日本時間7/20は、猛烈なボクシングデイ。
Amazon Prime VideoのPPV(日本ではWOWOW)で中継されるボクシングイベントはPBCファイトはマニー・パッキャオvsマリオ・バリオス、メインは置いておいて他にも興味深い試合が盛り沢山。
そしてすでに11月の試合の正式発表があったジェシー「バム」ロドリゲスがWBO王者、プメレレ・カフとの統一戦に臨む興行。
これらのアメリカ興行に加え、イギリスではオレクサンドル・ウシクが再び4団体王座統一に臨む、ダニエル・デュボア戦です。
ビッグマッチが多すぎて、日程かぶりがキツいボクシング界、世界中で配信されるからこそ追いきれませんね。
ということで来週いくつかアップするであろうプレビューは、まずウシクvsデュボアからいきましょう。

7/19(日本時間7/20)ウェンブリー・スタジアム
世界ヘビー級4団体統一戦
オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)23勝(14KO)無敗
vs
ダニエル・デュボア(イギリス)22勝(21KO)2敗
マイケル・モーラーが史上初めてサウスポーの世界ヘビー級王者となってからもう30年超。時の経つのは早いものです。
生粋のヘビー級ではなく、スピードやスキルでヘビー級のパワーに対抗した、という点においてウシクと似たところがあると思いますが、現代のヘビー級のトップボクサーたちを次々と倒し続けているウシクの方が偉大に思えます。
ヘビー級転級時、この階級ではやはり身長も体重も足りず、苦労しそうだったウシクでしたが、アンソニー・ジョシュアを2度退け、ダニエル・デュボアにストップ勝利、そしてタイソン・フューリーにも2度勝利。
しかもフューリーとの再戦では50lbs以上ものウェイト差を覆しての判定勝利、階級制というスポーツの根幹を揺るがす出来事でした。
191cmとこの階級では大型とはいえない上、もう40代も目前のボクサーが、あの運動量であのスピードで動き回る姿は、かつてのヘビー級とは一線を画すものです。
パウンド・フォー・パウンドランキングではトップに君臨しており、「あと2戦で引退」をほのめかしているものの、今回デュボアに勝利することで(その勝ち方次第ではあるものの)今年もファイター・オブ・ザ・イヤーを獲得する可能性がある、そんな実績の持ち主です。
昨年は5月と12月にフューリーと戦い2戦、今年はこの7/19が初戦となっており、最後と思われる戦いは今年中なのか来年になるのか、微妙なところでしょう。
さて、ダニエル・デュボアは私もプロスペクト時代から応援しているボクサーで、戦績の通りの破壊力を持っているボクサー、ニックネームは「ダイナマイト」、ダニエル(D)・ダイナマイト(D)・デュボア(D)でDDD、「Dの一族」ですね。
比較的オーセンティックなボクシングができるタイプのヘビー級ファイターで、バランスが非常に良いのですが、唯一のウィークポイントとしてはやはりハートの部分でやや頼りないところが目立つところ。
過去、幾度かデュボアはキャンバスに膝をついていますが、自ら倒れたような場面も多い。戦略的なものも多いのかもしれませんが、それは頭でわかっていても「戦士」を自称するボクサーたちにはできないこと。冷静、といえばそれまでなのですが、いくつも不可解なダウンを喫しているのは気になるところです。
たとえばジョー・ジョイス戦ではもう目が見えなかったとはいえ、自ら膝をつくダウンを喫していましたし、後述するケビン・レリーナとの戦いでも自ら倒れたように見えました。
ウシクとの戦いでも最後の右フック、効いていたのでしょうが、すでに集中力も闘志も切れてしまったような感じで、立ち上がるもレフェリーストップ。「心が折れた」状態をレフェリーに見抜かれたようなストップ負けでした。
しかし、この2023年8月のウシク戦後のキャリアは格別です。
ジャレル・ミラー、フィリップ・フルゴビッチといった無敗のヘビー級をノックアウト。しかも、早いラウンドで倒すボクサーだったデュボアが、この2試合に関してはミラー戦で最終10R、フルゴビッチ戦では8RでTKO勝利を上げており、新たな扉を開いた、と言えるかもしれません。
そして昨年9月、アンソニー・ジョシュアを4度倒しての5RTKO勝利、見事にウシクへの挑戦権を獲得しています。
まだ27歳、前戦から考えると伸びしろがあったのは間違いなくデュボアの方でしょう。
ウシクが勝利したとして、フューリーとのトリロジーを見たいか、というと否。かといって、ウシクにはもう戦う相手がいないのも事実。ラストファイトとなるのであれば、名のある相手でなければならいとなると、(フューリーが復帰するのであれば)フューリー戦が濃厚です。
だとすれば、デュボア勝利の方がヘビー級が盛り上がることは間違いありません。
ウシクには無敗のまま有終の美を飾ってもらいたいのが半分、デュボアの奇跡に期待するのが半分。
非常に楽しみな一戦です。
ローレンス・オコーリー(イギリス)21勝(16KO)1敗
vs
ケビン・レリーナ(南アフリカ)31勝(15KO)3敗
元WBO世界クルーザ級王者、ローレンス・オコーリーのヘビー級転級3戦目。ヘビー級での過去2戦は2連続初回KO勝利、圧倒的な実績を残しているものの、実のところはまだわからない、というのが現状です。
オコーリーは2021年3月、クリストフ・グロワキを倒してクルーザー級の世界王者となり、その後3度の防衛に成功。しかし2023年5月、4度目の防衛戦で迎えたクリス・ビラム-スミスに判定負けを喫して王座陥落。3度だったか?ダウンを奪われる完敗で、当然3度のダウンから立ち上がって戦ったことは認められるべきですが、打たれ脆さを露呈したことは事実。
この打たれ脆さはヘビー級では致命的と思われましたが、その後の2戦が初回TKO勝利のため、この部分は全く試されないままここまで来ています。
さて、驚くべきはこのオコーリーの体重遍歴で、ビラム-スミス戦から1年がたったヘビー級初戦(2024.5.24ルーカス・ロザンスキ戦)で223.5lbsだったウェイトが、その半年後の2戦目(2024.12.7フセイン・モハメド戦)では260.75lbsにまで激増していることです。
増えるなら1年あって、かつ、200lbsリミットで減量もあったはずのクルーザー級からが大きく増えるのが当然のように思いますが、わずかハントして40lbs近い増量というのは一体何なのか謎。相手のウェイトに合わせてきたのでしょうか。
ちなみにレリーナはいつも220-230lbsぐらいで戦っているので、オコーリーのウェイトがいくつなのかはちょっと注目しておきましょう。
さて、ケビン・レリーナ、これまでの3敗のうち1敗はキャリア初期の2014年に喫したもので、もう一つは2022年12月にダニエル・デュボアに3RTKO負け、最後は2024年3月にジャスティス・フニに判定負けを喫した試合です。
非常に謎なのがデュボア戦で、初回にレリーナはなんと3度もダウンを奪い、デュボアをKO寸前まで追い詰めています。
この時、足を怪我でもしたのか、それとも完全に効いていたかもしれないデュボアでしたが、レリーナはここを攻めず、結果3Rで倒されています。あの時、明らかに足元が怪しかったデュボアを一気に攻めていれば試合は終わっていたはずですが、そうしなかったケビン・レリーナ、勝つ気が無いようにすら見えてしまいました。
↓観戦記
この件があったからこの名前はよく覚えているわけです。
ジャスティス・フニ戦は見ていませんが、ジャッジ1者が6ポイント、2者が2ポイント差でフニ、そこそこ善戦はしたのでしょう。
フニは前戦でファビオ・ウォードリーに倒されましたが、それまでは完全にポイントアウトしていた状態ですから、ここまでフニに肉薄できたことはすごいことだと思います。
なのでこのレリーナは名前こそありませんが実力者であり、オコーリーはかなり苦しむ可能性がありますね。
アンダーカードと配信情報
その他にピックアップされるべきアンダーカードとしては、ダニエル・ラパン(ウクライナ)vsルイス・エドモンドソン(イギリス)。
ライトヘビー級の無敗プロスペクト対決、ということで、戦績はラパンが11勝(4KO)無敗、エドモンドソンが11勝(3KO)、IBFのインターコンチネンタルタイトルがかけられるようですね。
配信はDAZN、PPVで、日本円で3,000円です。
配信開始は日本時間7/20(日)AM3:00で、メインイベントのリングウォークは日本時間で同日のAM7:00〜8:00頃の予定のようです。
↓DAZNはこちら
Amazonのプライムセールは7/11〜、現在先行セールが開催中!
【宣伝】
日本で手に入りにくいボクシング用品のセレクトショップやってます。
ぜひ覗いてみてください。