ハムザ・シーラズが素晴らしいパフォーマンスでエドガー・ベルランガをノックアウトし、シャクール・スティーブンソンがしっかりと打ち合いを挟んだ完璧なボクシングでウィリアム・セペダを完封。
デビッド・モレルはイマム・ハタエフに大苦戦、ですがPED疑惑のハタエフに黒星をつけられなかったのはファンの溜飲を下げたと言えるでしょう。
RINGⅢの興行は、トゥルキ・アラルシクの思惑通り、ファンが楽しめる素晴らしい興行になったと思います。これは米国で開催された、ということも大きいと思います。リヤドではあのような熱狂は生まれなかったのではないでしょうか。
そんな中、サブリエル・マティアスが王座復帰。
7/13(日)現在はリングマガジンランキングで6位となっていますが、このブログがアップされる頃には変わっているでしょう。おそらく、マティアスは2位となり、それぞれ一つずつ順位を下げる、というのが妥当でしょう。
ということで今回のブログは、スーパーライト級の世界戦線について。

チャンピオン、テオフィモ・ロペスはウェルター級戦線へ
テオフィモ・ロペスというボクサーはモテモテです。スーパーライト級のリングマガジン王者であり、WBOの世界王者。
ライト級ではワシル・ロマチェンコを破って統一王者となったロペスですが、スーパーライト級ではサンドール・マーティンやジャーメイン・オルティスといったまだ世界王者になっていないコンテンダーたちには大苦戦、元統一王者のジョシュ・テイラーや「ロペス危うし」と謳われたアーノルド・バルボサJr.に対しては好パフォーマンスを見せています。
ロペスはウェルター級進出を計画し、ジャロン・エニスやデビン・ヘイニーをターゲットにしましたが、結局これらのビッグマッチは決まらず。
理由はロペスがわがまますぎるとのことで、とりわけヘイニーとの試合については、トゥルキが莫大なファイトマネーを提示、契約直前までいったようですが結局はサインせず。ロペスのお守りを任されているボブ・アラムですら辟易とするほど、だそうです。
スーパーライト級に上がってからのロペスは、ノックアウトできるようなパンチを打てておらず、類まれなカウンターセンスでなんとか試合を乗り切っている、という状態。その言動やパフォーマンスは派手ですが、待ちのボクシングだけに、劇的なノックアウト勝利を収められなければ見放されてしまうのではないかと思います。
それがウェルター級ともなれば、もっと顕著になるはずです。
できればこの階級でもっと強敵との試合を見たい、と思いますが、彼のキャリアは如何に。
ヒッチンズ、マティアス、アントワン
他の王者たちで評価が高いのはリチャードソン・ヒッチンズ。IBF世界スーパーライト級王者は、前戦でジョージ・カンボソスJr.を見事なパフォーマンスで撃破。
個人的にはグスタボ・レモスにあわや負けそうになった姿がこびりついているので、どこかでボロが出るのではないかと思っています。特に、かまわずグイグイと攻めてくるボクサー、スキルをものともしないハートとパワーのある選手は手に余るのではないか、と思っています。
そのボクサーで思い当たるのは、やっぱりサブリエル・マティアスです。
アルベルト・プエジョに勝利し、WBC王座を獲得、見事王座返り咲きを果たしたサブリエル・マティアス。手打ちにしか見えない強烈なパンチを持つマティアスは、技巧とフィジカルを併せ持つプエジョに殊勲の勝利、次戦は指名挑戦者であるダルトン・スミスとの戦いとなりそうです。
マティアスの問題点としては、その強打が当たらなければ、もしくは耐えられてしまえばポイントをピックアップできない、というところだと思いますが、終始攻め続けることでポイントを割り振ってくれたことで今回は勝利。とはいえ、やっぱり足をつかってエスケープするボクサーとは相性が良くはない。
なので仮にヒッチンズvsマティアスが実現したならば、どちらも得意であり不得手である、非常に難しい戦いになりそうですね。
そしてWBA王者のゲイリー・アントワン・ラッセル。
怪物級か、と思われたボクサーは、当時17勝(全KO)無敗というパーフェクトレコードを引っ提げてアルベルト・プエジョに挑戦するも、判定負け。その後何パワーかわかりませんが復帰戦でホセ・バレンズエラを撃破、WBA王座を初戴冠しています。
プエジョ戦では経験が足りなかっただけ。真価を発揮するのはこれから、と思っているのですが、初防衛戦の相手はおそらく平岡アンディ。ここはその怪物性を見せる前に、日本にタイトルを置いていってもらいたい、と思ってしまいますね。
元王者とコンテンダーたち
個人的にはリアム・パロには期待しており、サブリエル・マティアスへの勝利はフロックではないはずです。
非常に勤勉なオーストラリア人ボクサーは応援したくなるし、もしならジョージ・カンボソスJr.との同胞対決でもやって盛り上げて、名をあげて再度世界に挑戦してほしいと思っています。
他のコンテンダーではジャック・カテラルやアーノルド・バルボサJr.がいますが、この2人はウェルター級転級の噂もありますね。
まだ日の目をみないサンドール・マーティンは技術があり、おそらく誰もやりたがらないボクサーで、リングマガジンランキングの9位のダルトン・スミスと10位のアンディ・ヒラオカは世界挑戦が内定、大一番を迎えます。
ランク外の注目は、イギリスのアダム・アジム。13勝(10KO)無敗の23歳のプロスペクトは、IBOの世界王者です。
ここ1年でオハラ・デイビス、セルゲイ・リピネッツといった強豪を撃破、一気に名前を上げています。すでに3つの団体で10位前後に入っており、世界挑戦もまもなくというところではありますが、まだ若いのでもう少しキャリアを積んでも良いでしょう。
年齢的にもランキング的にも頃合い、といえばリンドルフォ・デルガドで、こちらはトップランクのコンテンダー。前戦ではエルビス・ロドリゲスとのプロスペクト対決を制していますが、薄氷の勝利であり、ここ最近はあまり圧倒的なパフォーマンスを見せられていませんね。
倒しっぷりだとかパフォーマンスで考えればエルネスト・メルカドは非常に楽しみな選手で、17勝(16KO)無敗。前戦ではホセ・ペドラサに4RTKO勝利、これは嬉しくもあり悲しくもあり、という感じではありましたが、メルカドもそろそろいろいろと試されるタイミングに来ているでしょう。
他に個人的に注目なのはオスカー・ドゥアルテで、かつてライアン・ガルシアのアンダードッグとしてその名を世間に売ったボクサーは、昨年から今年にかけてバティルザン・アフメドフ、ミゲル・マドゥエノを撃破。こうやって這い上がっていく姿を見るのは非常に楽しいことで、また彼はおそれを知らない激闘型なので試合も面白い。
それから期待しているのはモブラディン「アーサー」ビヤルスラノフ、ロシア生まれのカナダ人で19勝(16KO)無敗という戦績。リオ五輪のオリンピアンで、アルツール・ベテルビエフのお友達のクマです。
私の大好きなEye of the Tiger Promotionの興行によく出ていますが、マネージャーはジョージの父ちゃん、ジム・カンボソス。ロシア出身でカナダのトロントに住み、オーストラリア人にマネジメントされるというよくわからない状態だからこそやっぱり応援したいですね。
↓EOTTPに出場したときの観戦記
新たな戦いを見たい
ということで、テオフィモ・ロペスの試合の行方なんぞよりも、プロスペクトたちやコンテンダーたちの行く末が気になるスーパーライト級。
若きプロスペクトたちもわんさかいて、ちょうど30歳〜30歳手前くらいのコンテンダーたちが良いパフォーマンスを発揮しています。
ここで例えばテオフィモ・ロペスのような大人気ボクサー、個人的には好きではないけれどもおそらく客を呼べる、ファンから求められている(?)カテラルなんかの試合でタイトル戦線が硬直するよりも、若く威勢の良いコンテンダーたちがたくさんいるのだからそこをどんどん消化していってもらいたいですね。
ともあれ10月という噂のゲイリー・アントワン・ラッセルvs平岡アンディ。ここ最近は中量級の壁を感じさせられまくっているところですが、この試合は期待しましょう。
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