ついに本日正式発表のLemino Boxing。
武居由樹vsユッタポン・トンディーはもともと昨年12月に開催の予定のものが2025年1月にずれ、その際に武居の怪我により延期したものだからあまり目新しさを感じられません。
さほど魅力的なレジュメを持たないトンディは、タイ国のボクサーながらもそのルーツをムエタイに絞っておらず、アマの国際大会に出場できるほどのボクサーです。アマ時代にあのロベイシー・ラミレスに勝利しているというのが最大の勝利で、プロではまだ強豪との対戦経験はないボクサー。
強豪には違いありませんが、ここは武居にバチっとKOで締めてほしいところです。
さて、今回のLemino Boxingの注目は、何より力石政法の世界挑戦にあります。
ということで今回は力石の戦うスーパーフェザー級戦線について。

階級No.1のスターはエマニュエル・ナバレッテ
やはりこの階級最強と謳われるのはエマニュエル・ナバレッテ。巧く見えないナバレッテのボクシングは実にしたたかで、ワイルドなスイングから放たれるパンチは威力も十分。
ディフェンスしては非常に柔らかなディフェンスで手応えがない、きっとシャドーだけ見れば舐めてしまうようなボクサーです。
そのレジュメは素晴らしく、最初に世界王者となったスーパーバンタム級では下馬評不利の中アイザック・ドグボエを破ってWBO王座を戴冠、フェザー級に上げて決定戦で戴冠するとクリストファー・ディアス、ジョエト・ゴンサレス、エドゥアルド・バエスといった強豪を退けて階級最強をアピールします。
スーパーフェザー級に上げてからは初戦でリアム・ウィルソンとの王座決定戦でダウンを奪われるもの9RTKO勝利、オスカー・バルデスとのメキシカンスーパーファイトを制して初防衛。ロブソン・コンセイサンを相手に微妙なドロー防衛のあとライト級挑戦は失敗するも、スーパーフェザー級に戻ってバルデスを6RKOで仕留め、大復活を成し遂げています。
人気者の「バケロ」は転級から2年、この階級に馴染んできた感があります。
すでに適正階級を飛び出していたとはいえ、バルデスにあの勝ち方というのはもちろんこの階級最強がナバレッテであると証明付けた一戦とは言えそうですが、かつての意味不明の強さは少し影を薄めているとも言えますね。
この階級でこの人気者を喰うことは世界的な名声を手に入れられることに直結するので、やはり力石が目指すべきはここでしょう。
次点はフォスター、そしてローチ
リングマガジンランキングの2位に名を連ねるのはWBC王者オシャーキー・フォスターで、3位は飛ばして4位に先日タンクとドローだったレイモント・ローチ。
3位のアンソニー・カカスはIBF王座を返上、リー・ウッドとの金が稼げるだけのファイトに身を投じます。当然、ウッドよりもカカスよりもエドゥアルド・ヌニェスの方が怖いボクサーです。
さて、オシャーキー・フォスターは2023年2月にレイ・バルガスに初黒星をなすりつけたボクサーで、この戦いでWBC世界スーパーフェザー級王座を戴冠。その後、初防衛戦のエドゥアルド「ロッキー」エルナンデス戦では敵地メキシコでの逆転KO勝利で評価を確定させています。
その後、エイブラハム・ノバを退けたあと、ロブソン・コンセイサンに一度はタイトルを奪われるもダイレクトリマッチでリベンジ、王座返り咲きを果たしています。
コンセイサン初戦は疑惑の判定だったので、あるべきところにタイトルが返ってきたのが昨年の11月、そろそろ防衛戦のアナウンスがあっても良いころでしょうか。
4位のローチはタンクとドローのあと、現在では再戦が取り沙汰されている状況です。そうするとリングマガジンランキングで9位に入っているWBAの暫定王者、アルベルト・バティルガシエフとの団体内王座統一戦は決まらないのかもしれませんね。
5位は元IBF王者のジョー・コルディナで、尾川堅一を2Rで沈めたボクサー。アンソニー・カカスに不運な敗北を喫して以降ブランクをつくっており、もうすぐ1年になります。果たして復活なるか。
ベテランと、未知
6位は元WBC王者ロブソン・コンセイサン。ブラジルのボクシング競技ではじめてのオリンピック金メダリストに輝いたボクサーは、昨年7月、オシャーキー・フォスターを破って世界初戴冠。
これは4度目の世界挑戦であり、初挑戦のオスカル・バルデス戦では勝利していた試合を負けにされ(一般論)、2度目の挑戦では王者シャクールが体重超過。そして3度目の挑戦ではナバレッテとドロー、世界王者となる力を有していながらもなかなか肩書を得られませんでした。
そして迎えた4度目の挑戦で、フォスターから王座を奪うも、こちらも疑惑がとれない判定での勝利でした。そのためダイレクトリマッチが組まれ、王座は結局フォスターの手にわたっています。
一度世界王者となったことで、コンセイサンがかつてのモチベーションをなくし、ここから一気にパフォーマンスを落とすということはあり得ることです。
そして続く7位にエドゥアルド・ヌニェス、力石の王座決定戦の相手となるこのボクサーは危険度が非常に高く、28勝中28KO(1敗)という戦績を誇ります。
続く8位にはフォスターをあと一歩のところまで追い詰めたエドゥアルド「ロッキー」エルナンデス、そして9位にWBAの暫定王者、アルベルト・バティルガシエフ、10位には無敗のテクニシャン、アルバート・ベルがつけています。
力石政法の現在地
力石はIBFのランキングで3位が最上位(1位にヌニェスで2位が空位)で、WBO7位、WBCで9位。
他のランカーでメジャーどころは元フェザー級王者のレイモンド・フォード、ウィリアム・フォスターⅢといったボクサータイプのボクサーが目につきますね。
その中でやはり異質なのが今度の力石の相手、エドゥアルド・ヌニェス。
KO率だけみても抜群な危険性のあるこのメキシカンは、事実、ジョー・コルディナと激闘を繰り広げたシャフカッツ・ラヒモフをノックアウトしており、これは非常に怖い存在です。なおラヒモフはその後ジャスティン・パウルドにもノックアウト負けを喫しているので、一度王者となって(2022年11月にゼルファ・バレットを9RTKOして空位のIBF王座を獲得)おり、その初防衛戦でコルディナに負けたことによりモチベーションの低下等もあったのかもしれません。
ともあれ、あのラヒモフをノックアウトというのはものすごい実績だと思いますし、このヌニェスについては対戦相手の質が上がってもかなり早いラウンドでノックアウトしているので、力石としても特に序盤は気をつけなければならない相手。
ラヒモフを倒したことですでにメジャーであるヌニェスに対して、力石は世界的にはまだ無名と言える存在であり、オッズ上はヌニェスに凱歌が上がるのでしょうが、当然力石にも大きくチャンスがあります。もしここを圧倒できれば階級最強も見えてくる、そんな戦いではないでしょうか。
次点
この階級は強豪が集まっているがゆえに、世界のトップボクサーたちも次々と出てきます。その筆頭はアンドレス・コルテス、前戦でエイブラハム・ノバを破っています。
2024年は彼にとってビッグイヤーで、ノバ戦の前にブライアン・シェバリエを破ってWBOインターコンチネンタルのタイトルを獲得、その前から次々と強敵を撃破しているパンチャータイプのボクサーです。
そして次戦がヤマとなるスルタン・ザウルベック、すでにランキング上位にいるカザフ出身のこのボクサーは4/5にアジンガ・フジレ戦を控えており、尾川堅一と世界タイトルを争ったこのフジレに勝利することはトップ戦線入りの大きな勝利になるでしょう。
日本からは日本王者の奈良井翼、OPBF王者の波田大和、WBOアジアパシフィック王者の渡邊海、そして元王者の尾川堅一。加えて堤駿斗が前戦からスーパーフェザー級に参戦、元王者のレネ・アルバラードをノックアウトで仕留めています。
そういえば力石vsマグネッシはWBCの、堤vsアルバラードはWBAの、それぞれ「挑戦者決定戦」なんて銘打たれていましたが、やっぱりあれは嘘だったようですね。そんな動きは全くありません。ちなみに当時海外サイトをいくら調べてもエリミネーターという表記はなかったように記憶しており、日本独自の報道でした。胡散臭い団体の言い分をプロモーター側が真に受けたのか、曲解したのか、いずれにしても日本側の言い分が間違っていそうですね。
国内でも力石の「次」が控えるスーパーフェザー級。まずは5月、力石に頑張ってもらいたいものです。
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