今週末の楽しみは、何と言ってもマッチルーム興行です。
というかもう12月に入るんですね。
やっぱり驚くほど時の流れは早い。
タイトルと全然関係ない話題ですが、WBA世界スーパーライト級王者、ホセ「ラヨ」バレンズエラの初防衛戦の相手は、ゲイリー・アントワン・ラッセルで、これが3/1に内定したそうな。WBAの指名挑戦者が平岡アンディなので、ここでアンディは待たされることになりますね。その次、7月とか8月くらいに決まれば良いですが、無かったことにされるかもしれないのがWBA。ここは帝拳プロモーションも協力してくれることだと思うので、日本のボクシング界一丸となってタイトル戦を引っ張ってきてもらいたいですね。
そんなわけで本題、今回のブログは、サニー・エドワーズvsガラル・ヤファイの注目ファイトについて。
11/30(日本時間12/1)イギリス・バーミンガム
WBC世界フライ級暫定王座決定戦
サニー・エドワーズ(イギリス)21勝(4KO)1敗
vs
ガラル・ヤファイ(イギリス)8勝(6KO)無敗
注目のフライ級対決、場所はヤファイの故郷、バーミンガムです。
オッズがサニー・エドワーズが-125、ガラル・ヤファイが+118というほとんど50-50のこの戦いは、英国でも非常に注目されているファイトだと思います。
そして英国だけでなく日本でも注目度が高いはず。
WBCはこの階級の正規王者に寺地拳四朗(BMB)、そしてWBA王者にユーリ阿久井政悟(倉敷守安)、WBO王者にアンソニー・オラスクアガ(アメリカ)と非常にゆかりのある階級でもあるからです。
つまりはこの勝者は拳四朗との団体内統一戦が義務付けられると思われるのですが、WBCだからそこはかなり緩いでしょう。
そもそもこの戦いにタイトルは必要ないはずで、本来であれば正規王者がいるこの階級で暫定王座が設けられるのには、王者が防衛戦をできないなどの理由が必要です。まあ、今更そんなことを言うのはもはや野暮なのかもしれません。とにかく理由は天下のWBCだから、と言うだけで事足りるでしょう。
さて、話を戻してエドワーズvsヤファイ。
元IBF世界フライ級王者であるサニー・エドワーズは、完全にボクサータイプに振り切ったボクサーで、リングを大きく使ってそのほとんどをロープ際で戦いながらもパンチをヒットしてもらわず、判定勝利を得る、というタイプのボクサーです。
フットワークもさることながらボディワークも見事であり、身長160cm、リーチ152cmと体格に恵まれないにも関わらずまるで闘牛士のようにひらりひらりと相手の攻撃をかわし続けます。
しかし、パンチをもらっていなくてもポイントを取られてしまうことはしばしばで、ほとんど完封に見えてもフルマークではない、という試合が非常に多い印象。それでもなお、ここまで勝ち切っていることは素晴らしいスキルだと思います。
このボクサーは非常にシニカルなところがあり、とりわけドーピングをよく嫌っており、それを揶揄したようなTシャツを作ったりとその活動は派手。ディフェンスが主体となるボクシングながらもその動きはハイライトで見ると非常に映えるタイプなので、フルラウンドは見なくても良いのでぜひハイライトを見てほしい、と思うボクサーです。
2021年4月、モルティ・ムザラネ(南アフリカ)に勝利してタイトルを獲得、4度の防衛の中にはジェイソン・ママ(フィリピン)やアンドレス・カンポス(チリ)といった当時無敗のプロスペクトや、フェリックス・アルバラード(ニカラグア)といった元王者が含まれます。
5度目の防衛戦が王座統一戦となり、ジェシー「バム」ロドリゲスと対戦し初黒星。
復帰戦では1階級下の元王者、アドリアン・クリエル(メキシコ)を負傷判定ながらも破って再起しています。
対してガラル・ヤファイ、こちらはまだプロで8戦しか経験していません。
しかしその経歴は素晴らしく、リオ五輪、東京五輪に連続出場。しかも東京五輪では金メダルを獲得しています。決勝では、準決勝で田中亮明を破ったカルロ・パアラムを相手にほとんどフルマークの判定勝ち、翌年の2022年にWBCインターナショナルフライ級王座決定戦でプロデビューしています。
強いプレスから非常にスムーズなパンチ、バックステップやサイドステップも巧みに使いますが、気質としてはファイタータイプに分類されるでしょう。
パンチも非常にパワフルでフィジカルも強いこのヤファイは、身長はエドワーズと変わらない163cmですがリーチは173cmと非常に長く、エドワーズとは20cmもの差があります。要はでかいサウスポーであり、これはかなりやりづらいのではないでしょうか。
額が後退してきているエドワーズはその実まだ若く、28歳。対してヤファイは31歳とヤファイの方が年上です。ヤファイはプロ入りが遅かった分、急足でキャリアを積み上げてきた印象を受けますね。
ヤファイはその才能は申し分ないし、ボクシングは完成されているし、兄も元世界王者というサラブレッドですが、まだ世界的に知名度のある強豪と戦った経験は少ない。
キャリアについて言えば、世界戦の数はもちろんのこと、対戦相手の質としてもエドワーズが大きく上回ります。
しかし、エドワーズも一度ノックアウト負けを経験しており、クリエル戦はまずまずの出来でしたが、ポイントを取りやすいボクシングではないことは相変わらず。
アグレッシブなヤファイが攻めれば、地元の声援も後押しする可能性もあり、サニーとしてはいつも以上にポイントが取りづらい戦いになりはしないか、と心配しています。
個人的には生サニーが見たいので、ここに買ってもらってぜひ日本のアマプラ興行に登場してほしい。その時の相手は、拳四朗になるのかユーリ阿久井になるのか。
いずれにしろ、どこぞの日本のクソ格闘技「風」団体(RI◯IN)に警鐘を鳴らすためにも、アンチドーピングを声高に叫ぶサニー・エドワーズの力はまだまだ必要です。頑張れサニーでいきましょう。つまらない試合になってくれ、と願います。
ということで頑張れサニー!
フライ級の現在
WBA王者はユーリ阿久井政悟(倉敷守安)、WBC王者は寺地拳四朗(BMB)、そしてWBO王者はアンソニー・オラスクアガ(アメリカ)。IBF王者はアンヘル・アヤラ(メキシコ)ですが、そのほかの三つは実質日本にある、と言えます。オラスクアガはアメリカ国籍ですが、ここ数戦は日本でファンを増やし、ホームタウンは日本といって良い。
そんな中、次戦で統一戦が噂されるのがWBA王者のユーリ阿久井とWBC王者の拳四朗。ここに勝利したものが、統一王者としてこのエドワーズvsヤファイの勝者を迎えることになるのだから、その戦いは日本で行われることがほぼ確定で、それは来年の中盤ぐらいには起こりそうな戦いです。
そこに絡んでいけそうな日本人ボクサーといえば今のところは京口紘人(ワタナベ)ぐらいでしょうか。
この階級では日本タイトルを取れば世界ランクに入りそうなものですが、日本王者の飯村樹輝弥(角海老宝石)はまだ世界ランクに入っておらず、前戦で世界挑戦を経験した桑原拓(大橋)の復帰戦の話はまだ聞こえてきません。
このフライ級が統一路線に向かうのであれば、これらのボクサーの世界挑戦はまだもう少し先になりそうですね。
いずれにしろ、今年最後になりそうな世界フライ級タイトルマッチ。
2025年、この日本にとって非常に思い入れのある伝統の階級が、どのようなマッチアップを見せてくれるのか非常に楽しみです。
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