今週末の注目ファイトはDAZNで放映されるジャロン・エニス(アメリカ)vsカレン・チュカジャン(ウクライナ)。セミファイナルにジェシー・ロドリゲス(アメリカ)も登場するこの興行は、未来のP4Pが共演するという興行ですから、相手はどうあれ注目度は高いはずです。
しかし個人的にもっと注目なのは、その前日に行われるトップランク興行で、放映される全ての試合を見たい、と思える興行です。
ということで今回のブログは、アメリカではフライデーナイトに開催されるトップランク興行のプレビュー記事。
11/8(日本時間11/9)アメリカ・ノーフォーク
キーショーン・デービス(アメリカ)11勝(7KO)無敗
vs
グスタボ・レモス(アルゼンチン)29勝(19KO)1敗
ネクストチャンピオン、キーショーン・デービス。しかしもしかすると、この試合は大きな試練となるかもしれません。
現在WBC、IBF、WBOで3位にランクインするキーショーン、全ての団体でトップコンテンダーというウィリアム・セペダ(アメリカ)がいるから、最上位とはいかないまでも、ここまで見せてきたパフォーマンス、そしてそのタレント、間違いなくトッププロスペクトの1人です。そのうち、キーショーンvsセペダなんていうカードが決まるのならば、これは本当に盛り上がる対決になると思います。
これまでキーショーンが戦ってきた中で最もビッグネームはホセ・ペドラサ(プエルトリコ)でしたが、当時のペドラサは強敵相手とはいえ負けが混んできた時期でもあり、年齢もいっていました。そう考えると、今回の対戦相手、グスタボ・ダニエル・レモスというボクサーは、キーショーンにとって過去最強の相手、といって差し支えがありません。
このレモス、28歳とまだ若く、前戦は敗北を喫しているもののIBF世界スーパーライト級の挑戦者決定戦に出場し、リチャードソン・ヒッチンズ(アメリカ)に大いに善戦しています。
判定は3-0だったものの、ジャッジ2者が2ポイント差という僅差であり、ヒッチンズを効かせた場面もあったと思います。
アルゼンチンといえばかつて、マルコス・マイダナがいました。エイドリアン・ブローナー(アメリカ)にアップセット勝利を挙げており、フロイド・メイウェザーJr(アメリカ)を非常に苦しめたボクサーです。
そのマイダナの系譜を継ぐかのようなアグレッシブなボクシングは、判定タイプで、現代のアフロ・アメリカンボクサーの典型であるヒッチンズを大いに苦しめました。
そして同様のタイプ、といって差し支えのないキーショーン戦。キーショーンの攻撃力は相対的に見てヒッチンズよりも高いと思いますが、下がらせてしまえば同様のボクサーとも見れるとも思います。前戦とは違い、今回は一つ階級を下げてのライト級であり、彼のパワー、突進力はさらに活きる可能性があります。ちなみにこのレモスの最大の勝利は、2022年に行われたリー・セルビー(イギリス)戦で、この元世界王者を5RTKOして名前を売っています。
このレモスがキーショーンに勝っても、驚きません。嘘です。驚きはします。
とはいえ、キーショーン-600、レモス+450のオッズほども開いていなさそうな気がしていて、結局はかなり僅差の戦いになるのではないか、と思っています。
レモスとしては、ヒッチンズ戦も大いに参考になるものであり、どこかでこのトッププロスペクトを喰う算段を見つけているはず。
アメリカはバージニア州、ノーフォーク。この地はキーショーンの生まれ故郷であり、この試合は世界前哨戦であると同時に凱旋試合でもあります。凱旋試合であることの気負い、この次には世界戦に進むとすれば絶対に落とせない試合であるというプレッシャー、良いパフォーマンスを見せようとせず、勝ちに徹することができなければ、キーショーンだって危ういかもしれません。
そしてもし、キーショーンがこのレモスに圧勝するのであれば、ともすればストップしてしまうようなら、その評価はきっとウィリアム・セペダ以上になるはずです。
アンダーカード!
そんな注目のメインイベントを支えるのは、これまた興味深いプロスペクトたちが総出で登場するからです。
まさにアメリカの未来を担う若者たちの祭典、と呼べます。
本来であればここにセミファイナルでWBOウェルター級タイトルマッチ、ブライアン・ノーマンJr.vsデリック・クエバスというファイトが入っていたのですが、これはノーマンJr.の怪我により延期。ひたすら残念です。
順番はわかりませんが、キーショーンと同じくライト級で期待のプロスペクト、アブドゥラ・メイソン(アメリカ)も登場です。15勝(13KO)無敗という戦績のパンチャーで、まだ弱冠20歳。トップランク・プロスペクトにありがちな明らかなアンダードッグ(勝率5割以下)を相手にしたことはほとんどないボクサーで、着々とキャリアを積み上げてきています。
そして2020年の東京五輪でキーショーンとチームメイトだったミドル級のトロイ・アイズリー(アメリカ)も登場。こちらも前戦で無敗の対戦相手を撃破してNABOのタイトルを獲得、今回も20勝(11KO)1敗のタイラー・ハワード(アメリカ)という好戦績のボクサーを相手にします。
そして気になるのは前戦でサム・グッドマン(オーストラリア)に敗れたライース・アリーム(アメリカ)の復帰戦が組まれていること。デーリン・エルナンデス-ジェラルド(ドミニカ共和国)という12勝(10KO)2敗1分のボクサーが相手で、ドミニカのこのKO率のパンチャーというのは非常に怖い存在ですね。アリームは今回フェザー級戦、エルナンデス-ジェラルドはスーパーフェザー級でも戦っているボクサーなので、結構危ない試合です。アリームはここで負ければハシゴを外されてしまうでしょう。
そのほかにもキーショーンの兄弟、13勝(7KO)無敗の兄、ケルビン・デービス(アメリカ)、そしてプロデビュー戦を迎える弟、ケオン・デービス(アメリカ)ととにかくアメリカの未来が盛りだくさんという興行です。
配信情報
アメリカではESPNで放送されるこの興行は、今のところ日本での放映予定はありません。まあ、これは仕方のないことかもしれません。WOWOWでやるようなビッグファイトでもありませんし。。。
ともあれ、このアメリカの未来を詰め込んだような興行、ESPNを見れる環境にある方はぜひ楽しみましょう。
【宣伝】
ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!
ジャック・カテラルも愛用の「FLY」は日本唯一の正規取扱代理店です。是非、お試しください。
▼最新情報はInstagramをご覧ください
View this post on Instagram