信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

Netflix?Amazon?DAZN?集約されつつあるボクシング配信の世界的情勢について。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

世界一のストリーミングサービスは、Netflixです。

加入者は2億6,960万人(2024年4月)にものぼるそうで、2位につけるAmazon Prime Video(1億8,000万人)よりも9,000万人も多く、さらにアマプラが配送サービスのために入会して動画ストリーミングサービスを利用していない人がいる、ということを考えるとその差は圧倒的です。

その圧倒的な量の加入者に向けて放映された初となるスポーツ中継、つまり日本時間11/16に行われたボクシングの試合は、マイク・タイソンvsジェイク・ポールという何かの冗談のような戦いであり、たとえそのアンダーカードにそれなりに興味深い試合があろうとも、わざわざ入会する気にはなれませんでした。

ただ、この配信サービス界のチャンピオンがスポーツ界、それもボクシングというコンテンツに新たな会員獲得を見出し、今後は真っ当なボクシング興行を配信するのであれば、ボクシングファンにとってなくてはならないサービスになる可能性があります。

ということで今回のブログは、ボクシング配信の世界的情勢について。

 

 

 

ボクシング界のダイナミズム

約10ヶ月前、ボクシング配信のプラットフォームについてまとめました。

↓当時の記事

boxingcafe.hatenablog.com

そこからまた大きな動きがあります。

ボクシング業界というのは、各プロモーターが選手を集め、基本的にはそれぞれが好き勝手に興行を打っています。

ただそれだけだと衰退してしまいそうなヤ◯ザ的な興行のなかで、それでもなんとか均衡を保っていられるのは認定団体という存在で、この認定団体なるものがあいつとあいつを戦わせろ、そうすればうちでチャンピオンと認定してやろう、と言ってくるわけです。

このチャンピオン制度というものは素晴らしく、もうこの制度ができて100年以上が経過していますが、未だ権威があり、ボクサーが皆そこを目指していくからこそ、強いもの同士が戦う結果になります。

 

 

 

だからおそらく、昔から興行をプロモーションするプロモーターはいて、それでもお互いに協力しながらやっていたはずです。

しかし近年では各プロモーターがそれぞれのネットワークやストリーミングサービスと独占的な通信契約を結び、互いに協力しない流れになってしまいました。

そしてそれは、ここにきて少々動きが変わってきそうです。

クイーンズベリー

上に紹介した記事は、米国の大手ケーブルネットワークであるShowtimeがボクシング放映から撤退、そして止まり木を失ったPBCがAmazon Prime Videoに移った、ということを受けて書いた記事です。

勿論このプラットフォーム(Showtime)とプロモーション会社(PBC)という関係は、当然永続的に続くものではなく、すべては複数年のただの契約事項で縛られているのみです。

そしてこの度話題に上がったのは、2025年4月で契約が切れる、クイーンズベリー・プロモーションとTNTスポーツのことです。

 

 

 

フランク・ウォーレン率いるクイーンズベリー・プロモーションは、もう50年近くも続く老舗プロモーション会社で、現在もダニエル・デュボアやタイソン・フューリー、ローレンス・オコーリーといった英国で人気のボクサーたちをプロモートしています。

このクイーンズベリー・プロモーションが、TNTスポーツとの契約終了後にはDAZNに移る、という発表がありました。

DAZNといえばその配信開始の初期からエディ・ハーン率いるマッチルーム・ボクシングと提携しており、マッチルーム躍進の柱となったプラットフォームです。

英国にいながら、その地に根を下ろさず、全世界に発信できるというのは大きな強みですね。

「大配信時代」を切り拓いたといっても過言ではないDAZNは、大手のプロモーション会社だけでもマッチルーム、ゴールデンボーイ、そしてクイーンズベリーと3つのプロモーション会社と独占契約を結ぶ形となり、これは当然のことながらこんなプラトフォームは他にありません。

他にも、今話題のリヤドシーズンとも提携関係にあり、基本的にリヤドシーズンの興行はすべてDAZNが放映を受け持っています。(これにはトゥルキ・アラルシクがDAZNに大きな出資をしていることに関係しています。)

 

 

 

ちなみに大手だけではなく、米国のボクシングインサイダープロモーション、英国のトップティラーボクシングといった全くもってメジャーではないプロモーション会社とも提携関係にあり、だからこそ小規模興行の配信もされています。

トップランクが。。。?

そしてトゥルキ・アラルシク、リヤドシーズンがDAZNで放映されていることで、必然的にトップランクやPBCといった大手プロモーションに所属しているボクサーたちも、このDAZNに登場しているのが現在。PBCは公に発表されていないのでリヤドシーズンとの提携関係とはまた違うのでしょうが、単純にファイトマネーで引っ張られているイメージ、トップランクや英国のBOXXERなんかは公にリヤドシーズンとの提携を発表しています。

特に先に挙げたクイーンズベリーなんかは顕著で、クイーンズベリーvsマッチルームの対抗戦を行ったりとここ1年は本当に協力関係にありました。

 

 

 

そして、ここで新たにニュースになっているのは、トップランクもDAZNをプラットフォームにする可能性がある、ということです。

この情報はまだまだ眉唾ものですが、トップランクとESPNの契約は2025年夏に終了する予定ではあり、だからこそトップランクは現在新たなプラットフォームを検討している、とのこと。

ESPNを去り、別のプラットフォームに乗り換えるのか。

ESPNとの独占契約を続けるのか。

はたまたESPNは残しつつ、新たなプラットフォームと契約し、複数のプラットフォームで放映をするのか。

かつてPBCはShowtimeの他にFOXとも提携しており、Showtimeでチャンピオンシップを、FOXでタイトルが絡まない試合を放映していた時期もありました。

ESPNはどのような決断を降すのか。

 

 

 

プラットフォーム政治の終焉

もし万が一、トップランクがDAZNを選んだら?

その時は、プラットフォーム政治の終焉と言って良いのかもしれません。

独自路線をいくPBCはいったん置いておくとして、そうすれば世界中のボクサーたちの多くが一つのプラットフォームに集中することになります。

DAZNとは独占契約で無くて良い、と思います。

それぞれのプロモーターがいくつかのプラットフォームと良好な関係を築いていくことで、プロモーター間は協力関係ができ、相互に選手を派遣しあうことができるようになります。

そうすれば、誰と誰はプラットフォームが違うから戦えない、戦わない、なんてことはなくなり、ボクシングあるあるの一つをなくすことができるのです。

 

 

 

トゥルキ・アラルシクが「金」という強引な力を使ってとっぱらったプロモーター間の壁。

しかしこの大富豪がいつまでもボクシング界にいてくれる、と考えるのは非常におかしな話であり、そもそも「ボクシング界で今年最大のビッグマッチ」と呼ばれる試合を、アメリカからもイギリスからも遠いサウジアラビアという国でやっていのか、というとちと微妙に感じるところです。

私は老害の部類に入るのかもしれませんが、やはりボクシングのビッグマッチはラスベガス、もしくは英国で行うようなスタジアムファイト、こういったものが望ましい。サウジアラビアのリングに立ち、VIPがおとなしく見ている、招待された有名ボクサーが国家権力と談笑しなが見ている試合を史上最高のファイトと認識するのはなかなか難しい。

 

 

 

理想に向かっているのか、それとも破滅に向かっているのか

正直何が正解かはわかりませんし、正解があるかどうかすらもわかりません。

思えばプロモーター間で政治的な争いがある、ということは不毛だと思いますが、かといってプロモーターが一つに集約されてしまったとするならば、それはまた不正の温床にもなるでしょう。

プラットフォームが多すぎることは視聴者としても継続的な支払いが必要になってしまうということもありますが、もしプラットフォームが一つしかない場合には、そのプラットフォームが撤退してしまった場合はボクシングそのものがなくなります。

だからきっと、これからも形を変えながら絶妙なバランスを保ち、ずっと綱渡りで進んでいくのでしょう。

そんな綱渡りをしっかりと見つめていきましょう。

 

 

 

最後にどうでも良い話ですが、これだけDAZNはボクシング業界を取り込んでおり、米英の小さなプロモーション会社とも契約する中で、日本のプロモーション会社は売り込んだりはしないのでしょうか。

近年日本人ファイターの躍進は非常に顕著であり、しかもアメリカでも日本人は「ウェイトオーバーしない」「ハートを見せる」と好評なのだから、このボクシングの黄金期を迎えた極東の島国のプロモーターたちは今がチャンスではないか、と思うのですが。

個人的に思うのは、海外の会社は比較的フランクで、ちゃんとアプローチさえすればこちらの拙い英語にもちゃんと返してくれます。(返信は死ぬほど遅い)

日本の企業はどちらかというと一見さんお断りで、たとえばスモールビジネスの会社は大手には門前払いを受けますし、まずメールも返ってきません。

 

 

 

自主興行を打っているジムなんかは、DAZNに営業してみれば良いのにな、と思ってしまいます。日本のボクシング界はまたもガラパゴスになりつつあります。ABEMA、U-NEXTは確か海外からの視聴ができず、現状は仮にアメリカ人ファンが日本のボクシング界に興味があったとしても、VPNを使い、支払いも日本国内のクレカを発行しなければいけないかもしれません。これはとてもハードルが高いことです。

せめてDAZNやNetflixといった世界中で視聴できるサービスで放映できるような動線を作ることはできそうな気がしますが、そういう声はないのでしょうか。

↓DAZNは月額980円でボクシング放映はどのプラットフォームより多い。

DAZN

 

 

 

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