多くの注目試合があった6月8日。
その週末が終わり、新たな週を迎えても、やはり「Must」な試合が出てきます。
今週末の「Must」といえば、やっぱりIBF世界ライト級挑戦者決定戦、アンディ・クルスvs三代大訓。
実績的にもパフォーマンス的にもかなり厳しい戦いになることが予想される一戦ですが、やはりここは応援したい。
ということで今回のブログは、6/14(日本時間6/15)ニューヨーク、MSGで行われるマッチルーム興行のプレビュー記事。

6/14(日本時間6/15)アメリカ・ニューヨーク
IBF世界スーパーライト級タイトルマッチ
リチャードソン・ヒッチンズ(アメリカ)19勝(7KO)無敗
vs
ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)22勝(10KO)3敗
2024年12月、リアム・パロ(オーストラリア)を破って世界初戴冠を果たしたリチャードソン・ヒッチンズ。
アマチュアで実績を残したボクサーで、リオ五輪にも出場しています。ただ、この五輪出場は同国のライバルであるゲイリー・アントワン・ラッセルに敗北しています。
リオ五輪後の2017年にプロデビューしたリチャードソン・ヒッチンズは連戦連勝でプロスペクトとしての地位を確立していきますが、爆発的なパフォーマンスを見せるわけでもなく、コツコツとその巧さを発揮して一つずつ階段を登っていったイメージ。
その戦いの中では少なからず苦戦も経験し、それでも勝ち残ってきたのは力のある証拠なのでしょう。
リアム・パロへの挑戦は、過去最高のパフォーマンスを発揮しての判定勝利。あのサブリエル・マティアスを破ったパロに完勝という内容ではありましたが、このボクサーの立ち位置というのはまだ懐疑的です。
本当はIBFの指名挑戦の権利は元王者、サブリエル・マティアスにあります。
しかし、今回は選択防衛戦であり、ヒッチンズがセレクトしたのは元ライト級の統一王者、ジョージ・カンボソスJr.。カンボソスは前戦でジェイク・ウィリーに負けなければヒッチンズに挑戦できる、という戦いで、特に大きなヘマなく勝利を手にしてこの戦いをキャッチしています。
「元統一王者」であり、テオフィモ・ロペスに勝利した、この肩書をもとにいくつものビッグマッチに身を投じるカンボソス。ただ、そのどれも勝利を手にすることは能わず、結局のところ彼が手にしているものはまるで一発屋のような「テオフィモ・ロペスに勝利した」ということのみです。
だからこそ、このニューヨーク、つまりはヒッチンズの地元で開催サれるこの戦いの相手にもってこいです。実績と名前があり、おそらくヒッチンズの勝利がカタい相手。
ヒッチンズはヘイニーやシャクールの流れを汲むボクサーなので、カンボソスの刃は届かないでしょう。そしてこれはヘイニーvsカンボソスのような、フルラウンドにわたって同じ内容を繰り返すだけという非常につまらない試合になる可能性をはらんでいます。
アンディ・クルス(キューバ)5勝(2KO)無敗
vs
三代大訓(横浜光)17勝(6KO)1敗1分
さて、上記のヒッチンズvsカンボソスJr.というのは、「ヒッチンズのキャリアに元統一王者を破ったというレジュメを加えさせる」ためのものです。実際にそうなるかどうかは別にして。
ヒッチンズ陣営としては勝てると踏んだ試合であり、オッズもヒッチンズ-1,000、カンボソスが+750、圧倒的にヒッチンズの優位です。
ではセミファイナルのこのクルスvs三代のオッズはどうなのか、というと、アンディ・クルス-1,400、そして三代が+800。ヒッチンズvsカンボソス以上に大きな差が開いています。
アンディ・クルスはアマチュア時代、世界選手権を3連覇(2017、2019、2021)、そして東京五輪の金メダリスト。リオ〜東京までの5年間、間違いなくライト級の絶対王者だったボクサーです。
プロデビューは2023年、アマチュアでの最終戦が2021年ですから期間が空いていますが、この間、キューバからの亡命に失敗して強制送還等々、諸々の難局を乗り越えています。ここで、すでにそのタフさが伺えますね。
念願のプロデビューを果たしたクルスは、デビュー戦でIBFインターナショナル・ライト級王座決定戦に臨み、10R判定勝利。
そこからそのタイトルの防衛をしつつ、デビューから2年と経たずこの指名挑戦者決定戦のチャンスを掴み取っています。
アンディ・クルスの特徴といえばその技巧。ハードパンチをもっているわけではない、というか、もっているのかもしれませんがそれを誇示しない戦い方。ともかく淡々と戦う姿が印象的で、リングでの振る舞いは自信に満ちあふれています。ここまでの5戦では穴は見えず、ポイントを取られたことはおろか危ないパンチを被弾した経験もないと思います。
なので今のところは完全無欠、このボクサーの試合を穴が空くほど見たとしてもその弱点を見つけることは困難でしょう。
ただ、三代大訓も弱点らしいものが無い、もしくは分かりづらいボクサーです。こちらも技巧としてのレベルは非常に高く、強さというよりも巧さが際立つボクサーです。ただここ最近の試合では力強さも見せており、特に前戦、丸田陽七太戦は素晴らしかったですね。
唯一の敗戦は韓国での敗北ですが、この移籍前後の試合は結果的にちょっとイマイチでしたね。ただ、その初黒星からの復帰後は安定的なパフォーマンスを発揮、挑戦者決定戦を勝ち抜いて仲里周磨に挑戦し日本タイトルを戴冠、ここまで2度の防衛に成功しています。
三代の特徴といえばもちろんジャブであり、距離のキープ力。接近されてもうまくショートのパンチを打てますが、やはり中間距離が一番良いでしょう。
純粋にこれまでの経歴を比べてみると、キャリアのほとんどを日本で戦ってきた三代、アマ時代に世界を制すること4度というアンディ・クルスでは、クルスが圧倒的優位というのは当たり前のことです。
それ以上に、世界は三代大訓を知りません。
三代大訓を知っている私たちですら、クルスを相手に不利予想というのは納得のことですから、三代大訓を知らない世界のボクシングファンがベットするオッズだと考えると、冒頭にお伝えしたオッズの差、というのは納得のいくものです。
さて、三代大訓がどのようにしてアンディ・クルスを攻略するのか。
その攻略の糸口、仮に机上の空論を述べるとしても、私の方では全くわかりません。
なのでこの試合は、三代が、もしくは陣営が、どのようにアンディ・クルス攻略の戦略を立て、どのように実行でき、また修正することができるのか、もしくはできないのか。
三代がやろうとしていること、アンディ・クルスをどのように攻略できるのか、が不明な分、何も考えずに視聴したいと思います。
ただ一つ言えることは、がんばれ、三代大訓。世界を驚かせてほしい、ということのみ。
配信情報
この興行は、DAZNで生配信。配信日時は、日本時間6/15(日)AM8:00です。
おそらくアンディ・クルスvs三代大訓はお昼ころ、でしょう。
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