10月中旬の3daysの衝撃から、まだ目が覚めないでいる10月17日。
それでも早くも次の戦いが始まってしまいます。
10/17(木)、フェニックスバトル。メインは力石政法の大橋ジム移籍初戦となるわけですが、正直に言えばそこはパフォーマンスにしか興味がなく、一番の興味はセミファイナルの日本タイトルマッチでもなく、田中空(大橋)や坂井優太(大橋)のデビュー2戦目でもなく、前戦で田中将吾(大橋)からダウンを奪う善戦を見せた高熊龍之介(松本ACE)でもありません。
セミセミにセットされている、石井渡士也(RE:BOOT)vs池側純(角海老宝石)という再戦です。
ということで今回のブログは、フェニックスバトルの観戦記。
10/17(木)フェニックスバトル
アンダーカードでは、田中将吾(大橋)と激闘を演じた松本ACEジムの高熊龍之介の登場。先制したのは高熊、良いワンツーをヒット。ウッティチャイ・モントゥリ(タイ)も結構ストレートにパワーあるな、と思いましたが、高熊が素晴らしい左ボディ!バツンと響いたこの左ボディでモントゥリはダウン!
無気力タイ人ではなかったモントゥリに対して、素晴らしいパフォーマンスを見せた高熊龍之介、地方ジムの希望として頑張ってほしいですね。
続いて登場は坂井優太(大橋)がタイ人との8回戦。初回に薙ぎ倒すような右フックでダウンを奪い、2Rにも掠ったような左ストレートでダウンを奪取。足がめちゃくちゃ速い坂井、タイ人が前に出てくるよりも速いバックステップからカウンター。左のアッパーでタイ人がぐらりときたところでレフェリーがストップ。当たり前のように強い坂井。19歳。。。来年中、遅くとも再来年にはタイトル戦が来るんじゃないでしょうか。
そして我らが田中空(大橋)。初回から当然のようにグイグイ攻める田中、幾度も左ボディをヒット。しかし珍しくボディが強いのか、このタイ人、かなりタフ。
後半、一発逆転を狙っているであろうチャン・サーラーと左フックの相打ち。これは気持ちも強いタイ人ですね。
2Rもアッパーで何度も顔を跳ね上げる田中、それでもサーラーは思いっきり叩きつける左右で応戦。中盤からは徐々に手が出なくなってきたサーラー、田中の連打でダウン!ここから一気にチャージをかける田中、ここでレフェリーはストップ!
田中空、パワーがすごいのは当たり前ですが、細かなパンチを当てる技術と強弱が素晴らしいですね。当たるパンチを強く振る、これは流石の技術。
日本スーパーバンタム級挑戦者決定戦
石井渡士也(RE:BOOT)7勝(5KO)1敗2分
vs
池側純(角海老宝石)7勝(2KO)無敗2分
実質のメインイベントは、この戦いではないでほうか。新鋭同志の潰し合いです。
ちょうど一年前、日本王者下町俊貴(グリーンツダ)に挑みドローでタイトル獲得なりませんでしたが、しっかりと実力を示した石井。そしてそのタイトルショットの1年前に石井と戦いドローとなった池側、単純にこの3者の実力は拮抗しているのかもしれません。
この再戦で勝利した方は下町への挑戦権を獲得、おそらく世界のバンタム級が来年か再来年に大きく動くのでしょうから、来年の早い段階で日本王者となっていることは世界への道を考えると非常に大きなことです。
この50-50の戦いは、次世代のスーパーバンタム級・日本代表を決める一つのトーナメント。
初回、ジリジリとプレスをかける石井。頭をしっかりと振って、距離を詰める作業。そして池側は遠くからジャブ、入ってくるところにジャブ、入ってきたところにバックステップからの左ストレート。
中盤、ショートの左をヒットした池側!そしてその後、接近したところでバッティング、池側が出血。
池側が非常にタイミングの良い左をいくつかヒット、途中で試合が止まることを考えると、この序盤が大事ですが、まず初回は池側が良い。
2R、石井の右が浅くヒット、ちょっとまだ距離が遠い。石井も序盤の大切を理解しているのでしょう、強いプレス。池側は石井の入り際に頭をしっかりと動かすので、石井の右は当たりづらい。バッティングの危険を孕みながらも池側は動く時にもしっかりと手をだす、石井はリードが少なく、ちょっと顎が浮いた状態で真っ直ぐワンツーで入っていくのでややワンパターンの感じか。
3R、グイッと距離を詰める石井。一気に入るよりもじわじわ入る方が距離を詰められそうです。
少しこのラウンドは池側が左カウンターを打てないか、石井は軽い右から入るパターンが良くなってきています。
石井はリズムに乗り、後半に入ったところでいきなりの右をヒット。パワーでは負けない、多少の被弾は覚悟の上、こういう気持ちの強さを見せてきています。
中盤、池側はジャブが少なくなっていましたが、これが終盤に復活。これはデッドヒートですね。
4R、ちょっと石井は池川のジャブを待つのではなく、先に攻めたいところ。見合ってしまう時間は、池側の時間です。
池側は左ストレートを空振りしたところで石井の頭を抱え、これでレフェリーが減点。
ここをチャンスとして石井が強打で攻め、後半にも上手く右ストレートをヒットしています。力強いボディ攻め、池側はあえてリズムを取らずに左カウンターでの迎撃、一進一退、もうこれはわかりませんが、流れはいつの間にやら石井になっているかもしれません。
5R、距離を詰めてボディの石井。しっかり頭を振れているいますが、それでも池側の距離を崩すのは非常に難しい。
池側は右を長めに伸ばし、左を狙う。石井はこの左を外してから連打に繋げたいようですが、おそらく先に動くべきです。
6R、石井のパワージャブが池側の顔を跳ね上げ、石井の左フックに対して池側も左をカウンター。池側がアッパーをヒットすると、石井もボディを乱打。
これはまた一進一退、減点があった分、ドローがなくなりそうというのはもしかすると朗報なのかもしれません。ここまでは最終的にドローもあり得るのではないか、という展開です。
7R、池側の左をかわして右をヒットした石井。池側もまっすぐの長い左をヒット。ラウンドの中でも優劣が交代していくこの流れは、いわゆるスイングラウンドというものになるのでしょう。互いに突破口を見つけられないまま、勝負は最終ラウンドへ。
ラストラウンド、池側の左!石井はちょっと焦りもあるか、タイミングを測り強い右をヒットしようと試みます。しかし池側の左も怖い。
石井のジャブは良くヒットし、何度も池側の顔を跳ね上げますが、果たしてジャッジはどちらを取るのか。池側の左のタイミングはほぼ完璧です。
最後まで死力を尽くした2人、ともかく互いの得意を出し切った試合になったと思います。
判定は、77-74×2、78-73の3-0の判定で石井!
思った以上にポイント差が開きましたが、ラウンドごとは微妙な差、だったでしょう。
おそらく石井のジャブで池側の顔面が何度も跳ね上がっていた、というのはかなり響いたのでしょう。奥手を当てていたのは池側の方が多かったかもしれませんが、とにかく石井はパワーパンチをもらっても一切退きませんでしたし、何ならもらってないぐらいの顔をしていました。
素晴らしい試合でした。
日本フェザー級タイトルマッチ
松本圭佑(大橋)11勝(7KO)無敗
vs
中川公弘(ワタナベ)10勝(5KO)6敗2分
日本タイトル戦以降、KO勝利から離れている松本圭佑。前回もそうでしたが、今回も正直、ノックアウト勝利を期待される戦いでしょう。
だからこそモチベーションのキープは難しいのかもしれませんが、良いパフォーマンスを見せてもらいたい。
初回、まず中川が一気に行きます。ここを松本がステップワークでエスケープ。一旦落ち着いたところで、松本が強いワンツー。
中川もワンツーを返して反撃、リング中央でどうどうと戦っています。行く時は一気に行く、という中川、変則的にサイドに回りつつ攻めます。しかしこの変則的な動きをじっくりとは見ず、距離で外す松本。これはおそらく正解で、あまり相手を見ようとすると幻惑されてしまうかもしれません。
2R、速いワンツーをヒットした松本。中川は体の動きでフェイントをかけ、接近戦を仕掛けます。しかし松本のステップはよく、なかなか捕まえきれません。
距離が詰まった、これは松本が受け止めた、というものなのでしょうが、この近い距離で松本のショートの右がカウンターとなってヒット、中川はダウン!
立ち上がった中川に対して、松本は一気にはいきません。じっくりとジャブを突き、ワンツーで攻め、相手が出てきたらバックステップしながらの左フック。
中盤、右ストレートで腰を落とした中川に対して猛然とラッシュした松本、これで中川は2度目のダウン!
残り時間は1分、松本は強いワンツーで攻め入り、左ボディをヒット。顔面への左フックを返し、それにリターンを放った中川はリングに倒れ込み、これがダウン判定。このラウンドで3度のダウンを喫した中川、カウント9まで数えた後にレフェリーがストップ。
覚悟を感じた中川でしたが、松本圭佑は強かった。
安定的な強さを発揮した松本圭佑、久しぶりのノックアウトであり、日本王座獲得以降は初のKO勝利です。
力石政法(大橋)15勝(10KO)1敗
vs
アルネル・バコナヘ(フィリピン)17勝(12KO)8敗
メインイベントは、力石の移籍初戦、お披露目試合です。
すでに興味は第二戦目であり、ここで世界タイトルマッチが組まれるかどうか、というのが大橋プロモーションの手腕にかかっています。
万に一つもサプライズはないと思いますが、ここは是非移籍初戦を綺麗なノックアウトで飾ってほしいものです。兄、矢吹正道の王座再戴冠は大いに刺激になっているとみます。
初回、力石がジャブで牽制、バコナヘがいきなり強いワンツーで入ってきます。これはなかなかパワーがありそうですね。
力石はカウンターを狙っているか、相手を誘うようにガードポジションをとってみたり、右リードでバコナヘの左を叩いてみたり。徐々に前傾になってきた力石、終盤に右フックカウンター。ここはクリーンヒットではなかったですが、バコナヘはその後の動きを見ているとダメージがありそうです。
2R、力石はタイミングと距離を掴んだのか、力石がフェイントをかけて細かく動きながらプレス。バコナヘの右強打はしっかりとブロッキングの力石、左のボディから右フックをヒットするとバコナヘはもんどりうってダウン!!
左のボディアッパーですね。これは完全に鳩尾に入ったのでしょう、たてません。
力石政法、2RKO勝利!
やはり格が違います、力石政法。次が世界タイトルマッチになるのでしょうか。
スーパーフェザー級、日本人にはなかなか世界挑戦すら難しい階級ではありますが、新たな環境で素晴らしいサポートを受け、是非とも世界を獲ってほしい。大橋ジムの力に期待をしましょう。
で、このフェニックスバトルの中でコマーシャルされていた、NumberTV。
Lemino Premiumに加入で観れるらしいですが、武居由樹と比嘉大吾、そして八重樫、野木トレーナー両氏が実際に戦った試合について語るらしいです。これはとんでもない企画ですね。是非見ましょう。
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