ボクシング盛りだくさんの週末。
5/20(土)はモンスター・トーナメント、5/21(日)はデビン・ヘイニーvsワシル・ロマチェンコ、そして田中恒成vsパブロ・カリージョまであります。
さて、世界的にみればヘイニーvsロマが最注目ファイトであることは間違いありませんが、日本のボクシングファンから見るとスーパーフライ級の戦いも非常に興味深いものです。
↓中谷潤人vsアンドリュー・マロニーのプレビュー
ということで今回は、田中恒成vsパブロ・カリージョ、そして世界のスーパーフライ級戦線について。
5/21(日)田中恒成世界前哨戦
田中恒成(畑中)18勝(10KO)1敗
vs
パブロ・カリージョ(コロンビア)28勝(17KO)8敗2分
3階級制覇という偉業を成し遂げた田中恒成は、自信を持って2020年3月末、当時のWBO世界スーパーフライ級王者、井岡一翔へ挑戦。
しかしここでは世代交代ならず、井岡が見事なボクシングで田中を撃退、コロナ禍中にあって非常に盛り上がった日本人対決でしたね。
そこからはや2年半。
その間、田中は石田匠(井岡)に辛勝、橋詰将義(角海老宝石)に5RTKO勝利の圧勝し、改めて国内での自身の地位を確立すると、ヤンガ・シッキボ(南アフリカ)を相手に世界前哨戦と名付けられた試合をクリアしました。
迷いのあったように見えた石田戦に比べると、橋詰戦では大きく向上していたようにみえた田中。シッキボ相手に圧勝とは言えない内容ながらも、このタイミングで未知の強豪をしっかりと退けた事は良い経験にもなったはずです。
2度目の「世界前哨戦」の対戦相手は、パブロ・カリージョ。このボクサーは2014年、井岡一翔(志成)と戦っているボクサーですね。この時の井岡は、アムナット・ルエンロン(タイ)戦で初黒星を喫した後の復帰戦というタイミングで、井岡のユナニマス判定勝利。
そこから10年近い歳月の中、カリージョは我々もよく知るフランシスコ・ロドリゲスJr(メキシコ)やドニー・ニエテス(フィリピン)といったボクサーとも戦っているようです。
ですが、この辺りの強豪と言われるボクサーたちにはしっかりと負けており、はっきりいって世界的強豪と言われるボクサーではありません。
なので勿論、田中がカリージョに負ける姿は想像できませんね。
ただ、8敗しているカリージョのKO負けはたった一つ。それはあの突貫ファイター、フランシスコ・ロドリゲスJrによるものであり、ほかはすべて判定まで粘っているというタフネスを持っています。
田中恒成がこのパブロ・カリージョをストップすることができれば、景気づけの一戦となるのではないでしょうか。
アンダーカードと配信
アンダーカードには畑中建人(畑中)も登場、その他は4回戦の試合が4試合。
畑中は前戦で浅海勝太(ハラダ)に薄氷の勝利、長く日本ランキング上位にランクされていますが、非常に慎重にキャリアを重ねている印象ですね。
しっかりと地力をつけてタイトルに挑ませよう、ということなのでしょうが、これは畑中会長の親心なのでしょうか。田中恒成ほど、とはいかないまでも、もうそろそろ冒険しても良い頃ではないかと思います。
さて、この興行はCBCが生中継。このテレビ放送は中部ローカルとなってしまいますが、全国的にはLocipo(ロキポ)というところがPPVでライブ配信をしてくれるようです。
また新しいのでてきたな。。。って感じですが、このLocipoなるものは中部地区のテレビ局がやっているVODのようですね。ParaviがU-NEXTに合併される、とのことで、この田中vsカリージョはU-NEXTがやってくれるものだと思っていましたが、これは残念。
ちなみにPPVの価格は1,000円、13:10〜配信開始とのことなので、残念ながら4回戦の4試合の中継はなさそうですね。ちなみに過去、Paraviは勝利者インタビュー中に配信をブツ切りするという愚行を犯しておりますが、ここはLocipoさんは注意すべき点ですね。
↓Locipoはこちらから
田中恒成 4階級制覇へ 世界タイトル前哨戦 & 畑中建人 フライ級8回戦 - Locipo(ロキポ) 無料テレビ動画・見逃しネット配信サービス
販売期間は5/21(日)14:00までとなっていることから、見逃し配信は期待できそうにありません。私はこの日、仕事が入ってしまっているので、夜にしか見れないので購入は諦めます。
もし見逃し配信がありそうだったら購入するので、おわかりになる方がいれば教えて下さい。
世界前哨戦をクリアした田中恒成は?
さて、この一戦は9割以上の確立で田中恒成が勝利すると信じています。
なので問題はその次。
田中は現在、WBAとWBCで4位、IBFとWBOで3位とメジャー4団体すべてで上位にランクインしています。
前戦のシッキボ戦後、「来年は4階級制覇」を明言した田中は、有言実行なるか。
WBA王者、ジョシュア・フランコ(アメリカ)は6月に井岡一翔との再戦。その後勝者との対戦がピックアップされる可能性は充分にありますね。
ただ、もし井岡が勝てば、エストラーダ戦を望むはずで、一度決着のついている田中を選択する可能性は少ない。
フランコが勝てば、「軽量級でも稼げる国」に3度目の来日を果たす可能性は大きい、とみます。
WBC王者、ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)の次戦は未定でしょうか。エストラーダクラスになるとビッグマッチしかやりたくない、みたいな雰囲気で、いち挑戦者がエストラーダ戦に臨むには、よほどイージーに思える相手か、指名挑戦権を得るくらいしか方法がなさそう。
いずれにしろ、フランコvs井岡の後にしかエストラーダの次戦の話は出なさそうですし、WBCがエストラーダに指名試合をオーダーする可能性も少ない。
田中からすれば、スタイル的には狙い目とも言えなくない王者ですが。
IBF王者はフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)。ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)をアップセットで破り、初防衛戦で返り討ちにした強い王者は、初防衛戦でジェイド・ボルネア(フィリピン)を迎えます。
日本人が隆盛のこの階級において、日本人が絡んでいないこのIBFが、はっきり言って一番アツい。15戦全勝(8KO)のマルティネスと17戦全勝(11KO)のボルネアの激突は6/24(日本時間6/25)。奇しくもフランコvs井岡と同日(日本時間でいうと次の日)であり、この辺りの結果もスーパーフライ級を盛り上げる一助となりそうですね。
ここに勝ったボクサーに田中恒成が挑む、となればこれはまたかなりアツい。
どちらが勝つにせよ、軽量級大国日本で試合ができることは、両ボクサーにとっても稼げるチャンスとなるので、秋口か年末あたりでの激突の可能性は高そうです。
そして今週末に王者が決まるWBO世界スーパーフライ級。
1位の中谷潤人(M.T)と2位のアンドリュー・マロニー(オーストラリア)が雌雄を決するため、当然、3位である田中恒成はこの一戦の後繰り上がり、トップコンテンダーになるはずです。
ここでもし、挑戦者決定戦をやろうものなら(順当にいけば)田中恒成vsローマン・ゴンサレス(ニカラグア)という夢のような対決も生まれてきそうではありますが、時期的にはすんなりと田中が指名挑戦者として次戦のリングに上がる可能性が高いのではないでしょうか。
ということでつまり、そういう事です。
WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ、中谷潤人vs田中恒成というドリームマッチが、もうすぐそこまで来ています。
日本時間5/21(日)、中谷はマロニーに勝利し、田中がカリージョに勝利した場合、という注釈がつきこそすれ、それぞれの勝利の可能性は非常に高いと思え、更に中谷vs田中については国内での戦いとなるためにそのハードルも限りなく低い。
2023年後半、一つのビッグマッチが組まれるかもしれません。その動向も追いかけつつ、週末の試合を楽しみましょう。
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