信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

「世界」への道程が縮まったバンタム。世界戦を控える井上拓真を追いかける日本のバンタムは?

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あっという間にもう3月も後半、1年の1/4が過ぎようとしています。

3月は4日のダイナミックグローブでOPBF東洋太平洋王座に栗原慶太(一力)が返り咲き、20日のDANGANでは日本王者の堤聖也(角海老宝石)が力を見せつけました。

そして4/1、3150FIGHT SURVIVALに西田凌佑(六島)が登場ということでにわかに活気づくニッポンのバンタム級戦線。

果たして世界へ駆け上がるのはこのうちの誰かか、それともまた違ったボクサーが出てくるのか、はたまたこの全員なのか。

今回のブログでは、井上尚弥転級後、世界への距離がぐっと縮まったように見えるバンタム級について。

 

OPBF東洋太平洋王者・栗原慶太

栗原、堤、西田。

一体誰が一番強いのだろう、という妄想は、実際に戦ってみないと結果が出ないことは明白です。3者3様の魅力のあるボクシングスタイルは、相性というものもあるのでしょうが、個人的に一番推したいのはこの栗原慶太です。

千葉開(横浜光)との第一戦では完全に攻略されてしまった栗原でしたが、再戦では序盤からオーバーペースかと思うほどのチャージ。

それで倒しきってしまったことは、「悪いところが見えなかった」というボクシングでしたが、実際はあのペースで最後まで行く作戦だったというから驚きです。

自身のYoutubeでは、亀海氏の指導によりそのスタミナに自信がついたことと、何よりもメンタルを強く持てた事が勝因だと語っています。

かねてから話題のハードパンチに、あの獰猛なスタイルが加わった栗原は鬼に金棒、というイメージで、どんな劣勢にも期待が持てるボクサーに成長したと思います。

 

日本王者・堤聖也

ただ、その栗原をも攻略してしまいそうなのが堤聖也。試合巧者ぶりは南出戦でも遺憾なく発揮され、南出の強打をもらわずに完全に自分の土俵を崩さずに戦える冷静さを持っていました。

タイミング抜群のカウンターは、きっと閃きではなく練習の賜物。準備段階で自身のリングIQを使いこなし、120%以上の準備をしているのだと推察します。相手がこう来たらこう、を徹底的にトレーニングした結果、自然と相手の動きに合わせられるようになる様は、堤の非常に豊かな想像力を連想させるものだと思います。

だからこそ、たとえ前評判が劣勢であったとしても、例えば中嶋一輝(大橋)や比嘉大吾(志成)のように、互角以上の戦いに持っていく事ができます。更にいうと、その頃よりも明らかに堤は成長しており、間違いなく再戦となると強いボクサーのようにも思います。

下馬評不利でも期待できるボクサー、こういう論点でいくと、栗原よりも更にこの堤は期待できるボクサーなのかもしれません。

 

WBOアジアパシフィック王者・西田凌佑

堤と同様に安定感があり、「自らのボクシングを貫く」と言う意味においても栗原や堤と同等かそれ以上のものを持っているのが西田凌佑。

例えば栗原や堤のように、比較的相手のパンチが当たる距離で戦おうとするボクシングよりも、西田のボクシングは安全で、また捉えどころがない、やりづらいボクシング。

これは誰が相手にしても嫌なボクシングで、そういう意味でいちいち相手に対応しなくても、自分のボクシングを貫き通しさえすれば勝てるというボクシング。

ある種省エネとも言えるボクシングは、スタイル的な強さを伴った盤石なボクシングです。

栗原相手でも、堤相手でも、充分に勝てる可能性があるボクサーで、もしかするとそれらも完封してしまうかもしれないポテンシャルを秘めているかもしれません。

世界3団体でランクインしており、更に地域タイトルを保持しているこの西田は、井上拓真(大橋)に次ぐ日本のバンタム。

次戦はタイのソンセン・ポーヤム。このボクサーは比嘉大吾が前戦で戦ったボクサーですね。ここは危なげなく勝ってくれるはずです。

 

世界挑戦経験者・石田匠

そしてメジャー4団体のすべてでランクインしているのが石田匠。2021年12月、元世界3階級制覇王者の田中恒成(畑中)を相手に判定負けを喫しましたが、この戦いは互角であり、どちらが勝っていてもおかしくないような大接戦でした。

その後は3連勝、全く危なげないところを見せています。

現在の最高ランクはWBAの5位、このWBAランキングは1位が空位で2位井上拓真と3位リボリオ・ソリス(ベネズエラ)が決定戦、とすると4位のメルビン・ロペス(ニカラグア)との挑戦者決定戦が巡ってくるのは納得のいくことです。

ちなみにメルビン・ロペスは身長170cmの長身サウスポー。

最近石田が西田凌佑とスパーリングを行った、とありましたが、西田も170cmのサウスポー。つまりはそういう事なのかもしれません。

石田がここに勝てば、井上拓真vsリボリオ・ソリスの勝者に挑戦となりますね。

 

次に控えるのは

日本やアジアの王者、そして元世界挑戦経験者。これらのボクサーの次に位置するのが、元世界王者の比嘉大吾と、大橋ジム期待のパンチャー、武居由樹(大橋)。

かつてパーフェクトレコードを誇った比嘉大吾も、2階級上げた事でパワーが目減り、というか相手の耐久力も上がったこともあってっここ2戦は判定決着が続いています。

堤と引き分け、西田に敗北を喫した比嘉は、フローイラン・サルダール(フィリピン)を相手に薄氷の勝利、前戦ではソンセン・ポーヤムを攻め続けて完勝。

復調しているのか、それともまだなのか、なかなか判断が付きづらい状況ではあるものの、やはり多くのボクシングファンは彼を諦められないところがありますね。

人気者、比嘉大吾の復活は多くのボクシングファンにとっての悲願。今は技術を磨き、パワーでなく技術で倒せるボクサーとなってほしいと心より願います。いつかくる比嘉大吾大復活のときを待ちましょう。

 

そして下の階級から上がってきた比嘉とは違い、上の階級から落としてくるボクサーが武居由樹。元K-1王者という肩書の有無はすでに関係がない所まで来ており、多くのボクシングファンのハートを鷲掴みにしています。

その倒しっぷりは本当に見事で、特異なタイミング、信じられない踏み込みの鋭さを持ったハードパンチャー。ボクサーから見ると変則的なタイミングは、武居にとって大きな武器となっています。ここを八重樫トレーナーが矯正しないところが強みなのでしょう。

6勝6KO無敗というパーフェクトレコードを維持する武居は、次戦がロニー・バルドナルド(フィリピン)戦。このバルドナルドは田中恒成、石田匠に敗北しているボクサーではありますが、強く振ってくるタイプの危険なボクサー。

とはいえ、もちろんこのバルドナルドに武居が負ける事は想像しづらく、54.0kg契約のこの試合は武居のバンタム級進出のテストマッチ。ここはまたハイライトになるような倒し方をしてもらえれば、大いに盛り上がりそうです。

 

バンタム級トーナメント!

さて、ここまで書いて気になるのは年明けに発表のあった、「井上尚弥4団体統一記念バンタム級トーナメント」の話です。

王者たちは3/4〜4/1の間に試合がある、もしくはあったので、初戦が5/20に予定されているこのトーナメントに出場するのはちょっと厳しいのかもしれません。

ただ、栗原にしろ、堤にしろ、さほどダメージなく終えられている事は朗報で、無理をすれば間に合うレベルかもしれません。そしておそらく西田も、ダメージをそれほど受けずに4/1を終えるはず、とも言えます。

とはいえ、追われる立場のアジア王者たちは賞金が1,000万円とはいえども出るメリットは少ないように思え、自らが進む道で世界王座を目指していくプランを取ることの方が可能性は大きいと思います。

石田匠としても、挑戦者決定戦への出場の線があるのであれば、底に向かって整えていった方が良いでしょう。

 

大橋ジムから出場はさせない、とのことなので武居の線もなし、あと可能性があるのはこの中では比嘉大吾。

その他でいうと、やはり日本ランカークラスの出場を願いたいものですが、与那覇勇気(真正)は4/8に那須川天心との大一番を控える身であり、これも日程的に厳しい。

上からみていくと、富施郁哉(ワタナベ)、田井宜広(RST)等が出てくれれば非常に面白いですね。あとは真正ジムの穴口一輝、先日も見事なKO勝利を飾ったパンチャー、梅津奨利(三谷大和)も面白いし、先日全日本新人王になったばかりの松本海聖(VADY)も新人離れしたボクサー、この辺りの若いボクサーたちが1,000万円を目指して火花を散らすのは非常に面白いですし、トーナメントに参加するメリットも大きいような気がします。

その中で、ノーランカーのボクサーたちが彼らの持っているランキングを奪い、王者たちの前に立ちはだかるなんていう構図も非常に興味深いものです。

ということで、井上尚弥がいなくなったバンタム級は、世界戦線の動きも大きいものですが、日本国内も一気に活気づくというイメージ。もともとバンタム級は日本のお家芸とも言える階級の一つであり、今現在のランカーやアジア王者の中から世界王者が誕生しても全くおかしくない階級です。

今後のバンタム級戦線、海外だけではなく国内も非常に楽しみですね。

 

 

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