7月に入り、毎月の第一土曜日はダイナミックグローブです。
配信プラットフォームがU-NEXTに代わって以降、好マッチアップが実現しています。
今回はメインイベントが李健太、ただし相手の質はさほどでもありませんから、昔ながらの「帝拳版」にやや近い印象ですね。
ただ、ボクシングはやってみなければわかりませんから、大きな波乱が起こらないとも限りません。
ということで今回のブログは、7/5に行われたダイナミックグローブの観戦記。

7/5(土)ダイナミックグローブ
荒本一成(帝拳)2勝(1KO)無敗
vs
中田勝浩(井岡弘樹)9勝(5KO)7敗
元トップアマ、荒本はまだプロで本領を発揮できていない、と思っています。そんな荒本の初の日本人対決は、中田勝浩。
中田にとっても大きなチャンスですから、モチベーションは高いでしょう。
初回、まずはリング中央でジャブの差し合いからスタート。荒本の方が左が多彩、中盤にはやや近い距離で荒本の左ボディが印象的です。
中田としては前半しのいでの後半勝負でしょうか、だとすればそれまでにしっかりと荒本を削らなければなりません。が、荒本はマイペースで戦っているように見えます。
2R、中田の攻撃を外して力強いコンビネーションをリターンする荒本。やはり素晴らしい技術を持っています。近い距離でも固いブロッキングのあとにリターン、中田もガッチリとガードを固めるも、押されています。
3R、中田の右に左フックカウンターをあわせます。このラウンドは中田のパンチもこれまでよりもヒットしたように感じましたが、後半、荒本の強い左ボディがヒットすると、中田は一瞬動きが止まったか。
4R、お互いに近い距離でもちゃんとジャブが出る、良いですね。その中でもタイミング的に速いのは荒本、そして的確なのも荒本。
ただ、馬力やキャリアというもので上回る中田、手数も多く出ていますね。
5R、このラウンドも荒本の攻勢が目立ちます。ラッシュをかける場面もあり、前ラウンドは少し休んでいたのかもしれません。
コンビネーションで出すパンチのアングルは見事。
6Rも展開は変わらず、荒本は圧倒しつつも中田が諦めない、という展開。ポイントは荒本に流れていると思うので、中田は変えていかなければなりません。
7R、中田は右のショートフックを力強く放ちますが、これは荒本のガードの上。一発では荒本に当てることができず、中田には連打が必要ではないでしょうか。
中盤、中田の4パンチコンビネーション、これは上手くヒットしましたが荒本は怯まず。
ラストラウンド、行くしか無い中田はハナからチャージ。こうやってパンチをつなげていけばヒットを生む可能性は大きく上がると思います。ただ、荒本がダメージを受けているようには見えません。
それでも攻めざるを得ないのは中田にとって仕方のないことで、このラウンドは攻め続けてゴング。
判定は、78-74、79-73、80-72、3-0で荒本。
やっぱり巧い、荒本一成。中田もハートを見せましたね。
WBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルマッチ
藤田健児(帝拳)8勝(4KO)無敗
vs
シム・ハノク(韓国)12勝(6KO)2敗
藤田健児、アジアベルトの3度目の防衛戦は、韓国フェザー級王者のシム・ハノク。韓国ボクサーだから肉体的にも精神的にもタフさがあるのでしょうから、ここは完勝を目指してほしいところ。
初回のゴング。シムはサウスポーです。なかなかキビキビした動きをしていますね。
ラウンド前半から左のスイングを振ってきてこれはなかな鋭い。それをすっと距離ではずす藤田、滑らかなコンビネーション。
シムは近い距離でも奥の手のフックを使っており、これはかなり怖いパンチ。足のスピード、全体的な体のスピードもなかなか速いですが、藤田がこれに驚くことはなさそうです。
2R、追い足もあるシム、かなり強引な前進!これを得意のステップで躱す藤田、そしてアッパーをヒット。その後も絶妙なタイミングで貫通力のある右ジャブでシムの顔を跳ね上げた藤田、動いて打つ、打って動く、これは見事。
後半にもシムのジャブに対して左のクロス、ハノクも同様にオーバーハンド気味の左をヒットし始めたか。藤田はここで強気に打ち合う場面も見せます。
3R、テクニシャンを相手に強引に攻める、というのはある種の定石ですから、かなり怖さのあるシム・ハノク。しかし藤田のディフェンス能力はそれを上回っているように見え、当然ガチンともらってしまと怖いですが、接近戦での立ち回りも藤田が上手い。
中盤以降は打撃戦、ここではシムの強いパンチもヒット!結構危ないタイミングでもらい始めた藤田ですが、アッパーを含めてアングルのつけたパンチをコネクトすると、後半に密着状態から小さなバックステップ、からの左ストレートでダウンを奪取!!
立ち上がったシムに攻める藤田ですが、シムがここでクリンチで時間を稼ぎ、エスケープ。
4R、シムはダメージから復活したのか、それともファイナルアタックなのか、強引に攻めてきます。藤田はコンビネーション、打ち分けが良い。
体が流れつつもパワーパンチを放ってくるシム、藤田も退くことなくリターン。
5R、開始早々に藤田のジャブにシムの左クロス!これも危ないタイミング。
接近戦でも藤田の右ボディに対して左のショートフックをあわせるシム、ここに来てタイミングを掴んできたのでしょうか。
しかしこの近い距離でシムのジャブを外し、左右のボディを叩きつける藤田、これでシムの体はくの字!右のボディショットを見舞うと、一瞬動きの止まったシム、ここを見逃さない藤田は追撃のボディを入れるとシムは下がりながらダウン!!!
立ち上がったシム、残りは2分以上!しつこくボディを攻める藤田、これでシム・ハノクは立ち上がれず、藤田健児のKO勝利!!!
藤田健児、5RKO勝利!
巧さだけではなく、強い藤田健児でした。こういう荒々しいファイターをガチッと受け止めて、結果的に打ち勝った、というのはこれまでの藤田の試合では見られなかったことです。
これは素晴らしい勝利、WBOのランキングでは4位、チャンピオンはラファエル・エスピノサ。ひと皮剥けた感じのある勝利、スピリチュアルにはハマらない方が良いとは思いますが、今後に期待しましょう。
李健太(帝拳)9勝(2KO)無敗1分
vs
リマール・メツダ(フィリピン)17勝(11KO)9敗1分
日本スーパーライト級王者、李健太。この階級ではこの島国のベルトをいくら守ったとしても、世界に注目されることはないですから、どこかでステップアップファイトに臨んでもらいたいところです。
戦績を見る限り、今回のリマール・メツダはその相手ではありません。ここは勝ち方が求めらる戦いのはずです。
初回、この戦いもサウスポー対決です。ジリジリと前に出てくるメツダ、ゴンテは鋭いジャブで牽制。
身長差、リーチ差が大きい分、メツダからするとかなり遠く感じるか、前には出るもなかなか手が出ませんね。時折ぐいっと入ってくるメツダ、ショートになるとそのパンチは怖いですね。
2R、やはり突進力のあるメツダ。プレッシャーも強いか、ゴンテは詰まることは少ないながらも、プレッシャーを感じているかもしれません。
しかし遠い距離からではゴンテの長いコンビネーション、これにはメツダは固いブロッキングでしのぎますが、手を出すことはできません。
3R、遠い距離からのコンビネーションはメツダの固いガードに阻まれるため、前に来るメツダに対して受け止める事が多くなってきたゴンテ。
ボディの打ち合い、そこにカウンターを合わせようとするゴンテ、相打ちのタイミングで打ってくるメツダは怖さがあります。
4R、中間距離からのゴンテのコンビネーションは良いですが、メツダのガードはかなり固い。全然ブレませんね。左のボディ、右のアッパーを含めて様々アングルをつけて攻めるゴンテ、これにもメツダは動じず。
ただ、メツダは近寄らなければパンチを出すことすらできないので、このままの流れでも問題はないでしょう。
5R、長い距離でスタートしたゴンテ、近い距離では強い左右のボディ。
しつこくボディを打つゴンテ、後半にはちょっとメツダは固まってきたように見えます。
6R、ゴンテがチャージ。ワンツーから入り、頭をつけてボディショット!
メツダが押し込まれる、という場面が出てきており、メツダの体にちょっと力がなくなってきたような感じ。メツダの手数は減っていますが、強引に降ってくる一発はまだまだパワー、タイミングともに怖いもの。
しかし後半、ゴンテはアッパーを起点としてラッシュ、メツダの顔面を幾度も跳ね上げます。これはボディショットの効果、顔面のガードも落ちつつあるのかもしれません。
7R、近い距離、この距離でもゴンテのコンビネーションが良い。アッパーで体勢を崩してパンチをつなげ、前半床となりメツダのバランスを大きく崩すことができています。
メツダも強い左を返す等してまだまだ心折れる素振りは見せません。
8R、メツダがパワーパンチを打ち込んできます。ゴンテはこのラウンドは中間距離で戦うことが多いですが、後半にはまた接近戦でボディ!
これで手が止まったメツダに対してゴンテはチャージ、しかし折れるかと思ったメツダはまだまだ持ち直し、パンチを返してラウンドを終えています。
9R、ジャブから始めるゴンテに対して、メツダはパワーパンチ。メツダのフックでゴンテがバランスを崩す場面があり、もしかするとこのパンチをガードの上からでも受け続けたことでダメージはあるのかもしれません。
おそらく近い距離ではリターンの右フックも狙っているゴンテですが、この相手にはそれも危険。
ゴンテが近い距離でボディを叩くと、メツダも強い左フックをリターン、このパンチはこの試合を通じてそれなりに入っており、このラウンドにくると疲労もあってかなりきついのでは。
ラストラウンド、近い距離で互いに手を出す打撃戦、ゴンテが効かせてラッシュをかけるも、ここでメツダも同時打ちのカウンターをヒット、今度はゴンテがダメージを受けます!
しかしもう一度アタックするゴンテ、ボディを効かせてラッシュをかけると、メツダはまたもパワーパンチを返して押し返す!
最後の最後まで怖さのあるメツダ、ゴンテも真正面から打ち合ってゴング。
判定は、97-93、98-92、99-91、3-0の判定で李健太。
ラウンド-バイ-ラウンドで採点すれば、これは当然の結果なのでしょうが、とにかく怖さのあったメツダ。ちょっとタフ過ぎましたね。
ともあれ、完勝の李健太、反省の弁が口をついてでますが、この相手は非常に難しい相手だったと思います。
戦績こそ大したものではありませんが、このメツダは調べてみるとKO負けは1度しかないというタフな相手で、ここ最近はウェルター級で戦っていることが多いというボクサー。
ここで良い戦いを見せられなくとも、この次がビッグマッチ。強敵相手にこそ、真価を発揮することを期待しましょう。
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