今週末は充実していますが、日曜日から出張なのであんまり時間がありません。
ほんとは中谷vsマロニー、ヘイニーvsロマはゆっくりとリアタイで見たかったですが、どうやら叶いません。ディレイで見ようと思います。
さて、本日はモンスター・トーナメントの1回戦と、京口紘人の復帰戦。
モンスター・トーナメントはどれも非常に興味深い戦いであり、京口については無事に復帰戦をクリアしてほしい試合。
ということで今回のブログは、5/20(土)に行われたモンスター・トーナメント緒戦の観戦記。
5/20(土)DANGAN
視聴開始は18:00前。メルビン・マナンキル(フィリピン)というボクサーのことは試合映像を見た事はありませんでしたが、川満俊輝(三迫)との8R目の途中でした。
早々に決着がつくものと思っていた試合でしたが、見たのは最終ラウンドの半分くらいのものでしたがこのマナンキル、非常にハートのあるボクサーですね。この時点で7勝8敗4分という負け越しのボクサーとは思えませんね。
フルラウンドを戦い抜いた両者、判定は3-0の川満。80-72×2、79-73という内訳なので、まあ完勝なのでしょうが、この結果はちょっと意外でしたね。
この後時間調整なのか、「開始までしばらくお待ちください」に。ネット配信のリアタイ視聴はこれが嫌なんですよね。仕事でもしよう(まじめ)。
穴口一輝(真正)4勝(2KO)無敗
vs
内構拳斗(横浜光)2勝(1KO)無敗
モンスタートーナメント、第1試合は穴口vs内構。アマ戦績、プロキャリアともに上回る真正ホープ、穴口。対するはフィジカルファイターの内構です。
初回、穴口の速くて鋭いジャブ。内構はガードを固めてプレス、ただこういう場合、得てして穴口のタイプの方が序盤は良い感じになる場合が多い。内構はこのスピードに慣れてからが勝負でしょう。
中盤、穴口は左ストレートも使っていきます。しかし内構も距離を詰める事ができており、自信のありそうな力強い左フックが届く所まで来ています。
2R、距離を調整した感じの穴口。右ジャブの距離をキープ、右で内構を近寄らせない戦い方。これはセコンドからの指示でしょう。
右を伸ばして内構の前進を阻む穴口、内構は入る隙を伺いながら前進、懐に飛び込むとボディを交えた力強いフックを乱打!
これはまた難しいラウンドが続きますね。
3R、内構がガードを固めて前進。穴口も今度はそれを迎え撃ち、売っては動くという展開。非常にキレのある穴口、重そうな拳の内構、好対象の両者の戦いは、接近戦に突入しています。
穴口は近い距離でもジャブを突けるのは素晴らしいし、カウンター、またガードしたほうの手ですぐさま返すリターンも秀逸。ただ、内構のパワーは穴口を上回るように見えます。
4R、穴口のキレのあるストレート、アッパーからのフック。これは内構にクリーンヒットしますが、内構は全く止まりません。逆に内構が回転力のある連打を放つと、ちょっと固まってしまいがちな穴口。これは足を動かさないで打ち合うという作戦なのか、それとも動かなくなってきたのか。穴口は少しボディを嫌がっているようにも見えます。
近い距離でのノンストップファイト!
5R、今度はよく動く穴口。この戦略の幅があるのは強みですね。しかししつこく食い下がる内構、後半に入る頃にはやはり頭をつけての打撃戦へと突入します。
本当に一切退く事がない内構、穴口のカウンターをもらっても直ぐに次のパンチが出てくるのは脅威ですね。
6R、おそらく、できればジャブで近寄らせたくない穴口ですが、どうしても内構の接近を許してしまいます。かといってそこでも戦える穴口は、カウンター、リターンを武器に応戦。
作戦を実行できているのは内構の方ですが、インサイドでも穴口は上手い。
残り2R勝負かもしれません。
7Rも開始早々ジャッジ泣かせの展開が続きます。ただ、後半には穴口が足をつかってボクシング、内構を空転させました。
ラストラウンド、序盤は素早い動きの穴口が抜け出しますが、その後すぐに内構がボディを乱打して追尾!
未だ互角の前半が過ぎ、後半に入る頃には穴口のサイドへの素早いステップが良い。ここにきて空転が多くなってきたように感じる内構、最後まで打ち合った両者はラウンド終了のゴングを聞きました。
試合終了のゴング後、すぐに両手を挙げて勝利をアピールしたのは穴口。
ジャッジは77-75×2、78-74で穴口。中盤までは互角、後半に穴口が抜け出したイメージで、特に最終ラウンドのポイントはでかかったかもしれません。
内構は初のA級戦、これが2戦目だったりするともしかすると違ったのかもしれません。
穴口は見事。やっぱり強いですね。こういうボクサーが、キャリア初期のうちに関東に出てきてくれるというのは非常に良い事。
石川春樹(RK蒲田)9勝(7KO)4敗
vs
梅津奨利(三谷大和)9勝(7KO)無敗1分
KO決着必至、と言って良い、ファイタータイプの対決。トーナメントにおいては、両者とも勝ち上がればダークホース扱いでしょう。ただ、ハードヒッターだからこそ、可能性を秘めているとも言えますね。
初回、まず梅津がグイグイといきます。石川は下がりながらの対応、これは様子見なのか、ちょっと押されてしまうように見え、悪手のように感じます。
と思えば中盤、石川がロープ際から身体を入れ替えてラッシュ、しかし梅津もボディを返して反撃。その後も梅津の左ボディで石川の体はくの字に曲がったように見えます。
2R、梅津が身体を振って攻めます。石川は下がりながらの右クロス、これは狙っているかもしれません。
その後は期待通りの打撃戦に突入、梅津が身体で押していく分、見栄えが良さそうで、左ボディも非常に派手です。
後半、石川がラッシュ。それをしのいだ梅津も手数を出してリターン、その後石川、また梅津、と互いにラッシュを交互にかけるという展開。
3R、先手をとって前進するのは梅津。石川は下がり、周りながらの対応です。
こうなると梅津はやっぱり攻めやすい。石川がラッシュしたとき、梅津も下がるので、やはり石川は前で梅津を防いだ方が良いような気がします。
4R、開始早々に梅津が手数を出してチャージ。細かなボディをしこたま打ち、石川を削ります。
中盤、ちょっとガードが下がり気味な石川、徐々に手数が減るも、こちらもボディに活路を見出そうとしています。
このラウンドも押される場面が目立つ石川ですが、後半には押し返してこのラウンドを終了。
5R、このラウンドもハナからチャージの梅津。梅津の右がヒット、その後後退した石川に梅津は更に攻め立てるも、石川も猛反撃。石川は押されてから反撃するよりも、自ら攻めたい。
中盤にも梅津の右ボディがヒットしたところから石川が強い反撃、諦めない姿勢こそ素晴らしいものですが、どうしても後手に回ってしまう分、梅津が攻めやすそう。
6R、ここは梅津がよく動き、ジャブ。今までよりも遠目の距離でのボクシング、おそらくビハインドの石川は攻めていかざるを得ません。これは攻めさせられている、という感じで、先手というとちょっと異なります。
7R、前ラウンドと同様に、石川が攻めて梅津がさばくという立ち上がり。石川はハートを見せて梅津を追いかけます。
梅津は足を使いながらも要所で力強いコンビネーションをまとめ、巧い戦い方。
終盤、梅津の左フックカウンターがヒット!これはぐらりときた石川でしたが、「効いてない」をアピール、ラウンドを終えています。
ラストラウンド、当然でていく石川、ここは梅津も近い距離で応戦。近い距離の打撃戦、ここで打ち勝ったのは石川!
梅津はダメージを負ったか下がり、石川にチャンスが到来!
しかし、なんとか回復した梅津はその後力強いパンチで押し返し、後半には強い右をヒット!レフェリーは石川を注視、しかし石川は防戦となりつつも打ち返し、ストップを回避!
最後の最後まで打ち合った両者、勝負は判定へ!
判定は、78-74、80-72×2で梅津。
石川は残念。ちょっと下がりながらの戦いだと梅津を調子づかせてしまうので、先手をとって前で戦った方が良かったのではないか、と思います。ただ、本当に素晴らしいハートを見せてくれました。
ポイント差以上に苦しい試合だったと思われる梅津ですが、ピンチを乗り越えたことは経験となったでしょう。
富施郁哉(ワタナベ)12勝(2KO)2敗
vs
増田陸(帝拳)2勝(2KO)無敗
事実上の日本バンタム級挑戦者決定戦。海外での経験も含め、経験豊富な富施。対するは、今トーナメント中で最もベールに包まれた増田。これは非常に楽しみな一戦です。
初回、サークリングする富施。増田はどっしりと構えます。相打ち気味のジャブが届くと、押されるのは富施。増田の広背筋がエグい。
ややパワー差があるか、と感じた後半、増田のカウンターで富施がグローブをマットにタッチ、ダウン!
増田は非常にガードも固く、富施の攻撃にも全くブレません。そこからすぐさまリターンを返せるので、それにこのパワーが乗れば非常に怖いボクサーです。
2R、フェイントを使いつつじっくりとプレスをかける増田。富施は打っては動くというボクシングですが、増田は最小限の動きで追っていきます。
後半、増田はワンツーをヒット。富施は動きながらこれを当てられてしまうので、ちょっとバランスを崩してしまい、見栄えが良くありません。
3R、おそらくハンドスピードは富施の報が速いと思われますが、ジャブの差し合いで当たるのは増田のジャブ。ノーモーションでで出るこの左右のストレートは、増田の体全体にあふれるプレッシャーと相まって、非常に隙が生まれにくいものだと思います。
固いガードでブレない増田は、この左右のストレートにアッパーを織り交ぜて優勢、ここまで富施に見せ場を与えていません。
4R、富施も勝負に出たか、パワーパンチを繰り出していきます。しかしそこは増田の土俵。
中盤、増田はワンツーをヒット、その後も近い距離で左アッパーをヒットして富施の顔を跳ね上げます。
しかし富施も意地を見せて強いパンチを返して応戦。
増田はタフネスも備えていそうで、とにかくフィジカルが強そうですね。打たれても全然バランスが崩れません。これはやってる方からすると超怖いやつですね。
5R、前ラウンドくらいから富施のパンチもよく当たっているように見えますが、やはりちょっと見栄え的にどうしても増田の方に流れてしまいそうです。
富施は様々なアングルでパンチを放ち、そのうちいくつかを増田にヒットしますが、増田は全く崩れず。
6R、増田のすごいところは後手のガードが全く下がらないところですね。このラウンドは早々に接近戦に突入、富施も勝負に出たか。
そうはいっても増田はA級初戦、さらにデビューから2連続初回KO勝利ということで、長いラウンドを試合で戦うのは初めてのことです。ここから富施が巻き返しなるか。
7R、序盤に富施がワンツーをヒット。その後も富施は右をヒットし、非常に巧く戦っているように見えました。
しかし中盤に入る頃、富施と増田の左が交錯!増田の左がカウンターとなってヒット、富施はこの試合2度目のダウン!!
立ち上がった富施に襲いかかる増田、富施は必至にエスケープ!
このラウンドを逃げ切れるか、と思った最終盤、増田の左がヒットすると富施はぐらり!なんとか持ちこたえた富施ですが、そこに増田が右アッパーをフォロー、ここでレフェリーが割って入ってストップ!!!
増田陸、7RTKO勝利!!
日本バンタム級2位、富施をこの内容で倒し切って勝つ、これは強いチャレンジャーが出てきましたね。
富施も後半にかけて調子を上げていきましたが、逆転の芽は大きくはありませんでした。
さて、増田陸、非常に怖いボクサーが日本バンタム級王者、堤聖也の前に立ちはだかりますね。しかも、このような経験を積み、間違いなく今回よりも強い増田が堤に挑むわけです。
経験の不足を補ってあまりあるパンチングパワー、フィジカルパワーとクレバネス。
堤聖也vs増田陸、これはトーナメント決勝でも全然おかしくないですし、何なら国内ビッグマッチと呼んで良い試合ですね。8月、非常に楽しみです。
京口紘人(ワタナベ)16勝(11KO)1敗
vs
ローランド・ジェイ・ビエンディーマ(フィリピン)17勝(10KO)13敗1分
始まったのはたしか15:30だったと思うので、6時間近い興行になるんですね。最初から会場で見ている人は結構疲れるんじゃないか、と思います。
さて、メインイベントは京口紘人の復帰戦。ここはあまり心配事はないはず。
初回、京口は頭を振り、ねじ込むようにジャブをヒット。当然のことながら実力差はありそうで、前半から京口のアングルを変えてのコンビネーションがヒットしています。
ジェイの攻撃に対しては京口はしっかりとブロッキング、リターンの反応も良い、得意のアッパーの精度も問題ありませんね。
ヨシ、京口の状態は確認できたので、あとはもう倒してもらって結構です!
2R、ここも京口らしいボクシングを展開。右カウンター、左ボディ、左アッパーをヒット。ブロッキングもほぼ完璧に機能していて被弾は少なく、ジェイもあまり怖さのあるボクサーでないだけにこれはストップ勝ちが期待できますね。
3R、とはいえ、このジェイというボクサーもちゃんと勝つ気でリングに上がってきたボクサーらしく、強いスイング。ラフなこのスイングというのは場合によっては危うさを感じるものではありますが、京口のブロッキングは固く、意に介しません。
京口は階級を上げて上半身が発達したようなイメージで、力強さが更に増したか。
初回、ややスローに思えましたが、このラウンドでは回転力のペースをアップ、相変わらずのエグいアングルでの左ボディ、右ボラードをヒット。
4Rは左の差し合いでスタート。中盤、ワンツーでジェイを下がらせた京口は、軽めの連打でジェイを追い詰めていきます。
ジェイのリターンにはしっかりとブロッキングで対応、その後すぐさまリターン。
ジェイは足元がちょっとふらついているように見えますが、打ち返してくるのはハートの強さがなせるわざですね。
5R、序盤、ジェイのジャブに合わせた力の抜けた右クロス。ジャブと足運びでじっくりと追い詰めていく京口、後半にはジェイの右の打ち終わりに左ボディをヒット、ジェイの動きは一瞬止まります。
6R、こうグイグイプレスをかけるタイプのファイターは、ややリードがおろそかになりがちですが、京口は非常に良いジャブが出ますし、右を打ってバランスを崩した際にはジャブを打ってバランスを戻せるクレバーさを持っています。
後半、ジェイは真正面から京口のジャブを浴びてちょっとバランスを崩す場面も。
京口はややゆったりめのリズムから、攻め込む時は一気にスピードをあげてコンビネーション、この緩急の付け方も素晴らしいですね。
7R、ジェイは結構被弾覚悟で振ってきます。その全体重を載せたようなパンチにも、体幹が全くブレない京口。
8Rも同様、逆転を狙うジェイはパワーパンチが多い。それをしっかりと外し、又はブロッキングし、すぐさまリターンに転じる京口。ここまで実力差があれば、流石にストップしてほしいところですね。
9R、ちょっとスピードを意識したようなパンチを出す京口。後半、波状攻撃を繰り出して優勢ですが、決定的なダメージを与える事はできていません。
ラストラウンド、このラウンドも速いワンツーで攻め込んだ京口。中盤にも右から左ボディを繰り出し、その後もプレスをかけてジェイを追い込みます。
ジェイはなかなか手を出す事ができず、ここにきて消極的な戦い方。
このままラウンドが終了、勝負は判定へ。
判定は、100-90×3で京口の勝利。
ローランド・ジェイ・ビエンディーマというボクサーは、非常にタフであったとは思いますが、そういう相手にこそ得意の回転力のある連打でストップしてほしかったですね。
まずは再起成功、ダメージも全くなく勝利できたことは及第点だと思いますが、当然これで満足できるようなボクサーではないはず。今後に期待ですね。
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