ようやく発表された5/11、フェルナンド・マルティネスvs井岡一翔。
すでにWBAの公式サイトやBoxRecでは発表されたこの一戦は、アンダーカードの発表はなかったものの、正式発表されたことでまずは一安心です。
きっとマルティネスにとってはバム戦の方が魅力的であったでしょうが、井岡を選んでくれたことには感謝しかありません。
ということで今回のブログは、フェルナンド・マルティネスvs井岡一翔2の正式発表について。

5/11(日)大田区総合体育館
WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ
フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)17勝(9KO)無敗
vs
井岡一翔(志成)31勝(16KO)3敗1分
昨年の大晦日、マルティネスがインフルエンザ罹患により試合中止となった一戦が、5ヶ月の時を経て再度決まりました。
初戦は2024年の7月、そこから数えると約10ヶ月たったあとのダイレクトリマッチ。
初戦は井岡が早々に近い距離で戦い始め、良いボディショットを決めるスタートでした。しかしこの距離は「プーマ」マルティネスも得意としている距離であり、試合前から打ち合うと宣言していた井岡は、その宣言通り真っ向から打ち合い、そして敗北しました。
この試合、というかこの前の試合で久々のKO勝利を収めていた井岡は、どこかで倒せるという頭があり、その作戦を選択したのではないか、と思います。
そして初回でボディを効かせてしまったがために打撃戦に身を投じたことも否めません。
あの試合、井岡にとってパフォーマンス自体は悪くありませんでしたが、どうやら流れは悪い方向に傾いてしまったのではないかと思っています。
なので個人的には、たとえあの負け方出会ったとしても井岡にはまだ戦略の幅という面においてできることはいくらでもあり、今回の戦いはもっと総合力で勝負してほしい、と思うわけです。
↓初戦の観戦記
もちろんその上で、井岡が勝てる、と言い切ることはできません。現実的に一度負けており、よほどの僅差でない限りは一度負けたボクサーがリベンジする、ということは非常に難しいことです。
ただ、ボクシングマスターと呼ばれる井岡にとって、この10ヶ月はマルティネスのことを考えに考え抜いてきたわけだから、本人も会見で語った通り、延期というのも含めて勝利の可能性は上がったのではないかと思っているから、期待できます。
多くの人が感じた「井岡が被弾した時の見栄えの悪さ」も素直に受け止め、髪の毛を短く刈り上げているということも覚悟を感じるものです。これは、髪の毛を切ったら気合が入っているという話ではなく、どちらかというと我道を行くというイメージの井岡一翔が、周りの声にしっかりと耳を傾けているのだ、ということを感じることができるからです。
さて、翻ってフェルナンド「プーマ」マルティネス。
穴のある王者だと思いますが、未だ無敗です。
下馬評は圧倒的に不利の中、2022年2月、当時のIBF王者、ジェルウィン・アンカハスを破って王者となりました。このアンカハスはそれこそ井岡との王座統一戦が一度は決まったボクサーでしたから、ここで負けてしまったアンカハスを残念に思いましたが、この勝利は全くフロックではありませんでした。
初防衛戦が難しい理由の一つは、王者となったことで満足してしまってモチベーションの低下を招く、とかくラテン系のボクサーにそれは顕著だと思います。
しかしこのプーマ・マルティネスは初防衛戦においてもそのパフォーマンスを落とさず、逆により明確に元王者アンカハスを退けてみせました。そして2度目の防衛戦は同じくフィリピンのプロスペクト、評価の高いジェイド・ボルネアをノックアウト。
そして昨年の七夕、日本でそのパフォーマンスを披露してくれたのです。
天然の陽キャであるマルティネスは、日本でもきっと人気の出るボクサーです。なぜこのような泥臭いとも言えるボクサーが、長くアマで戦っていたのかよくわかりません。2014年頃からワールドシリーズオブボクシング(現IBAのプロリーグ)に出場しながらアマで戦い、2016年のリオ五輪に出場。一回戦負けで翌年の2017年にプロデビュー、そこからの連勝街道です。
アンカハスと戦う前のキャリアは強敵との戦いはほぼなく、アンカハス戦で下馬評不利だったことは頷けること。ただ、やはりあの試合で一気に花開きましたね。
井岡との王座統一戦をクリアしたあと、ダイレクトリマッチの話が出ますが、それによりIBFの防衛戦を行うことができなくなってしまったために返上。現在はWBAのみの王座ですが、IBFの王座を蹴り、そして今回についてはジェシー「バム」ロドリゲスとの王座統一戦さえも蹴り、日本で井岡とのダイレクトリマッチを選択しています。
おそらく、バムとの統一戦のほうがファイトマネーは良いはず。それか、ABEMAが異常なほどに頑張ったのでしょうか。
いずれにしろ、マルティネスとしてはバムは井岡戦の後でもやれる、というのが正直なところなのでしょう。
この階級において、体格的には比較的長くとどまりそうなバムは、きっとここで4つの王座を望むのではないでしょうか。そうなった場合、王座さえ持っていればバムとの戦いは必然的に決まるものであり、焦る必要はありません。
それよりも、このダイレクトリマッチをクリアしてからバムとやる、この方が生涯で獲得できるファイトマネーは大きいはずです。
現在、マルティネスはこの階級でバムに次ぐ評価を得ているボクサーだと思います。
そのマルティネスに勝利すれば、井岡の株はまた上がり、そうなればスーパーフライ級への転級を口にしている寺地拳四朗とのファイトも取り沙汰されるかもしれません。
これはまたバンタム、フライに続いてスーパーフライも盛り上がってきそうな感じですね。
井岡はここに勝てばチャンスが開けますが、ここに負けてまだ希望を持てる年齢でもなくなってきています。負ければ、と考えてしまうのも良くないかもしれませんが、負ければラストファイトともなり得る試合。
井岡にとっては厳しい戦いとなりますが、きっと初戦よりも強い井岡を見せてくれるはず。当然、マルティネスにとっても楽な戦いになることはないでしょう。日本大好きなマルティネスには好感を持っていますが、ここは井岡の勝利を信じたい。
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