先週末から今週末にかけて、ボクシングは比較的落ち着いています。ビッグマッチと呼ばれるものがないから、というのがその理由で、それにかまけて仕事をこなす手が止まりません。困ったものです。
さて、そんな中でも話題を提供してくれるのがボクシング界で、一つの発表に一喜一憂しているのがこのわたくし。
ということで今回のブログはいくつかのニュースをピックアップ。
シャクール・スティーブンソンvsウィリアム・セペダは延期!
まずは悲しいニュースです。2/22のリヤドシーズンで対戦する噂のあったWBC世界ライト級タイトルマッチ。
この戦いはほぼ決定事項であり、セペダが前戦でテビン・ファーマーと戦ったのは「仮想シャクール」だったことは言うまでもありません。その戦いであまり良いパフォーマンスを見せられなかったセペダでしたが、それでもなお個人的な期待は非常に高かったです。
しかし、セペダはそのファーマー戦で左腕を負傷したらしく、この負傷から復帰するのに6〜8週間かかるそうで、復帰は3月末になるとのこと。
このファーマー戦の6Rで左腕の手首、前腕を負傷したとされるセペダは、後半に入ってもその手数は衰えることなく試合を進めていました。だからこそ、寝耳に水。
なんだかんだと理由をつけてセペダがシャクールと戦おうとしていないのか、GBPがそれを止めているとか、色々勘繰られても仕方ないのかもしれません。
いずれにしろ、2/22という日程はなくなり、もしこの日のリングにシャクールが立つのであれば、3月末にシャクールvsセペダが実現することもないでしょう。
ちなみにシャクールはフロイド・スコフィールドの名前を挙げています。
若きスコフィールドにとっては大チャンスですし、この試合の交渉が開始されるのであれば、世界タイトルという名誉と、リヤドシーズンという報酬面両方を一挙に得られるとするならば、スコフィールド側が二の足を踏むことはないように思います。
でもシャクールには待っていてほしいですね。
代わりに?オルティスvsエニスが進行中!
シャクールvsセペダというビッグマッチが消え、代わりに、というわけではないのでしょうがバージル・オルティスJr.vsジャロン・エニスが交渉されている、とのことです。
オルティスはGBP、エニスはマッチルームなので本来であれば決まらなそうなこの戦いは、リヤドシーズンであるからこそ非常に現実味があります。
マッチルーム陣営としては元々この思惑があったのでしょう、先日のエニスの防衛戦後、スーパーウェルター級への転級を示唆、その際にバージル・オルティスJrの名前も出しています。
ただ、エニスは現在ウェルター級が一杯一杯というわけではない、ということはこの試合が決まるか決まらないかの部分で大きな懸念事項になりそうです。
エニスが自分のベストの階級から外れて戦うほど、魅力的な報酬を得られるのか、否か。
エニスが王座統一という希望をかなぐり捨ててまで、2階級制覇に興味を持てるかどうか。
この試合が決まらない理由はいくらでもありますが、決まる理由は少ない。
かつてバージル・オルティスJr.とジャロン・エニスは同時期に世界ランクを駆け上がり、一体どちらがNo.1プロスペクトなのか、という話題となっていました。
オルティスは幾度かの停滞(病気によるもの)があったし、エニスはとにかくマッチアップに恵まれない時期がありました。
そして互いにタイトルを獲り、ファンから見れば機が熟した感じはあります。長くボクシングを見続けてきた人たち、関係者にとってはそうでもなく、やはりこの2人は衰え始めた頃にぶつかる可能性がある、程度に思わせられるライバルです。
このタイミングで決まれば快挙ですが、今の現状を考えると決まる可能性は十二分にあります。
これは非常に楽しみですね。
負けて評価を得たもの同士
さて、そんなオルティスに負けてしまったのがセルヒー・ボハチュク。
判定を盗まれた、みたいな言い方をされることもちらほらと目にしますが、セルヒー・ボハチュクvsバージル・オルティスJrはどちらが勝っていてもおかしくはない試合であり、だから「盗まれた」というほどではないと思っています。
ただ、このオルティス戦で評価を上げたのはボハチュクの方で、オルティスではありません。
そして、このセルヒー・ボハチュクがイズライル・マドリモフと戦うというのが12/21(日本時間12/22)の話です。
マドリモフは前戦でテレンス・クロフォードに敗れましたが、これまでのキャリアの中でクロフォードが最も苦労した相手と言って良いのではないでしょうか。
お互いにとって非常にリスキーな試合で、この素晴らしいボクサーのうち、負けた方はなんと連敗となります。
お互いに、このタイミングでやるべき相手ではありません。
しかしそれを可能にしたのはやはりトゥルキ・アラルシクの存在であり、好ファイトを見せた2人に札束を積み、リスクのある相手とやらせる道筋を作ったのはリヤドシーズンです。
リヤドシーズンが大きな報酬を出さなければ、この試合は実現しなかったでしょう。彼らはウクライナとウズベキスタンという主役になりづらい国のボクサーで、仮にラスベガスのリングに王者として立ったとしてもBサイドの可能性があります。
まあ言ってしまえば、ウシクvsフューリー2よりもこっちの試合の方が楽しみだったりするのです。
残念なお知らせ
とまあ、直近でも非常に楽しみなマッチアップのあるリヤドシーズン。しかし、2/22のリヤドシーズンではちょっと残念な試合が組まれそうです。
それはハムザ・シーラズの挑む「世界タイトル」が、ジャニベック・アリムハヌリではなくカルロス・アダメスになった、というニュースです。
↓アリムハヌリvsシーラズは一旦幻に。
この戦いが期待されたのは、ハムザ・シーラズの評価がすこぶる高く、もしアリムハヌリに対抗できるならこのボクサー、という幻想を持っているからに他なりません。
無敗のプロスペクト、というのはそういう幻想込みの期待を抱かせるものだから、これは非常に楽しみにしていた試合でした。
しかし蓋を開けてみれば、WBC世界ミドル級タイトルマッチとしてカルロス・アダメスvsハムザ・シーラズです。
シーラズにとってもアリムハヌリに負けたならば「よく頑張った」で済みそうな試合から、アダメス(もちろん強いボクサーですが、評価はさほど高くはない)に負けたらその期待は一瞬で萎みます。
もしかするとシーラズはまだ自分が世界レベルにいる、という確信が持てないでいるのかもしれませんね。
ともあれ、こうなった限りはシーラズの快勝を望みます。
どうしようもないニッポンの格闘技団体
さて、最後の残念なニュースは元プロボクサーのライアン・ガルシアが大晦日のリングに上がるというニュース。
非常にどうでも良いニュース、ではあるのですが、ここで書きたいのは明確な批判です。
RIZINとかいう団体は老いたボクサーを連れてきて見せ物にするという愚行を繰り返したうえ、今度はゴリゴリのカンニング野郎を呼ぶそうです。
ドーピングをして自らの命を縮め、大金を手にできるということであれば、それに追随する元アスリートが現れたって不思議ではありませんし、それを助長している行為です。思いっきり極論を言えば、「殺人幇助」。
メイウェザーやパッキャオ、もっと言えばマイク・タイソンもですが、昔とった杵柄で小遣い稼ぎをするのはまだ許容できます。もちろん、ボクシングを敬愛する1人のファンとしては嫌だという感情が明確にあるし、そんなピエロたちがただリング上でダンスを踊る姿を見ようとも思いません。
それにしたって今回は、アスリートとして完全に違反した人間に大枚を叩いてわざわざ呼ぶ、というのは視聴者を本当に馬鹿にしていないか。一体彼らは何を見せたいのでしょうか。
このRIZINとかいうエンタメ団体については、そのマーケティングのうまさだとか金儲けの算段だとかで比較されて「ボクシング界もプロモーションが必要」とか言われたりするわけですが、こんなクソみたいなところと比較しては絶対にいけません。たとえどんなに優れたところがあろうとも。
スポーツでないことはもちろん、格闘技でもありません。日本のクソ格闘技「風」団体、RIZIN。これは「見なきゃいいじゃん」みたいな話ではない。
こんな団体はさっさと潰れてほしいと思います。
なんて荒ぶってしまいましたが、ボクシングマガジンの特別編集が発売されるそうです。
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