さて、春分の日を過ぎて3月も残り10日、しかし国内のボクシングはまだまだ終わりません。
ここから1週間と少しの間にフェニックスバトルが2つ、そして3150✕LUSHBOMUが2つ、ともかくまあこの年度末にここまで詰め込むか、というほどのものです。
その先陣を切るのはLeminoで放映されるフェニックスバトル、メインイベントはチャンピオン・カーニバル、日本フェザー級タイトルマッチ。このメインイベントはもちろん注目ですが、もっと注目なのはやっぱりセミファイナルでしょう。
ということで今回のブログは、大橋ジムのスーパーホープたちもこぞって登場する3/25(火)のフェニックスバトルのプレビュー。

3/25(火)フェニックスバトル
日本フェザー級タイトルマッチ
松本圭佑(大橋)12勝(8KO)無敗
vs
大久祐哉(金子)8勝(5KO)無敗5分
昨年の挑戦者決定戦で殿本恭平とドロー、特別ルールの優先により松本への挑戦権を獲得した大久。対して松本は2023年4月に獲得した日本王座の5度目の防衛戦に臨むのですから、松本が大きく優位、大久は下馬評不利というのは頷けることです。
松本は前戦、中川公弘を相手に2RKO、久々のKO勝利を挙げています。このKO勝利は松本がタイトルマッチで初めて掴み取ったKOとなっています。
ただ、松本のタイトルショット以降の相手を見ていくと、王座決定戦で佐川遼、初防衛戦でリドワン・オイコラ、次が前田稔輝。その次が曲者藤田裕史で、中川公弘です。
中川戦で早期決着となったのは、何よりも中川が奇襲をしかけ初回ゴングと同時にチャージしてきたからでしょう。これは非常に天晴な作戦だったと思いますが、結果的には玉砕しています。
中央大学ボクシング部の出身で、しっかりとしたアマチュアのバックボーンを持つ大久がこのような戦法をとることはないでしょうが、この大久もアグレッシブさを持つボクサーなので、打ち合いも辞さないでしょう。
これが打撃戦となるとやはりパワーパンチに定評のある松本が打ち勝つのではないか、とも思いますが、これまで何度か効かされている場面もあったので、大久にもチャンスがあるのかもしれませんね。
松本は離れた状態でボクシングをするとしてもデカく、落ち着いているので非常に穴が少ない。当然パンチングパワーもフィジカルパワーも破格のものをもっているので、プレッシャーも強い。さらには技術も持っており、スピードも速い。世界ランクも最上位が5位、ともすればまもなく世界挑戦というボクサーです。
そうなると大久がボックスしたとしても、もしかするとジリ貧になってしまう可能性もありますね。
この化け物級の相手に、大久はどのような秘策をもって臨むのか。
阿部麗也(KG大和)26勝(10KO)4敗1分
vs
清水聡(大橋)11勝(10KO)2敗
国内フェザー級、世界挑戦経験者同士のサバイバルマッチ。負ければ後がない、というのは両者に言えることですが、より大きなリスクを背負って戦うのは阿部麗也のほうです。
北京、ロンドンと2大会連続の五輪出場を果たし、ロンドンでは銅メダルを獲得した清水聡。この2012年の五輪後からプロ入りまで期間が空いてしまったことは非常にもったいなかった、と今となっては思うことですね。アマ団体に振り回された部分もあったと思います。
2016年二プロデビューして4戦目でOPBF王座を戴冠、なかなか世界挑戦の機会が巡ってこなかったのはフェザー級という階級ゆえでしょう。スーパーフェザー級にチャンスを広げようとして失敗、ジョー・ノイナイに6RTKO負けを喫して初黒星。
ただ、フェザー級の防衛戦では挑戦者を全く寄せ付けることなくノックアウトを続け、2021年には当時のWBO-AP王者、森武蔵を破ってアジア王座を統一しています。
国内最強を証明した清水は、2023年に念願の世界戦が叶うも、ロベイシー・ラミレスに5RTKO負け。ラミレスは速すぎ、また多角的すぎて清水はついていけなかった、という印象で、おそらく相性もあったでしょう。
一方阿部麗也も、清水と同じく日本最強を証明してから世界を戦ったボクサーです。
2013年にプロデビューして翌2014年の全日本新人王になった阿部は、その後も多くの印象的な勝利を挙げています。
2016年、50-50の戦いと思われたホープ対決で溜田剛士戦に8RTKO勝利、大きな飛躍となった元世界タイトルチャレンジャー、細野悟に負傷判定ながらも完勝したのが2017年。
その後タイトル獲得は確実と言われながらも、下馬評有利の日本タイトル初挑戦では源大輝を相手にドローで獲得ならず、2度目の挑戦となった王座決定戦は佐川遼に敗戦。
それでも諦めなかった阿部は、2021年の挑戦者決定戦を勝ち抜き、今度は下馬評不利の中でときの王者、丸田陽七太からダウンを奪って完勝、見事タイトルを初戴冠しました。
初防衛戦で前田稔輝を退けた阿部は、IBF世界フェザー級の挑戦者決定戦に出場。当時「前王者」だったキコ・マルティネスを寄せ付けず判定勝利でIBFの挑戦権を手にしました。
骨格がデカく、フィジカルパワーのあるキコ・マルティネス相手の完封勝利は、ルイス・アルベルト・ロペスを相手にも一縷の希望を抱かせる戦いだったと思います。
しかし2024年3月、アメリカNYで挑んだ世界戦は、ロペスを相手に何も出来ずに8RTKO負け。これは心も折られたような戦いで、非常に残念でしたね。
そこから復帰した阿部は、今回の一戦を迎えます。
敗れたとはいえ、阿部はまだ世界ランキング下位に残っています。しかし清水は、ラミレス戦を最後にリングに上がっておらず、当時からさほど高くなかったランキングは当然いまや圏外。ラミレス戦からは1年8ヶ月が経過しています。
清水がここに勝てば、世界ランキングに復帰するか、もしくはそれに準じる位置にいけます。一方で、阿部は勝利しても得るものは少なく、国内の評価が少々上がるか、ぐらい。
それにしたって清水は不気味で、もう39歳になるこのボクサーは、もともと傍から観て上手に見えるボクサーではなく、パンチだって強そうに見えないし、スピードも感じません。しかしおそらく向かい合って感じるのは、「ダイヤモンド」と称されるそのパンチの固さ、全く同じモーションから繰り出される、しかもおそらく非常に見づらい軌道、180cmというフェザー級にして破格の長身を巧く使ったボクシング。
2年近くリングに上がっていない、更にランキングを持たないボクサーを相手に敗北しては、世界的には阿部の評価は一気に落ちます。ただ、その可能性も十分にあり得ることを日本のボクシングファンだけが知っている、という戦い。
いずれにしろ、この戦いは儚さ、寂しさを残す結果となりそうです。だからこそ、この興行の中で最も興味深い戦いと言えます。
アンダーカードと配信情報!
アンダーカードは、これでもかというほど大橋ジムのホープたちが大登場です。
セミファイナルの前には今永虎雅が登場。前戦でアジア最強ライト級トーナメントを制した今永は、そろそろタイトルショットを迎える頃でしょう。
日本王者に三代大訓、アジア2冠に宇津木秀、どちらかに挑むのか、もしくは彼らがタイトルを統一した後に挑むのか。いずれにしろ、今年か来年には今永はタイトルを取らなければなりません。そしてその後にこそ、世界への挑戦は見えてきます。
つまりは今回は全くもって無傷で、圧勝して勝たなければならない戦いです。
今永の前には田中空、その前に坂井優太、その前に田中将吾。田中将吾の相手は日本人ですね。田中佳斗、帝拳ジムの2勝無敗1分のボクサーです。
この興行はLeminoで生配信、日程は3/25(火)の17:50配信開始とのこと。
Leminoもいよいよ有料配信に打って出る、とのことなので、5月までにはLeminoプレミアムへの登録が必須ですね。(今回は無料です)
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