3月の最終週末。
日本時間で3/26(日)は注目試合が目白押しの日で、イギリスではローレンス・オコーリーvsデビッド・ライト、そしてアメリカではホセ・ラミレスvsリチャード・コミー、そしてShowtimeのPay Per Viewで放映されたデビッド・べナビデスvsケイレブ・プラント。
これは非常に注目の一戦ですね。
ということで今回のブログでは、デビッド・べナビデスvsケイレブ・プラントによる、WBC世界スーパーミドル級暫定タイトルマッチの観戦記。
↓プレビュー記事
3/25(日本時間3/26)アメリカ・ラスベガス
WBC世界スーパーミドル級暫定タイトルマッチ
デビッド・べナビデス(アメリカ)26勝(23KO)無敗
vs
ケイレブ・プラント(アメリカ)22勝(13KO)1敗
初回、左をすっと伸ばしたプラント、べナビデスを牽制。そこからフェイントを駆使、バックステップの準備をしっかりとしており、まずはプラントのボディジャブが鋭く、速い。
べナビデスは身体を振って攻めていこうとしていますが、プラントのフェイントに警戒心が顕著、かなりの反応を見せています。ここはあまり反応せず、いつもの固まるようなブロッキングからのリターンを狙った方が得策のような気がします。プラントのジャブをすべて外すというのは困難です。
プラントが上手く試合を組み立てているように見えますが、これは想定内と言って良い。特に前半のプラントは強い。
2R、べナビデスがプレスを強め、クイックに攻めようと試みます。しかしここでプラントはスピーディなコンビネーション、べナビデスの出鼻を崩し、距離が詰まりそうになるとクリンチ。べナビデスはブロッキングからのリターン、が出始めましたが、やや遅い。べナビデスが遅い、というよりもプラントの打ち終わりのケアが速い。
べナビデスもプラントのジャブに合わせてジャブを出すべきですが、なかなか出ませんね。やはりプラントはリードの使い方が上手い。
3R、プラントは絶好調で、身体のキレも抜群です。出入りのスピードが速く、コンビネーションもキレキレ。べナビデスはよりプレスを強め、すりつぶすような前進から左フックを強振。これは危険なタイミングでプラントの左と交錯します。
これをもらってしまえばプラントも一溜まりもありません。が、今のところべナビデスの強打はヒットせず、ここはべナビデスも我慢が必要。決してエキサイトしてはいけないし、後半勝負のつもりで良い。
4R、プラントは下がりながらも自らボクシングをつくり、先に攻めて離脱。その後のべナビデスのリターンについては距離を取ってミスブローを誘います。
べナビデスは1発目から振っていっても当たらないので、とりあえず身体に当ててプラントを止めたいところ。
ラウンド終了のゴング後、プラントはべナビデスを挑発。これは既にプラントの術中か。
5R、前半、プラントがコンビネーションで攻め立てます。べナビデスはガードポジションでぐっと我慢、左フックを強振。ここから反撃、というところでプラントはしっかりと足を使ってエスケープ、やはり戦略面やスキル、ボクシングIQと言われるものはプラントが上回りますが、この調子であと半分以上を過ごせるかが鍵。
ここまではプラントが気持ちよく戦っている雰囲気で、べナビデスは徐々に後がなくなっていくか。
6R、調子よく飛ばすプラントですが、やはりここまでべナビデスのプレスにさらされてきたことで目には見えないダメージ、精神的疲労はありそうです。
このラウンドは強く踏み込んだべナビデスの前手のストレートを浴び、プラントの顔が跳ね上がります。その後も距離が近くなり、べナビデスがボディをヒット。
プラントもコンビネーションで反撃、しかしこれはべナビデスの固いブロッキングに阻まれます。強引に詰めるようになったべナビデス、ややラフめに攻め、終盤にも左右のフックをヒット!!ここから潮目が変わるか。
7R、べナビデスを前に出させないためか、開始早々にコンビネーションで仕掛けたのはプラント。しかしその後強いプレスをかけるべナビデス、クリンチされてもその離れ際に強引に打ち込みます。
やや余裕がなくなってきたように見えるプラント、これはやはりべナビですのプレス、クリーンヒットではなくても身体に当てられるパワーを感じているのかもしれません。
8R、やはり徐々にべナビデスのプレスが効いてきたかにみえるこのラウンド、中盤にべナビデスの右でプラントは後退!その後もボディをヒットしたべナビデスは、プラントに右をヒットして弾き飛ばします。
こうなると止まらないデビッド・べナビデス、プラントは辛くもクリンチに逃げるも、ここでもべナビデスは右をヒット!!
明らかに効いたプラントはちょっとサバイバルモード、クリンチに逃げます!後半には出血によるドクターチェック、ほんの少しの休みをとれたプラントは、なんとかこのラウンドをサバイブ!
これはべナビデスにとってビッグラウンド、プラントはかなりのピンチを迎えます。
9R、開始早々に決めに行くべナビデスは左フックを強振!これはガードの上ですが、ガードの上からも効きそうです。ここでプラントはローブローを放ち、休憩。これはもし故意であればプラントは巧すぎます。休憩が必要なのはプラントの方です。
その後もプラントはここでペースを渡してなるものかと速いコンビネーション、べナビデスはジリジリとプレスをかけて強振。
プラントはステップ、上体の動きが減り、ブロッキングが多くなっている状況で、これは対べナビデスを考えると悪手。それはプラントもわかっているはずですが、疲労とダメージがあるのでしょう。
10R、疲労とダメージがあってもプラントは非常にスピーディ。べナビデスも大振りにならず、右ストレートから入るパターンは非常に効果的です。
1分が経とうかというところ、べナビデスは近い距離で強引にパンチを振るい、苦しいプラントはべナビデスに身体を預けてプッシュ。近い距離、押して行くプラントですが、近い距離でうまくパンチをヒットするのはべナビデス!
これはプラント大ピンチですが、要所で速いコンビネーション、素晴らしいハート!
べナビデスはとにかくパワーパンチを振るいまくる状態で、とにかく様々なアングルからプラントを叩き潰しにかかっています。
11R、これは両者にとって勝負のラウンド。プラントはべナビデスを近づけないように懸命にコンビネーション、それでもべナビデスはガードを固めてにじりより、左フックを強振。
この頃にはべナビデスもジャブをしっかりと当てられるようになっており、この長いジャブでもダメージを被ってしまうプラント。幾度も顔を跳ね上げられるプラントを、レフェリー、ケニー・ベイレスは注意深く観察。
終盤、べナビデスの右フックカウンター!!!リングサイドの観客が頭を抱えて立ち上がってしまうレベルのカウンターでしたが、なんとプラントは倒れず。
ラストラウンド、右ボラードから入るべナビデス。プラントもコンビネーションで応戦しますが、べナビデス相手に打ち合いはさすがに分が悪い。
プラントもガードを高々と掲げる場面も目立ち、真正面からこのべナビデスのプレスを受け止め、渾身のコンビネーション!最後の最後までしっかりと打ち合った両者は最終12R終了のゴングを聞き、試合は終了。
なんとも素晴らしい試合でした。
前半、「やはり」良かったケイレブ・プラント、そしてプレスをかけ続けて「やっぱり」後半に上がってきたべナビデス。
ポイント差はそんなにつかないような気がしますが、それでも明らかにダメージを負っていたのはプラントであり、べナビデスの勝利は揺るがないでしょう。
判定は、115-113、116-112、117-111、「メキシカン・モンスター」デビッド・べナビデスの勝利。やっぱり強い、デビッド・べナビデス。
序盤にプラントペースで進んだというのは、ある種仕方のないことだったと思います。やはりプラントは巧く、そして非常にタフでした。これは肉体的にもそうですが、何よりも精神的に。
そしてデビッド・べナビデス。この試合は、カネロ戦の手土産としてはものすごく良い手土産になったはず。ここからは、もしカネロがべナビデスを選ばなければ、「逃げた」と言われる風潮がより大きくなるのかもしれません。
今後のスーパーミドル級戦も楽しみです。
とか言ってるところで、WOWOWアナウンサーの増田美香さんがエキサイトマッチをご卒業。。。これは非常に残念ですね。。。本当にボクシングが好きな事が見える、素晴らしいアナウンサーでした。間違いなくエキマ史上No.1、エキサイトマッチ・アナウンサーのオールタイムPFPだったと思います。
増田美香さん、おつかれさまでした!
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