2025年、世界最初のタイトルマッチはアメリカでもイギリスでも、ましてや日本でもなくオーストラリアのクイーンズランド、ゴールドコーストです。
これまでは同じオセアニア地区にありながらもなかなかオーストラリアのボクシングを見れない歯痒さがありましたが、今やどんどんグローバルになっているDAZNがあるから、この試合は視聴が可能です。
今までオーストラリアの世界タイトルといえばKayoスポーツがほぼ独占していましたので、DAZNの参入というのは日本でいうところの黒船来航でしょう。一度失敗していますが、再度日本にも上陸してもらいたいものです。
さて、ということで今回のブログは、全くと言って良いほど話題になっていないオーストラリア興行、ジャイ・オペタイアvsデビッド・ニーカのプレビューです。

1/8(日本時間同日)オーストラリア
IBF世界クルーザー級タイトルマッチ
ジャイ・オペタイア(オーストラリア)26勝(20KO)無敗
vs
デビッド・ニーカ(ニュージーランド)10勝(9KO)無敗
年初という時期のためなのか、クルーザー級という階級のためなのか、果たしてオペタイアの知名度の問題なのか、とりわけ日本では全く話題になっていません。
ただ、この試合は同じ太平洋圏の試合であり、日本との時差も(ゴールドコーストとは)たったの1時間、おそらくメインイベントのリングウォークが日本時間で21時頃ということで注目しないわけにはいきません。
さて、ジャイ・オペタイア。
もしかすると、現在このクルーザー級で「最強」と呼ばれているのは、ヒルベルト「スルド」ラミレスかもしれません。それは単に統一王者である、ということが所以であり、まだ3戦しかしていないもののその実績は素晴らしいの一言。(ジョー・スミスJr、アーセン・グラミリアン、クリス・ビラム-スミスを撃破)
しかし、です。
個人的には、クルーザー級においてスピードとコンビネーションを武器に戦うスポーツライクなジャイ・オペタイアこそがこの階級最強だと信じています。
祖父がボクサー、父がラグビー選手というアスリート一家に生まれたオペタイアは、幼少期から恵まれた体格だったにも関わらずボクシングを選択。(この辺はラグビー選手やオーストラリアンフットボール選手になるのが一般的)
アマチュアでは世界ジュニア選手権での金メダル、16歳でロンドン五輪に出場するなど輝かしい実績を誇っています。その後も世界ユース選手権で銅メダルを獲得するなど輝かしい実績を誇ったオペタイアは、2015年にプロデビュー。国内タイトルやアジア太平洋のタイトルを獲得しつつ、地力を養っていきました。
2022年、当時クルーザー級最強と謳われたマイリス・ブリエディス(これはクルーザー級で最もウシクに肉薄したことを起因としています)に完勝してタイトルを獲得したオペタイアは、初防衛に成功後、IBFの指名戦を無視したとしてタイトルを剥奪。これはおそらくコミュニケーション不足が原因だったと思われるのですが、オペタイアはファイターとして稼げる試合を優先した、というのが理由です。
↓オペタイアの最初の戴冠戦
ただ、おそらくその選択は間違っておらず、その時に選択したリヤドシーズンの興行で、当時無敗のエリス・ソロを初回KOで破ってインパクトを残すと、その後も2戦連続でリヤドシーズンの興行に登場しています。その対戦相手はマイリス・ブリエディスとの再戦とジャック・マーシー戦であり、ブリエディスとの再戦はブリエディスのやる気(金を稼ぎに来ていただけに見えた)もあって凡戦に終わるも、マーシー相手にはしっかりとストップ勝ち。
ちなみにブリエディストの再戦が王座決定戦となっており、IBFのタイトルを取り戻しています。
今回の戦いはオーストラリアでの凱旋試合となりますが、正直リヤドよりもモチベーションが低いのではないか、と疑われますね。ほぼ間違いなく、ここ数戦の中では報酬が低いためです。
そして、その相手はここ数戦で最も強敵「かもしれない」デビッド・ニーカ。
2021年に初回KOでプロデビュー、3戦目で今のところ最初で最後の判定勝利を得て、2024年5月にリヤドシーズンの興行に登場。IBFインターコンチネンタルタイトルをかけてドイツのミカエル・セイツと戦い、4RTKO勝利をして地域タイトルを戴冠しています。
前戦でトミー・カーペンシーを3RTKOで切って捨て、空位のWBOアジアパシフィックタイトルも獲得しています。
このボクサーはまだプロ入り後10戦しかしておらず、確かに世界的強豪との試合を経験してはいません。これまでほとんど苦戦もしていないし、最長ラウンドは5Rしか経験しておらず、もしタイトルへの挑戦資格を問われたならば怪しいと答えざるを得ません。
ただ、この198cmと大型のクルーザー級はKO率の通りのパンチャーで、流れでスイッチできる器用さがあり、スピードが豊かでインテリジェンスを持っているボクサーです。
アップライトスタイルに構えるクラシカルなファイトスタイルの彼は、まだ全く底を見せていないボクサーだけに非常に不気味。思いもよらない強さを持っているかもしれない、というのは、彼が東京五輪の銅メダリストであり、それだけのアマキャリアを有しているボクサーだからです。
オペタイアはコンビネーションに長けたイメージですが、このニーカも負けてはいません。つまりは、この戦いはクルーザー級という階級において非常にスピーディなやり取りが繰り広げられそうで、まるで中量級のボクシングを見ているかのような戦いになる可能性があります。
その戦いを、2m近い大男たちがやるのだから、面白くないわけがありません。
まあ、万が一互いに警戒すぎてお見合いみたいな試合になっても責任は持ちませんが。
オッズはもちろんオペタイアが大きく優位で、オペタイア-800に対してニーカが+550くらい。それでも、ニーカがまだ「誰とも戦っていない」キャリアの浅い状態だと考えると、やはりニーカへの評価は高いと言えるのではないでしょうか。
果たして、デビッド・ニーカは世界トップクラスの戦いにおいて時期尚早なのか、それとも否か。ここに勝利したボクサーは2025年後半、キャリア最大の試合を迎えることになるのかも知れません。
アンダーカードと配信情報
アンダーカードはオーストラリアのヘビー級プロスペクト、ジャスティス・フニも登場です。ショーン・ポジターというShowtimeみたいな名前のボクサーと対戦。このポジターも10勝(7KO)1敗と良い戦績のボクサーですね。
イベントの名前は「Return of the Champion」、王者の帰還とは良いネーミング。
試合はDAZNで中継され、日本での放映は1/8(水)17:00の開始、メインイベントの予定としては21:00頃の開始のようです。
1週間もボクシングを見ないと禁断症状が現れてくると思うので、この試合はDAZNを契約して是非見ましょう。
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