もう前段はいらない。
んですが、ど平日にタイトルマッチ4つはキツいよ。
ということで今回のブログは、日本人初、ウェルター級世界王者誕生なるか。
ブライアン・ノーマンJr.vs佐々木尽をメインに据えた、Lemino Boxingの観戦記です。

6/19(木)大田区総合体育館
IBF世界ライトフライ級王座決定戦、クリスチャン・アラネタ(フィリピン)vsタノンサック・シムシー(タイ)はシムシーの勝利。スプリットの判定だったので、なかなか互角の戦いだったのでしょう。見れてませんけど。
この階級の王者は日本人との絡みが出てくるでしょうし、それがシムシーとなれば尚更です。
タイの世界王者、というのはあまり良いイメージがありませんが、このシムシーはタイ人らしいキャリアを築きつつも日本で強敵と戦ってきたボクサーだから当然信頼できるキャリアです。
今後も日本で防衛を重ねていくことが予想されますね。
日本フェザー級王座決定戦
大久祐哉(金子)vs阿部麗也(KG大和)
仕事しながら傍目でみると、なんだかんだやっぱり初回から阿部麗也という戦い方。このやりづらいサウスポーを攻略するには、グイグイと行く、というのが定石だと思います。しかし、ルイス・アルベルト・ロペスのようなフィジカルを誰しもが有しているわけではありません。
ロペスやキコ・マルティネスを経験した阿部にとっては、日本人のフィジカルはさほど問題にはならないでしょう。
前半、なかなか詰めきれない大久は5Rに手数を出して攻め入る場面。ただ、やはり阿部も確実に左のカウンターを用意しており、なかなか続けることはできません。
阿部のこの変則的な動きを気にしない、という空気の読めなさがほしい大久、6Rにも攻勢をかけますが、阿部も時に足を止め、左のリターンをヒット。
世界挑戦失敗からの大きくパフォーマンスを落とす、というボクサーは非常に多いですが、阿部はまだ世界を諦めていない。その決意がきっと阿部の良いパフォーマンスにつながっているのでしょう。
7Rは大久の強引な振り、右オーバーハンドがクリーンヒット。ちょっと吹っ切れた感じのあるこの右は非常に良い。ストレートは阿部の上体の動きに躱されていましたが、これはビッグショットです。ただちょっとこの右に頼りすぎか、単発気味になっていく大久。
阿部は打ち終わりのケアがしっかりしてますね。もともと先手をとっても上体の動きと下肢の動きでかわされてしまうのだから、これは同時打ち狙いでないと結構厳しい。いや、同時打ちでも頭を動かしながら打つから厳しいか。
ラストラウンドは打ち合い、大久も懸命にパワーパンチを振るいます。外回りのパンチはヒットを奪っているように見えますが、倒すには至らず。阿部もおそらくポイントリードの中、リスクを背負って大久に付き合いました。
判定は、96-94×2、97-93、阿部麗也!お見事な勝利、阿部。大久もよく頑張りましたね。
OPBF東洋太平洋ウェルター級王座決定戦
田中空(大橋)vs小畑武尊(ダッシュ東保)
地方ジムの選手がタイトルショット、これは応援したくなる事柄です。しかし相手が田中空、こればかりは相手が悪いとも思ってしまいます。それは田中の期待度と実績もあり、応援という意味においても。
ジミー・レノンのコール。マイクから直接音を拾ってないのか?ってぐらい響く。このあたりの音響設備について、海外のボクシングほどのクオリティがないのが日本のボクシング。パンチの音の拾い方とかも含めて、Leminoはいつも微妙です。
初回、小畑がポンポンとジャブ。プレスしていく田中に対してこのジャブは良い。そして田中の入ってきたところに左ボディ。田中はグイグイといきますがこれまでになく被弾も多い。
小畑は下がりつつも応戦し、こちらも良い回転力を持っています。とりわけ左ボディは良い。
田中はいつもの余裕ある攻めとは違いますが、手痛い反撃にあいつつも当然のことながらも退くそぶりを全く見せず、強気の一点。
田中のアッパーで小畑の顔面が弾かれます!しかし小畑も打ち返してラウンドが終了!初回からボルテージMAX!!
2R、田中が左フックの強振を当て始めています。小畑が細かいジャブを放つも、早々に距離が詰まりまた打ち合い。田中はまだプロとして試されていない部分も多く、小畑にとっては賭けですが良い戦い方。
後半に入る頃、田中が軽打の連打から強い左フック。ちょっとこの馬力の前で苦しくなってきたか小畑、これはどちらもすごい打撃戦!
3R、ロープを背にする小畑ですが、ここでファイト!手数は田中よりも多いほどですが、やはり徐々にダメージを溜めているか、田中の右で顔を跳ね上げられます。
ショートの距離でコンビネーション、この強弱がさすがの田中、小畑は苦しくなりつつも左ストレート!
ノンストップアクションファイト!その中でも印象的なのはやはり田中の左フックと右のアッパー!苦しい苦しい小畑、これはとんでもない打撃戦。。。!!!!
4R、サークリング&ジャブからはじめる小畑ですが、ここでも早々に田中は距離を詰め。強い左フック!もはやなにかの残虐ショーのような展開になりそうでしたが、小畑も強いワンツーを返して反撃!!小畑の右フックもヒット、中盤、田中は一瞬バックステップ、そして手数が減ります!!小畑のボディと田中の左が相打ち!!効いたのは田中の方か!!?
しかしその後相打ち気味の右から田中のラッシュ、ここでレフェリーがストップ!!!
効かされた場面がありつつもすぐに反撃できたのは田中の素晴らしさ。しかしそれ以上に、小畑の健闘が大きく光った試合でもありました。
それにしたって恐ろしい試合でした。まあでも本人たちはこの打ち合いは楽しいですよね。打ち合いが楽しい、その気持ちは大いにわかります。
WBO世界ウェルター級タイトルマッチ
ブライアン・ノーマンJr.(アメリカ)27勝(21KO)無敗
vs
佐々木尽(八王子中屋)19勝(17KO)1敗
ナルシスティック、というにはあまりにも「佐々木尽」であるボクサーが佐々木尽。
見ていて正直、オジさんは恥ずかしくなってしまうこともあるのですが、どんどん引き込まれるこの魅力はまさに唯一無二です。
ボクサーの選手寿命は現在伸びており、20代後半どころか30代になっての世界初戴冠というのは今時珍しいことではありません。
しかし佐々木尽、23歳。どうかこの勢いのまま、頂点を取ってほしい。
対してノーマンも若く、24歳。才能にあふれるだけではなく、言葉のはしばしから奢りなんてものは一切感じられません。これまで来日した中量級〜重量級の世界王者たちとはひと味もふた味も違う、「ルーキー」世界王者だからこその強さを持つ王者。ベテラン王者の方が佐々木の勢いに押されたかもしれませんが、このノーマンは強く、そして佐々木からすると相性はある意味悪く、ある意味良い。
集中した表情のアメリカ人王者、ブライアン・ノーマンJr.が静かに入場。
初回、ゆったりとしたリズムのノーマン。佐々木はボディジャブから攻撃、動きは非常にキレています。
佐々木が右!その後にノーマンが左フックをリターン、これで佐々木がダウン!!
ノーマンは一気には来ませんが、どっしりと構えた重厚なプレス、佐々木は下がり気味、そしてサークリング。ロープを背負ったところから一気に反撃に転じる佐々木、しかしここもノーマンは冷静、佐々木の左フックを外したところに右をコネクト、佐々木はなんと2度目のダウン!!!
まだ半分。。。
ノーマンはここでも来ませんが、佐々木が強く出てくれば一気にペースを上げてのリターン!これは怖い!
しかしここで佐々木の伝家の宝刀、左フックがヒット!浅いか。。。!
佐々木のオーバーハンドは強くて速いですが、これがすでにノーマンに距離で外されており、更にノーマンのリターンが速すぎて佐々木がフック系のパンチを打つ度に肝が冷えます。
佐々木は受けて左を返す構え、これはいつものリズム。
ラスト30、佐々木の左フックが良いタイミングでヒット!ノーマンは下がったか!左ボディを返してプレスをかける佐々木、左ボディは良いが左フックは相変わらず危ない。
後半、ノーマンのアッパーからフックのコンビネーション!これまた危ない!怖い!!
簡単に倒れすぎたことは打たれ脆さではなく、どちらかというと気負いすぎたのだと思います。思いたい。
2R、佐々木がプレス、右を放ってぐいっと距離を詰めます!ノーマンは佐々木のは入り際に速い左フックを狙い、入られそうなところで右を狙います!
これもまた危ないタイミングでもらっているようにみえる佐々木、ここでもノーマンが一気に出てこないのは幸なのか不幸なのか。
中盤、強く振ってくるノーマンのパンチをがっちりブロッキング、そして踏み込んでのワンツー!
佐々木も少しノーマンのパンチに慣れてきたのか、ちょっと余裕が見えてきたような気がします。ノーマンの右も躱せるようになってきたし、プレスをかけて追い詰める場面も出てきました。
心臓には悪いが、悪くありません!
3R、ノーマンは足を使い始めます。佐々木のボディジャブが良く、届いています。佐々木が左フックをヒットしますが、その後ノーマンが強い右!これはブロッキングの上ですが、佐々木がリターンを返せません!ここは左フックの返し時ですが、ダメージでしょうか、ふらつきます。。。!
これはかなりのダメージなのか、その攻撃はまだまだ力強いですが、足がフラフラ!?
アッパーを差し込まれた佐々木は左フックを返すも、返した後に後退り。
その後もノーマンの攻勢は続き、佐々木はやはりガードの上からもらってもダメージを溜めていそうです。
ノーマンの右をブロッキングしてからの左フック、このサンデーパンチを繰り出す佐々木ですが、距離が遠く当たらず。佐々木が右を放った後、ノーマンは左フックを警戒してガードポジションにいるから、右をもう一発繰り出したい。
4R、佐々木がウィービングから、左右のフック!しかしノーマンはかなり細かなバックステップでこれを外します。
ノーマンの攻撃をブロッキングではなく外したい佐々木ですが、まるで追尾機能がついているかのようにノーマンのパンチは正確です。佐々木はプレス、ノーマンはコーナーやロープに詰まった時ですら上手く、近い距離でもやはりノーマン。
5R、ノーマンはこのラウンドも落ち着いたスタート。佐々木は、というとスピードのあるジャブを打つものの、自らジャブを打ってスリップ。限界が近そうです。。。
ジャブからボディストレートを放つノーマン、佐々木のボディジャブに対して大きく踏み込んで左フック!!!これで佐々木はダウン!!!
そしてカウントへの反応もできず、マットに後頭部を打ち付けた佐々木、レフェリーは試合をストップ!!!
ブライアン・ノーマンJr.、5RTKO勝利!!
やはりこのブライアン・ノーマンJr.は怪物クラスのボクサーです。
敵地ということもあるのでしょう、大げさに喜ぶこともしないこのボクサーは、やはりインテリジェンスにあふれています。
世界王者ながらもロード・ウォリアー、ここからもっともっと評価を高めていくのでしょう。
そして佐々木尽、残念ながらその頂きは果てしなく高く、そして厚かった。しかしそれでも、このボクサーにはまだ夢を見れます。
世界の壁はかくも高く、そして厚い。あの倒され方を見て、すぐさま言うことではないのですが、それでも、だからこそ、再起を期待しましょう。
さて、、、仕事に戻ります。。。
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