井上尚弥がリヤド・シーズンとスポンサー契約。
スポンサー契約なので早々にリヤド・シーズンに登場、という契約ではないらしいですが、リヤドシーズンへの登場はあり得る話でしょうし、トゥルキ・アラルシク氏としては是が非でも興行に組み込みたいところでしょう。
それがサウジでやる、となればLemino放映ではないのかもしれませんね。30億、というのは夢のような話ではありますが、ともかく実感も湧かないので、とりあえず目の前に迫ったボクシングの話をしましょう。
今回のブログは今週末に行われるジャロン・エニスvsカレン・チュカジャンのプレビュー記事。
11/9(日本時間11/10)アメリカ・ペンシルバニア
IBF世界ウェルター級タイトルマッチ
ジャロン・エニス(アメリカ)32勝(29KO)無敗
vs
カレン・チュカジャン(ウクライナ)24勝(13KO)2敗
PBC所属だったジャロン・エニスは前戦からマッチルームに移籍。今回はDAZNでの2戦目となりますが、どうにもマッチメイクには恵まれません。
前戦はデビッド・アバネシアン(アルメニア)、強豪には違いありませんがテレンス・クロフォード(アメリカ)には歯が立たず、2018年にはエギディウス・カバラウスカス(リトアニア)にも敗れていました。
このアバネシアンをクロフォードより1R早い5Rで仕留めたエニス、ここから良いマッチアップなるか、とも思いましたが、今回の相手はかつて退けたカレン・チュカジャンです。
当然、チュカジャンも良いボクサーで、非常に運動量が多いウクライナ人らしいボクサーです。
ウクライナという強豪国の出身であり、デビュー2戦目で同国人のアンドリー・ベリコフスキー(ウクライナ)に敗れていますが、そこから2023年のエニス戦までは全勝。そして、エニス相手にもフルラウンドを戦っています。
ただ、このエニスとチュカジャンの差は如何ともし難いところもあり、この戦いでアップセットは普通に考えれば期待できません。
なのでこの試合の焦点は、13R目にはいるエニスがこのチュカジャンを倒し切れるのかどうなのか、というところです。
懸念事項としては、やはり「完勝した後の再戦」という明らかに森ベーションが上がらない戦いに対して、エニスがどのように臨むのか。
そして、前戦ではディフェンシブに戦い、倒されずに粘ったチュカジャンが初回から倒されないように戦うのならば、非常につまらない試合になる可能性があります。
では、なぜこんな試合が決まってしまったのか。
それはチュカジャンがハリー・スカーフ(イギリス)との挑戦者決定戦に勝利し、エニスへの挑戦権を獲得したからに他なりません。
非常に厳密なIBFの指名挑戦者という肩書きは、このように興味を持たれない試合を作ってしまう可能性が指摘されています。
それは、アルツール・ベテルビエフ(カナダ)の次の対戦相手がミカエル・エイファート(ドイツ)というほぼ無名のボクサーだったりすることと同じで、井上尚弥(大橋)がサム・グッドマン(オーストラリア)と戦わなければならないことと同義です。
良し悪しもありますが、IBFは挑戦者決定戦に出場するボクサーを厳選してもらいたいですね。
↓エニスvsチュカジャンの初戦
WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ
ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)20勝(13KO)無敗
vs
ペドロ・ゲバラ(メキシコ)42勝(22KO)4敗1分
ジャロン・エニスとジェシー・ロドリゲスの共演というのは、ボクシングファンの、特にアメリカのボクシングファンにとっては非常に興味深いトピックです。
以前にリングマガジンが発表した「2029年」のP4Pランキング予想では、1位にエニス、2位にロドリゲスをランクしています。(ちなみに3位には我らが中谷潤人)
↓Ring Magazineの未来予想図
2017年にプロデビューしたジェシー「バム」ロドリゲスは、軽い階級だったからなのかかなり軽視されていたようです。
アマチュア時代はUSAジュニアオリンピックでの優勝という経験はありながらも、デビューから話題になることはなかったようですね。
当時17歳のバムはいつしか頭角を表し、2019年〜2021年の3年間は6戦して全勝全KOして大きな話題になります。
そしてそこまではライトフライ級でランクインしていたバムが世界に衝撃を与えたのは、WBC世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、カルロス・クアドラス(メキシコ)からダウンを奪って判定勝利を挙げ、世界初戴冠を果たしたことです。
本来であればカルロス・クアドラスvsシーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ)で争われるはずだったこのWBC王座は、シーサケットがコロナ感染により辞退。直前に決まったこの試合で、2階級上(実際はその前の数戦はフライ級だったので、実質1階級上)の階級でこのパフォーマンスは度肝を抜かれましたね。
その初防衛戦でシーサケットを8RTKO、フライ級へ転級して2階級制覇、そして当時のIBF王者サニー・エドワーズ(イギリス)を9RTKOで破って王座統一。
さらにスーパーフライ級に戻ってファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)を7Rで撃破、かつてSUPER FLYと呼ばれた4強のうち3人を全く寄せ付けず、見事なまでの世代交代を果たしました。
バムのキャリアは、上の世代にレジェンドたちがいたことが非常に良かったのだと思います。
これらのレジェンドを退けたバムのパフォーマンスはファンや評論家の評価を非常に高め、軽い階級ながらもこのバムは非常に評価されているボクサーです。
対してペドロ・ゲバラ(メキシコ)は非常にタフな叩き上げ。
4つの敗北はジョンリエル・カシメロ(フィリピン)、木村悠(当時帝拳)、寺地拳四朗(BMB)、カルロス・クアドラス。その全てが世界タイトル戦であり、ライトフライ級とスーパーフライ級(暫定)を制した2階級制覇王者でもあります。
前戦では下馬評で不利ながらも敵地オーストラリアでアンドリュー・マロニー(オーストラリア)を降して暫定王座を獲得しています。
ただどうしても、ゲバラがバムに勝つ、という姿を想像することはできません。
バムにとっても、この「暫定王者」であるゲバラ戦は避けて通れない試合ですから、バムの「ワクワクする試合」については2025年の楽しみにしましょう。
ゲバラはまだ1度もKO負けがありません。これはすなわち、バムはゲバラをKOできるか、というのが焦点、となりそうです。
そのほかのアンダーカードと配信情報
アンダーカードでは、元WBA世界フェザー級王者、レイモンド・フォード(アメリカ)が登場です。前戦でニック・ボール(イギリス)に王座を奪われ、その復帰戦でスーパーフェザー級転向初戦を迎えます。
他にもスーパーライト級の無敗プロスペクト、エルネスト「ティト」メルカド(アメリカ)も登場します。16勝(15KO)無敗の新鋭は必見です。
この興行はDAZNで生配信、開始時間は11/10(日)9:00からです。セミファイナルはお昼頃でしょう。
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