4月も本日で終わり、明日から5月です。
5月は早々に世界中で話題のシンコ・デ・マヨ興行、3日間連続でのファイト。
まず初日は5/2(日本時間5/3)のライアン・ガルシアvsロランド・ロメロ、そして翌日にはカネロ・アルバレスvsウィリアム・スカルを経て、5/4(日本時間5/5)には井上尚弥vsラモン・カルデナスです。
ということで今回のブログは、カネロvsスカル、スーパーミドル級の4団体王座統一戦をプレビュー。

5/3(日本時間5/4)サウジアラビア・リヤド
世界スーパーミドル級4団体王座統一戦
サウル「カネロ」アルバレス(メキシコ)62勝(39KO)2敗2分
vs
ウィリアム・スカル(キューバ)23勝(9KO)無敗
かつてP4Pキングに君臨したカネロ・アルバレス。2017年にゲンナディ・ゴロフキンと疑惑のドローを演じた後、再戦で勝利したカネロは、ライトヘビー級まで制したのちにスーパーミドル級に戻り、4団体を統一。
この4団体統一記のカネロは、そのボクシングもパワーも階級で突出しており、わずか11ヶ月で議論の余地のない王者に上り詰めました。
しかしその後の2022年5月、ドミトリー・ビボルに敗戦。全盛期にいたと思われたカネロは、一気に転落というわけではないものの、この試合を境にそのパワーは翳り、どこか守りに入ったようなパフォーマンスが続いています。
ゴロフキンとのトリロジーを経て、ジョン・ライダー、ジャーメル・チャーロ、ハイメ・ムンギア、エドガー・ベルランガ。
おそらくこれらの戦いは、それまでボクシング界の「顔」であったカネロにとって、ボクシングファンが「カネロ離れ」を助長するようなマッチアップではなかったでしょうか。そしてそれは今回の戦いについても、ワクワクするようなマッチアップとは言い難いのが現実です。
ウィリアム・スカルは前戦、ウラディミール・シシュキンを相手にIBF世界スーパーミドル級王座決定戦を戦い、世界初戴冠を果たしたボクサーです。
キューバからの亡命組のこの王者は、しかしキューバの元トップアマ、という肩書を持ってはいません。
そんなスカルは、シシュキンを相手にして「勝ちを拾った」とも言える戦いであり、正直に言えばカネロvsシシュキンの方が盛り上がったのではないか、とも思える内容でした。
もちろん、この人生を変える大一番について、スカルはこれまで以上に仕上げてくるでしょうし、モチベーションも高いはずですから、以前とは違うウィリアム・スカルが出てくる可能性も否定できません。
さて、前にでながら戦いたいカネロ、下がりながらのカウンターショットも得意なスカル、自ずと試合展開は見えてきそうです。
カネロがいつも通りプレスをかけて、強打を打ち込む。これがここ最近見せるカネロのように、雑になるならばスカルのカウンターショットがヒットするかもしれません。もちろん、カネロは雑になったとしてもある一定、相手を下がらせる、ビビらせるパワーを持っているのですから、雑になったら一発でダメだ、というわけでもありませんが。
スカルとしては勝機はやはりカウンターにある、とは思うのですが、かつてビボルが見せたように、ある一定は自ら攻める姿勢も必要です。
カネロがかつてのようにヘッドムーブを駆使して戦うならば、スカルの勝ち目は薄い。その中でも、ふとした時に恐れずにコンビネーションを叩き込む、これができればカネロ攻略が見えてくるはずです。ただし、それにはスカルもリスクを取らなければならないし、そもそもスカルにあのカネロを下がらせる、守勢に回らせるほどのパワーがあるかどうかは甚だ疑問です。
スカルのテクニックにより、カネロが空転する、これはあまり考えられません。どちらかというと、そうなった場合はカネロの衰え、怠惰、かつてのような情熱を持たずにリングに上がっている、これらのことを疑うべきでしょう。
ここはカネロの快勝を期待し、9月に予定されているクロフォード戦へ進んでもらいたいところですね。
スカルが勝てば、おそらくダイレクトリマッチの流れになるはずで、そうなればクロフォード戦は露と消える、良くて来年5月になります。そうなるともはやクロフォードはそれまで一度たりともリングに上がらない、という選択肢を取る可能性もあり、これはこれでボクシング界にとっては損失。
そういう意味でも、ここは久々のカネロのKO勝利を見たいものです。
ブルーノ・スラーチェ(フランス)26勝(5KO)無敗2分
vs
ハイメ・ムンギア(メキシコ)44勝(35KO)2敗
スカルが勝てば、おそらくダイレクトリマッチの流れになるはず
というのはこういうことで、スターが万が一負けるはずのない相手に負けた場合、こういう試合をチョイスしてしまいます。
2024年12月、ハイメ・ムンギアはブルーノ・スラーチェなる無名ボクサーに手痛い敗北を喫し、そこからの復帰戦でダイレクトリマッチを選択しています。
負けるはずのない戦いに負けてしまったムンギア、しかも6RKO負け、更には先に2度のダウンを奪っておきながらの逆転KO負けというのは、未来、黒歴史となる予定のものですね。
初戦、試合自体は完全にムンギアが支配している中での大逆転KO負けというのは、再戦においては「普通に戦えば」ムンギアの勝利が固い、という内容です。
地力で負ける相手ではないので、今回は無難に戦いつつ、「いかに勝つか」ではなく「とにかく勝つ」という作戦になるのではないかと思います。
こういう場合、スラーチェの勝ち目は薄い。もともとノックアウトを量産するようなパンチャーでもないし、ムンギアは明らかな油断があったのでしょう。
反面、一度のKO負けでボクサーは一気に崩れてしまうことも可能性としてはあります。
ムンギアはそのジンクスを乗り越えることができるのか、そこだけが焦点ですね。
マーティン・バコーレ(コンゴ共和国)21勝(16KO)2敗
vs
エフェ・アジャグバ(ナイジェリア)20勝(14KO)1敗
アメリカ人のヘビー級復権の夢、ジャレッド「ビッグベイビー」アンダーソンを見事に粉砕し、一躍時の人となったマーティン・バコーレ。その勝利に見合う舞台、つまりはリヤド・シーズンでのジョセフ・パーカー戦を掴み取るものの、その夢は今度はあっという間に粉砕され、2RTKO負けでトップ戦線から後退。
リヤドシーズンは彼を見捨てることはありませんでしたが、エフェ・アジャグバとの対戦という試練を与えます。
アジャグバは前戦でグイド・ヴィアネッロに勝利、とはいってももう1年以上前のこと。リヤドシーズン初登場の彼にとって、バコーレに勝つことはその後釜に座るということになり、そうなるとヘビー級のトップ戦線まであと1歩、2歩ぐらいのところまでいけるのではないか、という大事な一戦ですね。
WBC世界クルーザー級タイトルマッチ
ノエル・ミカエリアン(アルメニア)27勝(12KO)2敗
vs
バドゥ・ジャック(スウェーデン)28勝(17KO)3敗3分
ごちゃごちゃしている、WBC世界クルーザー級のタイトルマッチは、結局、王者ミカエリアンにバドゥ・ジャックが挑む、という構図になりました。それは当初、ジャックと戦う予定だったライアン・ロジッキが怪我で辞退したためです。
2023年に両者とそれぞれ(しかもWBCのクルーザー級タイトルをかけて)戦ったイルンガ・マカブを軸にして考えると、ジャックがマカブに12RTKO勝利をしているのに対し、ミカエリアンは3RTKO勝利。
早く倒せば良いというものでもありませんが、ミカエリアンが34際、脂の乗っているであろう年齢に対し、ジャックは41歳、プロデビュー以来クルーザー級で戦っているミカエリアンに対してスーパーミドル級上がりのジャック、さらにバドゥ・ジャック「ザ・リッパー」は前回リングに経ってから2年と3ヶ月が経過している、という状況です。
これは本当に実現して良い試合なのか、非常に難しい。
同じ40代としてはただただジャックの無事を祈るばかりであり、特にジャックのセコンド陣にはピンチに陥った時の懸命な判断を望みます。とかいいつつも、どこかで奇跡が起こるのを期待しつつ。
配信情報
この興行は、DAZNPPVで生配信。
そういえば、この興行でカネロはサウジアラビア初登場。どころか、母国であるメキシコ、そして主戦場としているアメリカを出て戦うのは初めてですね。カネロをアメリカ大陸から出すなんて、さすがサウジアラビアです。
本来、負けるはずのないカネロではありますが、やっぱりボクシングは何が起こるかわかりません。特に「その次」にビッグマッチが決まっている場合には特に、です。
この興行は日本時間5/4(日)、7:45〜から生配信。3,100のDAZN PPVファイトです。
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