信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】IBF世界Fe級挑戦者決定戦!キコ・マルティネスの圧を阿部麗也は捌けるか。

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寺地拳四朗vsジョナサン・ゴンサレスという日本ボクシング史上2度目の3冠王座統一戦というビッグマッチこそ流れてしまったものの、4/8(土)に開催されるAmazonプライムビデオ・LIVE BOXINGの興行の豪華さはまだまだ担保されています。

殆どの試合がメイン級、仮に半数の試合がなくなったとしても見る価値は十二分にある、と思っています。そんな中でやっぱり格としてメインなのは拳四朗、そして井上拓真vsリボリオ・ソリスによる世界タイトルマッチなわけですが、それ以外の試合も要注目。もしくは、それ以外の試合の方がこと勝敗に関する事については要注目かもしれません。

ということで今回は、4/8(土)LIVE BOXING興行にて行われる、世界タイトル戦以外の3試合のなかの1つ、キコ・マルティネスvs阿部麗也のIBF世界フェザー級挑戦者決定戦をプレビューです。

 

4/8(土)LIVE BOXING

IBF世界フェザー級挑戦者決定戦

キコ・マルティネス(スペイン)44勝(31KO)11敗2分

vs

阿部麗也(KG大和)24勝(10KO)3敗1分

歴戦の雄、キコ・マルティネス。かつて、「日本のエース」と呼ばれた我らが長谷川穂積(当時真正)の野望を打ち砕いたのはもう10年近く前の事。と思って調べると、2013年4月だったのでマジで10年でびっくりしました。

あのとき、当たり前のように長谷川が勝ってくれると思っていたのですが、結果はマルティネスにめった打ちにされての7RTKO負け。このマルティネスは表に見える戦力だけで測れるようなボクサーではありませんでしたが、現在のようにいつでもどこでも映像が見れる時代と違ったということも事実、長谷川陣営にも多少の緩みがあったことも想像できます。

さて、マルティネスも当然10年前と同じボクサーではありません。あの頃から更に勝利も敗北も積み重ね、年齢も37歳、「元世界王者」の肩書を持って若手のステップアップファイトの相手としてアンダードッグの人生を歩んでいても全くおかしくはありません。

しかし、このキコ・マルティネスというボクサーは、勝ったり負けたりを繰り返しつつ、しぶとく、時にサプライズを起こしながら生き延びています。

 

スコット・クイッグ(イギリス)、レオ・サンタ・クルス(メキシコ)といったスターにはちゃんと負け、続いて出てきたスター候補のジョシュ・ウォーリントン(イギリス)の踏み台にもなりました。調整試合の相手にドローということもあったし、ゲイリー・ラッセルJr(アメリカ)には足元にも及びませんでした。

ついにはゼルファ・バレット(イギリス)の踏み台となり、残されたボクシング人生はもうアンダードッグ的な役回りに費やすのだろうと思った2021年、なんとキッド・ガラハッド(イギリス)を6RTKOで破り、IBF世界フェザー級王座へ返り咲き。

このガラハッドは当時ウォーリントンと互角の接戦を演じており、ウォーリントンはガラハッドとの再戦を嫌って王座を返上した、というまことしやかな噂が流れるほどのボクサーでした。

 

大きく再浮上したマルティネスでしたが、初防衛戦ではジョシュ・ウォーリントン(イギリス)にセンセーショナルな7RTKO負け、これはもう限界を感じさせる内容でもありました。

ここで引退でもおかしくなかったマルティネスでしたが、それでも復帰。次はジョーダン・ジル(イギリス)、またも若手プロスペクト。

ここに負けて、今度こそアンダードッグの道を(以下略)と思ったら今度は4RTKOでジルを降し、大復活。今回の挑戦者決定戦に進む事になりました。

叩きのめされても、不死鳥のごとく蘇ってくるキコ・マルティネス、これほど怖いボクサー、いや戦士はなかなかいません。とにかく低く入ってきてパワーファイトを仕掛けてくる事は明白なので、対策は立てやすいはずですが、それでもここ数戦だけみてもジルやガラハッドといったテクニカルなボクサーが序盤から中盤で倒されているのは気になります。

 

大和の雷神

さて、キコ・マルティネスと挑戦権をかけて闘うのは「大和の雷神」阿部麗也。

発表会見を妻に見せたら「このひとヤ○ザ?」とか聞かれましたが、大手企業にお勤めの全うな会社員と説明。どこまでわかってもらえたかは謎です。

2013年6月のプロデビューなので、この頃はちょうどキコ・マルティネスが世界王者だった頃です。

デビュー2戦目で敗北を喫するも、翌年の東日本新人王トーナメントで優勝、そのまま全日本新人王を獲得。

全日本新人王を獲得後の初戦で、前年の東日本新人王だった草野慎悟(当時ヨネクラ)と対戦、惜しくもこの星を落としてしまいます。

この頃、すでに阿部のセンスは有名で、草野戦でも下馬評は優位だったように思いますが、この敗戦に奮起した阿部はここから連戦連勝。ここから11連勝を記録するわけですが、その中で草野へのリベンジを果たし、2016年当時注目の若手ホープ対決と言われた溜田剛士(当時ヨネクラ)戦を制し、ジョー・ミサコ(当時三迫、現在のジョー・ノイナイ)を破り、世界挑戦経験者、細野悟(当時大橋)を破る殊勲の勝利を上げる等々、闘うたびにその評価を高めていきました。

そして満を持して挑んだ日本フェザー級タイトルマッチ、対戦相手はワタナベジムの源大輝(ワタナベ)。ここでも、源にとって厳しい戦いになる(=阿部優位)という予想だったように記憶しています。

 

とうとう巡ってきたチャンス、だったにもかかわらず、阿部は前半からダウンを奪われる苦しいスタートを強いられます。源の伸びのあるパンチを見誤った阿部は、1R、2Rに続けてダウン。後半強く巻き返し、源をストップ寸前に追い詰めるも結果はドローで戴冠はなりませんでした。

源との再戦が取りざたされますが、源は減量苦を理由に王座を返上、阿部には佐川遼(三迫)との王座決定戦に出場することとなります。佐川も松本亮(大橋)を破るなどして非常に注目度の高いボクサーだったので、必然的にこの試合も注目度は非常に高かった。予想としては五分五分くらいだったように思います。

ジリジリとする距離の探り合い、中間距離での技術戦というやや静かな試合は、佐川が1〜2ポイント差で逃げ切り、王座を初戴冠。阿部は攻めきれず、無念の敗戦、阿部の敗戦はじつに4年半ぶりのものでした。

この敗戦から1年ぶりに復帰した2020年10月、そしてその次の2021年4月に行われた再起第二戦、ここは阿部の動きとしてはそんなによくなかったように記憶しています。復帰第3戦は渡部大介(ワタナベ)との日本フェザー級挑戦者決定戦、これは阿部の調子がよくなってきたところで渡部陣営が棄権を申し出ての3R終了TKO勝利。挑戦権を手にするも、すでに世界を伺う当時の日本王者、丸田陽七太(森岡)との一戦に対しては大きな期待を寄せられなかった、ということもまた事実だと思います。

 

しかし、これまで培ってきたもの、そして3度目の正直というハートの部分、何よりも敗北を糧にしてここまで上がってきた阿部は、この丸田戦で出色のパフォーマンスを披露。

下馬評ではおそらく不利の中、阿部は素晴らしい距離感をキープする変則的リズムボクシングで丸田を翻弄、ダウンを奪っての判定勝利。見事、日本タイトルを初戴冠しました。

続く初防衛戦でも、関西の雄、前田稔輝(グリーンツダ)とのサウスポー対決を制し、国内最強をアピール、その後この挑戦者決定戦が決まったため、日本王座を返上しています。

 

キコ・マルティネスのパワーと阿部の技術

さて、普通に考えると、年齢的にはプライムタイムを迎え、源戦での悔しいドローと佐川戦での一歩踏み込めない敗北、そしてそこから大きく花開いた丸田戦、前田戦を経た阿部麗也が優位という予想が立つと思います。

技術、これは単なるボクシング技術だけでなく、「間」とかタイミングとか、そういったものを技術として包括するのであれば、阿部はキコ・マルティネスに技術において大きく上回っていると思います。

キコ・マルティネスのストロングポイントは、間違いなくそのパワー。とにかく思い切りぶつけてくるそのパワーパンチは、37歳になってもまだ異彩を放っているものです。

そしてもう一つは、やはり低く入ってくる分起きやすい「第三のパンチ」と言われるヘッドバット。これは非常にやりにくいですね。

阿部も、バッティングをもらわない方ではないというのも事実としてあり、ここは一番気をつけてほしいところなのです。特にオーソドックスとサウスポー、キコ・マルティネスの鋭くパワフルな踏み込みに、阿部が右足方向(前方)にダックしてかわそうとしてしまうと、どうしても頭がぶつかってしまいます。この場合、マルティネスはかなり下から入ってくる上、フィジカルも強いので、ダメージを受けてしまうのは阿部の方。阿部はどちらかというと踏ん張って打つということはなく、常に次に動けるようなスタンスである分、更にです。

 

さて、この試合、阿部はまずこのキコ・マルティネスの戦力をしっかりと、狂いの内容に分析することから始める必要があります。

映像では穴のあくほど見ていても、実際に相対するとまた違って見える事もあるはず。序盤を使ってしっかりと距離を見定めさえすれば、後半にかけて集中力をさらに増し、更に余裕を持った阿部の独壇場となる可能性が高いと思います。

反して、序盤、マルティネスが思った以上に鋭かった、頭から入ってくるのが思った以上に厄介だった、という場合、もしかすると序盤でマルティネスのパンチを浴びてしまう可能性もあります。この辺りがこのキコ・マルティネスの怖いところで、どんなボクサーにも当ててしまうという可能性をもっています。マルティネスを応援していれば、最後まで希望を捨てないで良い、ということです。

間違っても阿部は打ち合ってはいけないし、これは後半、もしイケそうな時にも十二分すぎるほどに気をつけなければいけないところだと思います。

まあ、そんなわけで、順当に行けば阿部が勝つだろうし、阿部優位という予想は揺るがないまでも、キコ・マルティネスは危険であり、阿部はずっと集中し続けていなければいけません。そして、勝負は後半にかけられるようにすべき、というところでしょうか。

まあそんなわけで、そんなドキドキ感を楽しみましょう。阿部が完勝するにしても、キコ・マルティネスってのは怖いボクサーです。ちなみに海外のオッズではキコ・マルティネスの圧倒的優位だと思います。世界はまだ、天才阿部麗也を知らない。

 

放送・配信

Amazonプライムビデオ presents 4/8(土)「LIVE BOXING」は16:00からの放送開始。

話題の5試合はすべて生配信の対象のようです。

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