北米Amazon Prime Videoの非PPVファイト、第一弾。
Showtimeの跡を継いでPBCファイト中継に名乗りをあげたAmazonでしたが、ここまではPPVファイト(=ビッグファイト)の中継のみ。ここで初めて北米Amazon Prime Videoでの非PPVファイトが始まり、それを日本のAmazon Prime Videoで見れる、というのは朗報です。
これまでShowtimeで放映されていたPBCの興行は、WOWOWが中継してくれる以外に見る術はなく、そのWOWOWの中継もビッグファイトのみでしたから、アマプラのおかげでボクシングファンな視聴できるボクシングが非常に広がります。
今後も非常に楽しみですね。
ということで今回のブログは、Amazon Prime Videoで中継されたバフラム・ムルタザリエフvsティム・チューの観戦記。
⇩プレビュー記事
10/19(日本時間10/20)アメリカ・フロリダ
オープニングファイトはマテオ・タピア(オーストラリア)vsエンドリー・サーベドラ(ベネズエラ)。
このコンテンダー対決はとにかくものすごい試合でした。グイグイと攻めるサーベドラ、3Rに2度のダウンを奪い、このまま試合を決めるかと思っていました。しかし5Rにタピアの大逆襲、右カウンターで今度はサーべドラがダウン。これはかなり綺麗なノックダウンでした。
持ち直したタピアは攻めくるサーベドラの弾幕の間隙をついてのカウンターショットを要所で決め、印象的なヒットではタピアが上回る印象。ただ、見た目のダメージで言えばタピアは顔の右半分がかなり腫れ上がり、目も見えづらくなっていきます。9Rにはフィジカルを活かして攻め入ったサーべドラ、タピアをリング外に押し出しそうなほどのダウンを奪います。
大激闘、オープニングファイトとしてもう大成功と言っても良い、観客からのスタンディングオベーションで締めくくられたこのファイトの行方は、94-92タピア、93-93×2でドロー、結果はマジョリティ・ドローという裁定。これは再戦でもクロスファイトになりそうです。
セミファイナルはヨエニス・テレス(キューバ)vsヨハン・ゴンサレス(ベネズエラ)。イスマエル・サラスがセコンドにつくヨハン・ゴンサレス、序盤は期待させる立ち上がり。微妙に変なタイミングを持っているのか、テレスも少しやりづらそうでしたね。
それに慣れたテレス、スピード差を活かしてジャブを中心として様々なパンチをヒット。ゴンサレスも回転力があり、諦めないハートの強さを持っているボクサーで、テレスをブロッキングさせています。
しかしこのテレス、パンチを当てるのが非常に上手い。6R右ストレートを効かせてダウンを奪うと、続く7Rで左フックを叩きつけてまたもダウンを奪います。これまでのダメージが溜まっているであろうゴンサレスは、立ち上がるもテレスの右を浴びてダウンすると、レフェリーはストップ。
ヨエニス・テレス、7RTKO勝利。
非常にバランスの良い、素晴らしいキューバンボクサーです。まだ24歳、末恐ろしい。
IBF世界スーパウェルター級タイトルマッチ
バフラム・ムルタザリエフ(ロシア)22勝(16KO)無敗
vs
ティム・チュー(オーストラリア)24勝(17KO)1敗
さて、いよいよメインイベント。オープニングファイトで大激闘、セミファイナルでノックアウト決着と物凄く良い流れがきているように感じます。
リングコール、大歓声のチューに対して、チャンピオン、ムルタザリエフは静かなもの。ブーイングも。
KO決着濃厚のメインイベントのスタート。
初回、リング中央です。ムルタザリエフのジャブ、思った以上に鋭い。まずは様子見というところなのでしょうが、ムルタザリエフは長いジャブを突きながらサークリング。チューもパワージャブをヒットしています。
途中、軽いバッティングなのか、チューが額を機にする素振り。前戦で多大な出血のあった箇所でしょうか。
プレスをかけていくのはチュー、強い右をムルタザリエフのブロッキングの上に叩き込み、ムルタザリエフも負けじと右を叩き込む。早々にヒートアップしたこの戦いは、やはり12Rまではいきそうにありません。
チューのオーバーハンド気味の右がヒット、ムルタザリエフはカウンターも使いつつ、回りながらの戦いです。前戦では、プレッシャーをかけられた時に戦いづらそうでしたが、そのような状態ではなく、しっかりとチューのプレッシャーを受け止めて反撃しています。
2R、チューがプレスをかけて攻めます。ムルタザリエフは強い左右のリターン、この回転力が素晴らしい。
チューのジャブに合わせてムルタザリエフは右クロスをヒット、チューも負けじと右をヒットしています。
そしてここで、チューが左フックを放ったところにムルタザリエフの左フックがカウンター!!なんとティム・チューがダウン!!
立ち上がったチュー、明らかにダメージがあります!
ここで大チャンスのムルタザリエフ、なりふり構わずラッシュ!!チューの反撃への同時打ちのパンチを出すムルタザリエフ!!今度は逆ワンツーでチューは2度目のダウン!!!
これはやばい、あと1分もあります!
ムルタザリエフは完全に仕留めるチャンス、強いパンチを繰り出していきます!しかしチューはここで意地を見せて、クリンチに逃げることなくなんと強打を打ち返し、ムルタザリエフを後退させます!
しかしダメージでは完全にチューが不利、ムルタザリエフもダメージを受けつつも強打で反撃、左のダブルでチューが膝を揺らすと猛然とラッシュ、残り時間数秒というところでチューはこのラウンド3度目のダウン!!!!
立ち上がったところでゴング。。。ここからの逆転はできるのでしょうか。。。
3R、開始ゴングが鳴り、ドクターがチューをチェック。これをクリアして再開しますが、やはりダメージの抜けていないチュー、決めようとチャージのムルタザリエフ!
長い距離でしっかりとジャブを突き、強い右を放つムルタザリエフ、それをチューはブロッキングして、少しずつ、ほんの少しずつ力を取り戻しているように見えます。
中盤、チューがワンツーでムルタザリエフを押し込み、左フックのモーションに入ると、ここでムルタザリエフがまたも左フックカウンターをヒット!チューはダウン!!
初回の、最初のダウンと全く同じ構図、これはムルタザリエフは狙っていたパンチなのかもしれません。
たちがるチュー、レフェリーは「もう一回ダウンしたら終わり」みたいに言っていると思いますが、もはやこのダウンで終わりの方が良い。
果たして再開後、ムルタザリエフも強い右を浴びて体を泳がせたチュー!レフェリーはまだ止めない!!セカンドがタオルを投入し、ようやく試合がストップ!
バフラム・ムルタザリエフ、3RTKO勝利で初防衛に成功!!!
まさに彗星の如く現れた、バフラム・ムルタザリエフ。前戦までほとんど世界的強豪との対戦経験がなかったボクサーは、たった1年でこの階級トップボクサーの1人に名乗りを上げました。
ビッグネームを倒したムルタザリエフは、きっと次の舞台も大きなものが用意されるはずです。スーパーウェルター級もどんどん面白くなりますね。
さて、破れたティム・チュー、これでまさかの2連敗。狙われた左フック、これは大きな癖の部分でしょうが、これを治そうとしてボクシングが崩れてしまう可能性も否定できません。今回のダメージも相当なものでしょうから、まずはしっかりと休んでもらいたいですね。
しかしレフェリー、試合を止めるのが遅すぎてビビります。はっきり言えば、セコンドにタオルを投げさせるレフェリーというのは、下手くそです。あのようにダメージを受けて、セコンドに判断させるというのは良いことではない。なぜなら、セコンドは基本的に判断できるほど冷静でない場合が多いからです。(もちろん、判断をしなければならないのはセコンドなのですが、そういう状態でない場合が多い、という意味です。)セコンドは、「もしかしたら」に期待しまいます。
これこそが、「レフェリー、ちゃんとレフェリーの仕事しろ」ってことです。
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