スーパーバンタム級は動きがありましたね。
しかし、動きがあったのはスーパーバンタム級だけでなく、その渦中にある井上尚弥の転級により、バンタム級にも大きな動きが続く2023年。
バンタム級の王者は、WBA、WBOが決定し、WBCとIBFは7月に大きな局面を迎えそうです。
そこで決まった王者たちに挑んでいく挑戦者は、誰になるのか。
そのうちのひとつ、WBAの挑戦者決定戦は既に動きだし、週末にWBA王者、井上拓真への挑戦者が決まる算段です。
ということで今回のブログでは、週末に控えるWBA世界バンタム級挑戦者決定戦、石田匠vsビクター・サンティリャンと、その後に控えるバンタム級の大きな戦いについて。
6/11(日)THE HEAT
WBA世界バンタム級挑戦者決定戦
石田匠(井岡)32勝(16KO)3敗
vs
ビクター・サンティリャン(ドミニカ共和国)13勝(5KO)無敗
1週間くらい前でしょうか、この試合は突然現れたような気がします。
かねてからこの戦いの噂はあり、石田はサウスポー下町俊貴(グリーンツダ)とスパーリングを重ねている、という情報もあったために挑戦者決定戦をサンティリャンとの間に起こることは明白ではありました。
ちなみに現在のWBAランキングは1位が空位、2位はエマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)とのIBF王座決定戦を控えるメルビン・ロペス(ニカラグア)、3位に石田と4位にサンティリャン。
2019年12月、イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)とのIBF世界スーパーフライ級挑戦者決定戦をスプリットの判定で落としたあとの石田匠というボクサーは、「まだ世界で戦える」という証明書を何度も提出するようなキャリア。
再起戦で当時無敗のホープ、昇り龍の勢いの石井渡士也(REBOOT.IBA)にキャリアの差を見せつけて完勝、そして次に元3階級制覇王者、田中恒成(畑中)との対戦ではスプリットの判定負けも、どちらに転んでもおかしくない試合でした。
その後も3戦は格下相手ともいえども全く危なげなくの完全勝利を積み重ね、地力の高さを示すとともに徐々に世界ランキングを上げています。
そしていよいよ迎えるのが今回の一戦、年齢にしろ、状況にしろ、ラストチャレンジのはじまり、と言っても良い戦いです。
素晴らしい距離感とジャブ、ストレート、試合運びの上手さを持つ石田匠。ここに勝てば待ち受けるのはWBA世界バンタム級王者、井上拓真(大橋)。これは大変興味深い戦いになりますね。
さて、ビクター・サンティリャン。
このドミニカ人は特にスピードが優れているわけでもなく、パワーヒッターというわけでもありません。その特徴は、おそらく非常に身体が柔らかく、ダメージをためにくいであろうということと、プレッシャーをかけるときもバックステップを踏むときも非常にナチュラルで、この距離感とかパンチのセレクトについては、センスを感じます。どちらかというと、天才型と言って良いボクサーだと思いますね。
サンティリャンは2022年6月、プロスペクトのカルロス・カラバロ(プエルトリコ)を降して大きく浮上。前戦はレンソン・ロブレス(ベネズエラ)という選手に6RTKO勝利を収めていますが、その戦い方は非常に冷静で、KOを狙うというよりは勝利に徹するタイプのボクサーに見えます。
映像を見たのはカラバロ戦ですが、ちょっとまだ余裕があるように見え、無敗ということもありまだ底を見せていないボクサー。サンティリャンにとっても、この一戦は大一番となるため、過去一番強いビクター・サンティリャンが出てくると思って間違いはないでしょう。
これは非常にヒリヒリする主導権争いが見られる展開ですね。
石田のジャブがこのサンティリャンを凌駕する、と信じます。
放送・配信
この興行は全8試合が行われる井岡プロモーション主催の興行ですが、とりあえず6/7(水)現在のところライブ配信の情報がありません。
ただ、ここ数戦の石田の試合は、テレビ大阪のYoutubeチャンネルが配信してくれているので、今回もあると信じたいですね。いや、普通あるでしょう。
ということで一応当該Youtubeチャンネルのリンクを貼っておきます。ちがったらすみません。
バンタム級の大一番はもう一つ
この石田vsサンティリャンから2ヶ月後、もう一つバンタム級の大一番があります。
それが8月という開催日程が上がっている、OPBF東洋太平洋バンタム級王者、栗原慶太(一力)とWBOアジアパシフィック・バンタム級王者、西田凌祐(六島)のアジア王座の統一戦です。
8月、大阪でふたりのアジア王者が激突するこの一戦は、世界ランク一桁同士の対決であり、承認されなくとも次期世界挑戦者決定戦の様相を呈しています。
12Rにわたり、西田が距離を支配するのか、それとも12Rのうちで栗原が一発を当てるのか。これは大変に興味深い一戦であり、どちらに転ぶとも取れる一戦ですね。
ちなみに、リングマガジンのバンタム級ランキングでは、井上拓真が(王者なのに)8位、西田が9位、そして栗原が10位。このリングマガジンランキングの10傑に入るほど評価されている西田と栗原の激突は、もしかすると海外ファンも注目してくれるかもしれません。
そしてこの8月のアジア頂上決戦のおそらくあとになると思いますが、8/30にバンタム級モンスター・トーナメントの準決勝。そこでこれらの二人を脅かすボクサーが誕生するかもしれません。
そしてく秋〜冬頃、何事もなければ今年のうちに、石田vsサンティリャンの勝者がWBA世界バンタム級王者、井上拓真に挑戦、年末にモンスター・トーナメントの優勝者が決定し、2024年の世界挑戦を目指すことになるのでしょう。
次々と注目ファイトが起こる国内バンタム級戦。
ここから先、目が離せません。
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