絶対的な王者がいない階級、フェザー級。
色とりどりのチャンピオンたちが織りなす、国際色豊かなこの階級は、日本人にとって手が届きそうで、それでも届かない階級でもあります。
来年か再来年には井上尚弥が進出しそうなこの階級は、その時に王者であることが非常に重要で、そうするとビッグマネーを手にする確率が非常に上がる、ということが明確です。
5月には中野幹士、そしてつい先日は藤田健児が良い勝ち方でアピールをし、日本人ボクサーの進出も大変に期待できる今日、今回のブログはフェザー級のトップ戦線について見ていきます。

No.1はラファエル・エスピノサ!
群雄割拠というにふさわしいフェザー級において、現状、非常に安定的なパフォーマンスを発揮し続けているのがラファエル・エスピノサ。ロベイシー・ラミレスに2度勝利しているこのボクサーを除いて、フェザー級最強は議論することができない、という意味において、ラファがこの階級最強であることは理屈が通ることです。
激闘型のエスピノサは試合も面白いですし、簡単には負けそうにない、ハートの強い王者です。
次点にアンジェロ・レオ、東アジアの血も引いているヒスパニック系のアメリカ人、そして英国の弾丸ファイター、ニック・ボールへと続きます。
ここまででも非常に個性豊かなボクサーたちが続くわけですが、このTOP3に共通するのはハートの強さ、というところでしょうか。
個人的にはレオはもっと下でも良い気もしますが、ルイス・アルベルト・ロペスを素晴らしいノックアウトで破った試合を考えるとここが妥当かもしれません。対してボールはファイトスタイルはエネルギッシュで素晴らしいものですが、接戦も多く、常に同じ戦いしかできないという幅の狭さがあるため、いつ攻略されてもおかしくないボクサーでもありますね。
それらを鑑みるとエスピノサがトップ、ということに異論はないでしょう。
ロペス、フィゲロア、ラミレスの捲土重来の可能性
元IBF王者のルイス・アルベルト・ロペス、元WBC王者のブランドン・フィゲロア、元WBO王者のロベイシー・ラミレス。それぞれアンジェロ・レオ、スティーブン・フルトン、そしてラファエル・エスピノサに王座を奪われています。
まず「ベナド」ロペスは、2024年8月、レオにまさかの10RKO負け。しかもこの試合で脳内出血という報道がなされ、本来であれば引退勧告されるべきものです。そこからわずか8ヶ月で復帰、初回KO勝ちということなのでその影響は全く見て取れず。脳内出血という情報が誤報でなければ、まだまだ経過観察が必要ですし、もしかすると厳しいコミッションの州では試合出場ができないかもしれません。
続いてブランドン・フィゲロアは、今年2月、スーパーバンタム級時代に敗れているスティーブン・フルトンとの再戦で敗北、王座を奪われています。階級をフェザー級に移し、フィゲロア優位かと思われた一戦でしたが、初戦よりも大きく差をつけられての判定負けには驚きましたね。苦手意識があるのか、それともトラブルを抱えていたのか、もしくはフルトンがそうさせなかったのか、いずれにしろこの日のフィゲロアの動きはいつもとは異なるものでした。
フルトンはスーパーフェザー級転級という動きがあるので、フィゲロアにはまだチャンスがあるのかもしれません。
次戦は7/19(日本時間7/20)、ジョエト・ゴンサレス戦ですから、ここには絶対に勝利して浮上したいところですね。
そしてロベイシー・ラミレス、2024年12月にエスピノサとの再戦に敗れてから、半年以上のレイ・オフ。しかもその負け方としても良くなく、自らのノー・マス。懸命な判断だった、といえばそうなのですが、良い負け方ではありませんし、その怪我の影響か復帰も遅れています。
暫定王座戦!
さて、現在の状況を考えると、もうすぐWBCの王座が空位になる状況です。このWBCにはレイ・バルガスが休養王者として名前がありますが、もう1年4ヶ月試合をしておらず、休養しすぎですね。
このボクサーの動向はもうずっと以前からどうでも良いですが、WBCはメキシカンを優遇する傾向があるのできっとこのままでしょう。彼がリングに上がりたくなればその時の世界王者と一戦交えるのかもしれません。
ともあれ、WBCの現在のランキングは、1位にブルース「シュシュ」カリントン、もはや日本でもおなじみのボクサーかと思います。
このカリントンは7/26(日本時間)、WBCの暫定王座決定戦。相手はランキング下位のボクサーという「カ◯ダ方式」なのであまり興味の湧くものではありませんが、大事なのはその次です。
カリントンが暫定王座を獲得し、フルトンが正規王座を返上し、カリントンが正規王者に昇格後、挑戦者として迎える相手は誰なのか。
現状、WBCのランキングでは1位がカリントン、2位にナサニエル・コリンズ、そして3位にブランドン・フィゲロアです。
時期にもよりますが、このいずれかを指名挑戦者として迎える可能性が高いのではないでしょうか。
ナサニエル・コリンズはスコットランドのボクサーで、前戦でリー・マグレガーとの同胞対決、キャリア最大の一戦でキャリア最高のKO勝利(4RTKO)を挙げ、世界トップ戦線に浮上しています。
英国によくいるようなプレッシャーファイターでもオーセンティックなボクサーファイターでもなく、広いスタンスからスピーディなパンチを繰り出すコンビネーションパンチャー。足を使うというイメージはなく、アグレッシブさを持つ、バランスの取れたボクサーファイターだと思います。
そして暫定王座といえば、この暫定の申し子、WBAも当然暫定王座戦をセット。
WBAの正規王者は元気いっぱいに防衛戦をこなすニック・ボール。なぜ暫定が必要か、というのはもはや語ることすら面倒なことですが、いずれにしろWBAは承認料取得のために暫定が必要なのです。
ということでボールへの挑戦権をかけた暫定王座戦(挑戦者決定戦)は、メキシコのミルコ・クエジョとオマール・トリニダードがピックアップされる、とのこと。
クエジョはWBAのトップコンテンダー、2位にカリントン、3位にオタベク・ホルマトフ、4位にイライジャ・ピアーズと他に色々いるわけですが、現在10位にトリニダードが選ばれたのはよくわかりませんが、このオマール・トリニダードは実績もあるし良いコンテンダー。
トリニダードはIBFでも2位なので、そのうちチャンスが巡ってきそうですが、ここで無敗コンテンダー同士の戦いを選ぶのでしょうか。いずれにしろ、このWBA世界フェザー級の挑戦者決定戦は楽しみですね。
ニッポンのフェザー級
日本国内でチャンスを待ってもなかなか現れないのがこのフェザー級です。
ここ最近でフェザー級の世界挑戦を成し遂げたのは阿部麗也、日本とアジア王座を獲得し、強敵を相手に防衛、挑戦者決定戦で元世界王者の強豪を降し、IBF王座挑戦にこぎつける、というある種理想的な展開でした。
それでも届かなかった世界王座。阿部にフィジカルが足りなかったというのは明らかですが、挑戦する王者によって相性というものも存在し、ロペスに対して阿部はやはり相性が悪すぎた、とも感じます。
そういえば越本隆志がフレディ・ノーウッドに挑戦したときも同じことを思ったわけで、調べてみればもう四半世紀前、そこから変わらないテーマとも言えそうです。
そして最も最近でフェザー級の世界挑戦を成し遂げたのは亀田和毅、こちらは挑戦者決定戦のやり直しみたいな道を辿っての挑戦。相性で言えば十二分すぎるほどのチャンスがあったと思いますが、それを活かせず判定負けを喫し、王座獲得ならず。
さて、おそらく息の長い王者にはなりそうにないアンジェロ・レオ、応援こそしていますが、このレオの防衛戦は奪い合いの感じが強い。
IBFランキングを見ると日本のトップは松本圭佑ですが、松本はウェイトオーバーで日本王座を返上、再スタート待ちです。
7位に亀田和毅で8位に中野幹士、中野が8/2(土)ダイナミックグローブ出場とのことですね。この中野と先日素晴らしい勝利を得た藤田健児、帝拳の両アジア王者たちは、世界への最右翼。
良い位置までつければ、フェザー級とはいえども早々の世界王座挑戦が可能でしょうから、あとはパフォーマンス次第というところが大きいはずです。その意味で、ひと皮剥けたというイメージを感じさせた藤田の先日のパフォーマンスは大きな一歩だと思いますし、中野のラスベガスでのパフォーマンスも同様です。
願わくば、日本人同士のサバイバルマッチもみたいものですね。
日本王者の阿部麗也、そしてその阿部とドローの清水聡。そして世界挑戦に失敗した亀田和毅、このあたりは国内でその強さをさらに見せてから世界戦線へと進んでもらいたいところ。中野、藤田からするとあまりやる意味がないような気もしますが、帝拳ジムにいて日本人同士のサバイバル戦を勝ち抜けば、帝拳パワーだのと文句をいう人もいないでしょう。
あと、他の日本人で言えば大湾硫斗がWBOランキングに入っていますね。今年2月、WBOグローバルタイトルを獲得したというのが大きいようです。大湾は国内でのタイトル獲得経験がまだないですが、日本国外であればエスピノサ挑戦は可能。当然、今すぐに行くべきではないでしょうが、こちらも今後が楽しみなボクサーです。
さて、まずはこの夏に行われる暫定王座決定戦の行方を見守り、今後日本人ボクサーがどのように絡んでいけるのかを楽しみにしていましょう。
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