込んでくるのはメキシカンらしく、ゴツンゴツンと頭があたってしまいます。ちょっと予測不能な動きで、亀田はやりづらいのか、打って離れてのボクシングはまだできていません。
3R、そろそろエンジンがかかってきたか、亀田はよくジャブを出し、ワンツーを出し、入ってきたところに左フックカウンター。
後半、亀田の左ボディが良い感じ、更にカスティージョの右ボラードの打ち終わりに左フックカウンターをリターン、これは巧い。
4R、カスティージョもいよいよプレスを強めてきます。こうなると亀田はしっかりと大きく動き、カスティージョの打ち終わりにリターン。頭には気をつけなければいけませんが、この方が幾分か戦いやすいかもしれません。
5R、カスティージョはより攻撃的に。ただ、やはりハンドスピードは遅く、また振りも大きく、更には打ち終わりも戻しが遅い。
これは亀田のリターンの格好の餌食であり、特に右ボラードへの左フックのリターンは完全に見切っています。
そしてこのラウンド中盤、左フックから左ボディを叩きカスティージョをぐらつかせると、そこを追撃してストップを呼び込んだ亀田和毅。
さすがにちょっと早いかなーと思うストップではありましたが、実力差があったのも事実であり、ついにこのルイス・カスティージョというボクサーが肩書にふさわしいボクサーだったのかどうなのかはわからずじまいでした。
ともあれ、亀田和毅は5RTKO勝利で世界前哨戦を飾り、あとはムロジョン・アフマダリエフvsマーロン・タパレスの勝者への挑戦を待つばかり。
スーパーバンタム級の世界戦線へ、割って入れるか。
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