メインイベントに興味がないと、PPVを購入するのに渋ってしまうのはなぜでしょうか。
ジェイク・ポールvsフリオ・セサール・チャベスJr.というのはその名前だけはよく知られた者同士の戦いですが、ポールはもちろん、チャベスJr.だってもはやボクサーとは言い難い。
親の七光りを存分に使っているチャベスJr.は、それはそれでそのキャリアは成功なのかもしれません。ともあれ、真面目にボクシングに取り組んでもらいたいものですが。
さて、そんなメインイベントはさておき、今回のブログはライト級プロスペクト、フロイド・スコフィールドvsテビン・ファーマー、そしてスルド・ラミレスvsユニエル・ドルティコスの観戦記。

6/28(日本時間6/29)アメリカ・カリフォルニア
フロイド・スコフィールド(アメリカ)18勝(12KO)無敗
vs
テビン・ファーマー(アメリカ)33勝(8KO)8敗
仮想シャクールで引っ張りだこのテビン・ファーマー。しかしこの3連敗中の元世界王者は、その3連敗の中でもまだ評価は落ちません。
これまでの8敗のうち、2つのKO負けはキャリア初期と言えるものであり、もう10年以上も前のこと。ここ最近はレイモンド・ムラタラ、ウィリアム・セペダといったパンチャーたちとフルラウンド渡り合い、惜しい試合を繰り返しています。
対してプロスペクト、フロイド・スコフィールドはまだまだ実績不足が目立つ中、シャクール挑戦を決意。人は嗤う挑戦でしたが、個人的には応援していました。
しかし直前でメディカルチェックに引っかかったスコフィールドはこの挑戦を叶えられず、仮想シャクール、テビン・ファーマーとの一戦に臨みます。
まだあどけなさの残る22歳、スコフィールドがベテランにはぐらかされないかは心配です。
さて、ゴング。
まずはリング中央、お互いに探り合いの静かなスタート。やや積極的にジャブを放っていくのはファーマー、スコフィールドはじっくりと見る構えでしょうか。
と思ったところでスコフィールドもステップインしながらのスリーパンチコンビネーションで攻め入りますね。
とはいえ、この中間距離のやり取りがもう暫く続くのだろう、と思っていた矢先、スコフィールドがジャブからやや外側を回る右ストレートをヒット!
これでファーマーは仰向けに倒れるダウン!!!これは全然予想していなかったパンチらしく、かなりのダメージがありそうです!
スコフィールドは襲いかかり、足元がややおぼつかないファーマーはクリンチにエスケープ!しかしそれを振り払って左フックでしょうか、ファーマーは2度目のダウン!!
このダウンからも復帰したファーマー、カウントを数えられている時にレフェリーに何事かを伝えています!しかし襲いかかるスコフィールド、この勢いに押されたファーマーを見て、レフェリーはストップ!
フロイド・スコフィールド、まさかの初回TKO勝利!!!
もっともっと厳しい試合になると思っていましたし、何だったらスコフィールドの初黒星もあり得る、と思っていましたから、これはとんでもないインパクトを残す勝利です。
スコフィールドにとって、おそらく過去最強の相手と言っても過言ではないファーマーを相手にこの勝ち方は、大きく評価を上げたのではないのでしょうか。
またまたライト級にニュースター誕生、やっぱりこの激アツ階級の選手層は厚い。
WBA・WBO世界クルーザー級タイトルマッチ
ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)47勝(30KO)1敗
vs
ユニエル・ドルティコス(キューバ)27勝(25KO)2敗
目下統一路線をひた走る、ヒルベルト・ラミレス。クルーザー級でも見劣りしないそのフィジカルは、この不人気階級を活性化させる一つの大きな光です。
ジャイ・オペタイアは個人的に大好きなボクサーですが、人気ではこのサウスポー、「スルド」ラミレスに遠く及びません。オペタイアの相手として、スルドこそが最も必要なボクサーで、いずれにしろこの階級で無双したボクサーは遅かれ早かれヘビー級へ上げるのですから、この試合は是非とも実現してほしい試合です。
ということで今回はラミレス応援、どうかこの難敵に良い勝ち方をしてもらいたい。
初回、まず両者が前に。序盤に強くプレスをかけたのはラミレスで、ラミレスのジャブは良くあたっているように見えます。アッパーも良い。
ともにボディへのストレートを狙う展開、後半にかけてはドルティコスが逆にプレス、こちらもジャブからのボディストレートを多用しています。互いにボディショットを多く打つ展開で、このボディがキーになりそうです。
2Rもドルティコスがボディを中心に仕掛けます。ラミレスも反応は良いものの、少し押し込まれ気味な印象。ここはドルティコスのアグレッシブさが光りました。
3R、ラミレスがしっかり距離を取り、ジャブとボディを丁寧に当てていきます。ここ最近のラミレスの巧さが際立つ戦い方にシフトしているイメージ。
やや落ち着いた展開ですが、ジワジワと主導権を奪いにきている感じがします。
4R、ドルティコスがプレッシャーを強め、右ボディから左フックと繋げて積極的に攻めます。ラミレスはガードを固めて冷静に対応し、相手の入り際に左のカウンターアッパー。
特に中盤、ラミレスの左ボディから顔面へのワンツーが冴えており、打たれても慌てないラミレスの落ち着きが印象的です。
5R、ラミレスが距離感を掴んできたのか、ジャブからの左ストレートがよく当たり始めます。右フックで牽制しながら左ボディを差し込むなど、バリエーションのある攻めを展開。ドルティコスも右オーバーハンドで一発逆転を狙いますが、なかなかクリーンヒットには繋がりません。
6Rはちょっと膠着気味。ラミレスは左ジャブと前後のフットワークでコントロール。ドルティコスは右ストレートを強振しますが、空振りが目立ち、攻撃が単発になっています。中盤、ラミレスが左アッパーからの左ボディを決めた場面は見事で、会場からも歓声が上がっていました。
7R、ラミレスが一段ギアを上げて、攻撃のテンポを速めます。開始30秒、左ボディ→左ストレート→右フックと繋ぐ鋭い連打。ドルティコスはガードを上げて耐えますが、動きが鈍くなってきています。特に終盤、ラミレスがドルティコスをロープに詰めての連打は圧巻でした。体力的にも技術的にも差が見え始めた印象です。
8R、ドルティコスが意地を見せ、序盤から右ボディから左フックを力強く振ってきます。
しかし、ラミレスは被弾しても落ち着いており、左右のフックを交えながらドルティコスを押し返します。中盤、左ボディがドルティコスの動きを止めたかのような場面もありました。ドルティコスはちょっと蓄積してきたのか?
9Rに入るとドルティコスは明らかに手数が減り、防戦気味に。このラウンドでは、ラミレスの左ストレートが顔面を的確に捉えるシーンが何度もありました。コンビネーションで崩し、最後にボディを入れる丁寧な攻めが目立ち、もう一段差が開いた印象です。
10R、序盤、ドルティコスが下を狙った右ボディがローブローと判定され、ついに減点。これで明らかに集中が乱れたのか、ラミレスの左アッパーと右ボディを立て続けに浴び、防御一辺倒になります。ラミレスはペースを崩すことなく、コンスタントに手を出し続け、ラウンド終盤には顔面への右フックがクリーンヒット。
11R、チャンピオンシップラウンドに入るところで、すでに勝敗は決定的。ドルティコスはがむしゃらに行くしか無いという状況。
しかし変わらぬペースのラミレスに対し、ドルティコスはすでにいっぱいいっぱいで、手が出ません。中盤、ラミレスの左ボディが深く入り、顔をしかめるドルティコスの表情が映し出されました。一発逆転を狙うドルティコスでしたが、足がついていかず、際立つのは「スルド」ラミレスの安定感。
ラストラウンド、ドルティコスのファイナルアタック。この強引なパンチをバックステップ、ブロッキングで冷静に対応したラミレスは、やはり左ストレート、ボディショットをヒット、ラストラウンドも優位に進めました。
非常に冷静さが光るラミレス、円熟味を増しているというイメージですね。
判定は、117-110、115-112×2でラミレス。ラウンドバイラウンドで振っていけば、115-112は妥当なのかもしれませんが、もっと差があったという印象は否めません。
言ってみればラミレスの完勝であり、ドルティコスはタフさを有していたものの、やはりほとんどのラウンドでペースを掴まれ、コントロールされていた、と言えます。
やはり強い、スルド・ラミレス。円熟期に入っていると言えるラミレス、なかなか崩すのは容易ではありませんね。パンチャー、ジャイ・オペタイアとの王座統一戦はスタイルメイクスファイト、どちらのボクシングが上回るかという戦いになりそう。
是非ともこの統一戦を盛り上げて、その後に控えるであろう勝者のヘビー級デビューに華を添えてほしいものです。今年中に実現はできるのでしょうか。
ジェイク・ポールvsフリオ・セサール・チャベスJr.
ジェイク・ポールが判定勝利とのこと。チャベスJr.、何をやってくれてんの。
MMAファイターに負け、Youtuberに負け。もはやボクサーのアンダードッグではなく、エンタメファイトのアンダードッグと化した伝説の息子は、もうこれはこれで新たな伝説なのかもしれません。
【宣伝】
日本で手に入りにくいボクシング用品のセレクトショップやってます。
ぜひ覗いてみてください。