今週末は大きな楽しみがないものの、ウィークデイには大きな楽しみがあります。
11/21(木)に行われる、Lemino BOXING フェニックスバトルです。
Leminoで行われるフェニックスバトルは常々非常に充実しており、これはNTTドコモの出資により資金が潤沢だということが関係しているのでしょう。
今回のフェニックスバトルは、ライト級のアジア統一戦です。
現在のライト級というとまさに魔境、日本人が世界挑戦をするだけでも大変な偉業です。そこに向かっていく第一段階、これまで幾度か繰り返されてきた国内ライト級ウォーズがまた始まります。
ということで今回のブログは、11/21(木)に行われるフェニックスバトルのプレビュー記事です。
11/21(木)フェニックスバトル
WBOアジアパシフィック・OPBF東洋太平洋ライト級王座統一戦
保田克也(大橋)14勝(9KO)1敗
vs
宇津木秀(ワタナベ)14勝(12KO)1敗
FODのメインイベントの常連だった保田が、初のLeminoのメインを張ります。
これは彼にとってステップアップファイトと呼べる戦いであり、おそらく現時点での評価は宇津木の方が高いはずで、安田にとっては大きなチャンスです。
中央大学ボクシング部出身のアマエリートである保田は、アマチュアでも国体を制すなどして活躍し、B級でプロデビュー。
9戦目で仲里周磨に僅差の判定負けを喫して初黒星、しかしそこから見事に復活し、12戦目ではWBOアジアパシフィック王座決定戦を制してタイトル初戴冠。
初防衛戦では三代大訓にアップセット勝利したジュン・ミンホ(韓国)に完勝、その後佐伯瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ)、プレスコ・カルコシア(フィリピン)に対して2連続KO防衛、今はキャリア史上最も調子が良い時期かと思います。
距離をキープしながら戦うカウンターパンチャー、と分類できると思うのですが、比較的ボクサースタイル寄り、と言えるのでしょう。そのカウンターの切れ味はKO率からみて言わずもがな、地域タイトルを獲得して以降、どんどん評価を高めています。
対して宇津木秀は平成国際大学の出身、こちらももちろんB級デビューです。平成国際大学といえば堤聖也がWBA世界バンタム級王者となりましたね。
デビュー当初から「内山高志2世」と呼ばれた宇津木のボクシングは、ジャブから組み立てる正統派であり、ここ最近はインサイドでの戦い方を多用するアグレッシブなスタイルとなっています。
このボクサーのキャリアは、正直恵まれているとはいえないと思っています。デビュー以来ワタナベジムに所属、内山高志引退後、数年くらいは自主興行を行なっていましたこのジムは、ここ最近は自主興行をほとんど行っていないと思います。
コロナ禍以降にそれは顕著であり、世界王者を抱えているにも関わらず、自らすすんで動こうとはしていないと思われます。
そのことにより宇津木のキャリアは停滞していたように見えましたが、そのチャンスは2022年2月に回ってきました。
日本ライト級王座決定戦、ただし、相手は元日本スーパーライト級王者、鈴木雅弘(角海老宝石)でした。前年に永田大士(三迫)に対してとてつもないノックアウト劇を見せた鈴木の評価は高く、宇津木にとっても厳しい試合になるかとも思われましたが、この試合で宇津木は素晴らしいファイトを見せての9RTKO勝利。見事日本王座を戴冠しました。
しかし、このタイトルを2連続KO防衛したのちの3度目の防衛戦で仲里周磨(オキナワ)に3RKO負け。仲里が強者であることは皆わかっていましたが、宇津木の充実ぶりを考えるとここは宇津木が大きく優位、と思っていたところのビッグアップセットによりタイトルを失います。
そこから再起した宇津木は、OPBF東洋太平洋王座を獲得していた鈴木雅弘に挑戦、このタイトルを奪っています。
実績的に見れば、おそらく宇津木が優位となっておかしくはないはずです。しかし、両者のスタイルから見れば、攻めて来てくれる宇津木に対して、保田はカウンター待ちのボクシングで良いと言え、流れに任せれば戦いやすくなるのは保田、ということになると思います。
ただし、当然宇津木のプレッシャーが半端ではない分、保田としてはまずはディフェンス、パワーパンチをもらわないということが大前提。その上でカウンタータイミングを掴む必要があります。
それにはディフェンスから組み立てペースを掴み、リング上をコントロールする必要があるでしょう。特に宇津木のように回転力のあるタイプと対峙する場合は、体のどこにも当てさせない、ぐらいの気概が必要になるのではないかと推察しています。
そして、宇津木の特徴としては初回から最終ラウンドまで驚くほどのその挙動が変わらないこと、もあげられますから、保田としても途中で落ちるわけにはいきません。それにはやはり試合ペースのコントロール、あまりにもハイペースすぎて途中で落ちてしまわないようにしないといけませんし、集中力もフルラウンドにわたりキープしなければなりません。
宇津木としてはやはり最初からプレッシャーをかけて、序盤から保田を圧倒していかなければいけません。後半に入ると慣れられるという可能性もありますから、常にアグレッシブに持っていき、早期決着を基本の戦術として良いと思います。
そこで保田のカウンターを浴びてしまわないように、内山2世というだけあってやはりあまり打たれて強くないと思われる宇津木は、このカウンターにこそ気をつけなければなりません。
ここはあまりフルスイングせず、もしカウンターをもらったとしても最小限のダメージで切り抜けられるようなコントロールが必要で、それでいてカウンターを取られづらいような連打で、しかも連続的に攻めていくことが肝要かと思います。
いずれにしろ序盤から、宇津木のプレスが保田をどれぐらい削れるのか、もしくは、保田がどれくらいで宇津木の動きに合わせられるのか、宇津木がついてこれないくらいの速い動きができるのか、等々、見どころがたくさんです。
そしてこの勝者が日本王者である三代、もしくは三代vs丸田陽七太(森岡)の勝者とやればアジア3冠の統一です。そしてまだ、吉野修一郎(三迫)だっていますし、さらにはこの興行のアンダーカードでは今永虎雅(大橋)vs齊藤陽二(角海老宝石)という「アジア最強決定トーナメント」の決勝戦もあります。
ライト級の世界挑戦、是非とも実現してほしいところですね。
アンダーカードと配信情報
この興行は非常に豪華で、セミファイナルが上述の通り今永vs齊藤のアジア最強決定トーナメントの決勝戦です。この試合は今永の絶対的優位という予想ですが、勝利の全てをノックアウトで決めている齊藤はアップセットの力があり、侮れないボクサーだと思います。
他にも日本スーパーウェルター級の挑戦者決定戦、左右田泰臣(EBISU)vs豊嶋亮太(帝拳)。左右田は元K-1(?)の出身でしたでしょうか、2022年の東日本新人王。豊島は元王者で、前戦で坂井祥紀(横浜光)に勝利して日本ウェルター級タイトルを獲得しましたが、返上してスーパーウェルター級初戦を迎えます。
日本ウェルター級の挑戦者決定戦も行われますね。湯場海樹(YUVAX)vsシーサー皆川(平仲)というマッチアップです。王者はウガンダの元オリンピアン、セムジュ・デビッド(中日)で、12月に小畑武尊(ダッシュ東保)との初防衛戦が決まっていますから、この勝者に挑むようになります。
ちなみに今回から湯場の所属先がYUVAXに変更になっているようで、ワタナベジムから父のジムに戻ったみたいです。とはいえ、宮崎にはいないと思うので、拳四朗の所属がBMBみたいな感じなのでしょう。
他には仲里周磨vsアオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)のライト級8回戦。これはKO決着必至ですね。
配信はLemino、11/21(木)17:45の開始です!
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