さて、今年最初の世界タイトルマッチです。
驚くほど日本で話題になっていませんが、この試合には期待しています。
クルーザー級最強の一角、ジャイ・オペタイア。元アマエリートで、五輪銅メダリストのデビッド・ニーカ。
この2人がオーストラリアでぶつかる意味は、現在黄金期にあるオセアニア地方のボクシング界にとっても非常に意味のあることですし、この試合はクルーザー級最強決定戦の準決勝に値する戦いでもあると思います。
この試合の勝者は、ユニファイド王者、ヒルベルト・ラミレスとの戦いに進むことになるでしょうし、その戦いは十中八九、リヤドシーズンで行われることになります。
そうなればもちろん、報酬も100万ドルを超えていくのでしょう。
ということで今回のブログは、ジャイ・オペタイアvsデビッド・ニーカ、IBF世界クルーザー級タイトルマッチの観戦記。
↓プレビュー

1/8(日本時間同日)オーストラリア
ジャスティス・フニ(オーストラリア)11勝(6KO)無敗
vs
ショーン・ポギーター(南アフリカ)10(7KO)勝1敗
本日はセミファイナルから視聴です。オーストラリアのヘビー級タイトルマッチ、会場はさほど大きくないのかもしれませんが、しっかりお客さんも入っています。
初回、軽いリズムを刻んで、突き刺すようなジャブを出すフニ。ポギーターは大きなヘッドムーブ、バッティングしそうで怖いぐらいです。
前半から右も惜しみなく使うフニ、右オーバーハンドから左ボディの回転は速い。
中盤、この左ボディが当たり損ねてローブロー、ポギーターには休憩が与えられています。
十分に思える休憩の後、タイムイン。
それでもフニは恐れることなく左のボディを叩き、チャージ。これにポギーターも応じ、試合は乱戦へ。
カウンターも打てるフニはぽギーターを早々にコーナーへと追い詰め、狙い澄ました右のオーバーハンドをヒット。その後真っ直ぐな右もヒットすると、忘れずに左ボディも返します。圧倒的です。
2R、ヘビー級だけあってやや大味なところはありますが、やはりフニはオージーボクサーらしく素晴らしいジャブと素晴らしいステップワークを持っています。
そして慌てて反撃に転じたポギーターの右をかわして右カウンター!これで下がったポギーターにフニは冷静に追撃、上を打って強い左ボディ!これでくの字に曲がったポギーターに追い打ちをかけたところで、レフェリーがストップ!
ジャスティス・フニ、2RTKO勝利!!
物足りない相手だと言えばそれまでですが、フニはこのヘビー級という階級において稀有なコンビネーションパンチャーです。
回転力があり、打ち分けが素晴らしい。
まだまだ試されていない部分も多いでしょうが、これは今後の戦いも必見ですね。
IBF世界クルーザー級タイトルマッチ
ジャイ・オペタイア(オーストラリア)26勝(20KO)無敗
vs
デビッド・ニーカ(ニュージーランド)10勝(9KO)無敗
代役ではあるものの、元々のフセイン・シンカラよりも期待をされているニーカ。リングコールは歓声だけではなく、ややブーイングも混じっています。対して大歓声のジャイ・オペタイア。いつの間にやらすでに自国のスター、そして確かな貫禄を備えています。
注目のゴング。
初回、ハイガードのサウスポースタイルのオペタイア、ニーカはオーソドックスですが似たようなスタイルか。
それでもすぐに距離がつまり、両者ともに強振!ニーカはアップセットを起こす気合があるし、オペタイアは格の違いを見せつけて倒すつもりが満々です。
特にオペタイアの左オーバーハンドは力みすぎでは?と思うほど力がこもっているイメージで、近距離でのスタイリッシュさは皆無です。
打ち気に逸る両者ですが、パワーはオペタイアか。どんな態勢からでもパンチを繰り出し、グイグイと押していきます。
2R、足でフェイントをかけ、ニーカを動かせてから狙うオペタイア。流石のテクニック。
小気味よくリズムを刻むオペタイアはかなり余裕が出てきたイメージで、対してニーカはちょっと思うようにいかないようなイメージのボクシングです。これは、ちょっと呑まれつつあるか。途中サウスポーに変えてみたのも(一瞬でやめたが)何かを変えたかったのでしょう。
近接戦闘においてオペタイアは会場を沸かせるクリーンヒットを連発します。ニーカにはそれがありませんでしたが、終盤、苦し紛れに出したように見えたワンツーフック、このつーとフックがオペタイアにヒット!オペタイアは若干動きが止まったように見えました。
ここはクリンチのオペタイア、しかしブレイク後は前に出る気持ちの強さを見せています。
3R、リズムをとりながらもプレス、時折真っ直ぐの左を打ち込んでいくオペタイア。この距離のボクシングがオペタイアの本来のボクシングです。
リズムを取り戻したオペタイアに対し、ニーカも先ほどの終盤のクリーンヒットでちょっと楽になったはずですが、ちょっとオペタイアに対してなす術がなしか。
先に動かれ、それに対応するとさらに打ち込んでくるオペタイア、ニーカは運動量でもクイックネスでも負けており、パワーも言わずもがな。それでも1発でひっくり返せるのはこの階級の当たり前ですから、オペタイアももちろん油断をしてはいけません。
終盤は強引に距離を詰めたニーカ、右でオペタイアの顔を跳ね上げる好パンチをヒット。
4R、やはりプレスをかけるのはオペタイア。良い距離で左フックからのワンツーへの変化、左のオーバーハンドといった中間距離でのパンチを次々とヒット。ニーカの反撃に対してもステップワークで対応したり、逆に距離を潰して対応したりとその戦い方の幅を見せつけ、完全無欠のボクシング。
中盤にはニーカの左フックに合わせて右アッパー、という意味不明なカウンターをヒットした後、左のオーバーハンドから右フックをヒット!ニーカは崩れ落ちるクリーンノックダウン!
立ち上がったニーカ、オペタイアは左フックから入ってスイッチ、右のオーバーハンドをヒット!その後二つのパンチをフォローすると、糸の切れた人形のようにロープ際で痛烈なノックダウンのニーカ!!レフェリーは即刻ストップ!!!
ジャイ・オペタイア、2RTKO勝利!!!
なんとも痛烈なノックアウト!KOオブザイヤーか???(早すぎる)
まさに赤子の手をひねるように、五輪銅メダリストを見事なノックアウト。自信に満ち満ちているオペタイアのパフォーマンスは本当に素晴らしく、また面白く、相手を完全に食ってかかるぐらいがこのボクサーにとっては良いでしょう。
対してブリエディス2戦目のように、強敵相手には非常に慎重になってしまう傾向があるのではないか、と思っているので、ヒルベルト・ラミレス戦では堅実なボクシングに終始するのではないでしょうか。
そんな面白さとつまらなさを兼ね備えた(?)ジャイ・オペタイア。やっぱりクルーザー級最強はこの男、彼自身はまだヘビー級に上がるつもりはないようですが、この階級でもしウシク以来の4団体制覇を成し遂げたならば、その考えも変わるでしょう。
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