週末のファイトはアンジェロ・レオvs亀田和毅、そしてペドロ・タドゥランvs重岡銀次朗。
このダブルタイトルショットに目を奪われがちですが、同日(日本時間では翌日)にはジョシュ・テイラーの復帰戦。
そしてそのアンダーカードもなかなか興味深い戦いがあります。
ということで今回のブログは、ジョシュ・テイラーの復帰戦がメインとなる、クイーンズベリープロモーションのプレビュー記事。

5/24(日本時間5/25)イギリス・スコットランド
ジョシュ・テイラー(イギリス)19勝(13KO)2敗
vs
エコウ・エスマン(イギリス)21勝(8KO)1敗
多くの日本のファンがあまり興味がない試合なのかもしれませんが、この試合はかなり勝負論があり、50-50の戦いに近いものであり、更に好ファイトが期待できる戦いです。
イギリス人ボクサーは比較的基礎が出来上がっていてアグレッシブなボクサーが多く、それはこのボツワナ生まれのエスマンについても同様です。
ジョシュ・テイラーは「タータントルネード」というニックネームを持つ連打型のボクサーサウスポーであり、元スーパーライト級の4団体統一王者。
WBSSを制した頃、非常に勢いのあったテイラーでしたが、4団体を統一後、モチベーションをなくしてしまったのかそのパフォーマンスは全くもって冴えず、その後の3年間のうちでわずか3戦、それも1勝2敗とUndisputed王者としてあるまじき戦績となっています。
彼が4団体統一を成し遂げたことがフロックだった、とは言えません。当時の階級最強説があったのはレジス・プログレイス、ホセ・カルロス・ラミレスであり、それらを一つずつ統一してきたわけですから、文句のつけようのないキャリアです。
それでも4団体統一後は、ジャック・カテラルと戦って疑惑の判定勝利、そしてテオフィモ・ロペスに明確な敗北、カテラルとの敗戦では明確な判定負け。
これは本当に残念なことです。
もしテイラーの不調が、モチベーションの低下にあるのならば、このテイラーのウェルター級挑戦は大いに応援したいと思います。
エコウ・エスマン、生まれはボツワナに生まれていますが、イギリスで育ったようで、ボクシングを学んだのもイギリスでしょう。
アフリカ南部の生まれということで強いフィジカルを持つエスマンは、長いアマキャリアを経て2016年にプロデビュー、デビュー9戦目でBBBofCのイングリッシュ・ウェルター級タイトルを獲得しています。
その後もIBFヨーロピアン、2021年にBBBofCの英国、コモンウェルスタイトルを獲得し、この3つのタイトルは2023年に失うも、再起戦でWBOヨーロピアンタイトルを獲得。とんでもない量の地域タイトルコレクターですね。
それでもなかなかチャンスが巡ってこないエスマンは、ここ2戦は無敗のボクサーを退けており、ここでようやくジョシュ・テイラーの復帰戦の相手という大チャンスを得ています。
もう年齢は36歳、「エンジン」のニックネームの通り馬力もあるボクサーで、基本的にはボックスを主体としながらも乱打戦でも打ち勝てるボクサー。当然、強いハートも持っています。
エスマンはこれまでもずっとウェルター級を主戦場としていましたから、もし、テイラーが前戦や前々戦の状態であるならば、かなり危ない戦いです。
エスマン箱のチャンスに、かなり気合を入れてくるでしょうし、ここで勝てば大きく道が拓ける戦いになりそうです。
オッズはテイラーが-250、エスマン+250となかなか競っている展開ですが、やはり不安要素が多いのはテイラーの方で、スーパーライト級とウェルター級には大きな隔たりがある上、テイラーはおそらく減量がきつくてクラスを上げるわけではありません。
この戦いはテイラーにとっても大きな挑戦であり、失ったモチベーションを取り戻しに行く戦いだと思っています。
どちらかのターニングポイントにもなり得る試合、これは非常に楽しみです。
ナサニエル・コリンズ(イギリス)16勝(7KO)無敗
vs
リー・マクレガー(イギリス)15勝(11KO)1敗1分
この興行はイギリスの中でもスコットランドで行われる興行です。イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランドと異なった文化を形成している国ですが、ジョシュ・テイラーの地元であるスコットランドで行われるのだからテイラーにかかる期待は大きい。
そしてこの興行のセミファイナルにセットされたのは、スコットランド人同士のWBCシルバータイトル戦です。
スコットランド、ベアーズデン出身のナサニエル・コリンズは、過去にコモンウェルス、BBBofC、EBUのシルバータイトルを獲得してきたタイトルコレクター。そしてリー・マクレガーも同様のタイトルを獲得してきています。
コリンズはもともとフェザー級で戦ってきましたが、マクレガーはバンタム級でそのキャリアをスタートし、スーパーバンタム、フェザーと上がってきているボクサーです。ちなみにマクレガーはスコットランド、エディンバラの出身。
ともに28歳、当然アマチュア歴あり、ということなので、顔見知りや友人関係の可能性は大いにあるのではないでしょうか。
おそらく、アマチュア戦績を見ると先行していたのはマクレガーで、プロキャリアの進展もマクレガーの方が早かった。ただ、マクレガーは2022年に一つのドロー、2023年に一つの敗北を経験しており、その足踏み時にコリンズが追いついたというイメージですね。
今回のWBCシルバータイトルは王座決定戦となっており、フェザー級でどちらが優れたプロスペクトなのか、を決める戦いと言えそうです。
なお、この階級のイギリス人最強はニック・ボールで、こちらも同い年。非常に充実しています。
この戦いもほとんど50-50ではありますが、やはり無敗であること、更にフェザー級での実績としてはコリンズの方が優れていることから、オッズはややコリンズに傾いています。それでもコリンズが-190に対してマクレガーが+187とその差はほとんどありません。
これは技術的な極上の勝負か、もしくは両者の意地をかけたタフネスファイトか。
いずれにしろ、同い年で同じ国、同じ地方のライバルに負けたくない気持ちはお互いに強いはずです。きっと日本人同士のサバイバルマッチに似たような感覚の試合になるはず。こちらも好試合が必死。
その他のアンダーカードと配信情報
フランク・ウォーレン率いるクイーンズベリー・プロモーションは、このほどDAZNへプラットフォームを移しています。なのでこの興行はDAZN放映なのですが、そもそもテイラーってマッチルーム所属じゃなかったっけ。
エスマンはクイーンズベリーなので、その興行にジョシュ・テイラーが出るという話だと思うのですが、エディ・ハーンがすでにテイラーを諦めているのか、ともとれる状況ですね。
ともあれ、このほかのアンダーカードにはヘビー級のスーパーノバ、モーゼス・イタウマ(イギリス)も出場。対戦相手はマイク・バロガン(アメリカ)、21勝(16KO)1敗という好戦績のボクサーで、明らかなアンダードッグではないマッチメイクには非常に好感が持てます。しかもこの1敗はムラト・ガシエフ(アルメニア)に喫したものであり、ガシエフレベルのボクサーと戦っているボクサーということはやはりそれなりの強豪であることも見込めます。
イタウマにはまた素晴らしいノックアウトを見せてもらいたいものですね。
全12試合と詰め込み興行ですが、DAZNでの配信はいつも通り5-6試合でしょう。
配信開始は日本時間5/25(日)3:00。プラットフォームはDAZNで、おそらくメインの開始はAM7:00頃だと思います。
↓DAZNはこちらから
【宣伝】
日本で手に入りにくいボクシング用品のセレクトショップやってます。
ぜひ覗いてみてください。