信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

有明の決戦から一夜。井上尚弥、武居由樹、平岡アンディ、勝者たちと敗者たちの明日。

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ど平日の有明アリーナ開催、お疲れ様でした。

現地観戦した私は駐車場から出るのに1時間30分くらいかかり、結局帰宅したのは深夜2時を悠に超えておりました。

そこから風呂入って3時間は寝れたので、まあ良しとしましょう。

流石に今日は21:00頃に仕事を終わりにし、今に至る。

そんな9月4日は、有明興行の一夜明け感想戦。

 

 

 

下町俊樹vs津川龍也

返す返すも惜しかったな、と思うのは津川です。初回から非常に動きは良く、アップセットなるかという雰囲気でしたが、2R以降は支配された感じ。

しかし8Rのダウンは決意と覚悟を感じるもので、あの時、ベルトに片手(は言い過ぎかもしれませんが、少なくとも人差し指くらい)をかけたのではないでしょうか。

そこからが本当にもったいなかった。倒される覚悟をしてでもガムシャラに行けば、或いはと思いましたが、これは言うは易し、行うは難し。ここで行き切れるボクサーは少ない。しかも相手が非常に攻めづらいボクサーであれば尚更でしょう。

下町はしっかりと難敵を退けましたね。ただ、例えばこれで井上尚弥が返上した後の世界タイトルを、と考えればちょっと物足りないのも事実。ただ、日本ランカーたちは総なめにしている感はあるので、そろそろ統一戦が見たいところですね。

OPBF王者の中嶋一輝とはLemino仲間なので統一戦を組むことは比較的容易ですが、こちらは次戦が辰吉寿以輝。WBOアジアパシフィック王座は空位ですが、村田昴vs山﨑海斗での決定戦が10月に予定されています。

こう考えると下町の次は防衛戦ですかね。

 

 

 

佐々木尽vsカミル・バラ

まるでボディビルダーのような筋肉を見せていたバラですが、佐々木の方がフィジカルも強く、パワーもありましたね。

技術はあれど、世界的な強豪とは言い難いボクサーでした。

佐々木は見事な7RTKO勝利でしたが、そろそろステップアップファイトが欲しいところです。

WBA4位、WBC5位、IBF4位、WBO3位。ここから一つまた上がるかもしれません。そうすれば挑戦者決定戦までもうすぐだし、ともすれば世界戦のチャンスは回ってきそうです。

いちばん近いと思われるWBOはブライアン・ノーマンJr、佐々木の一つ上、この年でウェルター級王者というのは傑物ですが、チャンスはありそうです。

ジャロン・エニスとの統一戦が取り沙汰されましたが、これは消えているのでもしかしたらチャンスなのかもしれません。

 

 

 

そんなIBF王者、エニスはカレン・チュハジャンとの指名戦、これが終わればスーパーウェルター級に転向の話も出ています。ちゃんとスーパーウェルター級に上がる前に返上してくれれば、3位のコナー・ベンとの王座決定戦があり得る話。非常に危険なドープ野郎ですが。。。

WBC王者はマリオ・バリオス、結局マニー・パッキャオとやるのでしょうか。

とまあ、結局4人の王者のうち3人がアメリカ人。帝拳パワー、Leminoパワー、大橋パワーを持ってしてもウェルター級の王者を日本に呼ぶのは非常に大変そう。

そういう意味で言えばWBA王者のエイマンタス・スタニオニスはまだチャンスがあるのかもしれません。アメリカを主戦場として戦うPBCファイターですが、ノーマンJrやエニス、バリオスほど恵まれたファイトマネーではないはず。

せっかく日本人初のウェルター級王者になるのであれば、王者を倒してなってほしい、それは贅沢かもしれませんが。

 

 

 

イズマイル・バロッソvs平岡アンディ

この試合が一番びっくりしました。平岡アンディがバロッソをノックアウト、しかもほぼ圧倒していた戦いだったと思います。

アンディが勝てるスタイルは塩試合になるのでは?とか思っていましたが、蓋を開けてみればアンディは相手の出方をしっかりと研究し、そのすべてに何かしらを用意している周到ぶり。バロッソは徐々に、というか早々に打つ手が無くなり、手詰まりになってしまっていました。

個人的にはオハラ・デイビスをノックアウトしたシーンが印象に残っていた分、最後までバロッソのあの意味不明な距離の詰め方は怖かったですが、3度もダウンを奪う圧勝は、「BLADE」というニックネームに恥じない素晴らしいパンチのキレを伴っていました。

さて、WBAの挑戦権を獲得したとて、WBA王者はホセ・バレンズエラです。

 

 

 

イサック・クルスに勝利した素晴らしい王者ですが、アンディにとっては小さすぎるクルスよりも、このバレンズエラの方が比較的やりやすいのではないでしょうか。クルスよりは、予測ができるボクサーです。

ただ、先の観戦記にも書きましたが、WBAがこの権利を順当に行使させてくれるかどうかはわかりません。IBFやWBOの挑戦権とは訳が違い、このWBAの挑戦権ほど儚いものはありません。

しかしこの平岡アンディ、WBAでは6位(バロッソ戦前)ですがIBFで12位、WBC、WBOは圏外です。この勝利により、各ランキングの上位にランクインして欲しいですね。ロメロなんかよりもちゃんと圧倒して勝利した、その勝利を讃えたい。

WBC王者はアルベルト・プエロ、IBF王者にリアム・パロ、WBO王者にテオフィモ・ロペス。どの王者も強敵なのは間違いないものの、圧倒的に強い、という王者はいないと思われ、誰と当たっても勝てそうだし、勝てなさそうです。

 

 

 

さあ、大橋陣営はまだ休めません。ここでWBAの指名挑戦のオーダー待ちになってしまうと、あと2年ぐらいはチャンスが回ってこないかもしれません。

しっかりと交渉し、WBAじゃなくても近いうちの世界挑戦を実現させてほしい。バロッソにあの勝ち方をした平岡アンディには、もう十二分に世界の権利があります。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

武居由樹vs比嘉大吾

どっちが勝っていてもおかしくはない戦いでした。両者ともにKOチャンスはあったでしょうし、ピンチもチャンスも変わるがわる訪れるような素晴らしいファイトは、ファイト・オブ・ザ・イヤー候補になってもおかしくはありません。

この試合、比嘉大吾は非常に勇敢なチャレンジャーでしたし、武居由樹はまさしく王者でした。

最終盤を除き、常に攻めの姿勢を崩さなかった比嘉大吾。集中力をキープし、マロニーも入れなかった武居に対して常にプレス、思い切りよくインサイドに入って行った姿というのは、「勝ち筋はこれしかない」というものだったとしても、感動を覚えるものでした。

試合後の会見で引退を示唆した比嘉、ファンとしてはもちろんまだまだ続けてほしいですが、本人の気持ちは切れてしまっているのでしょう、非常にスッキリとした雰囲気。本人の意志を尊重せざるを得ないでしょうが、寂しいものですね。

そして武居は、最終ラウンドに王者としての意地を見せました。比嘉をダウン寸前、ストップ寸前までトラブルに陥れ、前戦で露呈したスタミナの不安を払拭、そしてハートの強さを見せてくれました。

この苦しい戦いに競り勝った武居は、また一つ強くなるでしょう。

 

 

那須川天心が来月、WBOアジアパシフィックタイトルを獲得すれば、この戦いはいつでも始められます。天心はWBAとWBCで3位、WBOは10位。2025年にこの戦いが起こるとすれば、ちょっと早いかもしれませんが、この二人のライバル関係はたった一度の勝負で終わらせなくて良いと思うので、是非ともトリロジー(3度の対決)でボクシング界を盛り上げてもらいたい。

前戦のジェイソン・マロニー、そして今戦の比嘉大吾。

世界トップレベルのボクサーの強さを知り、それでも乗り越えた武居には期待しかありませんが、ここ2戦がダメージを溜める試合だったので、年末の興行には出ず、静養というのも良いかと思いますが、如何に。

 

 

 

井上尚弥vs TJドヘニー

色々な考察が出ているのでしょうから、この試合について言うことはあまりありません。

いずれにしろ、ドヘニーが選択した戦法はいわゆるタパレス戦法(別にいわゆるでも何でもないですけど)であり、ディフェンシブな待ちの戦法でした。

こうなると、ドヘニーは一発にかける他なく、対井上については「極小ながらもチャンスがある」そして「フルラウンド生き残れるかもしれない」戦法です。

ただ逃げ回っていただけのバトラー、前に出てしまったルイス・ネリに比べれば、まだ勝つチャンスがほんの少しだけあった「弱者の戦法」だったのかもしれません。

まあ、この試合は置いといて、すでに話題の中心は井上の「次」です。

想定通りダメージなく終えた井上尚弥は、12月のリング復帰を明言。

さらに来年のラスベガスのリングインを表明しています。

このことをもう少し詳しく調べると、BoxingSceneにボブ・アラムが語ったという記事が見つかりました。

Bob Arum on Naoya Inoue: Christmas Eve card, U.S. return, Junto Nakatani showdown awaits

 

 

 

ここで言及されていることは、12月に日本でサム・グッドマンが有力ということです。

井上の対戦相手はサム・グッドマンかムロジョン・アフマダリエフが有力であり、井上としてはこの二人の指名挑戦者を倒す必要があります。

アラムは12月の井上の対戦相手を、サム・グッドマンが有力だとしています。

そして来年の4月(これが最適とアラムが記事で言及しています)、ラスベガスでムロジョン・アフマダリエフ、だとすると問題が発生するのです。MJはマッチルームの契約選手だからですね。

ここをクリアにするとすれば、トゥルキ・アラルシク殿下にご登場いただくしかなく、というか、井上のファイトマネーを捻り出すのにトップランクだけでは心許ない。なので結局、「リヤド・シーズン」として行われるラスベガス興行に出場する、というのが目論見ではないか、と思います。

アラムはこのベガスファイトを「日本から何千人もの観客をラスベガスに呼び寄せる」と息巻いています。このファイトウィークだけ1ドル90円くらいにしてくれないものか。

 

 

 

さて、ボブ・アラムは何でもぶち上げるのが大好きな人ですが、この記事の後半は非常に興味深いものです。

この4月のラスベガスのイベントに、中谷潤人ともう一人、日本人のバンタム級王者での統一戦を計画したい、と語っています。ラスベガスのメインで井上尚弥vsアフマダリエフ、セミファイナルに中谷潤人vs井上拓真(仮)。これは大変に興味深い戦いですが、日本でやれや、と思わずにはいられません(笑)。

ともあれ、これに井上尚弥、中谷潤人が勝利すれば、その年の年末に東京ドームで井上尚弥vs中谷潤人、これがボブ・アラムが描くプランだそうです。

もちろん、こんなふうに語ったアラムのプランが、その願いの通りに叶った試しなんてありませんから、これもまた、言うは易し行うは難し、なのです。

井上尚弥が今後どのようなキャリアを歩むのか、楽しみにしましょう。

 

 

 

想定される愚痴文句不平不満

この記事のコメント欄になかなか興味深い投稿がありました。

井上が12月にグッドマン戦を発表すれば、アンチ達は彼がMJやフェザー級を避けている、あるいは日本を離れていないと主張するだろう。

来年5月にラスベガスでMJと戦えば、アンチたちは彼がフェザー級に上がるのが怖くて、まだ10試合もしていない無名選手と戦うなんてと主張するだろう。

来年の夏、東京ドームで再び中谷と戦えば、アンチたちは彼が日本に留まり、米国で戦力を強化していないと主張するだろう。

グッドマン/MJ/中谷と対戦する前に階級を上げれば、アンチたちはダックだと主張するだろう。

来年末にフェザー級に上がり、アンジェロ・レオ(同じトップランクのチャンピオンで、アラム経由で簡単にセッティングできる)と戦えば、アンチたちは彼がエスピノーザやボールなど他の選手を恐れていると言い、フィリピン人は彼がまだカシメロを避けていると言うだろう。

なるほど、文句を言おうと思えばいくらでも言えるらしい。

逆にいうと、賞賛しようと思えばいくらでも賞賛できるのでしょう。

人様のマッチメイクに関して、色々と言いたい気持ちもわかりますが、ボクシングファンとしてはできれば後者でありたいものですね。



 

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