9/3(火)は、全試合が気の抜けない注目試合です。
体力のない私は、現地観戦疲れるだろうなーと思っています。しかも次の日は仕事なので飛んで(実際は車で走って)帰らなければなりません。
そんなわけで、過去最高のラインナップとも言えるLemino興行。
今回はアンダーカードのプレビュー記事です。
↓メインは井上尚弥vs TJドヘニー!
↓セミは最注目、武居由樹vs比嘉大吾!
9/3(火)有明アリーナ
イズマエル・バロッソ(ベネズエラ)25勝(23KO)4敗2分
vs
平岡アンディ(大橋)23勝(18KO)無敗
WBA世界スーパーライト級暫定王者、イズマエル・バロッソ。世界のトップボクサーたちと違い、全くといって良いほどスタイリッシュさがないボクサーです。
顔もおじいちゃんみたい、と言われますが、これで41歳(私より年下)というのはサバ読んでないかい?とも思うのですが、その力は認めざるを得ません。
2023年5月、WBA世界スーパーライト級王座決定戦の舞台でロランド・ロメロ(アメリカ)の相手に抜擢されたバロッソは、過去にアンソニー・クローラ(イギリス)やバティルザン・アフメドフ(ウクライナ)といった強豪にはしっかりKO負けをしており、完全にノーマークのボクサーでした。
ロメロは楽な相手を選んだ、と言えると思います。
しかしロメロ戦ではバロッソが3Rにダウンを奪い、試合を優勢に進める展開に。最終的にロメロはバロッソにストップ勝ちしますが、このストップ裁定は非常に謎で、リードしているバロッソがちょっと攻め込まれたところでのストップでした。スローで見ても実際パンチはほとんど当たっていなかったと思います。
不運な負けを喫したバロッソでしたが、正規王者となったロメロは休養王者に。再戦が嫌だったのかもしれません。
そしてバロッソは暫定王座決定戦として英国のオハラ・デイビスとの一戦がセットされます。
とはいえ、まだこの頃はバロッソの評価は定まらぬまま。ただただ、ロメロがイマイチなだけじゃないかという疑惑もありました。少なくとも個人的には。
しかしここでバロッソはなんとデイビスを初回TKO、2分も経たないうちにデイビスから2度のダウンを奪い金星を挙げています。
初回KOというのは事故にも似たもの、だとは思いますが、ロメロも3Rでダウンを奪われていること、デイビスが初回で倒されたこと、これを考えれば少なくともそのパンチングパワーは本物で、そして特に序盤において強いことは明白です。
バロッソは辿々しいボクシングをし、歩くようにプレスをかけ、思いっきり振るタイプのボクサー。これはボクシングを知っていれば知っているほど、また、そのスタイルがスタイリッシュであればあるほど、惑わされるものではないでしょうか。その犠牲者が、オハラ・デイビスだったように思います。
なので平岡アンディにとってこれは大変に危険な相手です。あのバロッソの妙なリズムにより、ボクシングをさせてもらえない可能性もあります。
個人的には、平岡にとってかなり厳しい戦いになるのではないかと予想していますが、ここはマイペースで、相手が手を出してこなくても自分のリズムをキープして、つまらない試合で良いから勝ち切ってほしい。
この試合はバロッソの持つ暫定タイトルはかからないようですが、勝てば指名挑戦者にはなれるはずで、ホセ・バレンズエラへの挑戦に繋げてほしい。
OPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィックウェルター級王座統一タイトルマッチ
佐々木尽(八王子中屋)17勝(16KO)1敗1分
vs
カミル・バラ(オーストラリア)15勝(8KO)1敗1分
日本人初の世界ウェルター級王者を目指す佐々木尽。クロフォードがいなくなったとて、未だ人材の宝庫であるウェルター級で、佐々木なら、と思わせてくれるボクサーです。
とはいえ、ここ2戦のパフォーマンスは世界を期待されるものではなく、何よりも被弾と荒さ、強引さが気になるところです。
実際佐々木は反応も良く、ボクシングもできるはずです。今回は世界を期待させるような戦いを見せてもらいたい。
カミル・バラというボクサーは聞いたことがありませんでしたが、オーストラリアの「ゴールデンボーイ」というニックネームを持つボクサーのようです。
スタイル的には常にヘッドムーブをしつつ、中間距離から一気に距離を詰めて連打を見舞うというタイプのボクサーで、これまでの敗戦は2017年にジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)に判定負けを喫した試合のみ。そして、今戦が初めてオーストラリアを出て戦う試合です。
2012年にプロデビューしているから、もうデビュー12年です。それで17戦というのは非常に少ないキャリアで、今回の戦いも実に1年3ヶ月ぶりです。
カンボソスと戦ったのはもちろんライト級ですから、そこからスーパーライト級で2戦、ウェルター級で2戦して今回の一戦。ライト級上がりながらも(デビューはスーパーライト級)、ここ最近は3連続KO勝利中とウェルター級でもパワーは通用しているようですね。
ワンツーで入ってくることが多く、そのツーはお世辞にも美しいとはいえないボクサーで、さらに右を打った後にかなり大きな隙ができる、という弱みはあるものの、やはりこの欧米系の体格を持つボクサーは侮れません。
佐々木は白人系と戦うのは初めてだと思いますから、ここでどんなパフォーマンスを見せてくれるか。
世界に行くなら、このレベルのボクサーには何もさせずに倒して勝たなければいけません。
そのパフォーマンスはやや振れ幅が大きいと言える佐々木ですが、ここは良いパフォーマンスを見せてもらいたいですね。
日本スーパーバンタム級タイトルマッチ
下町俊貴(グリーンツダ)18勝(12KO)1敗3分
vs
津川龍也(ミツキ)13勝(9KO)1敗
オープニングファイトはこれまたエグい戦いです。
日本王者、下町は日本ユース王者津川を相手に迎えての3度目の防衛戦に臨みます。
どちらもフェニックスバトルの常連ですね。
下町は昨年6月、大湾硫斗(志成)との王座決定戦を経て日本タイトル初戴冠、初防衛戦では石井渡士也(RE:BOOT)を迎えてドロー、2度目の防衛戦ではデカナルド闘凛生(六島)を5RTKOで快勝しています。
井上尚弥がいなければ、もうそろそろ世界の声が待望されてもおかしくありませんが、今はまだ、我慢の時です。世界ランクは4団体で10位前後に入っており、国内の強豪を退けてきていると考えれば、通常ならそろそろ声がかかって然るべき。
しかし、そうはいっても今はまだ、井上尚弥というモンスターがいるからこそ、じっくりと成長するためのマッチアップを続けられる、とも言えますね。
スーパーバンタム級での世界挑戦というのは、モンスターがいなくならない限り非常に難しい。だからこそ、国内の興行はその鬱憤を晴らすかの如く、熱い。
先日、OPBF王者、中嶋一輝(大橋)が和氣慎吾(FLARE山上)を退けました。
そしてWBOアジアパシフィックタイトルは、10月、村田昴(帝拳)vs山﨑海斗(六島)で争われます。
下町がここに勝利すれば、そろそろアジア王者たちとの統一戦に進んでもおかしくはないでしょう。またまた厳しいながらも楽しみなマッチアップが見られそうです。
というぐらい、やはり難攻不落で、キャリアもある下町が優位なのは間違いがありませんが、挑戦者、津川龍也も非常に期待ができるボクサーです。
2019年の全日本新人王を獲得した津川は、現在6連続KO勝利中。
大きなジムではないことから、コロナで長いブランクも作ったりもしましたが、2022年3月に行われた石川春樹(RK蒲田)との日本ユース王座決定戦は出色のパフォーマンスでした。
バランスが良く、鋭いジャブとストレート。そして、しっかりと打ち合いもできるハートの強さ。その基礎にある、基本的技術の高さ。
キビキビとした動きは見ていて気持ちが良く、個人的には津川を応援したい。
この石川戦の後だったと思いますが、井上尚弥のスパーリングパートナーに抜擢されたというニュースがあったかと思います。オーソドックスなのでここ最近はスパーリングパートナーとしては呼ばれてはいないとは思いますが、きっとそこで学んだことは大きいはず。
ユース王者が日本タイトルに挑戦する、こういう素晴らしいステップアップファイトは大歓迎です。
9/3、いきなり好試合からスタートしそうな気がします。
非常に楽しみですね。
配信情報と今後のスケジュール
この興行は、もちろんLeminoで生配信。
そしてもちろん、無料です。いつものことで麻痺していますが、これはとんでもない事ですよ。
配信は9/3(火)15:15〜となっており、試合開始時間は15:30からです。
ど平日の15:30からという、配信で見るとしても少なくとも午後休を取らなければならない、これはボクシング愛を試されているとしか思えませんね。
会場で見る、となれば有給休暇は不可避であり、さらに地方のファンが会場で見るとなれば一泊、翌日も有給休暇を取らなければなりません。
これはなんとかしてほしい所ではありますが、致し方のないことなのでしょうか。
私は仕方ないので有給休暇を取得し、そんな2日連続で休めるほど偉い身分ではないので車で帰ります。(電車では日帰りが無理なので)これだけは本当になんとかしてほしい。
ともあれ、Leminoはこちらから。
ちなみに、Leminoではファイナル・プレスカンファレンス、そして前日計量も中継してくれます。私はこのあたりにさほど興味はないのですが、興味のある方もいるでしょうから日程をまとめておきます。
最終記者会見
前日計量
いずれもLeminoで生配信です。
↓それでも最も注目すべきはセミファイナルです。
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