日本時間7/20(日)のボクシングDayに向けてのプレビュー記事。
これまでウシクvsデュボア、バムvsカフについて書いてきましたが、あとはバリオスvsパッキャオです。
PBCの手掛けるアマプラ放映興行、この興行ももちろんPPVです。
そのラインナップはこの日のどの興行よりも注目、唯一、メインイベントが馬鹿げている、という不思議な状態ですね。
ということで今回のブログは、日本時間7/20に行われるPBCのPPVファイトのプレビュー。

7/19(日本時間7/20)アメリカ・ラスベガス
WBC世界ウェルター級タイトルマッチ
マリオ・バリオス(アメリカ)29勝(18KO)2敗1分
vs
マニー・パッキャオ(フィリピン)62勝(39KO)8敗2分
46歳という年齢で、リング復帰が4年ぶり、というとなんだか短いように感じるから不思議なものです。ヨルデニス・ウガス戦は2021年8月なので、4年弱のレイオフ期間を経ての現役復帰、となります。
もはやここまで来たならば、復帰して一戦もせずに世界タイトルがどうこうとかいうつもりもありませんが、せめてちゃんと動ける体でリングに上ってほしいものです。
この世に奇跡というものがある、というのは、マニー・パッキャオが何度も体現してくれたことですが、その奇跡はやはりなにか積み重ねられたものの中でしかありません。もしここで奇跡が起こるのならば、パッキャオは本気で「できる」と信じ、それ相応の努力をしてきた、ということなのでしょう。
あまりにもひどい場合は途中で見るのをやめようと思います。
セバスチャン・フンドラ(アメリカ)22勝(14KO)1敗1分
vs
ティム・チュー(オーストラリア)25勝(18KO)2敗
さて、この日の本当のメインイベントは間違いなくこの試合です。
両者は2024年に戦い、大流血戦となってフンドラが勝利、2団体王座を統一したという経歴があります。
偉大なコンスタンチン・チューを父に持つティムは、キャリアの序盤から世界王者となることを嘱望されてきたボクサーで、長く待たされはしたけれどもその念願は叶い、2023年に世界王座を獲得しています。
最初のタイトルはWBOの暫定タイトルで、その後正規王者に昇格しています。
そんなチューよりも若干早く、2022年に世界王者になったのがセバスチャン・フンドラで、彼もWBCの暫定タイトルを獲得することで世界王者となっています。しかしその後、2度目の暫定王座防衛戦でブライアン・メンドサに不覚を取って7RKO負けを喫し王座陥落。
フンドラを倒したメンドサは、このWBC暫定王座を破棄してチューの持つWBO王座に挑むも敗北、しかしそのチューを一度は破ったのがこのフンドラですね。
このチューvsフンドラはまさに筆舌に尽くしがたい、という試合。
↓観戦記
本来はティム・チューをスターにするための試合であったわけですが、様々なアクシデントがからんでフンドラが勝利。この試合以降のフンドラは、よくジャブを使い、しっかりとリーチを活かして戦う戦い方にシフトしており、それまでの戦い方とは一線を画すものです。
そしてこの戦い方が胴に入ってきたフンドラだから、チューがフンドラに勝利できる確率というのはこの頃よりも確実に下がっている、ということを言えると思います。
初戦のあとの両者のキャリアを比べると、チューはフンドラ戦から半年後、IBFのバフラム・ムルタザリエフに挑戦。当然、ここはチューが勝利してその後フンドラとの再戦にこぎつける、というはずの戦いだったわけですが、チューは2戦連続、ファンや業界の期待を裏切ってしまいます。
フンドラ戦での敗北とは比べ物にならないほどの「惨敗」、3RTKO負け。
フンドラ戦での怪我の治りが遅く、トレーニングに支障をきたしていたのか、それともムルタザリエフを過小評価していたのか、もしくはムルタザリエフが我々の想像を遥かに上回る強さを持っているのか。
ムルタザリエフもまだまだ謎が多いボクサーなので、それはわかりません。
事実として、チューはこれで2連敗、かなりキツい時期になったはずです。
そして本年4月、ジョセフ「ジョーイ」スペンサーに勝利し、連敗をストップしたチューは、ここでいよいよフンドラ戦に臨みます。
フンドラはチュー戦から約1年のブランクを経てコーデル・ブッカーとの防衛戦に臨み、4RTKOで初防衛に成功しています。
フンドラにしろ、ムルタザリエフにしろ、いずれにしてもこれらのボクサー単体で興行を行う、というのはPBCにとってもう難しいのかもしれませんね。
さて、話が逸れましたが、この試合の展開がどうなるのか、は非常に興味深いところです。
あの試合、もしアクシデントがなかったならば、と考えると、1〜2Rに右をうまくコネクトしたチューが最後まで優勢だったのではないか、と思ってしまいます。
出血に焦ったチューが攻め込み、フンドラのパンチを浴びてしまったところから歯車が狂い、おそらく視界もかなり難しい局面になったのではないでしょうか。
まあ、フンドラはフンドラで鼻骨骨折によりディスアドバンテージを背負っていたので、そうとも言い切れないのかもしれませんが、序盤を見た感じではチューの方がボクシングスキルで上回っていたように見えました。
私はあの時、アクシデントがなかったならば、チューが勝利していたのではないか、という考えを持っており、それは今でも変わりません。
しかし、この2025年の再戦でどうなるのか、はまた別の話。
フンドラはあれからおそらくそのジャブ、距離を作っての戦い方に磨きをかけ、そして間違いなく自信を持って戦っています。対してチューは、やはり連敗を喫したこと、ムルタザリエフ戦で倒されてしまったこと、このことから何処か歯車が狂ったままの可能性があります。
二人がどのようなボクシングをするのか非常に楽しみですが、好ファイトになりそうです。
ところで、この試合を実現するためにフンドラはWBO王座を返上しています。
理由はWBOから指名試合のオーダーがきたからですが、その指令を蹴ってまでチュー戦を優先しています。
これはファイトマネーのこともあるのかもしれませんが、フンドラ的にもやはりあの試合で決着がついた、とは思っていないのかもしれません。
こうして空位になったWBO王座はザンダー・ザヤス(プエルトリコ)vsホルヘ・ガルシア(メキシコ)の間で王座決定戦が行われます。こちらもWOWOWでライブ配信予定ですね。
イサック・クルス(メキシコ)27勝(18KO)3敗1分
vs
アンヘル・フィエロ(メキシコ)23勝(18KO)3敗2分
この試合の再戦が組まれたことは、初戦の判定が大きく議論を呼んだということではありません。もちろん、大激闘でなかなか難しい試合ではありましたが、ジャッジの3者は「ピットブル」クルスを支持しており、「フィエロが判定を盗まれた!」なんていうファンはほとんどいないはずです。
それでもこの試合の再戦が組まれた理由は、そのエンターテイメント性にあるのでしょう。
メキシカン同士の「ノンタイトル戦」ながらも、(もはや一般的になってしまった)WBCのアステカベルトがかけられたこのファイトは、期待に違わぬフルアクションファイトとなりました。
イスラエル「マグニフィコ」バスケスの追悼試合として行われたこの試合はまさにバスケス氏への追悼試合としてふさわしい内容だった、と語れば、おそらくこの試合を見ていない人たちにも伝わるはずです。
初戦が終わった後、すぐにリマッチを希望したというアンヘル・フィエロ。
全弾フルスイングを良しとするマチズモあふれるメキシカンの全力ファイト、見ていて怖い部分はありますがハズレはないでしょう。
当然、Aサイドはイサック「ピットブル」クルスです。
この試合に勝てば、流石にトリロジーはなく、ピットブルはスーパーライト級の世界戦線へ再度殴り込みをかけられるはずです。
また個性的なボクサーがスーパーライト級のトップ戦線に返ってくる、と考えると、それは非常に楽しみなことですね。
配信情報
PPVファイトとしては上記の3試合です。
オープニングファイトがクルスvsフィエロ、そしてフンドラvsチュー。で、最後にバリオスvsパッキャオですね。
この興行は北米ではAmazon Prime VideoのPPVで放映されますが、日本ではWOWOWが配信。配信開始は日本時間7/20(日)午前9:00、少なくとも上記3試合は放映されると思います。
非PPVファイトのアンダーカードにも注目試合が盛り沢山、この非PPVファイトに関しては日本のAmazon Prime Videoでも見られるかもしれませんね。
↓WOWOWはこちら
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