さあ、だいぶ疲れてきました。
岩田翔吉vsハイロ・ノリエガ、そしてユーリ阿久井政悟vsタナンチャイ・チャルンパックは順当に日本のボクシングファンにとって良い結果が得られました。
引き続き私はESPNで視聴ですが、ここでようやくESPN+がつながりましたのでプラットフォームを変更して視聴。
今回のブログは、Prime Video Boxing Day1、拳四朗vsロサレス、そして井上拓真vs堤聖也の観戦記。
⇩岩田翔吉vsノリエガ、ユーリ阿久井vsタナンチャイの観戦記はこちら

10/13(日)Prime Video Boxing
WBC世界フライ級王座決定戦
寺地拳四朗(BMB)23勝(14KO)1敗
vs
クリストファー・ロサレス(ニカラグア)37勝(22KO)6敗
カネロを伴ってロサレスが入場。カネロがただ日本に遊びにきたかっただけで、ロサレスと仲が良いというふうには思えません。
続いて全然浸透していない「Amazing Boy」のニックネームで紹介された前ライトフライ級ユニファイド王者、寺地拳四朗の入場!まずは「愛をとりもどせ!」が流れ、続いて北斗の拳2の主題歌である「TOUGH BOY」とはなかなか粋な演出。80年代のジャンプアニメを知っているおじさんたちは大歓喜でしょう。私も含めて。(そもそもアニメを見る習慣のない私は、正直北斗の拳ぐらいしかちゃんとアニメを見たことがありません。)
ケンシロウの第二章、これは修羅の道となるのか。
さて、注目のゴング。
軽やかにステップを踏みながらプレス気味、ジャブを飛ばす拳四朗。ロサレスはどっしりとガードを高く掲げ、まずは見ていく構えです。
向かい合った時のサイズの優位性を感じない、というのが拳四朗にとってのフライ級。ロサレスは比較的真正面に構えますが、反応が良いですね。
ただ、このラウンドは拳四朗の右ボディストレートが良い。
2R、打っては離れ、の拳四朗。打って行った時にロサレスはカウンターを狙いますが、拳四朗のバックステップはロサレスのリターンを上回ります。
時折強く攻めてくるロサレスの攻撃をやり過ごすとすぐに鋭いジャブを突き刺す拳四朗、素晴らしい集中力で戦っています。
ここ数戦のように安易な接近戦を避け、それでも非常にアグレッシブに戦う拳四朗。後半、妙なタイミングで攻めてくるロサレスのワンツーを浴びるも、ここまではしっかりと自分のボクシングでポイントをピックアップしているように見えます。
3R、拳四朗の機敏な動きについていけていなさそうなロサレスは、その良い反応の反面、過剰にも見える反応を見せます。
このままスピードで翻弄できれば良いですが、スピード(パワーも)というものは12Rあれば慣れてもしまうものです。
今のところの優位性を存分に活かしたい拳四朗、ジャブを当ててはポジションを変更、そして右カウンター!!!これで明らかなダメージを負ったロサレス、ただし、ここで一気に攻めるのはまだ危険を伴います。
拳四朗はあくまでも冷静に、しっかり距離をキープしたところから攻め入るという攻撃を見せ、ロサレスも起死回生のカウンターを狙う中、最後までプレスをかけてこのラウンドを終了。
4R、引き続きプレスの拳四朗、もう勝負を決める心づもりか。青コーナー側で足を滑らせます。これはさっきのタナンチャイ陣営が問題なのではないでしょうか。。。
完璧な距離のコントロールで拳四朗はロサレスを追い詰め、サウスポースタンスに変更したロサレスに右をヒット。ジャブでロサレスの顔面を弾き、前足をロサレスの内側に入れての技あり右ストレートをヒット!
しかしロサレスも終盤に左のアッパーをヒット!拳四朗は一回転してしまうという危ないムーブ!
5R、ロサレスは鼻血が止まらないのでしょうか。これはかなり苦しい展開。
相変わらずサウスポースタンスのロサレスは、おそらく拳四朗のジャブをこれ以上喰らいたくない、ということであり、サウスポーになってから拳四朗のジャブは減ってはいるのである程度奏功していると言えます。
それでも、減ってはいるもののサウスポー相手にちゃんとジャブを当てられるのも元ユニファイド王者のジャブです。ESPNの解説者も「Perfect Jab」とのこと。
6R、右のロサレスと左のロサレス。どちらが拳四朗がやりやすそうか、と言えばオーソドックスの方のロサレスです。それはやはりジャブが効果的に当たるから。
このラウンド前半はサウスポーで戦ったロサレスですが、途中でオーソドックスにスイッチ。そうなると拳四朗のジャブはビシビシ決まりますし、右のボディストレートも決まります。ロサレスとしてもオーソドックスのスタンスの方が右のオーバーハンドを出せる、という利点もあるのでしょうから、ロサレスも攻撃にリソースを振ってきた感じでしょうか。
7R、ロサレスが強いプッシュ。ここは勝負をかけてきたか。この辺りは潔し、さすがは元王者で、勝負所がわかっています。
こうなると拳四朗にも倒すチャンスが訪れ、右のダブルでロサレスは後退。
後半に入るとロサレスが足を使う展開、オーソドックスで足を使えば拳四朗としてはプレスをかけやすくなり、戦いやすくなるイメージです。
8R、激しくチャージしてくるロサレス、必然的に拳四朗の反撃も激しくなります。見事すぎる拳四朗のボクシング、ワンツーをヒットしてロサレスの反撃時にはすでにその場にいない、ESPNの解説者は「Beautiful」!
9R、プレスをかける拳四朗。ロサレスはおそらくカウンターを狙っていますが、繰り出すことはできないか。未だ鼻血も止まっていないようです。
拳四朗はジャブからの右ボディをヒット。後半にも4パンチコンビネーションで攻め込むなど優勢、ロサレスは八方塞がりか。
10R、拳四朗のコンビネーション!その後のロサレスのリターンは不憫なほど届きません。それでも試合を投げないロサレスは後半に入るとグイグイとプレス、逆転を目指してパンチを振り回します。
ここ最近、拳四朗は激闘型となり、人間味を増してきたように思いますが、これはかつての冷徹な、サイコパスの姿です。ロサレスの反撃を受け止めることもなく、淡々と自分の距離でのボクシング。
マットは血がポツポツとついています。これはロサレスのものでしょうか。
11R、開始前にドクターチェック。出血がひどすぎるからでしょう。鼻が折れていたのか、ここでドクターストップ。
寺地拳四朗、10R終了なのか?11R0:00なのか?TKO勝利で2階級制覇達成!!
久々、綺麗な顔で試合を終えた寺地拳四朗。
TKOタイムは11R,0:06のようです。ロサレスの鼻血は3Rの右カウンターによるもののようで、その後もジャブを浴び続けたことによって止まることは叶わず。ロサレスは最後まで勇敢でしたし、最後まで勝利おw諦めませんでした。しかし、相手が悪かった。
拳四朗はやっぱりやべーですね。
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
井上拓真(大橋)20勝(5KO)1敗
vs
堤聖也(角海老宝石)11勝(8KO)無敗2分
さて、いよいよ、いよいよです。本日のメインイベント。
ベテルビエフvsビボルも楽しみでしたが、日本時間10/13の日、最も楽しみで、そしてまた憂鬱な試合でもあります。
堤の入場曲は「Born to be Wild」、これは世界戦でも変わりません。落ち着いた雰囲気、落ち着いた雰囲気を演出しているのか、非常に冷静に見えます。それは全てをやり切った男の雰囲気なのかもしれません。オールドスクールのガウンが本当によく似合う。若干アシンメトリーになっているところが洒落ていますね。
井上拓真もいつも通り、「One」での入場、Team大橋の豪華面々で入場です。こちらはこれもいつも通り、ショート丈の見慣れたスタイルのガウン。
んで、レフェリーが池原信遂氏というのはJBCの粋な計らいなのか。三人のバンタムが画面に収まっています。
激しくも切なく、楽しみではあれど辛く厳しい12Rのスタート。
初回のゴング。
まずは大きくサークリングしてからフェイント、接近戦を仕掛ける堤。オーソドックスで行きます。拓真はゆったりしたリズムに変えて速いジャブ、フック。堤がインサイドに入るとクリンチで分断、入ってきたところにアッパー。
その後も堤のジャブに合わせて左フックをヒット、やはり堤はインサイドに入らなければ難しい戦いになりそうです。ただ、序盤に拓真が上回るであろうことは想定内とも言えます。
2R、リング中央、堤が右オーバーハンドで踏み込めば拓真は左フックカウンター。こんなふうにカウンターが取れるものなのか、と驚きます。
ハードパンチを持つ堤の攻撃に拓真も非常に集中力は高く、危険な距離ではクリンチでエスケープ、抜かりがありません。後半にも右のショート、左フックをヒットした拓真、タフでならした堤は全く動じることはなく、被弾を覚悟で向かっていきます!
3R、赤と青のコーナーポスト、入れ替わっているのでしょうか。赤コーナー側が滑るようで、こういうのはもっと滑らないマットにならないか、といつも思います。メインイベントの選手は、いつもコーナー際で気をつけて戦わなければなりません。
思いっきり入ってガチャガチャした展開に持っていきたい堤、体の強さも活かしての強い攻撃。拓真は鋭いワンツーの後素早いバックステップ、堤がガチャガチャと攻撃を仕掛けてくればボデイワークでかわし、右アッパーを当てて場所を変えます!なんという。。。
それでもしつこく行くしかない堤は拓真をコーナーまで詰めるまでは良いですが、その後に明確なヒットを奪うことはできません。
4R、とんでもないタイミングで拓真のショートの右がヒット。それでも動じない堤のタフネスはどうかしています。
その後激しい攻撃を見せる堤、そのガチャガチャした攻撃の全てを無効化してしまう拓真のディフェンスもどうかしています。
一瞬の交錯でいくつものパンチが繰り出される中、クリーンヒットで上回るのは井上拓真!それでも堤は非常に楽しそうに戦い、白いマウスピースが時折見えています。こうしてリングに上がった二人のボクサーが楽しめる戦いというのは、ファン冥利に尽きるものです。
5R、ここで一気にペースを上げてガチャガチャきた堤!ちょっと面食らったのか、拓真は堤の右カウンターを喰らいます!
拓真はちょっと効いているのか、足が少し止まっています。
ちょっと手が出なくなっている拓真はこのラウンドをディフェンシブなカウンター戦法に切り替え、あくまでも格上感をアピールして終了しています。
6R、大きなサークリングをし出した拓真、堤は執拗なボディ攻撃!鋭く踏み込んだ堤に拓真は右のカウンターをヒット、その後の堤のプレスにはブロッキングとボディムーブでエスケープ!
いつもよりも被弾が多いように思える拓真、執拗に叩かれているボディへのダメージもあるのでしょうか。
この勝負はもはや分かりません。
7R、ラウンドを追うごとに元気になるスタミナモンスター、堤聖也。強い左ボディショットを炸裂させ、オーバーハンド気味の右を叩きつけます。
拓真も負けじとアッパーをヒットし、右ストレートをヒット!
その後も堤の入り際に右カウンターをヒットした拓真、本当に息もつかせぬ展開です。
8R、おそらくマットが滑ってバランスを崩しただけだと思いますが、そこを見て堤がチャージ!ガチャガチャとした手数を出す堤、その合間に拓真は単発のカウンター。
後半、拓真は飛び込みの左フック、堤が出てこようとしたところに右をヒット。ストレート気味の左をヒットしています。
9R、あっという間に9ラウンドです。堤の執拗なアタック、両者共にこのアクションの多いハイペースな展開の中、一切動きは落ちていません。どころか、堤について言えば調子を上げてきているようにも見えます。
このラウンドは近い距離での打撃戦、ここではクリーンなヒットでは拓真の方が印象深いような気がします。ただ、手数は圧倒的に堤であり、非常に難しいラウンドが続きますね。
10R、拓真が左フックカウンター、右アッパーカット。
しかし30秒頃、大きく逃げてバランスを崩した拓真に堤の左フックがヒット、ロープにぶつかるとレフェリーはロープダウンを宣告!
納得がいかない拓真ですが、仕方がないかもしれません。
再開後、一気に出てきた堤!そこに拓真はカウンターで応戦、自らくっついていく姿を見るとちょっとダメージもあるのかもしれません。
ボディムーブのキレはさほどなく、ブロッキングが多くなった拓真、ダメージも疲労もあると思いますが、それはこれまでパンチを受けている堤も同じ。疲労とダメージがあり、クイックネスが落ちていたとしても未だ拓真のパンチはキレており、最後は拓真の左フックで堤がよろめいたところでラウンドが終了。
11R、拓真は左のカウンターから右を返し、やはりクリーンヒットのインパクトで上回ります。随所でカウンターをヒットする拓真、後出しでも十分に当たるハンドスピードは健在です。
素晴らしい打撃戦を繰り広げる両者、拓真もこのハードパンチャー相手に正面から向かっていくのは、王者としての矜持なのか、それとも焦りか。いずれにしろ、後半に堤からポイントを取るのは非常に難しいかもしれません。
ラストラウンド、早々に打ち合いに突入。先に仕掛けるのは堤、その入り際にカウンターの拓真。とてつもないアグレッシブネスを発揮している堤に対して、拓真は右カウンターを起点としたコンビネーション、しかしここはリング中央で踏ん張っています。
両者が全力を出し合い、意地をぶつかり合わせたこのファイトは、両者ともに持ち味を発揮し、どちらが打ち勝つでもなく、終了!
もはや判定云々ではなく、両者が勝者。
判定は、114-113、115-112、117-110、3-0で堤の勝利!!!
かつて「呪われたバンタム」を終了させた堤聖也は、見事なまで自分のボクシングを貫き、非常に強い王者に勝利して世界初挑戦で世界初戴冠を果たしました。
果たして、あの9R、拓真が一瞬気を抜いた瞬間に攻め込んだ出来事は、今一戦のハイライトといえ、元々堤のアタックを持て余していた拓真は自分のボクシングを貫けなくなってしまったのかもしれません。ラスト3ラウンズは、おそらく明確に堤のラウンドでしょう。
とにかく堤聖也はお見事、井上拓真はまだまだやれると思うので、ここからまた這い上がってもらいたいものです。
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