3月最初の週末から注目試合が盛りだくさんですね。
3/4(土)はダイナミックグローブ、これは大激闘となりそうな一戦、千葉開vs栗原慶太のダイレクトリマッチ。
そして海外ではその翌日、これまた大激闘となりそうなブランドン・フィゲロアvsマーク・マグサヨ!!
両方とも視聴できるとすると、この土日は見ているだけで体中に力が入って疲れてしまいそうですね。。。
という事で今回のブログでは、フィゲロアvsマグサヨのWBC世界フェザー級暫定王座決定戦について。
↓千葉vs栗原のプレビューはこちら
3/4(日本時間3/5)アメリカ・カリフォルニア
WBC世界フェザー級暫定王座決定戦
ブランドン・フィゲロア(アメリカ)23勝(18KO)1敗1分
vs
マーク・マグサヨ(フィリピン)24勝(16KO)1敗
元世界王者同士が、WBC世界フェザー級の暫定王座をめぐって決定戦に出場です。
元WBA・WBC世界スーパーバンタム級王者のブランドン・フィゲロアはすらりとした長身と甘いマスクを持つボクサーで、そのスタイリッシュな体躯からは想像できないほどの泥臭いアタックをするボクサー。
2015年にプロデビューしたフィゲロアは、2019年にヨンフレス・パレホ(ベネズエラ)をストップしてWBA世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得します。このパレホはのちに亀田和毅(TMK)と挑戦者決定戦を戦うボクサーですね。
その後、正規王者に昇格したフィゲロアは、当時のWBC世界スーパーバンタム級王者、ルイス・ネリに挑戦。
この試合は日本中が注目した一戦、序盤はネリに苦戦を強いられるもしつこいアタックを繰り返し、ついには7R、ネリを倒し切ってしまいました。
↓日本の期待をフィゲロアに勝手に背負わせた一戦の観戦記
そういえばネリの評価はホバニシャン戦を経て下がっているようですね。被弾が多かったとか。。。それでも、ホバニシャンを相手にあの内容で、確かに削られてはいたものの、最後まで集中し、更に決め所を見誤らなかった事は素晴らしいと私は思います。ホバニシャン相手に、フィゲロア戦同様の結果にならなかった、というのは彼の成長とみて良いとさえ思っています。
あの試合でネリがスーパーバンタムで通用しない、というのはどういう観点なのかよくわかりません。気持ちはわかりますが、みんなネリを認めたくはないのだろうな、と思っています。
はっきり言ってネリは強いと思いますし、スーパーバンタムにも十分フィットしていると思います。
まあ、何が言いたいかというと、今ほどスーパーバンタムにフィットしていなかったとはいえ、ネリをストップ、というか嫌倒れさせたフィゲロアのねちっこさたるや、とんでもない、という事が言いたいわけで。
当初このネリvsフィゲロアは王座統一戦と発表されていたような気がしますが、当時WBAのレギュラー王者だったフィゲロアの王座はいつしかなくなり、WBC王者としてWBO王者、スティーブン・フルトン(アメリカ)との王座統一戦に臨みます。
ネリを削りに削り、最終的に押しつぶしたフィゲロアのアタックはフルトンにも非常に有効に見えましたが、ジャッジの判断はフルトンのマジョリティ・デシジョン。以前から体重苦を訴えていたフィゲロアはフェザー級への転級を決めます。
このフルトン戦はどっちに転んでもおかしくない内容だったがために、このフルトンvsフィゲロアの再戦も待たれるところですね。
フルトンに敗北したフィゲロアは、復帰戦でプロスペクト、カルロス・カストロ(アメリカ)をストップして再起。カストロはフィゲロア戦の前にネリに初黒星をつけられていたものの、まだまだ期待のボクサーでした。(ネリ戦はややカストロ寄りの採点でのスプリット負け)
このカストロを完璧にストップしたフィゲロアは、WBC世界フェザー級王者レイ・バルガス(メキシコ)がWBC世界スーパーフェザー級王座に挑戦するために、WBC世界フェザー級暫定王座決定戦に出場することになりました。これは意味不明なことで、結局スーパーフェザー級戦で負けたバルガスは戻ってくるのでしょうか。相変わらずメキシカンに甘すぎるWBCの裁定を待ちましょう。
ともあれ、そのレイ・バルガスにWBC世界フェザー級王座を明け渡してしまったのが今回の相手、マーク・マグサヨ。
パンチングパワーに優れるマグサヨは、フィリピン系のハードパンチャーらしく、当たれば倒せるパンチを持ったハードヒッター。
2013年にプロデビューしたマグサヨは、連戦して連勝、アジアの枠に収まるボクサーではありませんでした。
いつしかアメリカリングの登場、そして名匠フレディ・ローチとの出会いを経て、予想絶対不利のなか、当時WBC世界フェザー級の「絶対王者」だったゲイリー・ラッセルJr(アメリカ)に挑戦。
ここで大方の予想を覆し、ラッセルに勝利したマグサヨは、見事WBC世界フェザー級王者に輝きました。
ただ、この試合はやはりラッセルの怪我に助けられた、とみる向きがあってもおかしくない一戦。その真価が問われるのは、その後の防衛戦に持ち越しとなりました。
初防衛戦は、ラッセルがいなくなったからなのか、WBC世界フェザー級王座を狙いに来た元WBC世界スーパーバンタム級王者、レイ・バルガス。(どんだけレイバルが嫌いなんだ、と言われてもやっぱり好きにはなれないので、こういう言い方になってしまいますね。)
この一戦でマグサヨはバルガスからダウンを奪う健闘を見せるも、スプリットの判定負けで王座陥落。判定に文句をつけるつもりはありませんが、負けても尚マグサヨは力を示した、ともいえる一戦でした。
↓マグサヨvsバルガス!セミにはフィゲロアvsカストロ!!
さて、これまでの実績を見ると、やはり下の階級とはいえ世界王者となって幾度となく防衛戦をこなし、更には実質的には統一王者となっているブランドン・フィゲロアが優位でしょう。
ただ、マグサヨにとって、フィゲロアはやりづらくはないボクサーだと思います。
フィゲロアとラッセル、バルガスを比べると、各段にフィゲロア相手にパンチを当てやすい、という事が一つの要因です。
当てる事にすら苦労したラッセル戦、攻勢点を取れ、ダウンを奪えたけれども仕留めきれなかったバルガス戦、この二つの戦いとは全く違った、バチバチの打ち合いになるであろう今回の一戦。
フィゲロアはファイタータイプではあるものの、その武器はパンチングパワーではなく、しつこい連打とあくなき手数、スタミナ・フィジカルタイプのラッシャーです。
マグサヨのパンチが当たる距離に居続けてくれるフィゲロアは、マグサヨにとっては比較的やりやすい相手ではないでしょうか。
そして、フィゲロアにとっても距離を取られるよりも、マグサヨはやり易い相手に見えます。
フィゲロアは近い距離で優れ、マグサヨは中間距離でのパワーパンチに優れるという距離の違いこそあれど、ともに相手を倒し切る力を有している一戦は、KO決着が濃厚だと思います。
マグサヨがフルラウンドを考えず、最初から倒しに行くようならマグサヨが優位なような気もしますが、あのフィゲロアのしつこいアタックにマグサヨが値を上げてしまわないとも限りません。
これは非常に楽しみな一戦ですね。
アンダーカード、放送・配信
セミファイナルは元WBAスーパー・IBF世界スーパーウェルター級王者、ジャレット・ハード(アメリカ)がホセ・アルマンド・レセンディス(メキシコ)とミドル級戦。
ハードは前戦で伏兵ルイス・エイリアス(アメリカ)に敗れてからの再起戦となります。1年半ぶりのリングで、どのような姿を見せるのか。あんまり期待はできないような。
セミセミの方が注目で、こちらはアミルカール・ビダル(ウルグアイ)vsエリヤ・ロレンソ・ガルシア(アメリカ)のミドル級無敗対決。
このガルシアというボクサーは弱冠19歳、この年でShowtimeの本放送に登場というのは非常に将来有望ではないでしょうか。ビダル戦はチャレンジマッチ、これに勝てば本物です。
という事でこの楽しみな一戦は、アメリカではShowtimeが生放送。日本時間3/5(日)11:00~です。
で、PBCのチャンピオンシップボクシングを日本で放送してくれる、と期待しているU-NEXTから、ライブ配信の情報は今のところありませんね。。。
何とかしてほしいものです。
↓調べた結果、この方法で見れます。(有料)
【FITE.TV】リットソンvsデービスのWBA世界SL級挑戦者決定戦!「+VPN」でフィゲロアvsマグサヨも視聴可能! - 信太のボクシングカフェ
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