今週末はダイナミックグローブ、李健太や藤田健児の登場は楽しみではありますが、これぞ、と目を引くようなマッチアップではありません。
理由としては、この二人のボクサーの対戦相手のことをよく知らないからで、だからこそものすごく強い、なんてこともあるかもしれませんが、戦績だけを確認するとそうはならない確率の方が高い。
セミセミの荒本一成vs中田勝浩というのは良いマッチアップで、荒本にとって試される一戦になりそうです。
その程度のことしか書くことができないので、今回のブログはいくつかのニュースをピックアップ。

IBF世界スーパーライト級挑戦者決定戦
強豪だらけの世界スーパーライト級戦線に、これまた楽しみなエリミネーション・バウトが決まりそうです。
IBFが指名したのは、元王者、リアム・パロvsリンドルフォ・デルガド。
我らがサブリエル・マティアスにビッグアップセットを起こし、IBF世界スーパーライト級王者となったパロは、初防衛戦でリチャードソン・ヒッチンズに敗北、虎の子のタイトルを失ってしまいました。
つい先日の6/25、ジョナサン・ナバロに5RTKO勝利で再起、そこから1週間ほどでIBFは指名戦をオーダーしました。
その相手が23勝16KO無敗のプロスペクト、リンドルフォ・デルガド。
30歳のメキシカンは、リオ五輪にも出場した元トップアマで、いくつかの苦戦も経験しながら戦績を積み重ねてきました。
メキシコのマチズモを体現するような、前に前にでるプレッシャーファイターで、パワーパンチャーです。
パロは非常にバランスのとれたボクサーファイターで、マティアス相手にも怯まなかったハートの持ち主。たとえ無敗のプロスペクトだろうとも、そのアクション満載のボクシングは冴えわたるような気もするし、やっと掴んだチャンスをデルガドがモノにしそうな気もします。
直近の試合を見ると、デルガドのパフォーマンスは素晴らしいものだったとはいえず、キャリア最高の相手だったエルビス・ロドリゲスに2-0の辛勝。だからこの試合はパロ優位、と出るかもしれませんが、この試合は本当にわかりません。
そしてこの勝者は、IBF王者のリチャードソン・ヒッチンズに挑むことになります。
ヒッチンズはカンボソスを相手に非常に見事なボクシングを披露しましたが、どちらかというとデルガドのようなパンチャータイプは苦手で、パロのようなオーセンティックなボクサーは得意としているような感じもします。
パロが勝ったらリベンジチャンス、デルガドが勝ったら一世一代の大勝負。いずれにしろ、この試合の結果は今後のスーパーライト級戦線を大きく左右しそうです。非常に楽しみですね。
そういえば平岡アンディの発表はまだでしょうか。。。
ジェイク・ポールが世界ランカーに
さすがWBA、とも思うのですが、他にも続く団体はいるかもしれません。
前戦でフリオ・セサール・チャベスJr.に勝利したジェイク・ポールが、WBA世界クルーザー級14位にランクイン。これにより、ポールは世界挑戦が可能になった、ということです。
試合前から勝てば入るんじゃなかろうか、と言われていましたが、入ってしまいました。
エンタメファイトの域を出ないモノに勝利したからといって、世界ランクというのは与えすぎです。
伝説の「JCスーパースター」の息子であるチャベスJrはもう39歳で、元ミドル級のボクサーです。そのミドル級のボクサーに勝ったからといって、クルーザー級でランクインというのは如何なものか。
この試合自体は、(PPVを購入したにも関わらず)見ていませんが、ジェイク・ポールが真摯にボクシングトレーニングしているというのはその試合を見ればわかること。だから出自がどうあれ、文句を言うつもりはないのですが、それにしたってまだまだ世界ランクに名を連ねるには実績不足が否めません。
ここで世界挑戦、しかも相手はジャイ・オペタイアが所望するヒルベルト「スルド」ラミレスがターゲットということになれば、せめてあと1〜2戦、ちゃんとした世界ランカーを相手にしてからにしてほしい。世界ランク14位の選手を挑戦者に選んだとなるとスルドの株も下がるし、ただただ金を稼ぐためだと言われても致し方のないことだと思います。
ともかく、WBAは「さすがWBA」という評価を降し、ジェイク・ポールを世界ランクに入れてしまいました。RINGは新たな王座をつくるより、WBAを是正する方に動いてくれれば良いのに。
坂井優太、カネロvsクロフォードのアンダーカードに?
と、そんなわけはない。なぜなら坂井は8/21(木)の後楽園ホールに出場予定だからです。そのわずか3週間ほど後に行われる、アメリカ・ラスベガスの興行に出場できるか、というと基本的には難しい話。
しかし、この日本のスーパーホープにトゥルキ・アラルシクは熱視線、9月のカネロvsクロフォード、そして12月の井上vsピカソのアンダーカードに出場してほしい、とメディアに発信しています。
で、RINGのアンバサダーにもなってほしい、と。
RINGのアンバサダーって結局何をすることなんだろうか。。。とは思いますが、まだ20歳の坂井にとって、これはビッグチャンスです。
8月の坂井の戦いがキャリアにとって非常に重要なものではない限り、もしかしたらこの8月の試合を蹴ってカネロvsクロフォードのアンダーカードに出場する方が今後のキャリアに活きるのではないか、と思います。
8月の試合を確認すると、相手は中国人で、54.5kgの契約ウェイトの試合。
ただキャリアを積ませるだけの試合であれば、ホールでやるよりも世界に打って出たほうが良い。
そう簡単に断ったりは出来ないのは重々承知ですが、ここは損得をしっかり考えて結論を出す、でも良いのではないかと思います。おそらく短くとも後数年はトゥルキの天下は続くのだから、ここで恩を売っておくのは良いことでしょう。アンソニー・ジョシュアのような金魚のフンになりさえしなければ、使えるものは使っておくべきだと思います。
ブライアン・ノーマンJr.はやはり
WBO世界ウェルター級王者、ブライアン・ノーマンJr.というボクサーは、やはり非常に好むべきボクサーです。
前戦で佐々木尽をKOオブ・ザ・イヤー級の倒し方で圧倒したノーマンは、次はデビン・ヘイニーとの戦いが予定されています。
そのデビン・ヘイニーというボクサーは、そのファイトスタイルや試合内容において好まれるボクサーとは言い難く、スキルこそ認められて入るものの、いつもその顎には疑問がついてまわり、臆病者のレッテルさえ貼られているボクサー。
かくいう私だって好きなボクサーとは言えませんし、「負けるところが見たい」と思わせるようなボクサーです。
しかし24歳なのに人間が良くできたノーマンはそうは言わず、それはライアン・ガルシアに何度倒されても立ち向かったこと、そして今回、ノーマンと戦う決断をしたことが理由だそうです。
確かに、ヘイニーは臆病者ではないかもしれません。ノーマンの言う通り、「ヘイニーがオファーを断った」という話は聞かないし、ロマチェンコとだってオーストラリアで戦いました。これを臆病者とするならば、ボクサーの殆どは臆病者と呼ばれるべきでしょう。
そのリングの振る舞いは自らのボクシングを貫こうとしているだけにすぎず、自身の打たれ脆さを自覚してのボクシング。自分の得医を押し付け合うのがボクシングだから、必然的にそうもなるのでしょう。
ということで、ブライアン・ノーマンJr.が認めているから、ファンとしても認めざるを得ない、みたいな雰囲気が、このボクサーにはあります。
ノーマンがエニスのオファーを受けなかったからと言って、「もっと自身の価値を高めてから」といえばああなるほど、と思うし、「オファーのタイミングが悪かった」(すでに佐々木との対戦を決めていた)といえばそうだよね、となります。
やっぱり、この規律正しいボクサーを我々特に日本のボクシングファンはきっと好きです。
後はこの試合が決まったとすれば、また逃げ回るであろうヘイニーに対して、ブライアン・ノーマンJr.が一発を当てられるかどうかの戦いになります。
いずれにしろ、この戦いは(あとはヘイニー次第のところもありますが)両者がお互いへの経緯を持って臨む試合になってほしい。王者の方が歩み寄っているのだから。ヘイニーが自ら敵をつくるようなバカではない、ということを祈りつつ、この試合の正式発表を待ちましょう。
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