本当はもっと前々からこの試合をピックアップしたかったのですが、気づいてみれば前日で、なんとか無理やりプレビュー記事を書きました。
↓プレビュー
そういえば奈良井翼は3150FIGHTの契約選手だったと思いますが、Lemino興行に出る分には問題ないのでしょうか。もちろん、問題ないから出てるんでしょうけど。
いずれにしろ、選手の囲い込みをしないことは良いこと。3150FIGHTと言えばLUSHBOMUと組んで、日本ランカー以上には給料を出すとか。資源が枯渇しないように頑張ってもらいたいところですね。
さてさて、意味不明な前談になってしまいましたが、今回は大注目のフェニックスバトルの観戦記。
8/27(火)フェニックスバトル
日本ウェルター級王座決定戦
セムジュ・デビッド(中日)5勝(3KO)1敗
vs
石脇麻生(石田)13勝(9KO)7敗1分
初回、デビッドがいきなりラッシュ。そこをしっかりとブロッキングで受ける石脇、鋭いフックをリターン、続いて右ストレートもヒット。
デビッドは上体の動きが大きく、いなしているように見えますが、スピードはさほどではなく。ただ、そのコンビネーションは多彩で、体が柔らかく、近い距離でもジャブがよく出ます。
後半、デビッドの左アッパーと石脇の左フックが交錯、ダメージを受けたのは石脇の方でしょうか。それでもその後前に行くのは石脇。
2R、頭を振ってプレスをかけるのは石脇、デビッドは下がりながら上手くボクシング。しっかり自分の距離で戦うデビッドは、サイドにまわり、時折体をくっつけてアングルをつけたパンチを打ち込みます。
ちょっとこの手数に石脇は手がでない、前に出るもなかなか効果的な攻撃に繋げられません。
3R、ギアを上げた石脇。その分、デビッドは大きく足を使い始めます。
このポジショニングは素晴らしく、ジャブで突き放して右を外側から打つ、そして上体の動きも交えてさすがのボクシングです。石脇はかなり苦しい展開、ボディは当たりますが顔面へはなかなかヒットを奪えません。
4R、ガッチリとガードを固めて、狙い澄ました左フックを振るう石脇。このパワーパンチにかけるか、その後も数は多くないまでも強いパンチを打ち込んでいきます。
対照的にデビッドは細かなパンチをアングルを変えてヒット、明らかにヒット数はデビッドで、石脇はかなりダメージを溜めながらも強力なパンチをリターン!
デビッドのスタッツはかなりの的中率のような気がしますね。
5R、回を追うごとにデビッドの巧さが際立ちます。石脇のガードの間隙を縫ってフック、アッパーを次々とヒットするデビッド、石田は相打ちを覚悟で行くしかありません。
前に出て強いパンチを振るも、デビッドも慣れてしまったか、前ラウンドのようにヒットを生むことはできず。デビッドこれは巧い、隙がありません。
このラウンドで石脇は左目尻をカット。有効打のようです。
途中採点は、48-47、49-46、50-45でデビッド。
6R、デビッドが細かなジャブからアングルを変えた右。このジャブが非常によく、幾度も石脇の顔が上がり、上体が起こされてしまいます。
石脇は懸命に一発を狙いますが、技術の差は明らかであり、どこかで別のアクションを起こさなければいけません。
7R、このラウンドも流れは変わらず。デビッドが調子良く手数を繰り出し、石脇をボックス。中盤、ドクターチェック後再開、この後石脇のパンチは大きくなります。
デビッドはここからさらに回転力に拍車がかかり、石脇が打ち込まれたところでレフェリーがストップ。
セムジュ・デビッド、7RTKO勝利!
これは強いですね、セムジュ・デビッド。パワーがあるとかスピードがあるとかではなく、自分のボクシングを持っており、勝ち方、戦い方をよく知っているボクサーです。これは頑張って欲しいですね。
勝利者インタビューはまさかのトレーナーが通訳。まあ、通訳用意できないのは仕方ないか。
これは強い王者が誕生、ウェルター級の日本人ボクサーたちは、どう挑む。
日本スーパーフェザー級タイトルマッチ
奈良井翼(RK蒲田)13勝(10KO)2敗
vs
福井貫太(石田)12勝(8KO)5敗2分
初回、まずはリング中央、互いに入り時を伺います。リズムを刻みつつ、若干プレスをかけるのは奈良井。福井はサークリング、互いに鋭いジャブを飛ばしながらまだ様子見です。
2R、福井がワンツーで攻め入ると奈良井が左フックをカウンター。リズムをとりつつもどっしりと構えている奈良井の方が余裕が見えます。
ただ、お互いに警戒心が強いのか、アクションはあまり起こりません。奈良井としても無理にいってカウンターを取られても仕方ないので、ちょっと入りづらいかもしれません。
後半、強引に踏み込んだ奈良井!福井もリターン!終盤に奈良井がラッシュ!
3R、このラウンドのファーストヒットは福井のワンツー!その後福井が手を出せば、奈良井も攻め込みます。見合う時間は長いものの、いつヒートアップするかもわからない、これは非常にヒリヒリした展開ですね。
このラウンドは福井が良い距離をキープしているか、と思っていましたが、終盤に福井が踏み込んだところで奈良井が右カウンター!これはまた怖い。
4R、やっぱりちょっと攻めきれない、奈良井。かといって福井が明らかに上回っているか、というとそういうわけでもありません。
奈良井はどんどん手数が少なくなっている、というのが気になるところですね。
5R、福井が攻め込むと奈良井もリターン、近い距離では互いにクリーンヒットを奪います。ただ、その時間は長くは続かないので、せいぜい1発2発。これはいずれかが明確に勝ちに行かないといけません。ただ、それはかなりの危険を伴います。
途中採点は、48-47奈良井、48-47×2、福井。
6R、ここもやはりアクションは少なめ。どちらかが踏み込み、距離がつまれば一気にヒートアップするというイメージ。
ちょっと奈良井が入りきれないか、このままではポイントを持っていかれそう。
7R、奈良井はこのままズルズル行くのでしょうか。と思いましたがそんなわけはなく、フェイントをかけて強い攻め。ここにきてようやく、という感じですが、もうこのタイミングで警戒しているどうこういってられません。
このラウンド、奈良井は明らかに手数を増やしますが、やはり福井は距離感が抜群です。そんな福井の牙城を少しずつ破りつつあるのか?奈良井がこれまでよりも若干良い形で攻め込むことができています。
8R、ここは福井か、奈良井はプレスをかけますが、どちらかというと良い攻撃ができているのは福井の方です。ちょっとこのままではまずいのではないか、と思った後半には、奈良井のいきなりの右、そして飛び込みの左フックがヒット、難しいラウンドだらけですね。
9R、これはなかなか試合が動きませんね。奈良井陣営はこれで良いのでしょうか。
福井が入ってくるところに単発のパンチを当てるという奈良井の戦術。これは、王座を防衛するのに足りるか、足りないか。
10R、奈良井が手数を出して攻めていきます。ただ、一度の奈良井の攻撃に対して福井はカウンターを取りつつも動き、奈良井は連続して攻めることはできません。
福井としても思いの通りにボクシングができているのか、というのはどうなのかわかりませんが、このアクションの少なさではここまでどのように判断されるのかはわかりません。
終盤は奈良井の強い攻撃、これをもっと早く出せればよかったと思うのですが、判定は如何に。
10Rを終えての判定は、96-94×2、97-93で奈良井!!
おお、これは後半、奈良井が持っていったということのようですね。ちょっとここまで差がつくとは思えませんでした。
「負けてたと思う」と勝利者インタビューで答えた奈良井。自分のボクシングはできず、どちらかというと福井にコントロールされたというのが現実。ただ、福井としても勝ち切ることはできなかった。どちらが勝ってもおかしくない戦いだったと思います。
OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ
中嶋一輝(大橋)15勝(12KO)2敗1分
vs
和氣慎吾(FLARE山上)31勝(22KO)8敗2分
ディレイで視聴を始めましたが、21:25に追いつきました。ちょうど和氣慎吾の選手コールです。
ロングのガウンがよく似合う、王者の風格、挑戦者和氣。そして強打の王者、中嶋。
注目のゴング。
初回、和氣はしっかり足を動かしてのスタート。中嶋はスタンスを大きくどっしりと構え、やや後ろ荷重です。両者共にいつも通りと言えばそうですが、和氣は非常に調子がよさそうですね。
和氣のコンビネーションに対して中嶋はブロッキング、和氣の攻撃は無効化されていますが中嶋もこの状態からは手が出ません。
後半、和氣が鋭い踏み込みからコンビネーションを見せ、攻勢をアピールしています。ところで今日のLeminoはしょっちゅう止まります。。。
2R、和氣が攻めると若干固まる中嶋。このブロッキングは非常に固いですが、これは悪い方の癖です。
どちらかというと和氣としては速いコンビネーションで攻め込み、中嶋をガード状態に持っていこうという作戦なのかもしれません。
このラウンドの中盤、中嶋はどっしりと構えてプレス。和氣が攻め入るとガッチリと受け止め、距離が詰まったところで打撃戦!ここで和氣は距離を取らず、もしくは取れず、この近い距離での打撃戦でちょっとダメージを負ってしまったか、和氣はロープに倒れ込みます。
その後、またも近い距離で中島の猛攻に晒された和氣、ダウン!!
立ち上がるも、レフェリーはストップ!!!
なんとも衝撃的な結末でした。中嶋のパンチングパワーはもちろん周知の通りですが、和氣もすでに年齢的にも限界ではないでしょうか。。。
本当に残念ですが、もうここでグローブを吊るして良い頃なのかもしれません。
そしてインタビューの後、リングに上がったのは辰吉寿以輝(大阪帝拳)。すでに勝者への挑戦が内定していたのでしょうか。
なんかやるならちゃんと説明して盛り上げれば良いと思うのですが、これまた微妙な雰囲気です。が、中嶋一輝vs辰吉寿以輝。辰吉はディフェンスが非常に良くなっているので、これは非常に興味深い戦いになりそうです。
ともあれ和氣慎吾、ゆっくり休んでもらいたい。
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