信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】カネロの後釜王者は、カネロの対戦相手となり得るか。IBF世界SM級王座決定戦、ウィリアム・スカルvsウラディミール・シシュキン!

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日本時間10/20(日)に行われた試合のうち、大注目はバフラム・ムルタザリエフvsティム・チューでした。

しかし日本時間でその同日、IBF世界スーパーミドル級タイトルマッチもドイツで開催されており、このスーパーミドル級もまた面白い階級です。カネロとの戦い、それはビッグマネーを手に入れることができる戦いであり、また、カネロに勝てば一気にボクサーとしてメジャーに慣れます。今後のカネロは、今までのカネロよりも大いに狙い目である、というのは、おそらくスーパーミドル級ボクサーにとっての共通認識であることは間違いありません。

このIBF王座は、カネロが指名防衛戦を行うことができずに剥奪されたその後釜を決める戦いであり、指名挑戦者であるウィリアム・スカル、そしてウラディミール・シシュキンによって行われます。

重量級のボクシングにおいてメジャーな地域であるアメリカ、イギリスからは離れ、ドイツで行われる王座決定戦。今の注目度は低いですが、今後、カネロの対戦相手に抜擢される可能性のある戦いは、無敗同士の戦いであり、非常に興味深い。

ということで今回のブログは、IBF世界スーパーミドル級王座決定戦、ウィリアム・スカルvsウラディミール・シシュキンの観戦記。

 

 

 

IBF世界スーパーミドル級王座決定戦

ウィリアム・スカル(キューバ)22勝(9KO)無敗

vs

ウラディミール・シシュキン(ロシア)16勝(10KO)無敗

リングコールを聞くと「スクール」ですね。これまでスカルと表記していたことと、スカルの方が格好いいのでしばらくこの表記でいきます。ちなみにスペルは「Scull」。

キューバ出身、亡命先がアメリカではなくドイツというのはどのような経歴を持っているボクサーなのでしょうか。32歳のミドル級、2022年7月にエフゲニー・シェフチェンコ(ドイツ)を破って挑戦権を獲得しており、まあ随分と待たされたボクサーです。政治的には仕方ない、と理解してしまうわけですが、ちゃんとここでIBF王座を剥奪したIBFは良い判断でした。

ウラディミール・シシュキンはロシア出身、現在はフロリダを拠点に活動しているボクサーです。カザフスタンとの国境を有するサラトフ、スチェプノエというところの出身の様です。

両ボクサーともほぼ知らないボクサーですが、出身、戦績を考慮するとスタイルの検討はつきそうです。

 

 

 

そんな大きなハコではありませんが、とりあえずリングサイドはしっかり埋まっています。

初回のゴング、右手を顎の前に置き、やや広めのスタンスで左手も目線に掲げるシシュキン。非常にオーセンティックなヨーロピアンスタイルとも言える構えから、プレスをかけていきます。

スカルはそれをステップワークでかわし、リングを広く使いながらまずはしっかりとみていきます。シシュキンはラウンド後半になるとより攻撃的に出ますが、とりあえず初回はスカルを捕まえることはできず。

おそらく、もっと強引にいかなければこのスカルを射程に捉えることは難しいでしょう。

そしてスカルは時折良いジャブをヒットしますが、当然こちらはもっとポイントを取ることを意識しなければなりません。

いずれにしろまだ初回、様子見のラウンドが終了です。

2R、シシュキンがペースアップ、ジャブで攻め込みます。スカルも足を止めてフェイント、鋭いジャブをボディに伸ばす等、アグレッシブに。

 

 

 

前半、スカルの右オーバーハンドがシシュキンにヒット、カウンタースキルやパンチセレクト、この辺りはスカルに分がありそうな感じがするので、シシュキンはもうちょっと近寄った状態でガチャガチャいきたいところですが、どうやらこのシシュキンは全くのストレートパンチャーっぽい。

ストレートは非常にスムーズに出ますが、近寄った時の立ち振る舞いは練度を感じさせません。

3R、中間距離で上回りたいシシュキンは細かいジャブ。スカルの反応はよく、シシュキンのトリプルジャブの最後にしっかりカウンター。

シシュキンも並のボクサーではないことは明らかで、このカウンターがクリーンヒットすることはあまりありませんが、今のところやりたいことをできているのはスカルのように思います。

4R、シシュキンはちょっと攻めあぐねているか。ジャブで入ってもステップでかわされ、右を出してもかわされるかブロッキング。スカルは手数こそ少ないものの効果的に見えるショットを展開、見栄えの良い右オーバーハンドでシシュキンのバランスを崩すことに成功しています。

後半、スカルがジャブで攻め込んだところにシシュキンは左フック。シシュキンは左腕を下げたスタイルになっており、この方が非常にスムーズにパンチが出ています。堅実さを捨て、一瞬の交錯に勝機を見出したかもしれません。

5R、シシュキンのプレスが効いてきたのか、シシュキンがちょっと戦いやすくなったイメージ。ジャブからの右への繋ぎは非常にスムーズとなり、この戦い方に非常に手応えを感じているか。

 

 

 

スカルはよくも悪くも変わらないカウンター主体、ただ、確実に被弾は増えています。

6R、スカルはカウンターを狙っている、というのは相変わらずですが、ここで姿勢をややクラウチングに。ガッチリとガードを固めて狙うスカル、シシュキンのジャブに右オーバーハンドを狙っているようです。

シシュキンはこのスカルに対し、ボディジャブを打つ際に頭を大きく右側に傾けるなどして大警戒、試合はややこう着状態か。

7R、スカルが前で戦おうとしていることから、シシュキンのプレスは効かなくなってきているかもしれません。リング中央での攻防が増え、中盤にスカルの右カウンターがヒット。このダメージは逃がしているシシュキンですが見栄えはよくありません。

このままではまずいと思ったのか、シシュキンは強くプレス。この展開はまたスカルが下がりながらのカウンターを狙うスタイルです。

8R、シシュキンがパワージャブで攻め入り、スカルもジャブで対抗。どちらが優勢ともいえない差し合い、互いに効果的な大砲までは繋げられません。

ガードの上、浅いヒット、このなかでダメージを溜めているのはどちらか。もしくは、両者ともにノーダメージなのか。

シシュキンはいくつかのジャブをヒットし、スカルもカウンターのジャブをヒット、右カウンターを浅くも当てています。終盤にシシュキンがコンビネーションで攻め込む場面、どちらにしてもこのこう着状態を打ち破る術を、互いに持っていないようなイメージ。

9R、右から強く攻め入ったスカル、このラウンドはかなり力を入れてパンチを放っています。顔面をすっぽりと覆ったカバーリングから、リターンを狙う素振りのスカルは強いワンツーからさらにワンツーを追加、大きく距離を取った後、シシュキンが攻め込んできたところに対してやはり強い右を放ちます。

それでもこのこう着状態は続き、このラウンドはまだマシな方ですが、山場らしきものがあまり見つかりません。

 

 

 

10R、後半に入ってからは明らかに強く入るパターンが目立つようになったスカル。良いタイミングとアングルでの右をシシュキンに見舞います。その右を効果的にするのはやはり左ジャブで、これを顔面、ボディとカウンターで打ち分けるスカル。

シシュキンは細かくジャブを突くという時間が多いですが、これは相手にダメージを与えるパンチにはならず、また攻勢点を与えられるほどでもありません。

後半、スカルの右カウンターがショートでヒット、この試合でほぼ初めてダメージのありそうなクリーンヒットです。それでもシシュキンはタフネスもあるか、全く動じません。

11R、スカルが強い右を狙い、シシュキンはパワージャブで攻め込みます。このラウンド前半はシシュキンのパワージャブ、これをダブルトリプルと打っていく中でスカルを下がらせますが、中盤、スカルはこの攻めてくるシシュキンに対して右カウンター!そこからラッシュにも繋げています。

これでポイントを取ったと思ったのか、スカルはこのラウンドの残り時間を大きくエスケープに費やし、終盤はシシュキンの右がヒット、会場はブーイングも聞こえています。

ラストラウンド、流石に距離が近くなり、互いに退かない意志を示します。しかし早々にシシュキンのパワージャブを浴びたスカルが後退、これまでこのパワージャブはそれなりに当たっていますから、これでスカルはダメージを受けたのかもしれません。

 

 

 

ここからシシュキンが攻めるとスカルはクリンチ、思った以上にダメージを受けているか。マウスピースも吐き出してしまっているらしく、シシュキンは大チャンス!

残り時間は2分強、攻めるシシュキン、体を寄せてクリンチににげるスカル。

近い距離で互いにパワーパンチを狙う展開、体で押していくシシュキン、迎えうつスカル、危険な右同士が交錯するという場面もありつつ、ラウンドが終了。会場が盛り上がったのはラストラウンドぐらいだったかもしれませんが、試合が終了。終了後、勝利をアピールしたのはシシュキンの方です。

判定は、116-113、116-112、115-113、ウィリアム・スカル。

どちらかというとスカルが支配したラウンドが多かったかなーという印象なので、ポイント差や勝利者に違和感はありません。

ただ、このボクシングではカネロの対戦相手候補としてピックアップされるのは難しいでしょう。

シシュキンのボクシングがスカルの良さを消し、スカルのボクシングがシシュキンの良さを消した。そうであればまだ良いのでしょうが、いずれにしろカネロの相手として歓迎されるボクサーではなさそうです。

今後の防衛戦で、大きなアピールが必要ですね。

 

 

 

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