DAZNのPPVで放映された、FATAL FURY興行。
結果的にはPPVを購入しなかった人たちが勝者だったのではないか、と思う興行でしたね。まあ、セミセミ、セミはつまらない試合になりそうな予感がありましたが、まさかメインまでただのジャブの差し合い、マスボクシングのような試合になるとは思いませんでした。
さて、一方で、同日に行われたダイナミックグローブは、そうなるはずがありません。
ということで今回のブログは、5/3(土)に行われたダイナミックグローブの観戦記。

5/3(土)ダイナミックグローブ
川村英吉(角海老宝石)vs藤田炎村(横浜光)
初回からグイグイいく藤田、川村はサークリングしつつコンビネーション。力強い攻撃の藤田ですが、川村のジャブもよく入っています。
2Rに入ると川村は藤田のは入り際にカウンター、被弾を気にしない藤田ですが、ちょっと危険な香りが漂います。
それを打ち消すかのようにプレスを強めた藤田でしたが、3R、川村のストレート系のパンチが当たりはじめると、そこから猛然とラッシュ。
コンビネーション、というよりも連打という勢いの川村、藤田はやはりパワーがありますが単発で、それを呑み込むかのような川村の連打!
中盤、近い距離での右アッパーをヒットした川村は、そこからストレート、フックをコネクト、さらに一気にストレートを連打!ここでレフェリーがストップ!!
川村英吉、3RTKO勝利!!
これはデカい勝利ですね。藤田は無念。
日本ライト級王座決定戦
村上雄大(角海老宝石)6勝2敗
vs
仲里周磨(オキナワ)15勝(8KO)3敗3分
まず初回、仲里が先に仕掛けます。村上はリズムを刻むものの、仲里の攻めに対して大きなバックステップは踏まず、右ジャブをつかって、左カウンターで迎え撃つ構え。
村上の左ストレートは仲里がダックしてかわしますが、長い左ボディストレートをヒット。村上はカウンターを狙うとともに自らも先手を取る場面も見せていますね。
2R、村上が右ジャブをよく使います。内側からの右ジャブは上手く、これはよく仲里にヒット。仲里が攻めようとするときに伸ばしっぱなしにしてその勢いを止める等、右の使い方が抜群ですね。
3R、距離が近くなれば長い腕を絡ませてクリンチにいく村上。自らが攻める時は強い踏み込みからのワンツー、これが遠くからでもよく届きます。
先手を取れているのが村上、仲里はちょっと届かないイメージ。
4R、引き続き良いジャブが出ている村上。ちょっと仲里はやりづらいか、強引な攻めも目立ってきます。こうなると村上の左カウンターも活きてきそうです。
5R、この展開は、仲里にとって大いにフラストレーションがたまる展開でしょう。上手く連打に繋げられない仲里、これは村上のジャブから始まり、左カウンターを用意していることとクリンチがあります。
しかし後半、クリンチをふりほどきながらの左フックをヒットした仲里、その後も左フックをヒットしています。この戦い方で、なにかを掴んだか。
6R、よりプレスを強めた仲里。近い距離でのボクシング、これにはラウンド開始前に村上にホールディングの注意が与えられたことが関係しているかもしれません。
仲里は早々に強いプレスで村上をニュートラルコーナーに追い詰め、ラッシュ!
顔面街区度も揺れた村上ですが、上手く身体を入れ替えてエスケープ。
ここで村上は退かず、打ち合います!NY興行とは違い、これこそがボクシング!両者の意地が見えます!
中盤、仲里の右オーバーハンドが村上を捉えるも、村上は覚悟が見えます!後半には仲里が飛び込みの左フックをヒット、それでも諦めない村上はワンツーをリターン!一気に形勢が逆転でしょうか。
7R、仲里が歩くようなプレス。村上をロープに追い込んでいきますが、村上も強い反撃!
リング中央に押し戻した村上は距離をキープしつつストレート、これは仲里も気をつけなければいけません。上手くサークリングする村上ですが、仲里はガードを下げて右ストレートから入る良い攻撃を見せます。
8R、村上も非常に肝が座っています。リング中央で打ち合いを選択、仲里のパワーに押し負けることなく踏みとどまり、がむしゃらに手を出していきます。
下がると仲里の手が止まらなくなるのですから、これはある種の正解か。
頭と頭がゴツゴツと当たる中で、仲里のカットにドクターチェック。左眉付近でしょうか、流血しているようです。
9R、村上が一歩も退かないことから、仲里がサークリング。頭をお互いに前足側に傾けることから、バッティングが起こりやすくなるオーソドックスvsサウスポーの構図。
後半に入る頃、村上の左がヒット、仲里の顔面を弾きます。仲里はちょっとつかれたかややペースダウン。村上は身体で押していき、ボディを叩きます。
ラストラウンド、意外にも近い距離での手数で村上が上回ります。頭を下げて、闘志丸出しで攻める村上、仲里はちょっと嫌がっているのか、天を仰ぐ場面があります。
右ストレートをヒットした仲里、続けて左フックもヒット!しかし村上の心は折れず、ダメージがありながらも左右を出し続けます!クリーンヒットは仲里か、最後まで手を出し続けたのは村上!
判定は、3者ともに95-95のドロー!
なんとも無情な、それでももちろんあり得る採点でした。ここまで戦って、両者ともに結果を得られず。前半、上手く戦った村上、中盤に盛り返した仲里。それでも折れなかった村上の粘りは素晴らしかったです。
OPBF東洋太平洋フライ級タイトルマッチ
飯村樹輝弥(角海老宝石)8勝(2KO)1敗
vs
エスネス・ドミンゴ(フィリピン)21勝(13KO)2敗
メインイベントは、飯村が挑むリベンジマッチ。王者は飯村ですが、気持ちとしては挑戦でしょう。リベンジに期待。
初回から両者ともに素早い動きでジャブ、から早々にコンビネーションで攻め入ります。飯村はワンツーから左ボディ、ドミンゴが攻めればスッとバックステップ。
完全に振り切るタイプのドミンゴ、しかしそれをしっかりと距離で外す飯村。良い立ち上がりです。
2R、ドミンゴがアッパーを使ってきます。飯村が左ボディを打つタイミングで左フックカウンター、これも怖いタイミングです。
飯村としてはもう少し距離ではずしておきたいところ。それでも上手くポジションを変えながら攻め込む飯村、ドミンゴの強いプレスにもほとんどロープに詰まることはありません。
3R、飯村がよくジャブを使い、ドミンゴは左右のフックでプレスをかけるという展開。飯村の左フック、左ボディはちょっと危ないですが、それ以外は上手く戦っているように見えます。
4R、飯村がまっすぐの右をヒット。ショートの距離でも飯村の左フックがいち早く届いています。ドミンゴは少しペースダウンか、疲れなのか、ボディへのダメージが蓄積してきたのか。
ドミンゴはちょっと飛ばしすぎだったのかもしれませんが、飯村はこのペースでフルラウンドが行けるボクサーです。
5R、打っては離れるという飯村。乱れないボクシングが持ち味の飯村、ドミンゴはもう少ししたら落ちていくはずです。
6R、やや長めの距離、ここからの飯村のワンツー、特に右ストレートが良い。近い距離になればドミンゴが左フックを振ってきますが、ここを飯村はバックステップかスウェーで上手く躱します。
7R、このペースはまずいと思ったのか、ドミンゴが強めに出てきます。やはりパワーはドミンゴか、しかし飯村もここは退かずに回転力で勝負。
怖いところがある接近戦に対して、中間距離では飯村の右ストレートが非常に効果的。
8R、ほとんど打撃戦、と言って良い展開の中で、飯村のパンチは着実にヒット。しかしドミンゴもしつこく追いかけて左右のフック、これは怖い。
9R、ドミンゴの右カウンターがヒット。これはかなり危険なタイミングでしたね。
ドミンゴのスイングはあまり衰えていないかもしれませんが、ちょっと披露が見えるような気がします。対して飯村の動きは全く衰えませんから、このラウンドを含めて4Rはしっかりとピックアップしたいところ。
終盤、今度は飯村が右カウンターを決めたところでラウンドが終了。
10R、疲れが見えるドミンゴですが、そのパワーは未だ脅威。同時打ちのタイミングでカウンターをもらえばひとたまりもないですが、集中力もしっかりとキープしている飯村は素晴らしい動きでヒットアンドアウェイを繰り返し、このラウンドもしっかりと優勢です。
11R、ガードを固めてダブル、トリプルのジャブを突くドミンゴ。いつの間にかボディが少なくなった飯村ですが、中盤、左ボディから右アッパーのダブル。
かなり前で戦うことが多くなった飯村、ドミンゴはやはり披露の色が濃いか、動きがやや緩慢になってきたか。ただ、自分の残りスタミナをよくわかっている風で、意図的に少しペースを落とし、ラストラウンドにかけてくる可能性もあります。
ラストラウンド、上手く左フックをコネクトし、ステップで距離を取る飯村。これにドミンゴはついていけていません。
飯村はしっかりとサイドにまわり、打っては周ってまた打つ、素晴らしいボクシングを展開。最後の最後まで絵集中力を切らすことなく36分間を戦い抜き、ゴールテープ。
判定は、117-111✕2、115-113、勝者、飯村樹輝弥!!
いやーこれは素晴らしい勝利でした、飯村樹輝弥。おそらく作戦通りのボクシングであり、自らのストロングポイントを十分に打ち出せたパフォーマンスではなかったでしょうか。
飯村のスタミナ、リングIQ、それを存分に楽しめた試合でした。世界挑戦資格は十二分にあり、と思いますので、いよいよフライ級世界戦線に殴り込みでしょうか。非常に楽しみですね。
【宣伝】
日本で手に入りにくいボクシング用品のセレクトショップやってます。
ぜひ覗いてみてください。