信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

ボクシング興行のあしたはどっちだ。Netflixとリヤドシーズン、それぞれの成功が向かう先。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

ジェイク・ポールvsマイク・タイソンは是か非か。

サウジアラビアで行われるリヤドシーズンは是か非か。

前者はその意味不明なマッチアップにも関わらず、70,000人という大観衆の中で行われ、Netflixでライブ配信されたこの試合は1億2000万人の視聴があったそうです。さらに、セミファイナルで行われたケイティ・テイラーvsアマンダ・セラノの試合も8,000万人近くが視聴したとのことで、間違いなく過去一番見られた女子ボクシングの試合になったでしょう。

メインイベントの試合中、大きなブーイングに包まれたとのことですが、これは観客があってのことです。

対比として挙げた後者、サウジアラビアのリヤドシーズンは会場の規模感は非常に小さく、観客は物静かで、ラテン系ボクサーが激突したアーノルド・バルボサJr.vsホセ・カルロス・ラミレス、試合中に歌を歌うのが大好きなイギリス人の応援団が多少はいたクリス・ビラム-スミスvsヒルベルト・ラミレスの戦いでば歓声が上がっていたものの、それ以外はほとんど無音の戦いでした。

これは時代の流れと捉え、致し方のないことなのか。

過去にこだわるのはよくないことなのか。

今回のブログは、エンターテイメントとメガファイトについて。

 

 

 

サウジアラビアのリヤドシーズン

話題にしたいのは、「サウジアラビアの」リヤドシーズンです。

まず前提として、このリヤドシーズンのマッチアップたるや過去に例がないほど素晴らしく、トゥルキ・アラルシクはボクシングファンの夢を叶えてくれる特別な存在です。

まるで子供のように「誰と誰が見たい」という妄想を次々と実現させてくれるその手腕(というかマネー)は、今やボクシング界の起爆剤となり得るものだと思います。

これまで、サウジアラビアだけでなく英国や米国で「リヤドシーズン」興行を行ってきたアラルシクですが、このサウジ国外で行うリヤドシーズンはゲート収入という面でも大いに成功と言って良いものだったと思います。現地の盛り上がりは映像で見て感じることでしたし、リヤドシーズンと名がついているというだけで全く違和感はありませんでした。

 

 

 

特に「ウェンブリー・エディション」と謳われたAJvsデュボアは、ウェンブリースタジアムに10万人という観客を集めて行われ、いつも通りのスタジアムファイトでしたね。

しかし、サウジアラビアで行うリヤドシーズンはこれらの試合とは若干異なります。

とにかく会場が静かであり、ともすればコロナ禍の興行に戻ってしまったのでは?と感じるようです。

そう、今は懐かしさすらも感じる無観客興行。

個人的には特に無観客でも問題はない、とも思っていましたし、私自身は国内興行は結構な確率で音量をミュートしてみる分、違和感が少ない方です。

国内興行を消音で見る私としても、やっぱり海外のメガファイトは音ありで(可能な限りは海外メディアで)見ているものですから、やっぱりメガファイトがシーンとなっているのは大きな違和感を感じます。

 

 

 

ジェイク・ポールvsマイク・タイソン

対して70,000人以上の観衆を集めたジェイク・ポールvsマイク・タイソン。

タイソンの方がより多くの歓声を集めた、とのことですが、ジェイク・ポールが嫌われ役に徹してこの人数を集めたというのはある意味では素晴らしいことなのだと思います。

Youtuberという職業でボクシングをかじり、過去にその動きを見たことはありますが、ちゃんとボクサーっぽくはなっていると思います。

チケット収入は1,780万ドル、日本円にすると26億7,000万にもなり、これは明らかな成功値であり、PPVではない放映にしろ1億2,000万件の視聴数というのはどのプラットフォームのスポーツイベントにも勝るものでしょう。

これでもし、素晴らしい試合が展開されたならばその熱狂も凄まじいものだったでしょうし、このイロモノのメインイベントに痰を発してセミファイナルが8,000万件の視聴ということであれば、そのうちの1%でもボクシングに興味を持ってくれて引き続きボクシングを視聴しよう、ということになれば業界に与えるインパクトは大きいものです。

 

 

 

中途半端ではなく、大きな批判があるほどエンターテイメントに振り切って、そこにガチのマッチアップを入れ込めば、せっかくだからという理由で他の試合も見てくれるという検証はできたのかもしれません。

2分とはいえ8Rも戦ってタイソンのパンチスタッツは97、ヒット数は18。これはウィリアム・セペダが3分間、相手に繰り出すパンチとそう変わりません。セペダも異常ですが、この試合のタイソンはもっと異常です。

この試合に対して会場からはブーイングとのことでしたが、考えてみればコロナ禍の中でシャクール・スティーブンソンは全くブーイングを受けることなくタイトルを奪取しています。そして、井上尚弥は実況のみの賞賛を受けてジェイソン・マロニーを素晴らしい右カウンターでノックアウトしています。

観客の有と無、どちらが健全かは言うまでもなく、プロというのは観客の賞賛、そして批判にさらされてこそプロフェッショナルなのだから、そういう意味でもやっぱりリヤドシーズンの興行は異常にうつるのです。

 

 

 

リヤドじゃないシーズン、もしくは。

結局のところ、私を含めたボクシングファンが見たいものは当然エンタメファイトではなく、ライバル同士が鎬をけずるリアルファイト。

そうなると経緯はどうあれ、組んでくれるマッチアップとしてはトゥルキ・アラルシクを賞賛し、ジェイク・ポールを批判する、というのが立ち位置となるのでしょう。

ただ、トゥルキ氏のやり方は、このスポーツを熱狂から遠ざけるものであり、例えば音楽ライブを映像配信のみで見るような「ノリきれない」もどかしさを感じるものでもあります。

もちろん、ジェイク・ポールのやり方を踏襲していく人たちが増えればボクシングという競技自体から興味がなくなります。

どっちが良い、というものではないですが、現地の観客を大事にしながら全世界に発信するためには、ある程度のエンタメファイトを許し(ただし、それは公式戦であるべきではない)、観客が集まれるボクシングが盛んな場所で大々的にビッグマッチを開催するのが一番良いのではないか、という結論になります。これはごく自然なことだと思います。

 

 

 

だから個人的には、このトゥルキ氏の活動がいつまで続くのかは不安がありつつも、やっぱり「サウジアラビア・リヤド」でやらない「リヤドシーズン」を希望してしまいます。

ただしこれはトゥルキ氏の思惑、サウジアラビア政府の思惑(=サウジアラビアに観光客を誘致すること)から外れるものであり、トゥルキ氏も「もうやらない」と宣言しているものです。

ファイターたちが札束を求めるならば、リヤドシーズンに流れてしまうことは仕方のないこと。インフレしすぎたファイトマネーに抗う術があるのであれば、旧態依然としたプロモーターたちに頑張ってもらいたいところではありますが、マッチルームはもとよりゴールデンボーイもトップランクもクイーンズベリーもリヤドの手先みたいになってしまっていますし、協力関係にないとはいえPBCファイターまでこの興行に出場しています。PBCとしてもこのことを規制してしまうと、一気に選手が離れてしまう懸念があるのでしょうから、仕方のないことなのでしょう。

ちなみに、リヤドでやらないリヤドシーズン以外にも期待できることはあると思います。

 

 

 

それは、今回ジェイク・ポールがプロモーション活動によって70,000人を集めたその手腕には期待できるのかもしれない、ということです。

ジェイク・ポールはモスト・バリュアブル・プロモーション(MVP)を主催しており、今回はMVP興行、つまりはNetflixをプラットフォームとしているプロモーション会社です。

話題性だとか、自身のYoutubeとかでも宣伝しているのでしょうか?正直個人的にはこのタイソンvsポールの日時もはっきりと認識できていなかったのですが、ボクシングファンに届かないという状態であれだけのメガファイトができたのだから、プロモーターとしての未来こそ明るいように思います。

あれだけの観客を集めることができるプロモーターはそういません。ジェイク・ポールにはトゥルキ・アラルシクに負けないよう、ボクシング界を盛り上げてもらいたいものです。もうリングに上がる必要はないので。

 

 

 

今後どうなるボクシング界

MLBやNFL、NBAといったアメリカの4大スポーツというものは、まずそれぞれのチームに本拠地があり、プレミアリーグやセリエAなど、サッカーもそれぞれ国という拠点があっての放映です。

対して、ボクシングにはそういうものがありません。

別々の国をホームタウンとするボクサーが各地に赴いて戦い、特に他国で戦ってはいけないという規制もありません。

だからこのように金さえ用意できれば、どこだって試合を組むことができます。

もし1兆円使っていいよ、となったら、世論は置いといてテレンス・クロフォードvsジャロン・エニスを日本で開催することだって可能でしょう。

問題はそれが継続して行われるかどうか、です。

 

 

 

結局スポーツにとっては現地の観客というものはその熱狂を伝えるために非常に重要なファクトであるにも関わらず、実際のところ「今」が大事なファイターたちにとってはそれはさほど重要なことではないのかもしれません。極端な話で言うと10万人の観衆の前で試合をして報酬は10万円、1000人の前で試合をして報酬は1,000万円だとするならば、選ぶのは間違いなく後者でしょう。

日本でも同様のことが言え、プラットフォームの放映権料が地上波時代と段違いになり、さらに数も増えたとはいえ、やはり大事にして欲しいのは当日その場に集まった観客のことです。

都内からは遠く、最近は年に数度ほどしかボクシングを見にいくことができず、さらにはホールにはほとんど行けなくなってしまっている私が言うのも何ですが、世界中の試合をPCやタブレットで気軽に見れてしまう、それもまた考えものですね。

 

 

 

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